転職活動を進める中で「在職証明書は必要なの?」と疑問に思う保育士さんも多いのではないでしょうか。

在職証明書は、転職先や資格取得時に求められることのある重要な書類の1つです。

この記事では在職証明書が必要とされる理由や具体的な取得方法を分かりやすく解説します。

保育士の転職に在職証明書は必要?

在職証明書が必要かどうかは、転職先の保育園などによって異なります。

ここでは、在職証明書が必要な場合と不要な場合について、それぞれ詳しく解説します。

在職証明書が必要な場合

とくに認可保育園では、証明書の提出が求められるケースが多くあるでしょう。

以下に具体的な例を挙げて解説します。

⑴認可保育園での勤務を希望する場合 

認可保育園では、処遇改善加算や運営費補助を受けるために、保育士の実務経験を証明する必要があります。

このため、在職証明書が求められることが想定されます。

在籍期間や役職、仕事内容が詳細に記載された書類が必要となる場合もあります。

⑵キャリアアップの際に経験を証明する場合 

放課後児童支援員や保育士以外の資格取得の際に、実務経験が条件とされる場合があります。

この場合も在職証明書が必要となり、転職先や資格取得団体に提出を求められることがあります。

⑶転職先に証明を求められた場合

特定の保育園や法人が、採用時に在職証明書を条件としている場合があります。

とくに、実務経験を重視する施設では、正式な書類として証明書を提出する必要があります。

在職証明書が不要な場合

一方で、転職先や求人内容によっては、在職証明書の提出が不要な場合もあります。

⑴認可外保育施設へ転職する場合

認可外保育施設では、在職証明書を必須としない場合もあります。

認可保育園では、経験年数に応じて運営費に加算が入る制度がある半面、

認可外保育施設ではその制度が適用されず、経験年数の証明が必ずしも必要では無いケースがあります。

⑵未経験や経験不問の求人の場合

保育士資格があることが重要とされる求人では、在職証明書が不要な場合もあります。

とくに、実務経験を問わず人柄などで採用される施設では、履歴書や職務経歴書で職歴を確認できれば十分とされるケースが多いです。

その場合は、保育士資格を持っていることを証明する『保育士証』のコピーや原本の提出が求められる場合もあります。

在職証明書とはどんなものがある?

在職証明書とはどんなものがある?

在職証明書は、保育士としての勤務実績を証明するための書類ですが、在職証明書にはいくつかの種類があります。

用途に応じて内容が異なる場合もあるため、提出先の要件や目的に合わせて適切な書類を準備することが大切です。

下記では、おもな在職証明書の種類と、それぞれの特徴について詳しく解説します。

在職証明書

在職証明書は、現在の勤務状況を証明する書類です。

おもに以下の内容が記載されます。

  • 在職期間(開始日から現在まで)
  • 職務内容(役職・保育業務・管理業務など)
  • 勤務形態(正社員・契約社員・パートなど)

在職証明書は転職活動中に現在の雇用状況を示す場合や、処遇改善加算の対象となる施設で働く際に必要とされます。

退職証明書

退職証明書は、過去に勤務していた保育園や施設を退職したことを証明する書類です。

おもに以下の内容が含まれます。

  • 勤務期間(入職日から退職日まで)
  • 退職理由(希望する場合のみ記載)
  • 職務内容(保育や教育に関わる業務の詳細)

退職証明書は、過去の実務経験を証明するために必要となる場合があります。

放課後児童支援員やキャリアアップ資格取得の際に利用されることがあります。

雇用証明書

雇用証明書は、勤務している保育園や施設での雇用条件を証明する書類です。以下の情報が含まれることが一般的です。

  • 雇用契約内容(契約期間・給与条件・勤務時間など)
  • 雇用形態(正社員・パート・契約社員など)

雇用証明書は、処遇改善加算や補助金申請の際に求められることが多い書類です。

また、自治体への保育料減免申請や、認可保育園での勤務条件を証明する際にも使用されることがあります。

就業証明書

就業証明書は、現在の勤務状況を証明する書類で、おもに自治体が発行する保育料の減免申請や保育所利用のために使用されます。

就業証明書に記載されるおもな内容

  • 勤務先情報:施設名・所在地・連絡先
  • 勤務内容:職務内容の簡単な説明(例:保育業務全般)
  • 勤務形態:正社員・契約社員・パート
  • 勤務時間:1週間または1ヶ月あたりの労働時間
  • 雇用契約期間:開始日と終了日(必要に応じて記載)

就業証明書は、勤務先の事務担当者や管理者に依頼して発行してもらいます。

提出先で指定のフォーマットがある場合は、それを勤務先に渡して記載してもらう必要があります。

在職証明書の入手方法

保育士の在職証明書は、転職や資格取得の際に必要となる重要な書類です。

スムーズに手続きを進めるために、以下のポイントを押さえておきましょう!

提出先の要件を確認する

在職証明書を提出する際、提出先によっては特定の記入フォーマットや記載項目、提出期限が指定されている場合があります。

事前に以下の3つを確認しておくと手続きがスムーズです。

  • 提出期限:いつまでに書類が必要なのか
  • フォーマット:指定の用紙があるか、自由形式でよいか
  • 必要事項:在籍期間や職務内容など、具体的な記載内容

上記の確認を怠ってしまうと、証明書の再発行を依頼する手間が増える可能性があります。

前職の施設に依頼する

前職の施設に在職証明書を依頼する際は、まず事務担当者や採用担当者に連絡しましょう。

直接の訪問が難しい場合、電話やメールで依頼することも可能です。

以下に具体例を挙げます。

電話の場合

電話で依頼する際は、下記のように伝えましょう。

  1. 自分の名前、在籍していた期間を伝える
  2. 在職証明書を必要としている旨と提出先を簡潔に説明する
  3. 記載内容の指定やフォーマットがある場合は、その旨を伝える

(例)

「以前、貴園に勤務しておりました、〇〇と申します。在職証明書が必要となり、発行をお願いしたいのですが、対応いただけますでしょうか?必要なフォーマットがございましたらお送りしますのでご確認をお願いいたします。」

メールの場合

メールで依頼する際は、下記を参考にしてください。


【件名】 在職証明書発行のお願い(〇〇〔名前〕)

【本文】

〇〇法人(株式会社〇〇)〇〇保育園  

事務担当者様  

お世話になっております。  

以前、貴園で勤務しておりました〇〇(氏名)と申します。

在職証明書が必要となりましたため、発行のご依頼をさせていただきます。  

以下が必要な内容です。

– 在籍期間:○○年○月~○○年○月  

– 主な職務内容:保育業務全般  

もし指定のフォーマットが必要な場合や記載方法について確認が必要な場合は、お知らせいただけますと幸いです。  

ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。  

氏名:〇〇  

電話番号:○○○-○○○-○○○  


直接訪問する場合

前職の施設に在職証明書を依頼する際、より迅速に対応してもらいたい場合は直接訪問する方法も有効です。

直接顔を合わせて依頼することで、相手に真摯な姿勢を伝えやすく書類発行の手続きをスムーズに進められる可能性があります。

ただし、園によっては忙しい時間もあるので、いきなり訪問をするのではなく電話でアポイントをとってから行きましょう。


【訪問前に確認しておくべきこと】

①訪問のアポイントをとる(連絡がつく場合)

⇒事前に電話やメールで訪問の許可をとりましょう。その際、目的を簡潔に伝えると当日の対応がスムーズです。

②必要な書類を準備する

  • 身分証明書(運転免許証など)
  • 指定のフォーマットがある場合はその書類
  • 提出先や提出期限を記載したメモ

③訪問時間を考慮する

忙しい時間帯や保育業務が集中する時間を避けて、相手の負担にならない時間帯をえらびましょう。

当日園に到着した際に、まず電話をかけるべきか、インターフォンを押してよいかを事前に確認しておくと安心です。


【訪問時の依頼方法(電話やメールで連絡が取れない場合)】

電話やメールで連絡が取れない場合は、直接訪問するのも1つです。

その場合は下記のポイントを踏まえて訪問しましょう。

①受付で用件を伝える

園に到着したら「在職証明書の発行の件でお伺いしました」と簡潔に説明します。事務担当者や管理者に取り次いでもらえるようお願いしましょう。

②依頼の目的を丁寧に説明する

在職証明書が必要な理由や提出先、提出期限を伝えて、誠実に依頼することが大切です。言える範囲で問題は無いので丁寧な会話を心がけましょう。

③感謝の気持ちを伝える

依頼が完了した際は、手間を取ってもらったことに対する感謝を直接伝えましょう。

訪問後、発行に時間がかかる場合は、受け取り時期や方法を確認するようにして、後日、書類を受け取った際には、その内容に不備がないか忘れず確認しましょう。


在職証明書は、自分の保育士としての経験を証明する大切な書類です。

書類発行までに時間がかかる場合もあるため、事前準備をしっかりおこない、転職時に必要な場合は、余裕をもって依頼するようにしましょう!

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保育士転職の在職証明書まとめ

保育士の転職において、在職証明書は必要となる場合があります。

認可保育園や処遇改善加算の申請が必要な施設では、とくに求められることが多いため、余裕をもって準備を進めることが大切です。

一方で、求人内容や施設によっては不要な場合もあります。そのため、応募先に早めに確認することで、手続きの負担を軽減できます。

初めての転職は不安もあるかもしれませんが、在職証明書の取得や手続き方法をしっかり理解し、転職エージェントの力も借りながら進めることで、スムーズな転職活動が可能です。

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