「転職を繰り返していると、採用に不利になるのでは・・・」と不安に感じている保育士さんはいませんか?
保育士の仕事は体力的にも精神的にも負担が大きく、転職を経験する人は少なくありません。
しかし、転職回数が多いからといって、それだけでネガティブに評価されるとは限りません。
この記事では、転職回数が多い場合に採用担当者がどのように感じるのかを解説しながら、転職活動を前向きに進めるためのポイントや成功のコツをご紹介します。
今後のキャリアに自信を持ちたい方は、ぜひ参考にしてください。
保育士の転職回数事情
保育士として働く中で「今の職場が合わない」「もっと自分に合った保育がしたい」といった理由から転職を考える方は少なくありません。
とくに、20代~30代の若手保育士は、複数回の転職経験を持つ方も。
ここでは、「なぜ保育士の転職回数が多くなりやすいのか」その背景と、実際の離職率のデータをもとに詳しく見ていきましょう。
なぜ保育士は転職回数が多くなりがちなのか
保育士は、子どもの命を預かるという責任にくわえ、保護者対応や職員間の人間関係など、精神的・身体的な負担が大きい仕事です。
そのため「この保育園では思うような保育ができない」と感じて転職を選ぶ例も少なくありません。
実際、厚生労働省による調査では、離職理由の上位に「職場の人間関係」「給料が少ない」「仕事量が多い」「労働時間が長い」などが挙げられており、保育現場におけるさまざまなストレス要因が明確に示されています。
厚生労働省の調査でも高い離職率が明らかに
厚生労働省の調査によると、保育士全体の離職率は「9.3%」で全産業平均の「15.0%」と比較すると、数値上はやや低い水準となっています。
ただし、保育士の総数は全国でおよそ59万人にのぼるため、仮に離職率が9.3%であっても、年間で約5.5万人が現場を離れている計算になります。
また、経験年数2年未満の保育士は全体の「15.2%」、2~4年未満の保育士は「13.3%」とされています。これらを含め、経験年数6年未満の保育士が全体の約49.4%を占めており、現場で働く保育士のおよそ半数が比較的キャリアの浅い層であることが分かります。
参考:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」
転職回数が多いと不利になる場合
転職回数が多いからといって必ずしもマイナス評価になるわけではありませんが、伝え方によっては採用担当者に不安を与えてしまうこともあります。
ここでは、どのような場合に転職回数の多さが不利に働きやすいのかを具体的に見ていきましょう。
短期間での退職が続いている場合
1年未満の退職を何度も繰り返していると、採用担当者から「またすぐに辞めてしまうのでは」と懸念されがちです。
とくに保育業界では、子どもとの信頼関係や職員間のチームワークを築くうえで“継続的に働く姿勢”が重要視されます。
一貫性のない転職理由が多い場合
転職理由が毎回バラバラであると「自分の軸を持っていないのでは?」と受け取られるリスクがあります。
たとえば、「職場の雰囲気が合わなかった」「もっと待遇がいい職場を探したい」など理由が曖昧だったり、前職の否定が多かったりすると、面接での印象が悪くなりやすいです。
スキルや実績が見えにくい場合
転職を繰り返していると、1つの職場でじっくり経験を積む経験が少なくなり、スキルや強みが伝わりにくくなることも。
また、自己PRで「〇〇園でのリーダー経験」や「新人指導の実績」など具体的な実績を語れない場合、採用側は判断材料に欠けてしまいます。
転職を成功させるポイント

転職回数が多くても、これまでの経験をどう伝え、どう活かすかが重要です。
ここでは、転職を成功に導くために押さえておきたいポイントをご紹介します。
働き方の希望を明確にする
「どんな環境で長く働きたいのか」をあらかじめ明確にしておくことは、採用側にとって安心材料になります。
たとえば、「少人数制の園で子どもとじっくり関わりたい」「風通しの良い職場で協力し合える環境を求めている」など、希望する働き方を具体的に伝えることで、ミスマッチを防ぎ、定着への意欲をアピールすることができます。
転職理由を前向きに伝える
転職回数が多い場合でも、退職理由を前向きかつ具体的に説明できれば印象は大きく変わります。
たとえば、「より自分らしい保育を実現したかった」「スキルアップのために環境を変えたかった」など、目的意識を持っていることをアピールしましょう!
ネガティブな理由は控え、あくまで前向きな動機に言い換える工夫が大切です。
これまでの経験をどう活かすかをアピールする
転職回数が多い場合でも、その過程で得たスキルや学びは大きな強みになります。
たとえば「複数の施設で働いたことで柔軟な対応力が身についた」など、経験の具体例を通じてどのように活かせるかをしっかりアピールしましょう!


転職回数を減らすために
何度も転職を繰り返さないためには、職場選びの段階で「自分に合った環境」を見極めることが大切です。ここでは、転職の失敗を防ぐために意識したいポイントをご紹介します。
自分に合った職場を見極める力をつける
転職を繰り返さないためには、まず「自分にとってどんな職場が合っているのか」を知ることが大切です。
人間関係を重視する人もいれば、勤務時間の柔軟さや保育方針との相性を重視する人もいます。
過去の職場で「働きやすい」と感じた点や、「続けにくかった」と感じた理由を洗い出すことで、自分に合う環境の傾向が見えてきます。
自己分析が進むと、求人情報を見る際にも「これは自分に合いそう」「これは合わないかも」と判断しやすくなり、ミスマッチを防げます。
転職理由を振り返って次に活かす
これまでの転職経験をただ「失敗」と捉えるのではなく、「なぜ辞めたのか」「次にどんな職場を選びたいのか」を考えることで、転職活動が前向きなものになります。
たとえば、「職員同士の連携がとれず孤立してしまった」「残業が多すぎて体力的に厳しかった」など、自分にとっての“合わなかった点”を言語化することが大切です。
それによって、つぎの職場では何を重視するべきか、どんな環境を避けたいかが明確になります。
自分の価値観に合った職場を見つけるためには、過去の経験を活かした“軸”を持つことが重要です。
職場の情報を事前にしっかりリサーチする
求人票の内容だけでは、その職場の実際の雰囲気や人間関係までは分かりません。
可能であれば園見学や説明会に参加し、職員の表情や子どもとの接し方、施設の清潔感などもチェックすることをおすすめします。
さらに、面接時に「職員の年齢層」「残業の有無」「シフトの組み方」など具体的な質問をしてみるのも良い方法です。事前のリサーチが、転職後のギャップを減らすカギになります。
長く働ける環境かどうかを軸に選ぶ
給与や勤務時間などの条件面はもちろん大切ですが、それ以上に「長く働き続けられる環境かどうか」を意識することが、転職回数を減らすうえでの大きなポイントです。
たとえば、職員の離職率が高い園や、慢性的に人手が足りていない園では、業務負担が大きくなりがちです。
園の定着率や、ベテラン職員の有無、研修制度の充実度なども、長く安心して働けるかどうかの判断材料になります。
また、将来的にライフスタイルが変化しても働き続けられるよう、育休や時短制度などの“柔軟な働き方ができるかどうか”も、職場選びの大切な視点です。
保育士の転職回数まとめ
保育士は、職場環境や人間関係の影響を受けやすい職種のため、転職回数が多くなりがちです。
しかし、大切なのは「なぜ辞めたのか」「どんな保育をしたいのか」を明確にし、それを次の職場選びに活かすことです。
転職の背景をしっかり説明できれば、回数だけでは不利になることはありません。
自分に合った職場を見つけるためには、情報収集や自己分析を丁寧におこない、納得のいく選択を重ねていくことが大切です。
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転職に不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください!