男性保育士として働く中で「このまま続けて大丈夫だろうか」と将来に不安を感じる時はあるのではないでしょうか。
体力的な負担や給与面での悩み、結婚や子育ての両立など、ライフステージが変わるにつれて考えることも増えていきます。
この記事では、男性保育士が抱きやすい将来の不安を整理しながら、安心してキャリアを築くための“セカンドキャリア”の選択肢と、転職を成功させるためのポイントをわかりやすくご紹介します。
男性保育士がセカンドキャリアを考える理由
保育の現場で経験を重ねる中で、「この先のキャリアをどう描くか」を考え始める男性保育士もいるのではないでしょうか。
体力面の不安や収入面の課題だけでなく、結婚・出産といったライフイベントをきっかけに働き方を見直す人も増えています。
また、責任のある立場を任されるようになる一方で、管理職や異業種へのキャリアチェンジなど「次のステップ」を模索する人も多いのが実情です。
男性保育士の悩み5選と解決策
保育の仕事にやりがいを感じながらも、将来に不安を抱く男性保育士は少なくありません。
体力や収入、家庭との両立など年齢やライフステージの変化とともに悩みが増えていくのが現実です。
ここでは、男性保育士によく見られる5つの悩みをご紹介します。
体力面の限界を感じる時
保育士の仕事は、日々の保育活動や外遊び行事の準備など体を使う場面が多く、体力を消耗します。
若いころは気にならなかった疲労も、年齢を重ねるにつれて回復しにくくなり「このペースでいつまで続けられるだろう」と不安を感じる男性保育士も少なくありません。
収入・昇給が見込みにくいと感じる時
厚生労働省の『賃金構造基本統計調査(令和5年)』によると、男性保育士の平均年収は他職種と比べやや差があります。ただし、国や自治体による借り上げ社宅制度などを含めた処遇改善加算などの取り組みにより、近年は給与や手取りが少しずつ上がってきています。
それでも他業種と比べると昇給幅が小さい園も多く「家庭を支えるには厳しい」「将来に備えて安定した収入を得たい」と感じて、セカンドキャリアを意識する男性保育士が増えています。
- キャリアアップ制度とスキル向上
現在は「処遇改善等加算」の仕組みにより、職務分野別リーダーや副主任といったキャリアアップ研修を受けることで、月額数千円~数万円単位の手当が加算される仕組みが整っています。 また、専門性を活かして「保育×〇〇(スポーツ、リトミック、ITなど)」のスキルを磨いたり、副業可能な園の場合は収入源を複数持ったりするなど、保育士資格をベースにした収入アップの道は広がっています。
参考:政府統計の総合窓口e-Stat:『令和5年賃金構造基本統計調査』
家庭との両立が難しい時
運動会や発表会などの行事準備、年度末の書類業務など、保育士は勤務時間外の仕事も多く、家族との時間を確保するのが難しいことがあります。
「家庭との時間をもっと大切にしたい」「子どもが成長する姿を見逃したくない」と考え、より柔軟な働き方を求める人も少なくありません。
- ICT化が進む園や、制度の整った園を選ぶ
近年、ICTシステムの導入で書類業務を効率化し、残業ゼロを目指す園が増えています。また、男性の育休取得を推進している法人も増加傾向にあります。「保育士=激務」と決めつけず、ワークライフバランスを重視する園へ転職したり、園内で業務改善を提案したりすることで、家族との時間を守りながら働くことは十分に可能です。
キャリアアップの道が少ない時
保育士のキャリアアップは、主任・副主任・園長などの限られた役職に集中しており、園によってはスキルや経験を活かせる新たなステージが見えにくい場合があります。
保育士として長く働く中で「この先、何を目指せばいいのか分からない」「成長の実感が得られない」と悩むこともあります。
一方で、運営やマネジメント、研修講師、福祉分野などへキャリアを広げる選択肢も少しずつ増えており、セカンドキャリアを考える大きなきっかけになっています。
- 園内だけでなく「地域」や「異分野」へ視野を広げる
園長を目指す道以外にも、その専門性を活かせる場所はあります。例えば、療育関係のお仕事である放課後等デイサービスで働いたり、自治体の子育て支援事業に関わったり、大手の場合は本社勤務と、道は多様です。 自分の得意分野を掛け合わせることで、あなただけの独自のキャリアパスを描くことができます。
同性の相談相手が少なく心細い
多くの園では、女性保育士の割合が多く、男性は数人というケースが一般的です。そのため、仕事の悩みや将来の不安を共有できる相手が少なく、心細さや話しにくさを覚えることがあるかもしれません。
また「男性だから力仕事を頼まれる」、「子どものトラブル対応で慎重に行動しなければならない」など、性別ゆえのプレッシャーを感じることも。
こうした職場環境が続く中で、「自分らしく働ける場所を探したい」と考える男性保育士が増えています。
- 信頼の積み重ねと、環境を変える選択
園内では性別にとらわれず「一人の保育のプロ」として誠実に仕事に向き合い、信頼を積み重ねることが第一歩です。 それでも環境が合わない場合は、すでに男性保育士が複数活躍している園へ転職するのも有効な選択肢です。「男性がいるのが当たり前」の職場を選ぶだけで、悩みは大きく解消されます。もちろん、園外のコミュニティで同性の仲間を見つけることも心の支えになるでしょう。
男性保育士セカンドキャリアの具体的な選択肢6選

保育士としての経験を活かせる道は、保育園以外にもたくさんあります。
「体力的に続けられるか不安」「もっと安定した環境で働きたい」、そんな思いから、新しいキャリアを選ぶ男性保育士も増えています。
ここでは、現場経験を活かしながら長く活躍できるセカンドキャリアの具体的な選択肢6つをご紹介します。
児童発達支援・放課後等デイサービス職員
発達に特性のある子どもたちの支援をおこなう仕事も選択肢の1つ。
日常生活のサポートや社会性の発達を促すプログラムなどを通して、1人ひとりの成長に寄り添います。
保育士として培った観察力・対応力・コミュニケーション力をそのまま活かせるため、やりがいを感じやすい分野です。
また、施設によっては残業が少なく、勤務時間が安定しているため、長く働ける職場環境を求める男性保育士にも人気があります。
企業内保育・病院内保育への転職
企業や医療機関が設置する保育施設では、少人数制のところが多く、子ども1人ひとりと丁寧に関われるのが魅力です。
一般的な保育園に比べて、行事や書類業務が少ない傾向にあり、体力的な負担も軽め。
勤務時間も比較的安定しており、土日休みや夜勤なしの職場も多いため、家庭との両立を重視する男性保育士に選ばれています。
保育園運営・本部職へのキャリアアップ
現場で培った経験を活かして、園の運営や採用、人材育成、研修企画などを担う道もあります。
マネジメントや経営に関わることで視野が広がり、保育現場を支えるやりがいを感じられる仕事です。
現場経験を評価する法人が増えているため、キャリアアップを目指したい男性保育士にとって有望な選択肢です。
公務員(児童福祉職・保育行政職)への転身
安定した職を求める男性保育士には、自治体が募集する児童福祉職や保育行政職という道もあります。
子育て支援や保育施設の運営指導、児童相談所での支援業務など、地域の福祉を支える重要な仕事です。
公務員としての安定した給与・福利厚生にくわえ、地域に貢献できる使命感をもって働ける点も魅力といえます。
福祉・教育・カウンセリング分野への転職
保育士として培った「人の気持ちに寄り添う力」は、福祉や教育分野でも活かせます。
介護職、児童福祉施設、スクールカウンセラー、キャリアカウンセラーなど、人の成長や生活を支える仕事へと道を広げる男性保育士も増えています。
資格を取得しながらステップアップできる場合も多く、一生ものの専門性を磨きたい人におすすめです。
異業種(営業・事務・接客業など)へのチャレンジ
保育現場で培った対人スキルや調整力、気配りの姿勢は、異業種でも高く評価されます。
営業職や事務職、接客業など、未経験からでもスタートできる業界は多く、社会人としての新しい経験を積むチャンスです。
「いったん子どもと関わる仕事から離れたい」、「今までとは全く違う業種にチャレンジしたい」と考える男性保育士にとって、自分の可能性を広げる転機になるでしょう!
あなたに合う次の仕事の見つけ方
セカンドキャリアを考えるとき、まず大切なのは「自分に合った働き方」を見つけることです。
焦って転職先を決めるのではなく、これまでの経験や得意なこと、そしてこれからの生活スタイルをじっくり見つめ直すことが成功の第一歩!
ここでは、男性保育士が自分に合った次の仕事を見つけるために、実践したい4つのステップをご紹介します。
まずは“これからの自分”をイメージする
セカンドキャリアを考えるうえで大切なのは「どんな働き方をしたいのか」を明確にすることです。
たとえば、収入を重視したいのか、プライベートの時間を確保したいのか、社会貢献を感じたいのか…自分の価値観を整理することから始めましょう!
目指すライフスタイルを思い描くことで、自然と選ぶべき職場や働き方の方向性が見えてきます。
これまでの経験・強みを棚卸しする
保育士として積み重ねてきた経験は、他の職場でも高く評価されます。
たとえば、子どもや保護者との信頼関係を築くコミュニケーション力、行事・チーム運営で発揮した調整力や責任感は、業界を問わず重宝されるスキルです。
自分が得意だった業務や周囲に評価されたポイントをリストアップすると「どんな仕事に向いているか」が具体的に見えてきます。
気になる職場をリサーチしてみる
保育士からの転職と聞くと選択肢が限られているように感じるかもしれませんが、実は活躍の場は広がっています。
保育といっても働く環境は豊富にありますし、児童福祉・教育分野に限らず、福祉企業の人事やマネージャーなど、人と関わる仕事でスキルを発揮する人もいます。
求人サイトだけでなく、実際に働く人の口コミやSNS情報をチェックすることで、リアルな働き方のイメージをつかむことができます。
1人で悩まず専門のキャリア支援を活用する
「転職したいけど、何から始めればいいか分からない」という人は、専門の転職エージェントに相談してみましょう!
保育士人材バンクでは保育業界に特化したキャリアアドバイザーが、あなたの経験や希望条件を丁寧にヒアリングし、最適な求人をご提案いたします。
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1人で悩むよりも、プロと一緒に進めることで、自分に合ったキャリアが見つかりやすくなります。
男性保育士のセカンドキャリアまとめ
男性保育士がセカンドキャリアを考える背景には、体力面や収入面の不安、家庭との両立など、さまざまな理由があるでしょう。
一方で、これまでに培ってきた経験やスキルは、多くの職場で高く評価されています。
子どもや保護者との関わりの中で身についたコミュニケーション力・柔軟性・責任感は、どんな職場でも通用する強みです。
「もう保育士を辞めようかな」と思っている方も、少し視野を広げてみてください。
保育園といっても、公立・私立・小規模・企業内など、働き方や環境はさまざまです。
さらに、児童発達支援や福祉施設など、保育士資格や経験を活かせる職場もたくさんあります。環境を変えるだけで、もう一度保育の仕事を好きになれるケースも少なくありません。
転職やキャリアチェンジを考えるときは、1人で抱え込まず、ぜひ保育士人材バンクにご相談ください!
保育業界に精通したキャリアアドバイザーが、あなたに合う最適な働き方をご提案します。「保育士を辞める」だけでなく、「続ける」「活かす」という選択肢も一緒に探していきましょう!
体力勝負の時期はずっと続くわけではありません。経験を積むことで、若手への支援や保護者対応、行事の企画・進行など「体よりも頭や経験を使う業務」の比重が増えていきますね。 また、整体やジムでのメンテナンスを保育士のプロとして日常に取り入れることや、一人で抱え込まずチーム保育で負担を分散させるスキルを磨くことが、長く現役を続ける鍵となります。