東京で保育士として働く場合、「年収はどのくらいになるのか」気になる方も多いのではないでしょうか?
期待と同時に、生活面への不安を感じる方も少なくないはずです。
この記事では、公的なデータをもとに東京の年収目安を整理しながら、無理なく手取りを増やすための考え方や選択肢を分かりやすくご紹介します。
保育士が東京で働いた場合の年収は?
保育士は、働く地域によって年収に差があり、東京で働く場合は全国平均より高くなる傾向があります。
厚生労働省の職業情報サイトによると、東京都で働く民間保育士の平均年収は422.3万円とされており、全国平均406.8万円を上回る水準です。
月給に換算すると、約23.1~27.4万円程度が目安となります。
私立保育園と公立保育園の年収の違い
ここでは、私立保育園(民間)と公立保育園に分けて見ていきましょう。
▼東京で働く保育士の年収目安(私立・公立)
| 区分 | 年収の目安 | 月給換算の目安 | 補足 |
| 私立保育園(民間) | 約422.3万円 | 約23.1~27.4万円 | 東京都平均 |
| 公立保育園※経験1~3年目相当 | 約304~323万円 | 約25.3~26.9万円 | 全国集計の参考値 |
| 公立保育園※経験3~7年目相当 | 約341~367万円 | 約28.4~30.6万円 | 全国集計の参考値 |
| 東京都地方公務員※全体平均 | 約400万円 | 約32.6万円 | 保育士限定ではない |
※公立保育園の年収は、総務省「地方公務員給与実態調査」による全国集計の経験年数別データを参考にしています。
まず、私立保育園(民間)で働く場合、処遇改善手当や法人独自の手当が反映されやすく、20代のうちは比較的早い段階から年収が高く感じやすい傾向があります。
一方で、公立保育園の場合は、自治体の給料表に沿って昇給していく仕組みとなっており、年収は「年齢」よりも勤続年数や経験年数の影響を受けやすいのが特徴です。
全国集計の参考値ではありますが、20代に多いゾーンに近いところで見ると、下記がひとつの目安になります。
- 経験1年未満~3年未満で約304~323万円(月額約25.3~26.9万円)
- 経験3年以上~7年未満で約341~367万円(月額約28.4~30.6万円)
さらに、総務省の地方公務員給与実態調査によると、東京都の地方公務員全体の平均基本給月額は約32.6万円とされています。
これを年換算すると、基本給ベースで約390万円前後です。
公務員には期末・勤勉手当(賞与)が支給されるため、長く勤めた場合、賞与込みの年収は400万円台前半~半ばがひとつの目安になります。
とくに東京都23区では、地域手当が上乗せされる自治体も多く、20%前後の地域手当が支給されているケースも確認されています。
このように、「東京の公立は一律でいくら」と言い切ることはできませんが、自治体の給料表や手当のルールが明確な分、将来的な収入のイメージを描きやすい点が魅力です。
【参考】
e-Stat:地方公務員給与の実態調査
厚生労働省job tag:保育士
総務省:地方公務員給与実態調査結果の状況
東京都:令和6年特別区職員の給与等に関する報告及び勧告について
練馬区:区職員の給与の状況などをお知らせします
全国的に見ると東京の年収は高い

前述したとおり、保育士の年収は全国平均と比べて、東京のほうが高い水準にあります。おもな理由は次のとおりです。
- 家賃や物価が高いため、給与水準が高めに設定されやすい
- 共働き世帯が多く、保育ニーズが集中している
- 保育士を確保する必要性が高く、待遇改善が進められてきた
- 人材確保を目的とした制度や手当が充実している
東京では、借り上げ社宅制度や処遇改善手当などを活用できるケースが多く、年収の数字以上に、実質的な手取りや生活の安定を感じやすい環境が整っているのも魅力です。
保育士が活用できる制度を一つ一つ詳しく解説
保育士の収入や働きやすさは、月給や年収の数字だけで決まるものではありません。
国や自治体が用意している制度を正しく知り、活用できるかどうかで、実質的な手取りや生活の安定度には大きな差が生まれます。
ここでは、保育士が実際に使える代表的な制度を、1つずつ分かりやすく解説します。
借り上げ社宅制度(家賃補助)
借り上げ社宅制度は、保育士の住居費負担を軽減するために作られた制度です。自治体や園が賃貸物件を借り上げ、保育士がそこに住むことで、家賃の大部分を補助してもらえる仕組みになっています。
とくに都市部では、家賃が高いため、この制度を使えるかどうかで月に数万円単位の差が出ることも珍しくありません。
月給が同じでも、家賃の負担を抑えられることで、実際に手元に残るお金が増えやすいのが大きな魅力です。
処遇改善手当(区分1・区分2・区分3)
処遇改善手当は、保育士の給与水準を引き上げるために国が設けている制度で、現在は3つの区分に分かれています。
- 処遇改善加算区分1:経験年数に応じて給料アップ(月額2~12%加算)
- 処遇改善加算区分2:処遇改善の賃上げ(月額9,000円支給、月額6~7%加算)
- 処遇改善加算区分3:新たな役職に就き給料アップ(月額5,000~40,000円)
再就職支援事業・就職準備金制度
結婚や出産、ブランクなどで一度現場を離れた保育士向けに、再就職を支援する制度も用意されています。
自治体によっては、就職準備金の支給、再就職時の研修支援などがおこなわれており、復職時の経済的・心理的な負担を軽減する役割があります。
自治体独自の支援制度(東京・都市部中心)
国の制度とは別に、自治体独自の支援をおこなっている地域もあります。
とくに都市部では、家賃補助や手当の上乗せ、引っ越し費用の補助、定着支援金など、人材確保を目的とした独自制度が用意されていることもあります。
【参考】
東京都福祉局:魅力ある保育
年収や手取りを上げる方法はあるの?

年収や手取りを上げる方法は、必ずしも「転職して職種を変える」ことだけではありません。
保育士の資格や経験を活かしながら、働く場所や環境を見直すことで、条件が良くなるケースもあります。
【年収・手取りアップにつながりやすい転職例】
- 借り上げ社宅制度が使える認可保育園
→家賃補助があることで、月給が同じでも実質的な手取りが増えやすい
- 処遇改善手当が手厚い私立保育園
→国の処遇改善手当や法人独自の手当が給与に反映されやすく、年収アップにつながる
- 公立保育園
→勤続年数に応じた昇給が見込め、長期的に安定した収入を目指しやすい
- 児童養護施設・障がい児支援施設などの福祉施設
→夜勤手当がある場合などで条件が良くなる場合がある
年収が上がる就職先の見つけ方
年収が上がりやすい就職先を見つけるには、「どこで働くか」だけでなく、条件の見方を知ることが重要です。
- 月給だけでなく、処遇改善手当や役職手当が含まれているか確認する
- 昇給や評価の仕組みが明確かを見る
- 借り上げ社宅制度や研修支援など、使える制度があるかを基準に探す
- ひとつの業態に絞らず、選択肢を広げて比較する
- 一人で決めきれない場合は、第三者の視点で条件を整理する
東京の年収まとめ
東京で働く保育士の年収は、全国平均より高めに出やすい一方で、家賃や生活費も高いエリアです。そのため、年収の数字だけでなく、私立・公立の違いや制度を活用した実質的な手取りまでを含めて考えることが大切になります。
借り上げ社宅や処遇改善手当などを上手に使えるかどうかで、同じ年収でも生活の余裕は大きく変わります。自分に合った職場を選ぶことで、無理なく収入面を改善することも可能です。
保育士人材バンクでは、東京の年収相場や制度の違いを踏まえ、一人ひとりに合った選択肢を整理するサポートをおこなっています。転職を決める前の情報収集としても、気軽に相談してみてください!