「認可外保育園って、実際どうなんだろう?」給料や働き方に不安を感じつつも、求人を見て気になっている方も多いのではないでしょうか?
認可外保育園と言っても、運営形態や種類によって働き方や待遇には大きな違いがあります。
そのため、イメージだけで判断してしまうのは少しもったいないかもしれません。
この記事では、認可外保育園の基本から認可保育園との違い、給料の実態、働くメリット・デメリットまで、保育士目線で分かりやすく解説します。
自分に合った働き方を考えるヒントとして、ぜひ読み進めてください。
認可外保育園とは?認可保育園との違いを比較
認可外保育園と認可保育園は、名前は似ていますが、制度の位置づけや運営の仕組みには明確な違いがあります。
ここでは、定義や設置基準、補助金・保育料の考え方といった観点から、両者の違いを分かりやすく整理していきます。
認可外保育園と認可保育園の基本的な違い
認可外保育園とは、国や自治体の認可基準とは異なる方針や基準で運営されており、認可を受けていない保育園を指します。
一方、認可保育園は、施設の広さや職員配置など、国が定める基準をすべて満たしたうえで、自治体からの認可を受けて運営している保育園です。
この違いは、保育内容の良し悪しというよりも、制度上の位置付けや運営ルールの違いと捉えるのが適切です。
実際、認可外保育園の中でも、少人数保育や柔軟な開園時間などを強みとする園は多く存在します。
設置基準の違い(広さ・園庭・設備)
認可保育園には、厚生労働省が定める設置基準があります。
たとえば、保育室の広さは、0~1歳児で1人あたり約1.65㎡以上、2歳以上で約1.98㎡以上と決まっています。職員配置も0歳児は3人に1人、1・2歳児は6人に1人、3歳児は20人に1人など、年齢ごとにルールが定められています。
園庭は必須ではありませんが、代替となる屋外遊戯場の確保が条件です。
一方、認可外保育園は、認可保育園とは異なる基準のもとで運営されています。施設の広さや設備、園庭の有無は園ごとに異なり、園独自の方針で運営されているケースもあります。
ただし、認可外だからといって無基準というわけではなく、認可外保育園の中でも安全面や衛生面は国の指導監督基準に基づいて運営されている園もあり、一定の基準は満たしつつ園ごとに柔軟な運営ができる点が魅力です。
補助金と保育料の仕組みの違い
認可保育園は、自治体からの運営費補助を受けており、保育料は世帯収入や年齢に応じて、自治体が定める基準に基づいて決定されます。そのため、保護者の自己負担額は月数千円~数万円程度に抑えられるケースが多いのが特徴です。
一方、認可外保育園は、自治体からの補助が限定的、または受けられない場合もあり、保育料は園が独自に設定しています。月額で見ると、数万円~10万円前後になるケースもあります。
ただし、その分、早朝・夜間保育や長時間預かり保育など、柔軟なサービスを提供している園も多いため、家庭の事情によっては利便性を重視して選ばれることもあります。
≪参考≫
厚生労働省:「4.認可基準の具体的な各項目について」
文部科学省:「認可外保育施設の定義」
厚生労働省:「認可外保育施設の質の確保・向上について」
実はこんなにある!「認可外保育園」の種類

「認可外保育園」と聞くと、ひとつの形をイメージしがちですが、実際には運営主体や目的によって、いくつかのタイプに分かれています。
ここでは、保育士の求人でよく見られる代表的な3つの種類をご紹介します。
企業主導型保育園
企業主導型保育園は、国(内閣府)の助成制度を活用して設置された保育施設です。
企業が従業員のために設置するケースが多いものの、地域の子どもを受け入れている園も少なくありません。
認可外保育園の中では、設置基準や運営体制が比較的整っているのが特徴で、小規模・少人数保育をおこなう園が多く見られます。
「認可外だけど、環境や制度面も重視したい」という方におすすめです。
自治体の認定園(東京都認証保育所など)
認定園とは、自治体が独自に定めた基準を満たして運営されている保育施設のことです。代表的な例として、東京都認証保育所があります。
東京都認証保育所は、国の認可基準とは別に東京都が定めた基準に基づいて認定されており、駅近立地や長時間保育など、都市部の保育ニーズに対する目的で制度化されています。
このほかにも、横浜保育室(横浜市)、川崎認定保育園(川崎市)などがあります。
これらはいずれも、認可保育園と認可外保育園の中間的な位置づけとされることが多く、自治体から一定の補助を受けながら運営されているケースもあります。
各自治体の認定基準を満たして保育をしており、運営基盤の安定性が整っている傾向があるでしょう。
特化型園(英語・モンテッソーリ・院内保育)
特化型園は、特定の保育方針や目的を重視した認可外保育園です。
たとえば、以下のような特色をもった園を指します。
- 英語を日常的に取り入れている保育園
- モンテッソーリ教育を取り入れた保育園
- 病院や施設内に設置される院内保育園
- 夜間保育を取り入れている保育園
保育内容や対象が明確な分、保育士の向き・不向きが分かれやすいのが特徴です。専門性を活かしたい方や、特定の保育スタイルに魅力を感じる方に選ばれています。
園によっては、企業主導型×特化型など、複数の特徴をあわせ持つケースもあります。
保育士が認可外保育園で働くメリット・デメリット
認可外保育園で働くメリット・デメリットは次のとおりです。
【メリット】
- 保育方針や働き方の自由度が高い園が多い
- 少人数保育で1人ひとりの子どもと関わりやすい
- 行事や書類が比較的少なく、保育に集中しやすい
- 企業主導型や認定園では、勤務時間が安定している園もある
- 園の裁量が大きく、新しい取り組みを導入しやすい
【デメリット】
- 園ごとの差が大きく、働きやすさは園による
- 認可保育園に比べて、給与・賞与・退職金が整っていない園もある
- 制度やルールが園ごとに異なり、事前確認が欠かせない
気になる「安全性」や「給料」の実態。安心して働くためのチェックポイント
認可外保育園で働く際に気になるのが、「安全性や給料面は問題ないのか」という点ではないでしょうか?
これらは園によって差が出やすく、事前の確認が欠かせないポイントです。
安全性については、認可外保育園であっても、国が定める「認可外保育園施設指導監督基準」に基づき、安全管理や衛生管理がおこなわれています。
給料についても、認可外だからといって必ず低いとは限りません。国によっては認可保育園と同程度もしくはそれ以上というケースもあります。
一方で、国の処遇改善手当はおもに認可保育園を対象とした制度で、一般的な認可外保育園では支給されないことがほとんどです。
ただし、企業主導型保育園などでは、処遇改善に相当する独自の手当や福利厚生を設けている場合もあります。
安全基準と監査体制。「認可外」という誤解
「認可外だと事故などの管理体制が心配・・・」という声もありますが、繰り返しになりますが、認可外保育園は必ずしも管理が甘いわけではありません。
多くの認可外保育園は、自治体による指導監督(監査)の対象となっており、安全管理や衛生管理、職員体制などについて、児童福祉法に基づく定期的な確認がおこなわれています。認可外だからといって、チェックが入らないわけではないのです。
とくに確認したいのが「認可外保育施設指導監督基準」を満たしているかどうかです。この基準では、安全対策や非常時対応、衛生管理などについて一定の水準が求められています。
基準を満たしていると判断された園には、「指導監督基準を満たす旨の証明書」が交付されることがあり、園内掲示や自治体のホームページで確認できる場合もあります。
認可外保育園を選ぶ際は、「認可かどうか」だけで判断せず、指導監督の有無や証明書、安全対策の体制を確認することが大切です。
≪参考≫
こども家庭庁:「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書の交付について 」
認可外保育園に向いている人・いない人

認可外保育園に向いている人・向いていない人は次のとおりです。
【向いている人】
- 園の方針や雰囲気を重視して働きたい人
- 少人数保育で1人ひとりの子どもと丁寧に関わりたい人
- 行事や書類に追われず、保育そのものに集中したい人
- 英語教育やモンテッソーリ教育など、特定の分野に興味がある人
- 柔軟なシフトや働き方を求めている人
【向いていない人】
- 業務分担が明確でないと不安な人
- 行政や自治体のサポートが多い職場で働きたい人
どちらが良い・悪いということではなく、自分がどんな環境で力を発揮できるかを基準に考えることが大切です。迷ったときは、「自分が大切にしたい働き方」を改めて考えてみましょう!
まとめ
「認可外」という言葉だけで不安を感じ、最初から選択肢から外してしまう方も少なくありません。
しかし実際には、認可外保育園の中でも、働きやすさややりがいを感じられる魅力的な園は数多くあります。
大切なのは、「認可か認可外か」という区分だけで判断することではありません。
「運営母体がしっかりしているか」「安全管理や労働環境が整っているか」、そして何より「あなた自身の希望する働き方や保育観に合っているか」という点です。
園の種類や特徴、給料や待遇、安全体制などを正しく知ったうえで比較することで、これまで見えていなかった選択肢が広がることもあります。
自分にとって無理なく、前向きに働ける環境を見つけるために、認可外保育園も含めて、柔軟に検討してみてはいかがでしょうか?