「企業内保育所の給料条件や仕事内容によっては転職・就職を検討したい」という保育士さんも多いのではないでしょうか?
企業内保育所とは、主に企業内に設置された保育施設のことを指します。
近年、保育園不足解消のため、新たな園の形態として増えてきており、保育士の新しい働き先として注目を集めています。
この記事では、企業内保育所について知りたい保育士さん向けに、企業内保育所の仕事内容や特徴、魅力、働くメリット・デメリットについて簡単にわかりやすくご紹介します。
目次
- 1 企業内保育所とは?
- 2 企業内保育所はパートなら保育士資格がなくても働ける?
- 3 企業内保育所の平均年収やボーナス、月給、手取り、家賃補助は?
- 4 企業内保育所で保育士として働くメリット5つ
- 5 企業内保育所で保育士として働くデメリット3つ
- 6 企業内保育所の仕事内容
- 7 7.企業内保育所の保育士に向いている人・向いていない人
- 8 企業内保育所の将来性や福利厚生は?
- 9 「保育園」と「企業内保育所」の違い4つ
- 10 企業内保育所への転職の際に注意しておきたいポイント
- 11 転職・就職前に確認しておきたい【企業内保育所の種類】3つ
- 12 企業内保育所の運営の仕方
- 13 大手企業における企業内保育所の導入事例
- 14 企業内保育所の求人の探し方
- 15 企業内保育所【転職】の仕方
- 16 企業内保育所に応募する場合の履歴書・職務経歴書の書き方
- 17 企業内保育所の面接の仕方
- 18 企業内保育所のまとめ
企業内保育所とは?
企業内保育所とは、「主に企業によって設置された従業員のための保育・託児施設」のことを指します。
院内保育のように企業内に設置される場合もありますし、オフィスの近くに設置される場合もあります。
利用できる対象児は主に従業員の子どもですが、形態によって地域の子どもの受け入れ枠を確保していたり、他社企業と合同で運営・利用していたりするケースもあります。
現在、女性の社会進出や待機児童対策のための国の取り組みによって、こうした企業内保育所の設置を支援する制度が設けられ、それによって企業内保育所の数は急増してきています。
そのため、保育士の新たな働き先としても今、注目を集めているのです。
企業内保育所はパートなら保育士資格がなくても働ける?
企業内保育所で「正社員」として働くためには、ほとんどの求人では保育士資格が必須となります。
ただし、主に認可外の企業内保育所(企業主導型保育所)において、保育補助のパート職員であれば、無資格でも働ける場合があります。
保育士資格なく働く場合には、地方自治体や児童育成協会が行う「子育て支援員研修」を修了することで保育を実施できるようになります。
なお、多くの企業内保育所の求人では保育士資格に加え、保育園等での実務経験を必須としているケースも少なくないため、新卒者などは条件に注意して探すようにしましょう。
参照元:内閣府「1. 企業主導型保育事業の制度の概要と企業のメリット」
企業内保育所の平均年収やボーナス、月給、手取り、家賃補助は?
次に、企業内保育所の「給料条件」をご紹介します。
ポイントとしては、雇用元が大企業であるほど給料条件もよくなります。以下に給料等の目安をご紹介しますので、参考にしてください。
中小企業の給料目安 | 大企業の給料目安 | |
平均年収 | 300~320万円 | 392万円~620万円 |
平均月収 | 20万円~26万円程度 | 24万円~38万円 |
ボーナス額 | 約69万円 | 69万円~200万円 |
参照元:e-Stat_政府統計の総合窓口:令和4年賃金構造基本統計調査
企業内保育所で働く場合の平均年収は?
企業内保育所の平均年収は、小規模(社員1,000人以下)の中小企業であれば「300~320万円」程度となります。
これは、保育士全体の給料水準よりも若干低めになります。
一方、大規模(社員1,000人以上)の企業に設置される企業内保育所で働く場合には、平均年収は「392万円~最大620万円」ほどにもなるといわれています。
ちなみに、保育士全体の平均年収は約381万円、日本の平均年収は443万円となっています。
参照元:e-Stat_政府統計の総合窓口:令和4年賃金構造基本統計調査
保育士の平均年収について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【2023年最新】保育士の給料や平均手取り、相場はいくら?今後は賃金が上がる?>>
企業内保育所で働く場合の月給は?
一般的な求人情報からみると、企業内保育所の月給は求人ベースでみると「20万円~26万円」程度が相場です。
大企業であれば、「月給28万円~35万円」前後というところも少なくありません。
なお、令和4年賃金構造基本統計調査のデータからみてみると、中小企業では、企業規模100~999人のの保育士における給料の分布体としては、「月給24万円~26万円」という総が最も多く、次いで「22万円~24万円」という層が多くなっています。
一方、企業規模1,000人以上の企業では、 給与額「24万円~26万円」の層が最も多く、次いで「28万円~30万円」の層が多くなっています※。
注※ 企業内保育所のみのデータではなく、保育園の種別はすべて統合されたデータです
参照元:e-Stat_政府統計の総合窓口:令和4年賃金構造基本統計調査
企業内保育所で働く場合の手取りは?
手取り額とは、手当などを含むすべての支給金額から、健康保険料や税金などを引いた金額をいいます。
一般的に手取りは総支給額の75~85%ほどになるといわれているため、仮に月給25万円とすると、約8割の20万円が手取り額となります。
企業内保育所で働く場合のボーナスは?
ボーナス額は給料の2~3か月分程度としている企業が一般的であり、保育士全体のボーナス額は「年間69万円」ほどが平均となります。
大企業の場合は、企業によりバラつきが大きく保育士の平均並のところもあります。
ただし、給料水準が高めの企業では、「月給30万円×3か月分(2回)」と計算して年間200万円近いボーナス額が期待できるケースもあるでしょう。
参照元:e-Stat_政府統計の総合窓口:令和4年賃金構造基本統計調査
企業内保育所で働く場合の家賃補助は?
「家賃補助(住宅手当や宿舎借り上げなど)を設定しているかどうか?」は、企業によります。
家賃補助にはいろいろ種類がありますが、金額によっては無視できない制度です。
就職・転職の際は、どのような家賃補助があるかをしっかり確認し、補助の大きい企業を選ぶと、より手元に残る額を大きくすることができるでしょう。
保育士の家賃補助については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
【2023年最新】保育士の家賃補助制度(住宅手当)の種類や条件は?いつからいつまでもらえる??>>
企業内保育所で働く場合の時給は?
企業内保育所で保育士や保育補助として働く場合の時給は、求人ベースで「1,000円~1,200円」が平均となります。
保育士や幼稚園教諭、その両方など、保有資格によって時給額がアップするケースもあります。
企業内保育所で保育士として働くメリット5つ
次に、企業内保育所で保育士として働く場合のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
まずは、メリットについて。
企業内保育所のメリットとしては、以下の5つがあげられます。
それぞれ、以下に詳しくご紹介します。
企業内保育所で働くメリット①【業務負担が少ない】
企業内保育所は小規模であることが多く、運動会や発表会といった大きなイベントが少ない傾向があります。
そのため、保育士としては業務負担が少なく、働きやすい環境といえるでしょう。
通常の保育園では、イベントごとに用意すべき事柄がかなり多く、残業や持ち帰りで作業をするケースも少なくありません。
また、日々の制作物等の準備においても、大人数だとそれだけで大変です。
少人数制でイベントの少ない企業内保育所であれば、そうした業務負担が発生しにくいため、就業時間内で勤務を終えやすくなります。
企業内保育所で働くメリット②【大企業では給料も安定しやすい】
大企業の企業内保育所で勤める場合、「給料・待遇面」においてメリットが大きいといえます。
企業内保育所では基本的に企業が雇用主となるため、保育士の給料も企業が設定しています。
また、運営元が企業主体の場合は企業内保育所の保育士も企業の社員として扱われるため、「福利厚生」なども他の社員と同様に受けることができます。
そのため、経営成績のいい大企業であれば、それだけ待遇も期待できるでしょう。
一般の保育園は自治体からの助成金の範囲内で保育士の給料が決まるため高給は期待できませんが、企業内保育所の場合は企業により通常の保育園よりよい待遇を受けられる場合があるのです。
企業内保育所で働くメリット③【少人数でアットホームな保育ができる】
「アットホームな保育ができる」ことは、少人数の企業内保育所ならではのメリットです。
人数の多い一般の保育園は、安全への配慮のためどうしても全体を見渡した関わりが多く、1人の子どもとじっくり向き合うことが難しい現状があります。
しかし、利用者が少人数であればあるほど、その子とじっくり関わる家庭的な保育ができるといえるでしょう。
親代わりとなり、子どもとじっくり向き合いたいという保育士にとっては、理想的な環境といえます。
企業内保育所で働くメリット④【個人の能力を発揮しやすい】
企業内保育所では、「保育士個人の能力を発揮しやすい」ことも、メリットといえます。
一般の保育園は基本的に1年の流れが決められており、「この月はこいのぼりの制作をし、この月は運動会の準備」といったように、やるべきことがほとんど決められています。
保育士は日々の業務に追われ、新たな遊びや活動の提案はしにくい現状があるといえます。
一方、大きなイベントも少なく園としての歴史が浅い企業内保育所では、保育士個人の発想が取り入れられやすいといえるでしょう。
「子どもと一緒にこんな活動をしてみたい」というビジョンがある方は、企業内保育所に勤めることで自分のやりたい活動を実現しやすくなる可能性があります。
企業内保育所で働くメリット⑤【保護者と連絡を取りやすい】
「保護者と連絡を取りやすい環境にある」ことも、企業内保育所のメリットの一つです。
例えば、急なケガや病気によって保護者に連絡を取らなければならない状況でも、同じオフィス内であればすぐに連絡を取ることができます。
また、関わる保護者の人数も少ないため、一人ひとりと密なコミュニケーションを取りやすくなる点も、メリットといえるでしょう。
企業内保育所で保育士として働くデメリット3つ
企業内保育所はメリットも多いですが、もちろんデメリットも存在します。
企業内保育所の保育士を目指す場合には、デメリットまでしっかり理解しておきましょう。
企業内保育所で保育士として働くデメリットとしては、以下3つがあげられます。
それぞれ、以下にご紹介します。
企業内保育所で働くデメリット①【保育環境に制限がある】
保育環境に制限があることは、企業内保育所の大きなデメリットです。
企業内保育所は基本的にオフィス内に設置されるケースが多いため、スペースに限りがあります。
そのため、伸び伸びと走り回れる園庭や自然環境が近くにないケースも少なくありません。
限られた環境で保育を行わなければならないため、活動内容がマンネリ化したり、子どもたちが飽きてしまったりといった状況も考えられます。
自然のなかで伸び伸びと子どもたちを保育したいという理想がある方には、企業内保育所は合わない可能性があります。
企業内保育所で働くデメリット②【大人数をまとめる能力は身につけにくい】
企業内保育所において少人数での保育をする場合、保育士として大人数をまとめる能力は身につきにくいといえます。
大人数の園には人数に応じた関わり方があり、大人数をまとめるための技術が必要となります。大人数の保育園を経験することで、結果的に小人数にも大人数にも対応できる技量を身につけることができるようになるといえます。
大人数をまとめる力を身につけておけば、将来、主任保育士や保育園の園長などの役職を目指すこともできるでしょう。
一方、はじめから少人数保育を選択した場合、大人数の保育園への転職・キャリアアップは難しくなる可能性があります。
企業内保育所で働くデメリット③【企業成績や利用状況によって閉鎖や給料低下の可能性もある】
企業内保育所のデメリットとして、企業内保育所の運営が企業成績や利用状況に影響される点には注意が必要です。
企業内保育所は基本的に従業員のための託児施設であり、もしも利用者がいなくなった場合には、休園や閉鎖も考えられます。
地域の子どもを受け入れていない企業内保育所は特に、企業規模や利用人数がどれくらいなのかを事前にチェックしておいたほうがいいでしょう。
また、国からの補助を受けていない企業内保育所では、企業成績の悪化による閉鎖も考えられます。
求人を探す際は、運営元や企業内保育所の種類をよく把握したうえで、閉鎖のリスクの少ない企業を選ぶ必要があるでしょう。
企業内保育所の仕事内容
次に、企業内保育所の仕事内容と1日のスケジュールについてご紹介します。
企業内保育所で働く保育士の主な仕事内容
企業内保育所で保育士として働く場合、基本的には1日を通して子どもの保育をしていくため、通常の保育園と大きく業務内容が変わるわけではありません。
主な業務は子どもの生活のサポートと遊びや活動を通した関わりであり、季節ごとの制作などを行ないながら日々の保育を行なっていきます。
保育施設の壁面制作や室内の飾りづくりも保育士の業務であり、子どもがいない時間には季節ごとの制作物なども作っていく必要があるでしょう。
保護者へ向けたお便りづくりや日誌作成、個別の保育記録作成などの事務作業も保育士の仕事です。
その他、企業の開所時間や形態によって、病児保育や夜間保育(入浴や寝かしつけ)などを行なうケースもあります。
また、ブログやインスタグラムの更新も、業務内容に含まれる場合があります。
企業内保育所の1日のスケジュール例
次に、企業内保育所の1日のスケジュール例をご紹介します。
基本的に企業内保育所は、従業員の出勤時間に合わせて開園します。
企業ごとの開所時間のなかで、保育士は通常の保育園と同様、原則8時間のシフト制で働くケースが多くなります。
以下は、ある企業内保育所の保育スケジュールの一例です。
このような保育を行うなかで、保育士はシフト制で勤務し、子どもが少ない時間帯やお昼寝の時間、子どもを担当しない時間などを利用して、制作物の準備や事務作業を進めていくことになります。
7.企業内保育所の保育士に向いている人・向いていない人
ここまで企業内保育所のメリット・デメリットや仕事内容などをご紹介してきましたが、自分が企業内保育所に向いているかわからないという人も多いと思います。
特に、これまで保育士としての経験が少ない方であれば、実際の勤務の様子をイメージしにくいかもしれません。
そこで、企業内保育所の保育士に「向いている人」「向いていない人」の特徴をわかりやすく一覧でご紹介します。
これからの進路や就職先を決めるため、ぜひ参考にしてくださいね。
7-1.企業内保育所の保育士に向いている人
企業内保育所の保育士が向いているのは、「体力に自信がない人や、子どもと一対一でしっかり向き合いたい人」です。
「アットホームな雰囲気が好きな人」や「小規模の保育所で働きたい人」にとっては、理想の職場といえるでしょう。
企業によっては休日固定となるケースも多いため、家族や子ども、パートナーに休日を合わせたい人にとってはありがたい環境といえます。
保護者対応が苦手な人も、小規模の企業内保育所であれば対応しやすいといえるでしょう。
ただし、人員が少ない分、自分で計画的に物事を進めていかなければならないケースもあります。
歴史の浅い企業内保育所では保育計画などの業務負担が大きくなる可能性もあるため、その点には注意が必要です。
企業内保育所の保育士に向いていない人
企業内保育所の保育士に向いていないのは、「大きな行事を経験してみたいと考えている人や、アクティブな保育が好きな人」です。
一般的な企業内保育所では大きなイベントもないため、大人数のイベントでの達成感は味わえません。
また、都会のオフィスビルに設置された企業内保育所では、限られたスペースで保育を行なうことになるため、自然に囲まれた保育や外で体を動かすような保育は難しいといえるでしょう。
加えて、一般の保育園の主任保育士や保育園の園長のようなキャリアアップも、小規模の園では難しいケースがあります。
ただし、企業内保育所でも最近は通常の保育園と変わらないような設備・立地で運営されているケースもありますので、そうした園を探してみるのも1つです。
特に、中小企業を対象としフランチャイズ化した企業主導型保育所では、通常の保育園と変わらない運営を行なうようになってきています。
企業内保育所の将来性や福利厚生は?
保育士として長く働いていきたいと考える方は、企業内保育所の将来性が気になるかと思います。
結論としては、企業内保育所の将来性は十分にあるといえます。
理由として、国は待機児童や保育園不足の解消のための施策として企業内保育所への補助金制度を打ち出しており、今後も継続的に国からの支援が期待できるためです。
運営形態により国からの補助を受けていない場合は企業の経営状況などもみる必要がありますが、国の補助を受けて運営している園の場合は今後も安定した運営が期待できるでしょう。
企業内保育所は急増中
現在、国の施策「子ども・子育て支援新制度」により、企業内保育所を対象として2種類の助成制度が実施されており、それにより企業内保育所の数は急増してきています。
以下は、事業所内保育施設の数の変化をグラフにあらわしたものです。
参照元:厚生労働省「(セット版)令和元年度認可外保育施設現況取りまとめ」
参照元:厚生労働省「平成30年度認可外保育施設現況取りまとめ【セット】」
厚生労働省の調査によると、令和2年3月31日時点で、自治体の認可を受けた企業内保育所である「事業所内保育施設」の数は8,210施設となっています。
調査が開始された平成30年度と比べると、4年でなんと6,424施設も増加しています。
国による補助金運営ができることになったことで、企業内保育所を導入する企業が軒並み増加しているのです。
さらに、厚生労働省の取りまとめによると、認可の必要がない「企業主導型保育事業」による保育所の利用者数は令和3年度から令和4年度にかけて101,028人も増加しており、企業主導型保育事業による企業内保育施設の顕著な増加傾向がうかがえます。
参照元:保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)及び「子育て安心プラン」「新子育て安心プラン」集計結果を公表
これらの傾向をみても、企業所内保育所がここ数年でどれだけ増加しているかは明らかです。
求人数も軒並み増加しており、今後も企業内保育所の増加に伴う求人数の増加が予想されます。
企業内保育所の保育士という仕事は、将来性を考えても需要の高い職種となってきているといえるでしょう。
企業内保育所の補助制度2つ
企業内保育所が急増している背景には、待機児童解消等を目的とした国の施策「子ども・子育て支援新制度」が関係しています。
「子ども・子育て支援新制度」は、平成27年(2015年)に設立された、子育てを社会全体で支えようという国の制度です。
そのなかで創設された「地域型保育事業」によって、まず「事業所内保育事業」の費用助成が開始されました。
事業所内保育事業とは、簡単に言うと「自治体の認可を受けた施設(認定保育施設)には費用を助成するよ」というもの。
ただ、事業所内保育所と認定されるためには設備や人員等の設置条件も厳しく、企業にとっては導入しづらい一面もありました。
これを受け、新たに創設されたのが、平成28年(2016年)の「企業主導型保育事業」という内閣府主導の支援事業です。
企業主導型保育事業と事業所内保育事業の大きな違いは、「自治体の認可が必要か(認定保育施設か)」という点です。
企業主導型保育事業では、自治体の認可なしに、一定の設置条件を満たせば内閣府からの助成を受けられます。
つまり、企業主導型保育事業では従来よりも緩い基準で国からの助成を受けられるようになったのです。
現在、内閣府が主導するこれらの事業により、自社内に保育所を設置する企業が増え、女性の就労継続・育児と仕事の両立が可能になってきています。
参照元:子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)
参照元:こども家庭庁『よくわかる「子ども・子育て支援新制度」』
企業内保育所の福利厚生
企業内保育所の福利厚生は、大企業であるほど手厚い傾向にあります。
一方、中小企業になるほど給料条件や福利厚生にかけられる費用は多くなく、保育士の平均以下の待遇となることも少なくありません。
同じ職場で長く務めることを考えるのであれば、「産休・育休制度」や「退職金制度」などが充実した大企業の保育士として働けるのが理想です。
求職の際は給料面だけでなく、福利厚生の条件もよく注意して見ておくべきでしょう。
「保育園」と「企業内保育所」の違い4つ
ここまで企業内保育所で働くメリット・デメリットや給料面の特徴をご紹介してきましたが、そもそも「通常の保育園と企業内保育所はどう違うのか?」気になる方も多いと思います。
そこで、本章では、通常の「保育園」と「企業内保育所」の違いについて解説します。
通常の保育園との違いとしては、主に以下4つがあげられます。
これら4つについて、以下に詳しくご紹介します。
保育園と企業内保育所の違い①【大きなイベントがない場合が多い】
企業内保育所では、運動会などの大きなイベントは実施されないケースが多いです。
一般の保育園で運動会や発表会を開催する場合、開催場所の確保のほか、看板や衣装などの保存場所の確保も必要になります。
企業内保育所ではそうした開催場所やスペースの確保が難しいことが多く、結果として大きなイベントは開催しない判断をする企業が多い現状です。
保育園と企業内保育所の違い②【異年齢保育(混合保育)となることが多い】
企業内保育所では、年齢によるクラス分けをしない異年齢保育(混合保育)となるケースが多くなります。
企業内保育所は基本的に、企業内で働く人の子どもの託児施設として設置されます。
よほどの大企業でない限り、利用者数は限られ、必然的に年齢もバラバラになりやすくなります。
異年齢保育は年代の異なる子どもとの交流により子どもたちの学びの機会が増える一方、保育士の負担は増加しやすい傾向もあります。
安全面の配慮のほか、異年齢でも同時に楽しめるような遊びの提供など、混合保育ならではの苦労もあることを理解しておきましょう。
保育園と企業内保育所の違い③【少人数保育となることが多い】
最近では大企業による100人以上の大型企業内保育所などもでてきましたが、企業内保育所は少人数保育となるケースが一般的です。
事業所内保育所も企業主導型保育所も、子どもの年齢により保育士の配置人数は決められているため、1人当たりがみる人数に大きな違いはありません。
ただ、企業によって企業内保育所の利用人数にはバラつきがあるため、かなり小規模な保育になるケースも少なくありません。
人によっては働きやすい環境ですが、集団での活動・経験は期待しにくいといえるでしょう。
保育園と企業内保育所の違い④【企業の営業時間と合わせた開園となる】
企業内保育所では、基本的に運営する企業の営業時間に合わせた開園となります。
開所時間について、事業所内保育所は「11時間以上」、企業主導型保育所は「11時間または13時間のいずれかの選択」という取り決めはありますが、1日のうちどの時間帯で開所するかは「企業の自由」です。
そのため、工場のような夜勤が多い職場であれば「夜間開所」もあり得ます。
一般の保育園は「7時00分~18時00分」ごろが基本の開園時間となるため、その点において大きな違いがあります。
保育園は出勤に間に合うよう7時開園のところがほとんどですが、企業内保育所では出勤時間と合わせた開園となるケースも多くなります。
参照元:内閣府「企業主導型保育事業について」
参照元:厚生労働省「事業所内保育施設設置・運営等支援助成金 のご案内」
企業内保育所への転職の際に注意しておきたいポイント
企業内保育所へ転職を希望される方は、以下のような点に注意して求人を探すといいでしょう。
- 雇用元を確認する
- 企業規模を確認する
- 手当てや福利厚生もチェックする
企業内保育所への転職では、まず、「雇用元のチェック」が重要です。
なぜなら、給料形態や福利厚生は企業規模と比例する場合が多いためです。
同じ企業内保育所でも、企業独自に運営するものや、外部に委託して運営されるものなどがあり、運営元が異なります。
規模や経営状況も踏まえ、安心できる企業かを事前にチェックしておくといいでしょう。
また、給料の金額だけでなく、以下のような「手当てが付くか?」「産休・育休などの福利厚生はどうなっているか?」についても、しっかりチェックしておきましょう。
<企業内保育所で働く場合の各種手当の確認>
- 住宅手当
- 早朝/遅番手当
- 地域手当
- 世帯主手当
- 役職手当
- 保育手当
その他、「交通費の支給」「賞与(ボーナス)額」「退職金制度の有無」もチェックしておきましょう。
お盆や年末年始に「休暇を取れるかどうか?」も、企業ごとに条件が異なりますので、事前に確認しておくといいでしょう。
なお、勤務体制については、企業内保育所の開所時間内のうち、原則「8時間のシフト制勤務」となることがほとんどです。
転職・就職前に確認しておきたい【企業内保育所の種類】3つ
企業内保育所は、「小人数でゆったり保育ができること」や、「雇用元によって高待遇が期待できる」点が魅力です。
ただし、種類や運営スタイルによっては閉鎖のリスクなどもある点は理解しておくといいでしょう。
よりリスクなく理想の職場で働くため、企業内保育所の種類を知っておくと安心です。
企業内保育所は自治体の認可の有無や補助金の有無によって、主に以下3つの種類に分けられます。
企業内保育所の種類3つ
冒頭でご紹介したとおり、企業内に設置される保育所は主に以下3つの種類に分類されます。
同じ企業内保育所でも、これら3つの形態はそれぞれ設備や環境に違いがあります。
理由として、国や自治体から保育施設として認可や補助を受けるためには、それぞれ異なる設置基準を満たす必要があるためです。
これら3つの種類について特徴や違いを理解しておくことで、応募する企業の企業内保育所の将来性などを把握しやすくなるでしょう。
そこで本章では、企業内保育所の種類と特徴について、それぞれ特徴と違いを解説します。
企業内保育所の種類①【事業所内保育施設(認可・自治体による助成あり)】
- 0~2歳児が利用
- 地域の子どもの受け入れが義務づけられている
- 自治体の助成によって安定した運営が可能
- 保育所型の場合は全員が保育士資格を有する必要あり
保育施設は、自治体の認可を受けているかどうかで「認可保育施設」と「認可外(無認可)保育施設」に分けられますが、事業所内保育施設は、一般的な保育園と同じように、認可保育施設として運営されます。
認可保育施設では認定基準も厳しいかわりに、運営費や設備費に対し自治体からの助成があるため、安定した運営が可能です。
なお、事業所内保育施設は、企業が決めた定員によって、以下のように分類されており、それぞれ認定基準も異なります。
・定員が20人以上なら「保育所型」
・19人以下なら「小規模型」
また、事業所内保育事業の大きな特徴として、利用対象児が「0~満3歳までであること」と、「定員の1/4を地域枠として受け入れる義務があること」があげられます。
事業所内保育事業は「地域の待機児童解消に向けた取り組み」であるため、社員の子どもだけでなく、地域の子どもの受け入れも義務づけられているのです。
さらに、定員20名以上の事業所内保育所の場合、職員全員が保育士資格を有していることが条件として定められています(小規模型の場合は2分の1)。
就職を考えるうえでは、「低年齢児が対象となること」「将来的にも安定した雇用が期待できる」ことなどがポイントとなるでしょう。
参照元:こども家庭庁「子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)」
参照元:こども家庭庁「地域型保育事業の概要」
企業内保育所の種類②【企業主導型保育所(無認可・内閣府による助成あり)】
- 認可施設と同程度の助成を受けられる
- 利用児の対象年齢や地域枠は企業が自由に決められる
- 企業の営業時間に合わせて開園時間
- 休日が決まる
企業主導型保育事業では、認可保育施設ほど設置基準が厳しくないものの、認可施設と同程度の助成を受けられます。
そのため、安定した運営が期待でき、最近ではこちらの形態の企業内保育所が特に増加してきています。
企業主導型保育事業の大きなメリットとして、企業主導型保育所では、働き方に応じて必要な保育を実施できるよう、「対象年齢・開園時間・休日」などの項目を企業が自由に決められるという特徴があります。
そのため、休日や夜間の保育も実施している企業もあり、企業の営業時間ごとに保育士の勤務体制も大きく異なります。
認定保育施設と比べ、自由度の高い保育施設といえるでしょう。
企業にメリットが多い半面、働く側としては、企業によって勤務時間等が大きく変動する点は注意しておきたいポイントです。
企業主導型保育施設の求人を探す際は、「企業内保育所がどのような開園時間で運営されているのか?}また、「休日はどのように設定されているのか?」を”事前にチェック”しておくといいでしょう。
参照元:内閣府「企業主導型保育事業等」
参照元:内閣府 1. 企業主導型保育事業の制度の概要と企業のメリット
企業内保育所の種類③【その他の企業内育所(認可外・企業がすべて負担)】
- 助成はなく企業独自に運営・小規模で運営されることが多い
- 企業の営業時間に合わせて開園時間
- 休日が決まる
- 保育施設の運営が企業成績に左右される可能性がある
その他の企業内保育所として、国や自治体の助成を受けず、企業独自に運営している企業内保育所も存在します。
一般的には保育園という名称ではなく、「託児スペース」のような呼び方をされます。保育の対象は従業員の子どものみであり、一般的に小規模となるケースがほとんどです。
企業が直接運営するケースのほか、事業委託によって運営されるケースもあります。
小規模でゆったりとした保育ができる点はメリットですが、助成がないぶん安定した運営には不安が残ります。
就職を考える際は、企業規模や最近の企業成績も確認しつつ、「働き続けられる職場かどうか?」を見極める必要があるでしょう。
企業内保育所の運営の仕方
企業内保育所には助成や認定の有無によって3つの種類があることをご紹介しました。
これらの企業内保育所は、企業によって設置場所や運営の仕方も異なります。
そうした違いについて知っておくことでも、企業ごとの働き方をイメージしやすくなるでしょう。
そこで、本章では、企業内保育所の設置場所や運営形態について、簡単にご紹介します。
企業内保育所の運営①【設置場所の違い】
企業内保育所の設置場所は、主に以下の2つがあげられます。
- オフィス内、もしくは敷地内に設置
- 別の物件を利用(事業所の近接地、従業員の通勤経路、社宅内など)
オフィス内であれば、企業内で子どもの親や他の社員と顔を合わせることもあるかもしれません。
一方、別の物件を利用して保育所を運営している場合、民間の小規模保育所のようなイメージの働き方になるといえます。
企業内保育所の運営②【運営形態の違い】
運営は企業単独で行なうものもあれば、複数の企業が共同で運営するもの、外部企業へ委託し設置されるものなどがあります。
大企業が運営元の場合は給料面の待遇も期待できますが、共同運営や委託運営の場合は運営元の給料形態が基準となるため注意しましょう。
企業内保育所の運営③【種類により地域の子どもの受け入れに違い】
地域の子どもの受け入れに関しては、事業所内保育事業の場合4分の1の受け入れが義務付けられていますが、企業主導型保育事業の場合は受け入れを自由に決めることができます。
企業独自の託児スペースであれば、地域の子どもの受け入れはありません。
地域の子どもを受け入れている場合には、地域の保護者との関わり等も業務として必要になってくる可能性があるため、事前に園の種類をチェックしておきましょう。
大手企業における企業内保育所の導入事例
大手企業による企業内保育所の「導入事例(2023年確認情報)」をご紹介します。
大手企業が運営する企業内保育所は、運営規模から特色まで、その特徴はさまざまで、福利厚生などの待遇も期待できます。
「自分の働き方に合うか?」も含め、どのような企業内保育所があるか、チェックしてみてくださいね。
また、一部今回紹介をした大手企業の求人情報も時期にもよりますが、掲載されている場合があります。
気になる企業や他企業の情報などがあるかチェックしてみましょう。
トヨタ自動車株式会社「ぶぅぶフォレスト」
- 種別:事業所内託児施設
- 対象年齢:0~5歳(生後8週~小学就学前まで)
- 定員:320名
- 開園時間:7時半~18時半(延長なし)
- 全工場からのバスによる送迎早朝保育
- 宿泊保育の実施
- 給食およびおやつの提供
- 一時預かり保育の実施
- ピジョンハーツ株式会社に委託運営
参照元:「ぶぅぶフォレスト」
トヨタファイナンス株式会社「トヨタファイナンス みんなのみらい保育園」
- 種別:企業主導型保育事業
- 対象年齢:0~5歳
- 定員:19名
- 開園時間:8時~21時まで(年末年始を除き年中無休)
- 地域の子どもも受け入れ
- 布団、給食を提供
株式会社東急百貨店「さっぽろ駅前保育園」
- 種別:企業主導型保育所
- 対象年齢:0〜2歳
- 定員:19人(うち地域枠が9人)
- 開園時間:7時半~20時半まで
- 専用スペースのほかに、店舗内にある一般客向けのキッズスペースを営業時間外に活用(運動会の開催場所や、雨の日のあそび場として)
- 一時預かり保育も実施(買い物客も利用可能)
- 従業員枠の利用者を安定的に確保するため、他企業との共同利用の契約を1年単位で実施
参照元:さっぽろ駅前保育園
株式会社ニチイ学館「ニチイキッズ」
- 種別:企業主導型保育所
- 対象年齢:0〜2歳
- 定員:18人(法人契約を結んだ法人の従業員の子どものみ)
- 開園時間:7時半~19時まで
- 他企業向けサービスとして全国に企業主導型保育所を複数開設
参照元:ニチイキッズ
ヤフー株式会社「企業内保育所ヒュッテ」
- 種別:企業主導型保育所
- 対象年齢:0〜2歳児(一時保育:1歳~5歳児まで)
- 定員:12名
- 開園時間:7~18時まで(延長保育は20時まで)
- 絵本の蔵書が500冊など、知育にも力を入れている
- 「手ぶら登園」を導入(希望者にはオムツを保育所で用意し、洋服や布団などを保育所内で洗濯する)
参照元:企業内保育所「HUTTE」
ホテル日航成田「なりた 空の保育園」
- 種別:企業主導型保育所
- 対象年齢:0~5歳
- 定員:100名
- 開園時間:7時~22時まで(年中無休)
- ホテル利用者も一時保育を利用可能
GMOインターネットグループ「キッズルーム GMO Bears」
- 種別:独自の社内託児所
- 対象年齢:0〜2歳
- 定員:月極め保育・一時保育、合計19名
- 開園時間:8:00~19:00(延長21時まで)
- 就業中でも園へのイベント参加が可能オムツや布団、タオルなどはすべて園側で用意(荷物は子どもの1日分の着替えだけ)
参照元:キッズルーム GMO Bears
企業内保育所の求人の探し方
企業内保育所に転職したい方向けに求人の探し方をご紹介します。
新卒の方と中途・転職(保育経験あり)の方では若干探し方が異なりますので、項目を分けてご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
【中途】企業内保育所の求人の探し方
中途採用で企業内保育所の求人を探す場合は、ハローワークやインターネットなどから独自に求人情報を入手する必要があります。
希望のエリアや雇用・給料条件を絞って検索したい場合は、当サイト「保育士人材バンク」のような保育士サイトを活用すると便利です。
中小企業であれば、広告費の関係でHPやSNSなどコストのかからない媒体で求人募集を出している場合もあります。
大企業の求人はハローワークのほか、大手の求人サイトや保育士専門の求人サイト等で探すといいでしょう。
その他、地域の求人情報だと、地域情報誌や新聞等の広告欄に掲載されていることもあります。
【新卒】企業内保育所の求人の探し方
保育士養成校などに在籍中で企業内保育所の保育士を目指す場合には、まず、学校へ直接届く求人を確認しましょう。
多くの保育士養成校では、学校に届いた求人を自由に閲覧できるようになっています。
ただし、企業主導型保育所のような無認可の園の場合、「ハローワーク」や「保育士マッチングサービス」などに求人情報が掲載されることが多くなります。
そのため、学生であってもハローワークや「保育士人材バンク」のような保育士サイトの登録・利用を考えるといいでしょう。
学校の求人では人員増加や人事異動などによる募集情報が掲載されますが、「ハローワーク」や「保育士マッチングサービス」では急な人員募集の求人が多く掲載されています。
また、最近ではインスタグラムを利用し、求人募集を行なっている企業主導型保育所もいくつか見受けられます。
インスタグラムから検索し、DMなどで求人がないかを問い合わせてみるのもひとつの方法です。
企業内保育所【転職】の仕方
保育園等からの転職や復職の場合、「ハローワーク」や「保育士マッチングサービス」へ登録する方法が一般的です。
保育所の求人のピークは、主に人事異動に関わる10月~11月ごろとなり、追加募集として2月~3月にも再びピークを迎えます。
その時期に保育士の求人をチェックすることで、効率的に企業内保育所の仕事を見つけることができるでしょう。
その他、地域の情報誌や新聞広告などにも、地域の病院内保育所等の求人が掲載されることがありますので、ご自宅の側で探したい場合にはそちらもチェックしてみましょう。
企業内保育所に応募する場合の履歴書・職務経歴書の書き方
企業内保育所の求人に応募する際は、多くの企業で履歴書や職務経歴書(経験者の場合)の提出が求められます。
必要書類を提出したうえで、面接をし、採用となるのが一般的な流れです。
履歴書では「志望動機」の欄をしっかりと記載することが重要です。
志望の理由として、企業内保育所それぞれの特色を踏まえ、自分が企業においてどのような保育をしていきたいのかをアピールしましょう。
企業内保育所の面接の仕方
企業内保育所の求人応募で面接まで進んだ方は、あとは「人柄」や「考え方」をアピールするだけです。
相手が求める人物像を考えたうえで、ある程度、質問を想定し答えを準備しておき、企業にとって有用な人材であることをアピールしましょう。
背伸びをしすぎず、子どもと接するときのようなイメージで、いつもの笑顔や話し方を意識するといいでしょう。
そうすることで、面接官もあなたが保育士として働いた際のイメージをもちやすくなります。
企業内保育所のまとめ
企業内保育所には、大きく「自治体の認可を受けたもの」と、「企業独自に運営する無認可の施設」があります。
認可を受けた企業内保育所は「事業所内保育所」と呼ばれ、自治体の助成によって運営されます。
無認可の企業内保育所でも、企業主導型保育事業によって内閣府から助成を受けられるようになったため、最近ではこの形態の企業内保育所が増えてきています。
企業内保育所の保育士を目指す際は、種類それぞれのメリットを踏まえ、どの形態が自分に合っているかを考えておくといいでしょう。
働きたい企業内保育所が見つかったら、まず、企業内保育所の種類や運営元を把握し、将来的に安定して働いていける施設なのか、企業の経営状況などもしっかりチェックしていきましょう。
小規模でアットホームな保育が実現できることが、多くの企業内保育所のメリットです。
大手企業の企業内保育所に採用となれば、福利厚生等の待遇も期待できるでしょう。
企業内保育所などの転職をご検討している場合は、是非「保育士人材バンク」をご利用ください。無料で登録ができ、保育士専門のキャリアパートナーがあなたの転職条件を伺いながら最適な求人をお探しします。
定員20人以上の事業所内保育所(保育所型・小規模保育事業A型)では多くの職員が保育士資格を有している必要があるため、保育士の資格がなければ働けません。
ただし、定員19名以下の事業所内保育所(小規模型)では2分の1以上が保育士であればよく、また、企業主導型保育所でも半数が保育士であればよいとされています。