保育士の家賃補助制度住宅手当は、ぜひ活用したいお得な制度です。

ただ、今後はなくなる可能性のある制度もあるため、正しく制度を理解し必要な補助や手当を選択する必要があります。

この記事では、2023年(令和5年)最新の保育士の家賃補助制度を詳しく解説します。

目次

この記事でわかること【保育士の家賃補助制度(住宅手当)】

「保育士の家賃補助っていくらもらえるの?」

「家賃補助制度は終了するって本当?」

そのような疑問をもつ保育士の方も多いと思います。

保育士の家賃補助には国の制度や自治体独自のもの、園独自の手当などさまざまな種類があります。

保育士の家賃補助の種類
  • 国の家賃補助制度「保育士宿舎借り上げ支援事業」
  • 自治体独自の家賃補助
  • 園独自の家賃補助
  • 寮制度

このうち、国の家賃補助制度「保育士宿舎借り上げ支援事業」は補助の金額が大きいですが、もらうための条件が厳しく終了する可能性があるのが注意点です。

また、これらの家賃補助はすべて受けられるわけではなく、どれかの家賃補助を受けていると他の補助や手当を受けられないものもあります。

家賃補助を賢く活用するためには、種類やそれぞれの条件を把握しておき、長く利用できるものや自分の状況にあったものを選択する必要があります。

そこで、この記事では、保育士が受けられる家賃補助の種類や条件を詳しく解説します!

上手に家賃補助を活用することで、給料の高い求人を選ぶ以上にお得になるケースもありますので、ぜひ参考にしてください。

保育士が受けられる家賃補助の種類3つ

保育士が受けられる家賃補助の種類【保育士人材バンク】
保育士が受けられる家賃補助の種類【保育士人材バンク】

保育士の家賃に関する補助の選択肢はいくつかあり、どれを選ぶかで収入にも大きな影響が生じます。

保育士が働くうえで受けられる家賃に関する補助としては、主に以下3つの選択肢があげられます。

家賃補助に関する保育士の選択肢3つ
  1. 園からの住宅手当をもらう
  2. 園が独自に運営する寮・社宅に入居する
  3. 国の支援による「保育士宿舎借り上げ支援事業」で園が借り上げた社宅に入居する

これら3つの家賃補助や手当は、同時にもらうことはできません

これらの家賃補助は新卒や転職など、働く際に選択することになるため、事前にどの制度を選ぶのがベストか、考えておくといいでしょう。

まずは、これら3つの選択肢について、簡単に概要を解説します。

保育園からの住宅手当(家賃補助)

住宅手当の金額目安【手当額は1万円前後】

メリットデメリット
・自分の好きな家に住める
・退職しても引っ越さなくてよい
・補助金額は一番低い
・もらえない園もある
・税金が引かれる

ひとつめの選択肢が、園から住宅手当をもらうというパターンです。

住宅手当は主に園から支給されるもので、住居手当や家賃手当など名称は園によって異なります。

金額は園によってバラつきがあり、月に1万円前後が一般的です。

既婚者や家族の有無などの受給条件もそれぞれ異なり、住宅手当がつかない園も多くあります。

働く際には手当の種類と金額をあらかじめ確認しておくといいでしょう。

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保育園独自の寮制度

寮制度の金額目安【家賃は無料~1万円前後】

メリットデメリット
・かなり安い家賃で済む
・園の近くに住める
・所得税がかからない
・住む家を選べない
・寮のランクがさまざま
・園を退職すると引っ越しが必要

保育園によっては独自に寮制度を設けているところがあります。

寮のシステムは、以下のように園によってさまざまです。

保育士向けの寮・社宅制度
  • トイレや風呂が共用の学生寮タイプ
  • 家具や家電がはじめから付いたタイプ

など

寮や社宅の家賃は通常の家賃の約20~50%程度が相場といわれているため、かなり安い費用で職場近くに住むことができます

家賃の支払い方は、定額制のほか、一定割合を補助として支給するケースもあります。

国の支援による保育士宿舎借り上げ支援事業

宿舎借り上げ支援の金額目安【最大月82,000円】

メリットデメリット
・補助率が一番大きい
・上限額の範囲内なら負担0円になる
・所得税がかからない
・自治体によって金額に差がある
・今後は制度がなくなる可能性もある
・利用できない園もある(園から自治体への申請が必要)
・園を退職すると引っ越しが必要

現在、国は保育士の就労継続支援の取り組みとして、「保育士宿舎借り上げ支援事業」という補助制度を実施しています。

保育士宿舎借り上げ支援事業では、国と自治体、園(法人)が分担して家賃を負担し、保育士が働きやすい環境をつくっています。

参考サイト:首相官邸 保育士宿舎借り上げ支援事業

求人票などに「借り上げ社宅あり」と書かれている場合、この制度を利用した補助が受けられるということです。

現在、この借り上げ社宅制度が、最も補助率が大きい家賃補助制度となっています。

自治体や園が設定した上限額の範囲であれば、家賃がタダになることもあります。

また自治体によっては、上限額にさらに上乗せして補助を出しているところもあります。

就職や転職の際はどの家賃補助を選ぶかで収入が変わる

家賃補助を受けるかどうかは、保育士それぞれの自由です。

ただ、どの家賃補助制度を選ぶかによって、月に1万円~10万円ほど収入に影響がでてきます。

以下の表は、給料が20万円・家賃が8万円の場合に、それぞれの家賃補助を受けたケースでの年間の収入の違いを単純計算してまとめたものです。

受ける家賃補助によって収入に大きな差がでるのがわかるかと思います。

補助額家賃負担給料毎月の残高年間の収入
住宅手当1万円8万円20万円13万円156万円
家賃の20~60%2万円20万円18万円216万円
借り上げ社宅約8万円0円20万円20万円240万円

※家賃は8万円、給料は20万円として単純計算しています

家賃補助の種類による年間の収入差【保育士人材バンク】

上記例だと、家賃補助の種類によって、月にして7万、年間だと84万円もの違いが出ることがわかります。

家賃補助を一切受けないケースでは、家賃分で最大144万円もの差額が生じます

家賃補助が収入に与える影響がいかに大きいか、よくわかりますよね。

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「保育士宿舎借り上げ支援事業」とは?

「保育士宿舎借り上げ支援事業」とは、平成27年から始まった国の家賃補助制度です。

園が借り上げた社宅に対し、補助金が支給されます。

国が主体となって行いますが、実施主体は自治体であり、自治体・園(事業者)も費用を負担します。

現状、特定の自治体で、申請のあった園(法人)のみが制度を利用することができます。

保育士が就職する際の家賃補助として、金額だけで選ぶのであれば、この借り上げ社宅の制度がおすすめです。

ただし、借り上げ社宅制度は利用するための条件が厳しく、注意点も多いのが特徴です。

そこで、本章では「保育士宿舎借り上げ支援事業」について、さらに細かく概要をご紹介します。

参考サイト:首相官邸 保育士宿舎借り上げ支援事業

参考サイト:厚生労働省 令和5年度 保育関係予算概算要求の概要 30p 

最大月82,000円と補助額は大きい

借り上げ社宅の制度は、月額82,000円が月額上限の基準額とされています。

補助割合は国が1/2、自治体が1/4、園(事業者)が1/4の費用を負担します。

(※自治体によって割合が異なる場合があります)

例えば、家賃が10万円であれば、保育士の負担額は18,000円、家賃が8万円であれば保育士の負担は0円となります。

自治体が主体となり園が支給

借り上げ社宅の制度は国の取り組みではありますが、実施主体は自治体(市町村)となります。

申請後は自治体から園へ補助金を支給、最終的に園から保育士へ家賃補助が支給されます。

(※園が家賃を支払い、保育士負担分は給料から天引き)

制度利用のためには園から自治体への申請が必要で、園の負担も生じることから制度を取り入れていない園も多くあります。

また参加できるのは、新子育て安心プランに参加する市区町村のみです。

下記リンクより、対象の自治体を確認できます。

参考サイト:厚生労働省 各市区町村の「新子育て安心プラン実施計画」(令和4年度)

受けられる期間は採用から7年間(令和5年度・2023年4月~2024年3月)

保育士の借り上げ社宅制度はずっと受けられるわけではなく、7年の年限があります(2023年現在)。

支給期間の年限は毎年見直しがされており、開始時は5年、その後10年間に拡充されたものが、令和3年には9年、令和4年(2022年)には8年となり、令和5年度(2023年)からは7年となりました※。

国からは、今後も段階的な見直しをしていくと発表されています。

※ 保育士の有効求人倍率に応じて支給期間が5年となる場合もある

参考サイト:厚生労働省 令和5年度 保育関係予算概算要求の概要 30p 

住める社宅はさまざま(自由に物件を選べる場合も)

借り上げ社宅制度では、事業主が法人契約で借りた物件を保育士に貸し出します。

このとき、保育士が好きな物件を選んで園に契約を依頼するケースも多く、その場合はいわゆる寮や社宅のようなシステムではなく、好きな物件に住める場合もあります。

どのような物件に住めるかは園によるため、事前に確認が必要です。

対象となるには条件がある

借り上げ社宅制度を利用するには、自治体や園が独自に定める条件をクリアしている必要があります。

例えば、自治体によって、以下のような条件を設けている場合があります。

自治体ごとの借り上げ社宅制度の条件例

・常勤であること
・勤務地から徒歩で通える範囲であること
・配偶者の年収制限
・同居人が住宅手当をもらっていないこと
・同じ市町村での転職でないこと
・認可保育園であること

自治体の取り決めに加え、園独自にも受給条件を設けているケースもあります。

求人票に「借り上げ社宅あり」と記載があっても、条件を満たしていなければ受給できないため注意しましょう。

自治体によって補助の内容が異なる

月額上限が82,000円とされている借り上げ社宅制度ですが、実は補助額は自治体ごとに異なります

なかには自治体独自の上乗せで「10万円」を超える補助をだしているところもありますし、「上限金額よりも低めに設定」している自治体もあります

多くは自治体の家賃状況を加味して決められ、家賃が高い都市部ほど補助額も多めに設定されています。

「保育士宿舎借り上げ支援事業」には注意点も多い

以下に、借り上げ社宅制度でおさえておくべき注意点を3つご紹介します。

借り上げ社宅制度の注意点①今後なくなる可能性がある】

保育士の大きな家賃補助となる借り上げ社宅制度ですが、近年は年々縮小されており、「保育士不足が解消されれば、今後は廃止や終了となる可能性もあるのではないか?」といわれています。

国の支援がなくなったとしても、独自に家賃補助を続けると表明している自治体もありますが、今後の動向は保育士自身もチェックしておく必要がありそうです。

支給を受けられる年限も縮小されていっているため、保育士はいずれなくなる可能性があるものと考え、資産管理などを行なっていくといいでしょう。

借り上げ社宅制度の注意点②自治体や園によっては実施していない

国の借り上げ社宅制度を利用するためには、自治体が「新子育て安心プラン」に参加していることと、園(法人)が自治体へ申請していることが必要となります。

そのため、どの自治体、どの園でも使える家賃補助ではないことを覚えておきましょう。

求人票では「借り上げ社宅あり」などと記載されているため、借り上げ社宅制度を利用できる求人を探したい方は、必ずチェックしましょう。

借り上げ社宅制度の注意点③市内での転職では利用できないことがある

借り上げ社宅制度の利用条件は自治体が決めますが、多くの自治体では「同じ自治体内での転職の場合、利用不可」としています。

これは、「転職によって家賃補助をもらえる年数を増やそう」といった不正を防ぐためだと考えられます。

転職希望の方は、借り上げ社宅制度の利用条件を必ず事前に確認しておきましょう。

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保育士がもらえる家賃補助のメリット・デメリット・金額相場を比較

これから就職を考えられている保育士の方は、「結局どの家賃補助を選べばいいの?」と迷ってしまうかもしれません。

おすすめは、借り上げ社宅制度を利用する方法

年数制限などのデメリットはありますが、金額的なところは大きく、年間にして100万近くも収入がプラスになります。

家賃補助をもらえる年数がすぎてしまったり、結婚等によって条件から外れてしまったりしたときには、園の住宅手当などに移行していくといいでしょう。

ただし、使用する家賃補助を決める際にはデメリットもしっかり理解しておきましょう。

以下は、金額とメリット・デメリットの一覧です。

保育士の家賃補助の種類による比較【保育士人材バンク】
保育士の家賃補助の種類による比較【保育士人材バンク】

今後、近いうちに結婚や引っ越しの予定があったり、住む家を自分で選びたかったりといった場合には、寮や社宅ではなく住宅手当がつく園を就職先に選ぶのもいいでしょう。

とにかく家賃をおさえたい方は借り上げ社宅制度を利用できるのが一番お得です。

就職先の園が借り上げ社宅制度を利用できない場合には、独自の寮制度もお得な選択肢となります。

【ケース別】家賃補助もらえる?もらえない?

どの家賃補助を選ぶにしても、それぞれ条件があり、もらえないケースもあることは注意しなければなりません。

ただ、細かな条件は園や自治体によって異なり、求職時に確認が必要です。

以下は、あくまでも一般的な目安として、家賃補助をもらえる人・もらえない人をケース別にご紹介します。

家賃補助の支給有無①同棲・結婚・同居・カップルの保育士の家賃補助

一人暮らしではない保育士さんの場合、家賃補助をもらえるかどうかが気になるかと思います。

住宅手当は一人暮らしではなくてももらえる園がほとんどで、結婚をしていない状態で自分が物件の契約者の場合は同棲の申告も必要ありません

ただし、パートナーや同居人が世帯主になっている場合は補助を受けられない可能性があります。

また、条件が厳しい「借り上げ社宅制度」では、多くの場合、自分が世帯主であったり、パートナーより収入が高い場合は家賃補助を受けられますが、対応は以下のようにさまざまです。

<自治体ごとの結婚・同棲の対応例>

自治体ごとの結婚・同棲の対応例
  • 変わらず受給できるケース
  • 同居人の年収により制限を設けるケース
  • 1/2に減額するケース

例えば、足立区では同居人が世帯収入の50%以上を稼いでいる場合は利用できないと規定されています。

参考サイト:足立区保育士等住居借上げ支援事業補助金交付要綱 – 東京

家賃補助の給付は単身者のみに限定している園もあるため、既婚者の方は確認が必要です。

また、園独自の寮制度を利用する場合は同棲NGのところもあるため、契約内容を事前に確認しましょう。

逆に、はじめから「同棲OK」や「子連れOK(シングルマザーなど)」としている寮もあります。

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家賃補助の支給有無②育休中・産休・休職(病気など)の保育士の家賃補助

育休や産休、休職中に家賃補助が出るかどうかは、園や自治体によって異なります

住宅手当にしろ、借り上げ社宅制度にしろ、寮にしろ、育休・産休・休職中の取り決めはさまざまで、特例により補助を継続してもらえるケースもありますが、受給停止となるケースもあります。

こまかな規約は求人票には記載されていないことがほとんどのため、それぞれの園へ問い合わせて確認する必要があります。

家賃補助の支給有無③私立・公立の保育士の家賃補助】

給料が高い公立園の場合、国の取り組みの借り上げ社宅制度は利用できません

公立保育園の給料は地方公務員として自治体から支払われるため、自治体の規定に従うことになります。

一般的には、地方公務員にも家賃補助がつき、家賃負担は月上限16,000円程度となります(※家賃により最大28,000円まで)。

ただし、持ち家や同居の場合は対象外となります。

一方、私立園では、園が住宅手当を出しているかどうか、また借り上げ社宅制度を取り入れているかどうかによって、補助を受けられるかどうかが決まります。

求職の際は、求人票に「住宅手当あり(家賃補助・住居手当などの記載もある)」や「借り上げ社宅あり」などの記載があるかどうかを確認しましょう。

家賃補助の支給有無④パート・派遣の保育士の家賃補助】

家賃補助を受けるための条件は園や自治体によって異なりますが、住宅手当や寮制度は、パートや派遣の場合は利用できないことがほとんどです。

一方、借り上げ宿舎制度は自治体ごとに条件を定めており、就労形態よりも勤務時間や日数を条件としているところが多くなっています。

主な条件としては、ほとんどの自治体で以下の規定が採用されています。

<借り上げ社宅制度を利用するための条件>

借り上げ社宅制度を利用するための条件
  • 1年以上の雇用契約を結んでいること
  • 勤務時間が1日6時間以上かつ月20日以上であること
  • 社会保険の被保険者であること

こうした条件に当てはまる場合、パートや派遣でも借り上げ社宅制度を利用できる場合があります。

家賃補助とあわせて知っておきたい【保育士支援制度】

現在、手厚い家賃補助がある求人を探している保育士さんも多いと思います。

そんなとき、実は家賃補助以外にもお得な支援制度があるのをご存じでしょうか?

例えば、以下の支援を知っておくと、家賃以外の費用もおさえることができます。

保育士【お得な支援制度】
  • 引っ越し支援
  • 奨学金返済支援
  • 利息の低い貸付制度(就職準備の用途)
  • 自治体独自の給料上乗せ

このほか、自治体によっては保育士を目指す学生への学費支援や子育て中の保育士が子どもを預けやすくするような支援を設けているケースもあります。

これらは、園独自に実施している場合もありますし、自治体独自の取り組みとして申請により利用できる場合もあります。

以下に詳しくご紹介しますので、上手に活用し、負担を減らして新生活をスタートさせてくださいね!

保育士の支援制度①保育士の引っ越し支援

保育園や自治体独自の取り組みとして、引っ越し費用の補助を出しているところもあります。

保育園の取り組みの場合、求人票に「引っ越し補助あり」などと記載されています。

自治体の場合は主に待機児童の多い都市部で実施されることが多く、HPに保育士支援の取り組みとして記載されています。

保育園(法人)の取り組みの場合、例えば以下のような支援を行なっている園があります。

保育園独自の引っ越し補助例
  • 借り上げ社宅制度を利用する場合に引っ越し費用を全額または一定額補助
  • 遠方からの引っ越しの場合に10万円程度の手当を支給

自治体の取り組みの場合、引っ越し補助まで行う自治体は多くないですが、例えば借り上げ社宅制度を利用する場合に、10万円ほどの引っ越し補助が出る自治体もあります。

保育士の支援制度②保育士の奨学金返済支援

奨学金の返済がある保育士に対し、返済の一部を補助する制度を設けている自治体もあります。

例えば、千代田区では最長10年間、年間24万円までの奨学金返済支援を行なっています。

保育士の支援制度③保育士の低利息貸付

保育士を対象とした「低利息の貸付」を行なっている自治体もあります。

主な貸付制度としては、「就職準備」「子どもの保育料に対する貸付」の2つがあります。

就学準備のための貸付は無利子で40万円ほどまで借りられ、引っ越し費用などにあてられます。

また、就職後は所定の園で一定期間働くことで返済免除となる場合もあります。

参考サイト:厚生労働省 保育士修学資金の貸付け等について

保育士の支援制度④自治体独自の給料上乗せ

待機児童が多い都市部では、独自に保育士の給料上乗せを行なっている自治体もあります。

保育士の家賃補助制度【都道府県例】

国の取り組みである「保育士宿舎借り上げ支援事業」を活用した、保育士の借り上げ社宅制度は、現在、さまざまな自治体で実施されています。

そこに加えて、独自に補助額を上乗せする自治体や、独自の保育士補助制度を打ち立てる自治体もあり、就職する自治体によって保育士の給料はかなり影響を受けることになります。

これから就職を考えている保育士さんは、「どの自治体で就職するか?」を考えることも、給料アップのためには非常に重要といえそうです。

そこで、本章では保育士の家賃補助が手厚い自治体を一部ピックアップし、支援の内容をご紹介します。

※下記でご紹介する補助額はあくまでも目安であり、実際には園ごとに補助額が異なる場合があります

家賃補助制度例①東京都】

保育士不足が深刻な東京都では、独自に月額4.4万円、保育士の給料上乗せを実施しています。

さらに、家賃が高い23区では、家賃補助も手厚いのが特徴です。

以下に、家賃補助が手厚い区をご紹介します。(下記以外の区は、上限額8.2万円となります)

保育士の家賃補助が手厚い【区の例】

【千代田区】ー家賃相場13万円

・家賃補助は月額上限13万円

【港区】ー家賃相場11万円

・家賃補助は月額上限11.2万円

【渋谷区】ー家賃相場11万円

・家賃補助は月額上限10万円

・引っ越し補助あり(※最新情報は要確認)

【目黒区】ー家賃相場10万円

・家賃補助は月額上限9.2万円

【世田谷区】ー家賃相場8万円

・家賃補助は月額上限8.2万円

家賃補助制度例②神奈川県】

神奈川県で保育士の借り上げ社宅制度を活用している自治体は、東京都よりは少なくなります。

以下に、家賃補助が手厚い自治体をいくつかご紹介します。

保育士の家賃補助が手厚い【市の例】

【横浜市】ー家賃相場7万円

・家賃補助は月額上限8.2万円

【川崎市】ー家賃相場6万円

・家賃補助は月額上限6.1万円

【藤沢市】ー家賃相場6万円

・家賃補助は月額上限6.1万円

家賃補助制度例③千葉県】

千葉県では、千葉市の家賃補助が手厚くなっています。

市外に居住も可能なのも、うれしいポイントです。

保育士の家賃補助が手厚い【市の例】

【千葉市】ー家賃相場6万円

・家賃補助は月額上限6.3万円

・管理費、礼金、更新料の補助あり

・市外の居住も可

家賃補助制度例④埼玉県】

さいたま市でも手厚い家賃補助がありますが、1施設あたりの利用できる戸数が決まっているのが特徴です。

そのため、園の利用枠に空きがある場合のみ家賃補助を利用できます。

保育士の家賃補助が手厚い【市の例】

【さいたま市】ー家賃相場5万円

・家賃補助は月額上限7.2万円

・管理費、礼金、更新料の補助あり

※1施設当たり3戸まで利用可能

家賃補助制度例⑤大阪府】

大阪市では、家賃相場4万円に対し補助額6.6万円と、比較的、家賃補助は手厚くなっています。

保育士の家賃補助が手厚い【市の例】

【大阪市】ー家賃相場4万円

・家賃補助は月額上限6.6万円

家賃補助制度例⑥兵庫県】

兵庫県神戸市では、市外からの転入者への補助が手厚くなっています。

神戸市の家賃相場は5万円程度であるため、実質0円で宿舎に入ることも可能です

保育士の家賃補助が手厚い【市の例】

【神戸市】ー家賃相場5万円

・市外からの転入者の場合、家賃補助は月額上限10万円

・上記以外は月額上限8.2万円

家賃補助ありの保育士求人を探す際のポイント3つ

この記事を読んで、家賃補助ありの求人を探したいと感じた保育士さんは多いと思います。

保育士が求人を探す際は、どの家賃補助を利用するかをある程度決めたうえで、家賃補助以外の補助や手当もみながら応募する求人を選んでいくといいでしょう。

以下に、保育士が家賃補助ありの求人を探すときのポイントを3つご紹介します。

家賃補助制度のポイント①ライフスタイルに合った家賃補助を選ぶ

保育士の家賃補助の種類を決めるときは、自分のライフスタイルにあわせて考えていきましょう。

例えば、若いうちになるべくお金を貯めたいのであれば、家賃補助や転入者への補助が手厚い自治体・園を選んで借り上げ社宅制度を利用するのがベストです。

プライベートを大切にしたい方は、住む場所を自由に選べるシステムにしている借り上げ社宅制度がある求人を選ぶか、住宅手当ありの求人を選ぶのがいいでしょう。

数年で結婚や退職の予定がある場合は、退職時に引っ越しが必要な寮や借り上げ社宅制度の利用には慎重になったほうがいいかもしれません。

このように、自分のライフスタイルや将来設計を考えたうえで、応募する求人を選んでいきましょう。

家賃補助制度のポイント寮や社宅制度では細かな条件もチェックする

保育園独自の寮制度や、借り上げ社宅制度を選ぶ場合、寮・社宅にどんなルールがあるかを事前に確認しておくことも大切です。

例えば、共用スペースの掃除など、ルールが厳しい寮や社宅もあります。

同僚と一緒の寮や社宅では、独自のルールがあるケースも少なくありません。

そうしたルールがストレスになれば、働き続けること自体が苦痛になる可能性も考えられます。

ほかにも、家具や家電の有無、駐車場の有無など、細かな条件は物件によって異なりますので、あとから後悔しないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。

家賃補助制度のポイント家賃補助だけでなく他の手当もみて総合的に判断する

保育士の補助制度は、自治体や保育園によってさまざまで、園によっては独自の手当を出しているところもあります。

家賃補助は額が大きな支援ですが、求人に応募する際は、他の手当なども含め、総合的にみて判断する必要があります。

例えば、以下のような項目は収入にも大きく影響するため、必ず求人票でチェックしておきましょう。

保育士が求人票でチェックしたいポイント
  • どんな手当がつくか?(通勤手当、資格手当、住宅手当など)
  • 賞与(ボーナス)額は何か月分か?
  • 退職金制度はあるか?

手当の種類や額は、園によってかなりバラつきがあります。

また、ボーナスの金額は給料の2~3か月分程度が一般的ですが、私立園などではそれより少ない場合も多くなっています。

なお、退職金制度を導入している私立園は、およそ6割程度といわれます。

長く勤める予定なのであれば、こちらも確認しておきましょう。

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家賃補助ありの保育士求人の探し方

家賃補助が手厚い求人を探したい場合、保育士専門の求人サイトを活用すると便利です。

保育士専門の求人サイトでは、希望の条件から求人を絞り込むことができます。

例えば、弊社が運営する保育士人材バンクでは、働きたい都道府県や雇用形態、給与額などかなり細かい条件まで絞り込んで全国の求人を検索できます。

さらに、借り上げ社宅制度を利用できる園を探したいときには、「同棲OK」や「お子様OK」など、細かな条件まで絞って検索が可能です。

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保育士の家賃補助【まとめ】

保育士の家賃補助には、園からの住宅手当や寮・社宅制度など、いくつか種類があります。

このうち、国の取り組みによる保育士の借り上げ社宅制度は、特に補助額が大きくなっています。

もらえる年数、利用できる園や自治体に制限はありますが、使える場合はぜひ活用を検討するといいでしょう。

これから保育士として働いていきたいとお考えの方は、ぜひ保育士人材バンクの便利な検索機能を利用して、好条件の求人を探してみてくださいね。

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