「保育士になりたいけれど、試験が受かるか不安…」そんな理由で、一歩を踏み出せずにいる方はいませんか?
地域限定保育士は、実技試験が免除されるなど、保育士資格取得のハードルを下げるためにつくられた制度です。
くわえて、一定期間働くことで、3年後には全国で働ける保育士資格へ切り替えられる仕組みも用意されています。
この記事では、地域限定保育士とはどんな制度なのか、実技試験なしで受験できるメリットや注意点、そして全国で働けるようになるまでの流れを分かりやすく解説します。
「自分にもできそう」と感じられる選択肢として、ぜひ参考にしてみてください。
地域限定保育士とは?通常保育士との2つの違い
地域限定保育士は、保育士不足が課題となっている地域で就業を促すためにつくられた制度です。
通常の保育士資格と比べて、大きな違いは「働ける場所」と「試験内容」の2点にあります。ここでは、その違いをひとつずつ見ていきましょう。
働ける場所が「特定の自治体」に限られる
地域限定保育士は、資格取得後、登録した特定の自治体内でのみ保育士として働くことができます。この制限期間は原則として3年間です。
ただし、この3年間が経過すると、申請により全国で働ける通常の保育士資格へ切り替えることが可能です。そのため、「ずっと地域限定のままなのでは?」と心配する必要はありません。
まずは特定の地域で経験を積み、将来的には働く場所の選択肢を広げることができます。
実技試験の代わりに「保育実技演習」を受講する
通常の保育士試験では、筆記試験にくわえて実技試験がありますが、地域限定保育士では、この実技試験が免除されます。
その代わりに、所定の「保育実技講習」を受講することが要件となっています。
講習では、保育現場で必要となる基礎的な知識や考え方を学ぶ内容が中心で、実技試験に不安を感じている方でも取り組みやすい仕組みです。
実技が苦手でも大丈夫!地域限定保育士のメリット

「実技試験が不安で、なかなか保育士試験に踏み出せない」そんな方にとって、地域限定保育士は大きな選択肢のひとつです。
実技に自信がない方でも、これまでの努力を活かしながら、将来の可能性を広げられるのが大きな魅力といえます。地域限定保育士のメリットは大きく3つあります。
筆記試験は通常試験と同じ内容で受験できる
地域限定保育士の筆記試験は、通常の保育士試験と同じ内容になります。
出題範囲や科目に違いはなく、地域限定だからといって特別な問題が出たり、独自の対策が必要になったりすることはありません。
そのため、現在すでに通常の保育士試験に向けて勉強している方や、参考書・過去問を使って学習を進めている方は、これまでの勉強をそのまま活かして受験できるのが大きな安心ポイントです。
「地域限定に切り替えたら、また一から勉強し直しなのでは?」と不安に感じる必要はなく、試験対策の負担が増えることはありません。
過去に合格した筆記科目を活かして挑戦できる
地域限定保育士の試験では、過去に合格した筆記科目の合格実績を引き継ぐことが可能です。一度合格した科目を、もう一度受け直す必要はありません。
そのため、「筆記は得意だったけれど、実技試験でつまずいた」「途中まで合格していたものの、実技が不安で諦めてしまった…」という方でも、これまでの努力を無駄にせず再チャレンジできる仕組みになっています。
3年後に全国資格へ切り替え可能
地域限定保育士は、資格取得後すぐに全国で働けるわけではありませんが、一定期間(原則3年間)対象地域で保育士として働くことで、通常の保育士資格へ切り替えることが可能です。
この切り替えにあたって、改めて試験を受け直す必要はなく、所定の要件を満たして申請すれば、勤務地の制限がない全国資格として登録されます。
そのため、「最初は地域限定でも、将来的に引っ越す可能性がある」「いずれは全国で働けるようになりたい」と考えている方でも、キャリアが制限される心配はありません。
まずは対象地域で経験を積み、その後に選択肢を広げていくという点でも、無理のないステップで保育士を目指せる制度といえるでしょう。
地域限定保育士試験を受ける際の注意点
地域限定保育士試験は、実技試験が免除されるなどのメリットがある一方で、受験前に必ず確認しておきたい注意点もあります。
事前準備を怠ると、「受けられると思っていたのに対象外だった」ということも起こり得るため、ポイントを押さえておくことが大切です。
実施している自治体とエリアを事前に確認する
地域限定保育士試験は、すべての自治体で実施されているわけではありません。
実施の有無や対象エリアは自治体ごとに異なるため、まずは「自分が受験したい地域で実施されているか」を確認する必要があります。
また、合格後は原則として、その自治体内でのみ保育士として働くことになるため、居住地や就業希望エリアと制度内容が合っているかも、あわせて確認しておきましょう。
2025年(令和7年)現在、地域限定保育士制度は、神奈川県や大阪府、沖縄県、千葉県(成田市)、宮城県(仙台市)など、複数の地域で実施されています。
試験時期は自治体ごとに異なる
地域限定保育士試験の実施時期は自治体によって異なり、年に1回程度というケースが多いです。
通常の保育士試験とは日程がずれることもあるため、「次に受けよう」と思っていても、すぐに受験できない場合もあります。
そのため、受験を考え始めた段階で、募集時期や試験日程の目安を早めにチェックしておくと安心です。
保育実技講習は数日間の参加が必要になる
地域限定保育士では、実技試験の代わりに「保育実技講習」への参加が必須となっています。
この講習は、1日で完結するものではなく、数日間にわたって実施されるケースが一般的です。
そのため、仕事や家庭の予定を見ながら、あらかじめまとまった日程を確保しておく必要があります。
「実技がないから気軽に受けられる」と考えてしまいがちですが、講習まで含めて受験スケジュールを組むことが大切です。
≪参考≫
子ども家庭庁:「地域限定保育士試験実施方法書の認定について 」
給料は下がる?地域限定保育士の「就職・待遇」

地域限定保育士を目指すにあたって、「通常の保育士より待遇が下がるのでは?」「就職先が限られて不利にならない?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
ここでは、給料・仕事内容・就職のしやすさという観点から、地域限定保育士の実際の就職・待遇面の考え方を整理します。
給料や仕事内容は通常の保育士と大きく変わらない
地域限定保育士だからといって、仕事内容が軽くなったり、責任が限定されたりするわけではありません。
現場では、通常の保育士と同じ立場でクラス運営や保育業務に携わるケースが一般的です。
給与についても、多くの保育園では「地域限定かどうか」ではなく、法人ごとの給与規定や雇用形態(正社員・パートなど)に基づいて決められています。
そのため、地域限定保育士という理由だけで、一律に給料が下がるとは限りません。
保育園側は「地域限定かどうか」をあまり重視していない
採用する保育園側の視点で見ると、現在の保育業界は慢性的な人手不足の状況にあります。
そのため、地域限定保育士であっても、「働いてくれる保育士」という点を重視して採用されるケースがあります。
とくに現場では、資格の区分よりも「安定して勤務できるか」「やる気があるか」といった点が重視される傾向があります。
地域限定保育士であること自体が、採用の大きなマイナス要因になることは少ないといえるでしょう。
都市部は求人数が多く就職先を探しやすい
地域限定保育士は、働けるエリアが特定の自治体に限られるという特徴がありますが、都市部では求人数が多く、就職先を探しやすい環境にあります。
たとえば、神奈川や大阪府などの都市部では、保育園の数自体が多く、企業主導型保育園や小規模園など、さまざまな形態の求人が見られます。
そのため、地域限定という条件があっても、「働く場所が見つからない」というケースは比較的少なく、自分に合った園を選びやすいエリアといえるでしょう!
まとめ
地域限定保育士は、実技試験に不安がある方や、対象エリアでの就業を前向きに考えられる方にとって、「遠回りせずに保育士を目指せる賢い選択肢」のひとつといえます。
一定期間(原則3年)対象地域で働いたあと、全国で働ける通常の保育士資格へ切り替えられる仕組みがあるため、将来の働き方が狭まる心配はありません。
保育士人材バンクでは、神奈川・大阪など、地域限定保育士の対象エリアの求人も豊富に取り扱っています。働き方や条件に不安がある方は、情報収集の一環としてご相談いただくことも可能です。
また、通常の保育士試験については、解答速報などの情報提供もおこなっているため、地域限定・通常どちらの道を選ぶ場合でも、準備を進めやすい環境を整えています。
自分に合ったルートで無理なく保育士を目指すために、地域限定保育士という制度も、ぜひ選択肢のひとつとして検討してみてください!