転職を考えている保育士の中には、「転職するのが怖い」と感じている方もいるかもしれません。
新しい環境で一からのスタートは、前向きな気持ちと同時に「失敗したらどうしよう・・」と誰でも不安になるものです。
そこで本記事では、保育士が転職を怖いと思う理由や、解決策をご紹介します。
「転職したいけど、なかなか一歩が踏み出せない」という方は、ぜひ参考にしてください!
転職が怖いと思った時の解決策9選
保育士が転職に対して怖いと思ったときの解決策を9つご紹介します。
①転職したい理由を明確にする
最初におすすめしたいのが、「転職を後悔するのが不安・・」「過去に転職した失敗が気になっている」という方は、自分がなぜ転職したいのかを明確にするのが大切です。
漠然とした理由で転職活動をしても、失敗を想像して不安になってしまう可能性があります。
転職したい理由が明確になれば、それをもとに転職先を探せるので、納得のいく転職ができるでしょう。
具体的には、今の職場で不満に感じている点を箇条書きにします。そこから、優先順位をつけて、どの問題が自分にとって重要なポイントなのか明確にすれば、自分に合う転職先を見つけやすいでしょう!
また、転職エージェントなどでプロに頼るのも1つです。
希望条件や不安を伝えることで、自分に合った転職先を絞って探せます。
②第三者に相談する
転職に対して不安な気持ちがある場合は、第三者に相談するのがおすすめです。
たとえば、実際に転職した人に「転職して変わったことはなにか」「転職活動をどのように進めたのか」など、経験談を聞くことで、怖さや不安を軽減できます。
③条件に合う転職先を探す
家庭や生活への影響を考えて、転職が不安な方は、先に条件に合う転職先を探してみましょう。
たとえば、通勤時間や交通手段を事前に確認して、通いやすい転職先を選ぶのも1つです。
また、保育園によっては勤務時間やシフトの希望を出せる場合もあるため、面接の際に聞いてみるのもおすすめです。
どちらにしても、転職後その職場で長く働き続けることを考えると、通いやすさはもちろん、自分にとって“働きやすい職場”を探すのが大切です。
④園見学をして直接雰囲気を確認する
転職先やどんな職場が他にあるかを少しでも知る為に、事前に保育園を見学することもおすすめです。
人間関係は、求人票や園のホームページを見ただけでは見極めが難しいため、実際に見学して、保育士さん、園長先生の雰囲気、子どもたちの表情を直接確認するのがおすすめです。
複数の園へ見学に行けば、園の雰囲気が比較しやすいでしょう。
また、転職サービスを利用して、聞いてみるのも1つです。
「人間関係が良好な保育園へ転職したい」と伝えれば、人間関係の評判がよい職場を紹介してくれます。
⑤ポジティブに捉えて教わりながら学ぶ姿勢をもつ
「これまでの経験やスキルが転職先で通用するか不安・・・」という方は、その気持ちや考え方をポジティブに変換するのがおすすめです。
なぜなら、転職すれば今まで培ってきた経験やスキルにくわえて、新しい経験やスキルが身につくということです。つまり、保育士としてさらに成長できます。
また、どんなに経験があるベテラン保育士さんでも、転職すれば、平等に1からのスタートです。「教わりながら学んでいく」という謙虚な姿勢をもって転職すれば、新天地でもすぐに活躍できるでしょう。
⑥転職サービスに相談してみる
年齢を理由に、「求人がないかもしれない」「採用されないかもしれない」と不安を抱えている方は、転職サービスに相談するのがおすすめです。
転職サービスに不安を相談すれば、活躍できる職場を紹介してくれることもあります。
体力面に不安がある場合は、園児数が少ない園や小規模保育園を紹介してもらえる可能性もあるでしょう。
また、前提として年齢によって転職しづらいということは、保育の場合は少ないです。
なぜなら、20代で経験が少ない保育士さんであれば、伸びしろがあると期待される可能性がありますし、40代の保育士さんは、即戦力として採用してもらえる可能性が高いからです。
年齢を理由に転職が怖いと感じている方は、逆に年齢が武器になることもあるため、悲観的になる必要はありません!
⑦希望年収を明確にして転職活動する
「転職して収入が不安定になるのが怖い」という方は、まず、自分の希望年収を明確にすることが大切です。
今の職場の年収をベースに、「満足しているのか」「不満があるのか」を考えることで、希望年収が明確になるため、自分に合う求人が探しやすくなります。
また、ボーナスの有無や、手当があるのか、福利厚生などもチェックしながら探しましょう。
求人票をみる時に注意したいポイント
さらに、特別な記載がない限り、求人票の月給は額面の記載となります。
実際に受け取る給与は、健康保険料や雇用保険料などが引かれた、約8割となるので注意しましょう。
くわえて、「みなし残業」や「固定残業」と書かれている場合は、あらかじめ一定時間分の残業代が給与に含まれていることを指します。額面上は高く見えますが、残業代を含む金額になっている可能性があるため、注意したいポイントです。
試用期間の長さや、試用期間中の給与の支給額なども、あわせて確認しておきましょう!
⑧研修制度や昇給制度のある職場を探す
新しい職場でキャリアアップできるか不安という方は、研修制度や昇給制度のある転職先を探しましょう。
研修制度が充実している園であれば、保育士として必要な知識やスキルを身につけられます。
くわえて、昇給制度だけでなく、評価制度が明確な職場であれば、自分が身につけるべき能力や、目指す役職が理解できるでしょう。
また、そもそも自分がどのようなキャリアビジョンを持っているのか、整理しておくのも大切です。
「いつまでに〇〇になりたい」という明確な目標を決めておけば、採用面接でもアピールできます。
⑨退職のタイミングや伝え方を工夫する
「円満退社できないのではないか・・」と不安な方は、下記のポイントを意識するのがおすすめです。
- 退職時期は年度末である3月にする
- ただし、何らかの理由で年度途中退職の場合は早めに相談する
- 退職の意思は半年から3ヶ月前までには伝える
- 園側が引き止めにくい前向きな退職理由を伝える
- 仕事は最後まで手を抜かず引継ぎはしっかりおこなう
とくに、大切なのは退職の時期と、意思を伝えるタイミングです。
退職のタイミングは、職場に迷惑がかからない年度末(3月末)がベストですが、
パワハラを受けている、体調不良がある、ライフスタイルの変更があるなど、年度途中で退職をする意向がある場合は早めに相談しましょう。
退職の意思は、余裕をもって半年前から3ヶ月前に伝えるのが望ましいです。園側も求人を出したり、体制を整えたりとスムーズに準備が進められます。
また、退職理由は不満をストレートに伝えると、改善案を出されて引き止めにあいかねません。基本的には「経験を活かして、新天地でさらなる成長を目指したい」など、前向きに伝えるのがポイントです。
保育士が転職を怖いと思う理由は?
「転職するのが怖い」と思う理由は人によってさまざまです。初めて転職をする方は一層不安になることもあるでしょう。
ここでは、それぞれ不安と感じる内容をご紹介していきます。
①新しい職場での人間関係が不安
保育士が転職するのが怖いと思う理由の1つに、新しい職場での人間関係への不安があります。
東京都福祉保健局が2019年におこなった調査によると、「職場の人間関係」が保育士の退職理由でもっとも多いことが分かりました。
上司や同僚、保護者など、さまざまな立場の人と密なコミュニケーションが求められる保育士にとって、人間関係の悩みは働きやすさを左右するといっても過言ではありません。
そのため、「新しい環境でまた一から良好な関係を築いていけるか不安・・」という保育士さんは少なくないでしょう。
参考:厚生労働省 『図表1-2-62 保育士として就業した者が退職した理由(複数回答)』
②これまでの経験やスキルが転職先で通用するか分からない
保育士としてのこれまでの経験やスキルが「転職先で通用しなかったらどうしよう・・」と不安を抱える方もいるようです。
ひとくちに保育園といっても、保育観ややり方は園によって異なります。
「これまでの経験がまったく役立たない」ということはなくても、考え方ややり方が違うことで戸惑うことはあるかもしれません。
そのため、「仕事が覚えられなかったらどうしよう」「やり方を間違えたらどうしよう」という不安から転職への一歩が踏み出せない方もいるでしょう。
③年齢に関する不安があるから
年齢を理由に、転職が怖いと感じる保育士さんもいます。
たとえば、下記のように考える方もいるでしょう。
- 「この年齢で正社員として採用してくれる保育園はあるのか・・」
- 「経験年数が少ないから悪い印象をもたれるのではないか・・」
- 「40代だからそもそも体力的に心配・・」
年齢に関する理由で、転職に踏み切れない方は少なくないかもしれません。
④自分で転職活動するのが不安だから
「転職活動をどのように進めればいいのか分からない」と、転職活動そのものに不安を抱える方も少なくありません。
とくに、働きながら転職活動をするとなったら、保育士の仕事をしながら退勤後や休日を利用して計画的に活動しなくてはなりません。
「まずは何から始めればいいの?」「どうやって自分に合う保育園を見つければいいの?」など、転職活動する上でのポイントや求人の探し方が分からず、不安になる方も多いでしょう。
⑤生活スタイルに影響が出るのが心配だから
転職した場合、自宅から職場までの距離やシフトが変わる可能性もあるため、その変化に柔軟に対応できるか不安という方もいるでしょう。
通勤時間や勤務時間が変わるとなれば、それに合わせて生活リズムを調整する必要があります。
結婚や子育てをしている場合、生活リズムが変われば、周りの理解も必要です。
自分の問題だけではなくなるため、転職へのハードルが高くなるかもしれません。
⑥転職を後悔するのが不安だから
転職が怖い方の中には、「転職を後悔したくない」という方も多いかもしれません。
転職する前は魅力的にみえていた職場も、いざ働いてみたら、「イメージと違った」ということは十分起こりうることです。
「転職しなければよかった」「前の職場の方が働きやすかった」となるのが怖くて、転職への一歩が踏み出せない方もいるでしょう。
⑦転職での失敗経験が気になっているから
過去に「転職して失敗した」という経験ある方の中には、転職が怖いと感じている人もいるでしょう。
たとえば、「人間関係で悩んで転職したのに転職先の方がひどかった」「残業がないから転職したのに、聞いていた話と違った・・・」などです。
「転職を後悔したくない」という思いは誰にでもありますが、実際に失敗した経験があると、より転職へのハードルが高くなるでしょう。
⑧転職して収入が減る可能性があるから
「収入が不安定になる可能性があるから」という理由で、転職する勇気が出ない方もいるかもしれません。
たとえば、転職することで、今より収入が安定しなかったり、試用期間中の給料が減ったりする可能性もあるでしょう。
また、福利厚生も職場によってさまざまです。
今の職場が、手当や休日が充実している場合、「転職することで今より待遇面が悪くなるのではないか」と不安になる方もいるでしょう。
⑨転職先でキャリアアップできるか不安だから
転職先でキャリアアップできるか不安という方もいるでしょう。
新しい職場のキャリアパスが不透明だったり、スキルアップのための研修がなかったりすると、「保育士として成長できないかもしれない」「昇給できないかもしれない」と不安になるでしょう。
くわえて、今の職場で長く働いている場合、転職すれば昇給もリセットするため、また一から積み上げていくことに不安を感じる方もいます。
⑩今の職場を円満退職できるか不安だから
「今の職場を円満に退職できるか分からない」という理由から、転職に踏み切れない方もいるかもしれません。
保育士の数は全国的に不足しており、保育園は人手不足を抱えています。
実際に、子ども家庭庁が出している有効求人倍率を参考にすると、保育士の求職者1人あたりに、約3件の求人があることになります。それくらい、保育士を必要としている職場が多いということです。
そのような人手不足の中で、「辞めたいと言いづらい」「円満退職は難しそう」と転職を躊躇してしまう方もいるでしょう。
参考:子ども家庭庁 『保育士の有効求人倍率の推移(全国)』
保育士が転職するメリットとデメリット
「転職するのが怖い」と感じている保育士さんは、転職するメリットとデメリット、両方を理解しておくのが大切です。
保育士が転職するメリット
保育士が転職するメリットは次のとおりです。
- 給料アップにつながる
- キャリアアップできる
- 自分の理想の保育ができる
- 今より働きやすい環境で働ける
- 自分のライフスタイルに合わせて働ける
「人間関係が合わない」「保育観が合わない」「給料が少ない」など、人によってさまざまな悩みを抱えていると思います。
転職する一番のメリットは、今の悩みが解消されることです。
職場の雰囲気や、保育方針、給与体系は園によって異なるため、自分に合う園へ転職することで“働きやすさ”につながるでしょう。
「今の職場が合わない」「毎日仕事をするのがつらい」と感じている方は、“自分らしく働ける保育園”へ転職を検討してみるのがおすすめです。
保育士が転職するデメリット
保育士が転職するデメリットは次のとおりです。
- 新しい職場で1からのスタートになる
- 今の悩みが転職で解決するとは限らない
- 働きながら転職活動するのが大変
転職するデメリットは、新しい職場で1からのスタートになることです。
新しい環境に進むことは、誰でも期待と不安がつきものです。一方で、デメリットもあればメリットもあると考えられれば、前向きな一歩を踏み出せるかもしれません。
とはいっても、「今の悩みが転職することで解決するとは限らない」ということも理解しておくのが大切です。
後悔しないためには、自分が一番悩んでいることを明確にして、転職先を選ぶことです。
「自分に合う園が分からない・・」「働きながら一人で転職活動するのが不安・・」という方は転職エージェントに相談してみるのも1つです!
自分らしい職場の見つけ方
「自分らしい職場」といっても、どうやって見つければいいのか分からない方もいるでしょう。
最後に、自分らしい職場を見つけるためのポイントを3つご紹介します。
自分の保育観を見つめ直す
自分らしい職場を見つけるためには、自分の保育観を振り返るのがおすすめです。
「子ども1人ひとりに寄り添う保育」「子どもの自主性を尊重する保育」「家庭のような温かな雰囲気の保育」など、人によって理想とする保育は異なります。
「自分がどのような保育をしたいのか」を明確にすることで、理想の職場が見えてくるでしょう。
一方、自分の保育観がブレていると、自分に合う職場は見つけられません。
そのため、転職活動を始める前に、保育士をしていて心が動いた瞬間や過去の経験を思い出し、自分が目指す保育を明確にしましょう!
転職先の条件を決めて優先度をつける
自分らしい職場を見つけるうえで、「これだけは譲れない」という条件を明確にするのが大切です。
給与、勤務時間、保育観、人間関係、仕事内容など・・・人によって職場にこだわるポイントはさまざまでしょう。
「こだわりたいポイントがたくさんある」という場合は、転職先に求めるポイントを箇条書きにしてから優先順位をつけると、自分が一番大切にしたい条件が明確になります。
転職のプロに相談をしてみる
自分らしい職場を見つけるためには、転職のプロに相談するのも1つです。
限られた時間の中で、自分に合う職場を見つけるのは大変なことです。
保育の転職事情に詳しいプロに相談すれば、自分の条件に合う職場を紹介してくれます。自分一人で1から探すよりも、効率よく探せるのでおすすめです。
また、一人だと不安になりがちな、履歴書・職務経歴書・面接対策・条件交渉などもサポートしてくれます。
「初めての転職で不安・・」「転職で失敗したくない」「そもそも転職するか迷っている」という方は、相談してみてはいかがでしょうか?
保育士の転職が怖い時まとめ
新しい職場での人間関係や、生活環境の変化、転職活動など・・転職に対するさまざまな不安を感じて、なかなか一歩が踏み出せないという方は多いかもしれません。
しかし、勇気を出して一歩踏み出せば、自分に合う環境で自分らしく働けるでしょう。
また、保育士資格を活かせる職場はたくさんあります。
「保育士が合わないかもしれない・・」と感じている方は、別の保育園も含めて、たくさんの選択肢から自分に合う職場を見つけてみてはいかがでしょうか?
「転職するのが怖い」「自分に合う職場が見つかるか不安」という方は、保育士人材バンクにご相談ください。
希望条件や悩みをしっかりヒアリングさせていただき、あなたらしく働ける職場をご紹介いたします!