病児保育は、病気や病後の子どもの保育や看護をする仕事です。病児保育士として働くには、保育士や看護師の資格があると有利です。今回は、病児保育士の資格のほか、仕事内容やメリットなどについて、くわしく解説します。
目次
病児保育とは
病児保育とは、病気や病後の子どもを一時的に預かり、保育や看護を行うことです。
病児保育事業には、以下3つのパターンがあります。
- 病児対応型・病後児対応型
- 体調不良児対応型
- 非施設型(訪問型)
上2つは「施設型」です。
1つ目の病児対応型・病後児対応型では、病院や保育所、2つ目の体調不良児対応型では保育園内の専用スペースで、保育や看護を行います。
3つ目の非施設型は、別名「訪問型」とも呼ばれるもので、看護師や保育士が子どもの自宅に訪問して、一時保育を行います。
病児保育で働くための資格は?

病児保育で働くためには、基本的には保育士か看護師の資格が必要です。
病児保育専門の民間資格もあります。いずれの資格も、取得するには、受講費や認定料などの費用がかかります。また、資格には有効期限があり、更新が必要です。
代表的なものとして、以下3つの民間資格があります。
・認定病児保育スペシャリスト【日本病児保育協会】 ・認定病児保育専門士【全国病児保育協議会】 ・医療保育専門士【日本医療保育学会】 |
1つ目の「認定病児保育スペシャリスト」は、病児保育の経験なしでも取得できる資格です。Web講座の修了と2度の試験、24時間以上の実習をパスすると、取得できます。
2、3つ目の資格は、病児保育の経験がある保育士が、キャリアアップを目的に取得する資格です。研修の受講や課題やレポートの提出、認定試験をパスすると、取得できます。
病児保育の仕事内容
病児保育では、病気か病後で、登園や登校ができない子どもたちの保育や看護を行います。
子どもの体調を見守りながら、落ち着いた環境の中で保育を行い、無事に日常生活に戻れるよう、体力の回復をサポートします。
病児保育士は基本的に医療行為を行いません。行うのは子どもの観察や見守り、検温や服薬介助などです。定期的な換気や消毒といった、感染対策も重要な業務です。
子どもの状態によっては、病院と連携して、医師や看護師に連絡、相談をしたり、受診につきそったりする場合もあります。
一般的な保育園のように、外遊びや行事、イベントといった取り組みは、あまり行いません。
病児保育で働くメリット
ここでは、病児保育士として働く3つのメリットを紹介します。
- 資格がなくても働きやすい
- 体力的な負担が少ない
- 少人数・異年齢保育ができる
イベントなどが大型の保育園に比べて少なめ
病児保育は、基本的に室内で行われます。
発熱や倦怠感などの病状が出ている子どもは、横になって休む時間が長く、回復期にあたる病後の子どもも、室内で安静に過ごすことがほとんどです。
また、一般の保育園と違って、病児保育では、外遊びや行事・イベントなどは行いません。遊ぶとしても、おもちゃを使った遊びや、簡単な図画工作などを、室内で行う程度です。
そのため、あまり体力に自信のない方でも、働きやすいでしょう。
少人数・異年齢保育ができる
病児保育では、一度に大人数の子どもの保育をすることは、ほとんどありません。
1日あたりの人数制限を設けている施設が多く、1つの施設で病児は10人以下、病後児で、多くても20人ほどの子どもを預かる場合がほとんどです。
参考:厚生労働省「病児保育事業の運営状況に関する調査」
利用する子どもの人数は日によって違い、人数が多い場合には、少人数のグループを数人の保育士で手分けして保育を行うことが多いので、一人ひとりに寄り添った保育ができます。
また、病児保育では、保育園~小学校に通う年齢の子どもを対象とするため、乳幼児から小学生まで、さまざまな年齢の子どもを同時に保育する、異年齢保育が経験できるでしょう。
病児保育で働くデメリット
次に、病児保育士として働く3つのデメリットを紹介します。
・感染症のリスクがある ・精神的な負担がある ・子どもとの関係づくりが難しいときがある |
感染症のリスクがある
病児保育では、さまざまな病気の子どもを預かります。
中には、感染しやすい病気の子どももいて、保育士自身が病気に感染してしまうリスクと、常に隣りあわせです。
徹底した感染対策はもちろん、万が一感染した場合の、仕事や家庭での対応方法についても、事前に対策しておいた方が良いでしょう。
子どもとの関係づくりが難しいときがある
病児保育に来る子どもは毎日違い、長くても数日間しか通い続けないことがほとんどです。
限られた時間で、子どもと信頼関係を築くのは、簡単なことではありません。
ささいなおしゃべりや介抱、室内遊びといったコミュニケーションで、子どもの心をつかみ、安心感や信頼性ある関係づくりを目指します。
病児保育の資格まとめ

病児保育とは、病気や病後の子どもを一時的に預かり、保育や看護を行うことです。
病児保育で働くためには、基本的には保育士か看護師の資格が必要です。
資格を活かして自分にピッタリな働き方を見つけることで、自分らしく長く働き続けることができます。
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