子どもたちの成長を見守りサポートする保育士は、さまざまな能力が求められます。
保育に関するスキルや技術など、保育士としての専門性はもちろん、豊かな人間性や思いやる心も必要になるでしょう。
本記事では、保育士に必要なこと17選をご紹介します。
採用面接で聞かれたときの回答例もご紹介しているので、これから就職・転職活動をする方もぜひ参考にしてみてください!
スキル面
ここでは、保育現場で必要となる実践的なスキルを9個ご紹介します。
保育に関する知識やスキル
保育士は、保育に関する専門知識やスキルが必要不可欠です。
子どもの発達に関する知識や、子ども一人ひとりの成長に合わせたアプローチなど、適切な保育をするためには、土台となる専門性を磨く必要があるでしょう。
また、保護者をサポートすることも、保育士の大切な役割です。
専門的な立場から、保護者に適切なアドバイスや助言をするためには、保育のプロとして正しい専門知識を身につける必要があります。
製作に関するスキル
折り紙や粘土、絵画など、保育では手先を使った活動や、制作をおこないます。
そのため、保育士は子どもたちの創造力を引き出すためにも、製作に関するスキルが求められるでしょう。
ほかにも保育室の壁面制作や、イベント行事の装飾など制作スキルが求められる場面はたくさんあります。
言語表現に関するスキル
保育では、絵本や紙芝居の読み聞かせや手遊びなど、言語表現力が必要となる場面がたくさんあります。
言語表現力が豊かな保育士さんは、子どもたちの興味・関心を引きつけることができるでしょう。
子どもたちは、保護者や保育士など周りの大人や友だちとの関わりの中で、さまざまな言葉や表現を身につけていきます。
長い時間子どもたちと関わる保育士は、子どもたちの言語能力を育んでいくためにも、豊かな言語表現力を身につけるのが大切です。
音楽に関するスキル
保育現場では、歌をうたったり簡単な楽器を演奏したりする機会が多々あります。
子どもたちが音楽を楽しめるように、ピアノやギターを使って伴奏したり、一緒に歌を歌ったりなど、保育士は音楽に関するスキルも求められます。
中には、音楽に合わせて体を動かすリトミック教育や楽器演奏に力を入れている園もあるでしょう。
音楽が苦手だからといって、保育士になれないというわけではありませんが、活躍の場が広がるという意味でも、音楽に関するスキルは身につけておいて損のないスキルといえます。
運動活動に関するスキル
子どもたちの健やかな成長や発達において、運動は必要不可欠です。
保育士が運動指導のスキルをもっていれば、子どもたちは「体を動かす気持ちよさ」や「楽しさ」を知るきっかけになるでしょう。
また、スキルをもっていることで、運動を活かしたさまざまな遊びを保育に導入できるので、子どもたちに多くの体験や経験を提供できます。
英語に関するスキル
英会話講師を招いたり、保育に英語を取り入れたりと英語に力を入れている保育園は少なくありません。
そのため、英語に関するスキルをもっていると活躍の場が広がります。
また近年は外国籍の子どもを受け入れる保育園が増えています。
保育士が英語スキルをもっていれば、外国籍のご家庭ともスムーズにコミュニケーションがとれるというメリットもあります。
料理に関するスキル
保育士は、料理に関するスキルが求められる場面もあるでしょう。
多くの保育園では、食育の一環で簡単な調理体験や、おやつ作り、野菜栽培をおこなっています。
そのため、料理やお菓子作りが得意な方は、保育で役立つのはもちろん、イベントの企画や運営を任せてもらえる可能性があります。
保護者から子どもの食事や栄養に関する相談を受けた際にも、料理のスキルがあれば具体的なアドバイスができます。
パソコンの操作能力に関するスキル
保育園によっては、書類作成や管理をパソコンでおこなう場合があります。
とくに保育業界は、業務効率化や保育士・保護者の負担軽減のために、ここ数年でICTツールの導入が進んでいます。それにともない、保育士はパソコンやタブレットの操作スキルが求められるようになりました。
パソコンやタブレットの操作スキルをもっていれば、事務作業にかかる時間や労力を軽減できますし、保育現場でも即戦力として活躍できます。
文章をまとめる・伝えるスキル
文章をまとめる、伝えるスキルも、保育士には必要なスキルです。
保育士は文章を書くシーンが多々あります。
たとえば、子どもたちの保育記録や、保護者向けの連絡帳、おたより作成などが挙げられます。
文章をまとめるスキル、伝えるスキルがあれば、簡潔に分かりやすく相手に情報を伝えられます。
保護者に対しても、日々の連絡帳やお知らせなどで、子どもの様子や成長の変化を明確に伝えられるため、保護者は安心感を持てるでしょう。
人間性面
人間性とは、その人が生まれつき持っている性質や人間らしい部分をさします。
ここでは、“人間性”に着目して、保育士に必要なポイントをご紹介します。
コミュニケーション能力
子どもや保護者など、さまざまな立場の相手と関わる保育士は、コミュニケーション能力が必要不可欠です。
コミュニケーション能力は、経験やトレーニングを通じて訓練することで身につけられるものですが、一般的には人間性の一部として捉えられる場合があります。
コミュニケーション能力が高い人は、相手の話をしっかり聞いて、相手に安心感を与える会話ができます。相手に合わせて適切な言葉選びもできるため、相手と良好な関係を築けます。
コミュニケーション能力が高い保育士は、子どもや保護者と信頼関係が築きやすくなるでしょう。
ポジティブな姿勢
ポジティブな姿勢で取り組むことは、保育士にとって必要なことです。
ポジティブな姿勢は、ポジティブな姿勢は、子どもはもちろんのこと、保護者や職場環境にもよい影響を与えます。
保育士が明るく前向きな姿勢で保育をすれば、子どもたちは安心感を持てますし、子どもたちも失敗を恐れず前向きにチャレンジできるでしょう。
また、保育現場では予期せぬトラブルや困難な状況が発生することも。
ポジティブな姿勢の保育士は、問題が起きたときにも前向きに取り組めるため、建設的な解決策を見つけられます。
思いやり
保育士にとって、“思いやり”は必要な要素といえます。
子どもたちの成長をサポートし、保護者や職場の同僚とより良い関係性を築く上で、思いやりをもって接することは非常に大切なことです。
思いやりがある保育士は、相手の立場に立って行動できるので、子どもや保護者、周りの保育士に安心感を与えます。
とくに子どもたちは、感情の表現やコントロールが難しいことも多いです。保育士が思いやりをもって寄り添うことができれば、情緒の安定につながり、子どもたちの成長に良い影響を与えます。
忍耐力
忍耐力とは、困難な状況であっても、目標に向かって努力できる力のことですが、保育士にとって必要なことです。
子どもたちは1人ひとり成長スピードが異なります。
時には保育が上手くいかなかったり、悩んだりすることもあるでしょう。
しかしそんな時でも、保育士は急かさず、温かく見守ることが大切です。
忍耐強く見守ることが、子どもたちのやる気を引き出し、成長をサポートします。
誠実さ
真面目に相手と向き合える誠実な保育士は、子どもたちや保護者、職場の仲間とより良い関係を築くことができます。
とくに、保育士は子どもたちにとって模範となる存在です。
自分が悪いと思ったら「ごめんね」が言える、感謝を伝えたいときは素直に「ありがとう」が言える、そんな保育士の誠実な部分を見て、子どもたちも同じように成長するはずです。
また、誠実さをもって接することは、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
保護者や同僚と接する際、嘘をついたり誤魔化したりすると、後々大きな問題になり、相手からの信頼を失いかねません。
保育士にとって誠実さは、子ども、保護者、同僚と信頼関係を築いていく上で必要不可欠な要素であり、子どもたちの成長にも大きな影響を与えるのです。
向上心
保育士にとって向上心をもつことは大切なことです。
向上心をもつ保育士は、積極的に新しい知識やスキルを学んで実践しようとするため、
子どもたちに質の高い保育を提供できます。
また、新しい挑戦や改善点に対しても、ポジティブな姿勢で取り組めるため、職場内にも良い影響を与えるでしょう。
向上心をもった保育士は専門性が高いため、周りからの評価も高く、昇進などキャリアアップの機会も増えます。
柔軟性
保育士は、予期せぬトラブルや問題が起こったときに、柔軟な対応が求められます。
柔軟性があれば、子どもたちの発達や感情の変化に対しても、迅速に最適なサポートができるでしょう。
また、保護者によって価値観や要望はさまざまです。
柔軟に対応できる保育士であれば、保護者1人ひとりに寄り添った支援ができます。
責任感
子どもたちの命を預かる保育士にとって、責任感をもつことは必要不可欠です。
保育中は事故や怪我を防ぐために、子どもたちの安全を確保しなくてはなりません。
万が一、子どもが怪我をしてしまった時や、トラブルが起きた時は迅速に連絡、行動、対応をしていく必要があります。
また、保育士は、クラス担任や行事担当を任されることが多いため、最後までやり遂げることが大切です。
責任感が強い保育士は、周りから信頼されるため、責任ある業務やポジションも任されやすいでしょう。
面接で聞かれた時の答え方
保育士の採用面接では、「保育士に必要なことは何だと思いますか?」という質問をされることもあります。
面接官が質問する意図は、あなたの価値観や、職務に対する理解度を確認するためという場合が多いでしょう。
また、保育に対する考え方が、保育施設の理念や方針と合っているかどうか、見極めるためという場合もあります。
答える際は、志望動機と結びつけながら、仕事に対する熱意と、自分が保育士としてどのような強みを発揮できるかをしっかりアピールしましょう!
具体的な回答例は次のとおりです。
【面接の回答例①:柔軟性】
面接で「柔軟性」について、答える場合の回答例は次のとおりです。
「保育士に必要なことは、柔軟性だと思います。子ども1人ひとり、性格も違えば成長スピードも異なるため、保育士は子ども1人ひとりに合わせた柔軟なサポートが求められると思います。
また、日々の保育では、予想外の問題が発生することも多いため、柔軟な対応が重要になると考えています。
貴園の理念にもあるとおり、「1人ひとりに寄り添った保育」を実践するためには、偏った考え方ではなく、常に子どもの目線に立って、柔軟に対応することを心がけたいと思っています」
【面接の回答例②:コミュニケーション能力】
面接で「コミュニケーション能力」について、答える場合の回答例は次のとおりです。
「保育士に必要なことは、コミュニケーション能力だと思います。
保育士は子どもたちや保護者、職場の同僚などたくさんの方と関わる機会があります。信頼関係を築いていくためには、相手の立場に立った丁寧なコミュニケーションが大切であると考えています。
貴園では保護者支援に力を入れていますが、保護者の方々に安心してお子さまを預けていただくためには、日々のこまめなコミュニケーションが重要であると思います。
保護者の方々と良好な関係を築くためにも、保護者1人ひとりに寄り添って密なコミュニケーションをとりたいと思っています。」
自分が持っている能力の見つけ方
ここまで、保育士に必要なことをご紹介しましたが、「自分が持っている能力が分からない」、「自分に保育士としての適性があるのか自信がない・・・」、という方もいるかもしれません。
自分の能力が分かれば、志望動機や自己PR、面接の際に自分の強みとしてアピールができます。
ここでは、自分が持っている能力の見つけ方をご紹介します。
過去の経験を振り返る
まずは自分がこれまで経験してきたことを思い出してみましょう。
たとえば、保育士として苦労したことや、上手くできた場面を振り返ります。
その際、どのように困難を乗り越えたのか、どのようなことを意識したのか、などを具体的に振り返るのがポイントです。
保育経験がない方は、他の仕事やアルバイト、ボランティア活動、保育実習での経験を振り返ってみましょう。
経験や学びがどのように保育に活かせるのか分析する
つぎに、自分の経験や学びが、どのように保育に活かせるのかを分析してみましょう。
たとえば、「悩んだり苦労したりしながらも、1つのことを達成できた(継続できた)」という経験がある方は、忍耐力や責任感の強さが自分の強みになります。
忍耐力や責任感の強さは、子どもの成長を見守るときや、責任ある業務やポジションを任されたときに活きるはずです。
上記のように、これまでの経験や学びを保育に結び付けて考えることで、自分の強みとしてアピールできるようになります。
第三者や専門家に相談する
同僚や上司、専門家など、第三者に相談してみるのも1つです。
第三者にフィードバックを受けることで、自分では気づけない強みや改善点が見つかる場合も少なくありません。
たとえば、保育士専門の転職エージェントを活用するのも1つです。
保育士の就職・転職事情に詳しい、保育士専門の転職エージェントであれば、自分の経験や能力を踏まえて、最適なキャリアプランのアドバイスももらえます。
保育士に必要なことまとめ
保育士に必要なことを17個ご紹介しました。
安全に注意しながら子どもの成長をサポートしつつ、保護者支援もおこなう保育士はさまざまなスキルや能力が求められます。
しかし、最初から何でもできる完璧な保育士はいません。
スキルや能力は、保育士としてさまざまな経験を積み重ねていくうちに、自然に身についていくものです。
もし、「保育士としての経験が少ないから自信がない」、「自分に保育士は向いていないかも・・・」と悩んでいる保育士さんは、必要以上に悲観的になる必要はありません!
また、保育士にとって一番大切なことは、「子どもを思う気持ち」です。
「子どもを笑顔にしたい」「子どもの成長のために色々な経験をさせてあげたい」など、子どものことを一番に考えられる方、愛情をもって子どもと関われる方は、保育士に向いています!
これからも、自分の強みや経験を活かしながら、さらに保育士として成長していけるといいですね!
「自分の強みが分からない」、「自分の経験や強みを活かせる転職先を見つけたい」という方は、保育士人材バンクまでお気軽にご相談ください!