保育士として働く中で「給与が思うように上がらない」「生活が厳しい」と感じている方も多いのではないでしょうか?
また、これから保育士を目指す方の中には資格取得の費用負担が気になるという方もいるかもしれません。
実は、保育士を支援するために国や自治体が提供する補助金・助成制度が多数あります。
給与の加算や資格取得の補助など、知らないと損をする制度もあるため、活用できるものをしっかりチェックすることが大切です。
本記事では、2025年最新の保育士向け補助金や制度を詳しくご紹介します。
給料アップを目指したい方、資格取得を検討している方は、ぜひ最後までチェックしてみてください!
目次
保育士が活用できる補助金・制度

保育士として働く上で、補助金や支援制度を利用すれば、負担を減らしながら安心して働ける環境を整えることができます。
中でも、住居費の補助や給与の上乗せ制度は、保育士の待遇向上に大きく貢献する支援策といえるでしょう。
ここでは、保育士が活用できる代表的な補助金や制度の仕組み、メリットについて詳しく解説します。
借り上げ社宅制度(保育士宿舎借り上げ支援事業)
借り上げ社宅制度は、保育士の家賃負担を減らすために、保育施設が住まいを借り上げ、その費用を自治体が一部補助する制度です。
【制度の仕組み】
- 保育園や幼稚園などの運営法人が、保育士のためにアパートやマンションを借りる
- 自治体が家賃の一部を補助し、保育士の自己負担額を軽減する
【保育士にとってのメリット】
- 家賃負担が大幅に軽減されるため、経済的な余裕が生まれる
- 住居費の負担が減ることで、貯蓄や趣味へお金を回しやすくなる
- 希望する地域や都市部での勤務がしやすくなり、住まいの選択肢が増える
- 長期的に働くメリットが大きくなり、転職を考えにくくなるため、安心して働ける環境が整う
給与上乗せ制度(自治体独自の取り組み)
自治体によっては、保育士の待遇改善を目的に、基本給に上乗せする給与補助を実施している地域もあります。
【制度の仕組み】
- 各自治体が保育士の給与に対して一定額を上乗せする
- 支給額は自治体や施設の取り組みによって異なり、月額・年額で支給されるケースが多い
- 賞与の増額や経験年数に応じた加算が適用されることもある
【保育士にとってのメリット】
- 給与のベースが上がることで収入が安定し、生活の余裕が生まれる
- 保育士の待遇向上につながり、働き続けやすい環境が整う
- 働き続けるメリットが増え、職場への愛着が深まることで安定したキャリアが築きやすくなる
保育士等キャリアアップ研修
保育士等キャリアアップ研修は、経験を積んだ保育士が専門性を高め、リーダー職へのステップアップを支援する研修制度です。
研修を受講することで、スキルアップや役職への昇進につながり、処遇改善が期待できます。
【制度の仕組み】
- 経験年数3年以上の保育士が対象となる
- 研修内容は乳児保育、幼児保育、障がい時保育、食育・アレルギー対応、保護者支援、マネジメントなど
- 自治体が指定する研修機関で実施される
- リーダー職に昇進すると処遇改善等加算Ⅱの適用で給与アップの可能性がある
【保育士にとってのメリット】
- 給与アップが期待できる
- 昇進・昇給のチャンスが広がる
- 保育の専門性を向上できる
- 保護者対応やマネジメントスキルが向上する
- 転職時の選択肢が広がる
スキルアップとともに給与の向上が期待できるため、保育士として安定して働き続けるうえで、大きなメリットとなります。
参考:子ども家庭庁 「令和6年度保育関係予算案の概要」
保育士を目指す方が利用できる補助金・制度
保育士を目指す方に向けて、資格取得や就職を支援する補助金や制度が用意されています。
学費の負担軽減や就職準備の支援などを活用することで、安心して保育士への道を進めます。
ここでは、保育士を目指す方を支援する補助金・制度の仕組みやメリットについて詳しく解説します。
修学資金貸付制度
修学資金貸付は、保育士を目指す学生が学費や生活費の負担を軽減できる制度です。
養成校に通う間の学費や生活費を支援し、一定期間保育士として勤務すれば返還が免除される場合があります。
【制度の仕組み】
- 保育士養成施設(短大・大学・専門学校)に在学中の学生が対象となる
- 貸付内容は学費や生活費の一部(自治体によって異なる)
- 卒業後、2~5年程度で自治体指定の保育施設で勤務すると返還が免除となる
【保育士を目指す方にとってのメリット】
- 学費や生活費の負担を抑えながら保育士資格を取得できる
- 保育士として一定期間働けば返還が免除されるため、実質的に学費が無料になる可能性がある
- 金利なしの貸付が多いため、経済的な負担を最小限に抑えられる
資格取得支援
社会人や未経験者向けに、保育士資格の取得を支援する制度もあります。
試験対策講座の受講費補助や受験費用の助成などが含まれることが多く、働きながら資格取得を目指す方にとって大きな助けとなる制度です。
【制度の仕組み】
- 保育士試験の受験者、保育士資格取得を目指す社会人・未経験者が対象となる
- 支援内容は試験対策講座の受講費補助、受験料補助、テキスト代補助など
- 実施主体は自治体やハローワーク、保育業界団体など
【保育士を目指す方にとってのメリット】
- 働きながらでも資格取得を目指しやすい
- 受験にかかる費用を抑えられる
- 講座や研修を活用することで、効率よく試験対策ができる
再就職支援事業
保育士資格を持っているもののブランクがある方、を対象とした再就職支援制度もあります。
研修の受講や復職支援金の支給、就職先の紹介などを通じて、安心して現場復帰できるようサポートが受けられます。
【制度の仕組み】
- 保育士資格を持っているが、現在就業していない方が対象となる
- 支援内容は再就職研修の受講、施設での実習、復職支援金の支給、就職相談など
- 実施主体は自治体、ハローワーク、保育業界団体など
【保育士にとってのメリット】
- 研修を通じて最新の保育知識を学び、スムーズに復職できる
- 復職支援金が支給される場合があり、経済的な負担を軽減できる
- 就職相談や施設見学を通じて、自分に合った職場を見つけやすい
東京都にある補助金・制度ご紹介

ここでは、東京都で利用可能な補助金・支援制度について詳しくご紹介します。
条件を満たせば大きなメリットを得られる制度もあるため、ぜひ参考にしてください。
保育士等キャリアアップ補助金
東京都では、保育士のスキル向上と長期的な定着を支援するために、『保育士等キャリアアップ補助金』を設けています。
この制度を利用することで、保育士は費用の負担を抑えながら専門知識を習得し、キャリアアップを目指せます。
また、研修を修了すると処遇改善等加算の対象となり、給与アップが期待できるのも大きな魅力です。
【補助内容】
- 研修受講費用の80%(上限8万円)を補助
- 年間最大8万円まで補助を受けることが可能
- 東京都内の認可保育所・認定こども園・地域型保育事業などに勤務する保育士が対象
参考:東京都福祉局:「東京都保育士等キャリアアップ補助金」
保育従事職員宿舎借り上げ支援事業
東京都内では、保育士の家賃負担を減らし働きやすい環境を整えるために『保育従事職員宿舎借り上げ支援事業』を実施しています。
この制度では、保育園などの運営法人が保育士向けに借りた住まいの家賃を、自治体が一部負担する仕組みです。
【補助内容】
- 最大月額8万2,000円を上限に補助
- 最長6年間利用可能
- 都内の対象施設に勤務する常勤の保育士が対象
この制度を活用することで、家賃負担を大幅に軽減でき、その分の費用を生活費や貯蓄に充てられるのが大きな魅力です。
また、家賃の高い東京都内でも安心して住まいを確保できるため、都内での勤務を希望する保育士にとって非常に心強い制度といえます。
参考:東京都福祉局:「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」
大阪府にある補助金・制度ご紹介
ここでは、大阪府で利用できるおもな補助金や支援制度について詳しくご紹介します。
保育士宿舎借り上げ支援事業
大阪府では、保育士の家賃負担を大幅に軽減するため『保育士宿舎借り上げ支援』を実施しています。
月額最大8万2,000円の家賃補助が受けられるため、大阪府内で働く保育士にとって、住居費の負担を抑えながら安心して勤務できるのが大きなメリットです。
利用を希望する場合は、勤務先の保育施設が制度を導入しているか事前に確認しましょう!
大阪市:「大阪市内で保育士として働く方を支援します」
保育士定着支援事業交付金
大阪市では、保育士の離職防止と長期的な定着を促進するため『保育士定着支援事業交付金』を支給しています。
勤続年数に応じた一時金が支給されるため、長く働くほど給与のベースアップが期待できるのが大きなメリットです。
支給額の一例は次のとおりです。
- 勤続1年目:10万円
- 勤続2年目:15万円
- 勤続3年目以降:20万円
この制度を活用すれば、長く働くほど収入が安定し、働き続けやすい環境が整います。
また、経験を積むことで、さらなる待遇の向上も期待できるでしょう!
大阪市:「大阪市内で保育士として働く方を支援します」
千葉県にある補助金・制度ご紹介
千葉県で利用できる補助金や支援制度は次のとおりです。
保育士修学資金等貸付制度
千葉県では、保育士を目指す学生や現職の保育士に向けた『保育士就学資金等貸付制度』を実施しています。
最大120万円の修学資金貸付をはじめ、就職準備金や未就学児をもつ保育士向けの支援など、幅広いサポートが用意されています。
【支援内容】
- 修学資金貸付:月額5万円(最大2年間で120万円)
- 就職準備金貸付:20万円(新卒・再就職者向け)
- 未就学児保育料貸付:月額2万7,000円(最大1年間で32万4,000円)
この制度の大きな魅力は、千葉県内の保育施設で一定期間勤務すれば、貸付金の返還が免除されることです。
保育士としてのキャリアを千葉県で築きたい方にとって、経済的負担を抑えながら資格取得や就職ができる絶好の機会といえるでしょう!
保育士等処遇改善補助事業
千葉県浦安市では、勤続年数に応じて月額最大6万円の給与上乗せを実施しています。
初めて勤務する方でも、月額4万3,000円の給与加算があり、さらに賞与も1回につき4万円の上乗せが受けられるため、安定した収入を確保しやすいのが魅力です。
経験を積むほど支給額が上がるため、収入面での不安を軽減しながら、やりがいを持って長く働き続けることができるでしょう!
参考:
千葉県「保育士修学資金等貸付制度のご案内」
浦安市「私立保育所などで働く保育士への支援」
その他の自治体にある補助金・制度のご紹介
保育士の確保と定着を目的に、東京都や大阪府、千葉県に限らず、他の自治体でも独自の補助金や支援制度が実施されています。
自分に合った制度を活用し、働きやすい環境を整えましょう!
沖縄県沖縄市 『保育士復職応援給付金』
沖縄市では、保育士資格を持ち、1年以上現場を離れていた方が、市内の認可保育施設に復職する際に、10万円の支援金を受け取れる『保育士復職応援給付金』制度を実施しています。
制度の対象は、週20時間以上勤務していて、同じ施設で6ヶ月以上働いた方です。
また、保育士のお子さんが市内の認可保育施設への入所を希望する場合、優先的に調整がおこなわれるため、復職後の子育てと仕事の両立がしやすいのもメリットです。
さらに、沖縄市以外に住んでいる方も対象となるため、市外からの転職を検討している方にも活用しやすい制度です。
参考:沖縄市「保育士さんの復職を応援します」
埼玉県さいたま市 『上乗せ補助』
さいたま市では、保育士の給与向上と定着を図るため、独自の上乗せ補助制度を実施しています。
具体的には、常勤職員1人あたり年間19万3,500円が支給され、内訳は月額1万500円(年間12万6,000円)と年末の期末手当として6万7,500円です。
この上乗せ補助制度を利用することで、保育士は安定した収入を得ることができ、生活の安定やモチベーションの向上につながります。
参考:さいたま市「保育士の給与に193,500円(年額)の上乗せ補助をしています!」
北海道札幌市 『札幌市潜在保育士短時間就労支援事業』
北海道札幌市では、保育士資格を持ちながら現場を離れている方の現場復帰を支援するために、支援制度を実施しています。
具体的には、月の勤務時間に対して1時間あたり170円、最大で月額2万円が補助されます。
対象となるのは、札幌市内の認可保育所、認定こども園、地域型保育事業所で勤務する保育士資格を持つ方です。
この取り組みにより、短時間勤務を希望する保育士が働きやすい環境が整い、常勤保育士の負担軽減や離職防止にもつながっています。
参考:札幌市「保育人材の確保に向けた事業について」
保育士の保育士 補助制度まとめ

保育士が活用できる補助金や制度は、給与の上乗せや住居費の支援、資格取得・復職サポートなど、多岐にわたります。
自治体によって支援内容はさまざまですが、自分に合った制度を上手に活用することで、金銭的な負担を軽減し、より安心して働くことができます。
補助金や支援制度を活用しながら、「もっと自分らしく働ける環境を整えたい」とお考えの方は、ぜひ『保育士人材バンク』にご相談ください。
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