「扶養内で保育士として働きたいけれど、収入の上限や働き方の違いがよく分からない・・・」と悩んでいませんか？
扶養内のパートとして働く場合、年収103万円・130万円の壁など、収入によって社会保険や税金の負担が変わるため、あらかじめ仕組みを理解しておくことが大切です。
この記事では、扶養内で保育士として働く際のポイントや、103万円・130万円の収入ラインによる違いを分かりやすく解説します。
扶養の範囲内で、無理なく働ける方法を見つけましょう。
目次
扶養内とは
「扶養内で働く」とは、配偶者や親の扶養に入りながら、税金や社会保険の負担を抑えて収入を得る働き方を指します。
扶養には、「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があり、それぞれ収入基準が異なります。
税制上の扶養では、配偶者控除や扶養控除の対象となるためには、年間の合計所得金額が48万円以下である必要があります。
給与所得者の場合、給与所得控除額(最低55万円)を差し引くと、給与収入が103万円以下であれば配偶者控除等の対象となります。
一方、社会保険上の扶養に入るためには、年間収入が130万円未満であることが条件です。この基準を超えると扶養から外れ、自身で健康保険や年金に加入する必要があり、その分の保険料を負担することになります。
扶養内で働くためには、収入の管理が重要です。自分に合った働き方を選ぶために、制度をしっかり理解しておきましょう！
103万円の壁撤廃と最新の制度改正
政府は、2024年12月20日に『税制改正大網』を決定し、「年収103万円の壁」は123万円へ引き上げられることが決まりました。
これにより、配偶者の年間収入が123万円以下であれば、所得税の配偶者控除が適用されます。
一方、社会保険の扶養に関する「130万円の壁」については、大きな変更は発表されていません。
そのため、2025年以降も年間収入が130万円を超えると、社会保険料の自己負担が必要になる可能性があります。
この改正は、2025年1月1日から適用される予定でしたが、2025年2月現在、引き上げ額の再検討が進められており、適用時期が延期される可能性があります。
参考：
国税庁「No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか」
厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」
財務省「令和7年度税制改正の大綱の概要」
103万や130万の働き方違い
扶養内で働く場合、年収103万円以内と130万円以内では、勤務時間や働き方に違いがあります。
扶養内で働く際に押さえておきたいポイントを、分かりやすく解説します。
103万円以内で働く場合
103万円以内で働く場合、税制上の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)の対象となり、所得税が発生しません。
また、勤務時間が短めのシフトとなるため、子育てや家事との両立がしやすいのがメリットです。
一方で、1日4～5時間の短時間勤務や週3～4日勤務が基本となるため、「シフトの制約があること」や、「月によっては収入調整を意識する必要がある点」には注意が必要です。
【勤務時間の目安】
- 時給1,200円の場合 → 週約16時間（1日4時間×週4日程度）
- 時給1,500円の場合 → 週約13時間（1日4時間×週3日程度）
130万円以内で働く場合
130万円以内で働く場合、税制上の扶養(配偶者控除)の対象からは外れますが、社会保険の扶養(健康保険・年金)には引き続き入ることができます。
そのため、所得税の負担は発生しますが、健康保険料や年金保険料を自分で支払う必要はありません。
また、勤務時間を増やせるため、収入を確保しながら保育現場での経験を積みたい方にも向いています。
ただし、年間収入が130万円を超えると社会保険の扶養から外れ、健康保険料や年金の自己負担が発生するため、年収管理には注意が必要です。
【勤務時間の目安】
- 時給1,200円の場合 → 週約20時間（1日5時間×週4日程度）
- 時給1,500円の場合 → 週約16時間（1日4時間×週4日程度）
どちらの働き方が良い？
103万円以内で働くのが向いているのは次のような方です。
- 扶養内で収入を抑えつつ、短時間で働きたい
- 家事や育児との両立を重視したい
- 配偶者の税制上の扶養を継続したい
130万円以内で働くのが向いているのは次のような方です。
- 勤務時間を増やし、収入を少しでも増やしたい
- 税金の負担はあっても、社会保険の扶養内でいたい
- 保育現場での経験を積みながら、働く時間を確保したい
自分のライフスタイルや収入の希望に合わせて、103万円以内と130万円以内の働き方を選びましょう！
扶養内パートのお仕事内容
扶養内で保育園のパートとして働く場合、おもに保育補助やサポート業務を担当します。
【保育補助(サポート業務)】
- 正社員の保育士の補助として保育に入る
- 担任を持たず、おもに食事・午睡・トイレ補助・着替えの手伝いなどを担当する
- 制作活動や遊びの見守り、絵本の読み聞かせなどもおこなう
【掃除・環境設備】
- 子どもたちが安全に過ごせるようにトイレ・おもちゃの消毒など環境を整える
- 午睡後の布団の片付けや給食・おやつの準備・片付けも担当することが多い
【簡単な記入補助】 園による
- 保護者との連絡帳の記入をサポートする場合もある
- 担任の先生の負担軽減のため、簡単な記録をつけることもある
※パート保育士は、書類業務はほとんど任されない場合が多いです。
【行事のサポート】
- 運動会や発表会、誕生会などの行事では裏方として準備やサポートを担当する
- 担任の先生と連携し、子どもたちがスムーズに行動できるようサポートする
扶養内で働きたい場合の応募方法
保育園のパートとして扶養内で働く場合、希望に合った求人を見つけることが重要です。ここでは、応募から採用までの流れやポイントについて解説します。
応募の流れ
①求人情報を探す
- 保育士専門の求人サイトや転職エージェントを利用する
- 『扶養内勤務OK』、『週〇日・〇時間以内』など、条件が明記されている求人をチェックする
- 園のホームページや自治体の保育士募集情報も確認する
②応募書類を準備する
- 履歴書(職務経歴書は不要な場合が多い)
- 保育士資格証のコピー(無資格でも応募できる園もある)
- 志望動機には「扶養内で働きたい理由」を簡潔に記載する
③面接を受ける
- 服装はカジュアルすぎず、清潔感のあるシンプルな服装を心がける
- 勤務希望時間や曜日を具体的に伝える
(例）週3日、9:00～14:00勤務希望など
- ブランクがある場合は「無理なく復職したい」と伝える
- 「子どもが好きで補助的な立場でもサポートしたい」など意欲をアピールする
④内定・契約手続き
- 勤務条件や扶養内での働き方について、改めて確認する
- 年間の収入が103万円以内・130万円以内になるようにシフト調整を相談する
扶養内で働ける求人を探すには
さいごに、扶養内で働ける保育士の求人の探し方をご紹介します。
保育士専門の求人サイトを利用する
扶養内で働ける求人を探す際、保育士専門の求人サイトを活用するのが効率的です。
「扶養内勤務OK」「短時間勤務可」などの条件を指定して検索できるため、自分に合った働き方がしやすくなります。
また、パートやアルバイト向けの求人情報が充実しているため、週〇日、〇時間以内の勤務が可能かどうか、事前に確認しやすいのもメリットです。
希望する勤務地や勤務時間を考慮しながら、複数の求人を比較してみましょう！
転職エージェントに相談する
扶養内で働きたい場合、保育士専門の転職エージェントを利用するのもおすすめです。
転職エージェントを活用すると、「103万円以内」「130万円以内」などの収入制限を考慮しながら、条件に合った求人を紹介してもらえます。
また、給与や勤務時間の希望を伝えれば、扶養内で無理なく働ける職場を提案してもらえるため、効率よく自分に合う求人を探せるのがメリットです。
シフト調整が柔軟な保育園や、扶養内勤務がしやすい園の情報を持っていることも多いため、まずは気軽に相談してみましょう！
保育園のホームページをチェックする
保育園によっては、ホームページにパート・アルバイトの募集情報を掲載していることがあります。
扶養内勤務が可能な求人が掲載されている場合もあるため、気になる保育園のホームページはこまめにチェックするのがおすすめです。
知人の紹介を活用する
保育士として働く友人から紹介してもらうのも1つの方法です。
実際に働いている人の意見を聞くことで、職場の雰囲気や、扶養内での勤務がしやすいかどうかを事前に把握できるため、安心して応募しやすくなります。
また、知人を通じて求人の情報を得ることで、一般の求人サイトには掲載されていないパート募集の情報を知れる場合もあるでしょう。
そのため、保育士として働く知り合いがいる場合は、気軽に相談してみるのがおすすめです。
扶養内での働き方について
扶養内で保育士として働く場合、103万円以内と130万円以内では、働き方や収入の管理が大きく異なります。
扶養内で無理なく働くためには、勤務時間や給与の上限を考慮しながら、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
「扶養内で働きたいけれど、どのように求人を探せばいいのか分からない・・・」
「自分に合った勤務時間やシフトの職場を知りたい」
「保育士としてブランクがあって不安・・・」
そんな方はぜひ、保育士専門の転職支援サービス『保育士人材バンク』をご活用ください！
『保育士人材バンク』では、扶養内で働ける求人の紹介はもちろん、給与調整のアドバイスや希望条件に合った職場探し、応募書類の添削や面接対策までしっかりサポートいたします。
扶養内での働き方を検討している保育士さんは、お気軽にご相談ください。
