保育士試験当日の持ち物や服装、筆記・実技試験の流れ、欠席時の対応をわかりやすく解説します。
受験生をサポートしてきた経験をもとに、休憩時間の過ごし方や当日の注意点、実際にあった失敗談もあわせてご紹介します。
保育士試験当日の持ち物・服装
試験当日に慌てないためにも、持ち物は前日までに準備しておきましょう。
受験票に記載された注意事項を確認したうえで、必要なものを一つのバッグにまとめておくと安心です。
必ず持参すべき必須の持ち物
筆記試験で机上に置けるものとして、公式に案内されている主な持ち物は次のとおりです。
- 受験票
- HBからBの鉛筆、またはシャープペンシル
- 消しゴム
- 通信機能や計算機能のない腕時計
筆記用具は万が一に備えて、複数用意しておくとよいでしょう。
そして、受験生をサポートする際に必ず持参するよう伝えているものが「腕時計」です。
試験室に時計がない場合に備えて用意しておきましょう。ただし、スマートウォッチや通信機能・計算機能があるもの、アラーム音が鳴るもの、置時計は使用できません。スマートフォンを時計代わりにすることも認められていないため、シンプルな腕時計を準備しておく必要があります。
受験票を紛失した場合は、保育士試験事務センターへの連絡が必要です。前日の夜に、受験票がバッグに入っているかを必ず確認しておきましょう。
あると安心!持って行くべき便利なアイテム
筆記用具などの必須アイテム以外にも、
- 飲み物
- 昼食
- おやつ
- 脱ぎ着しやすい上着
- 必要に応じてひざ掛け
- 常備薬
- ハンカチ、ティッシュ
- 確認用の教材
試験当日は、必要に応じて昼食を各自で持参するよう公式にも案内されています。会場付近のコンビニエンスストアや飲食店は混雑する可能性があるため、事前に準備しておくと安心です。
また、試験会場では空調を細かく調節できない場合があります。暑さや寒さを感じたときに自分で調整できるよう、脱ぎ着しやすいカーディガンや上着を持参するとよいでしょう。
そして意外に大切なのが「自分の気持ちが上がるもの」です。
保育士試験は長時間に及びます。休憩時間に好きな飲み物を飲んだり、ラムネやチョコレートなど食べ慣れたおやつを少し食べたりすることが、気分転換になる方もいるでしょう。
試験当日は、いかにリラックスして最後まで自分の力を発揮するかが大切です。
「試験に必要だから」というものだけでなく、「これがあると少し安心できる」というものも準備しておきましょう。
一方、確認用の教材をたくさん持って行くことはおすすめできません。
あれもこれも確認しようとすると、「まだ覚えていないことがこんなにある」と、かえって不安が強くなる場合があります。
使い慣れた教材や、自分でまとめた資料など、「最後にこれだけ確認する」と決めたものに絞るのがおすすめです。
試験当日の服装選びのポイント
服装について特別な決まりはありません。極端に派手な服装や試験に適さない服装を避ければ、基本的には普段着で問題ないでしょう。
むしろ大切なのは、長時間着ていて疲れないことです。
窮屈な服や履き慣れていない靴より、普段から着慣れている、ゆとりのある服装の方がリラックスしやすいでしょう。靴も、履き慣れたスニーカーなどがおすすめです。
実技試験についても、服装そのものについて明確な採点基準が示されているわけではありません。ただし、保育士を目指す人として試験を受けることを考えると、清潔感のある無難な服装を選んでおくと安心です。
【筆記試験】当日の流れとタイムスケジュール
筆記試験は2日間にわたって行われます。
まずは、試験当日の時間割と基本的な流れを確認しておきましょう。
筆記試験2日間のタイムスケジュール(時間割)
筆記試験は、保育の心理学、保育原理、子ども家庭福祉、社会福祉、教育原理、社会的養護、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論の9科目です。
基本的には1科目60分ですが、2日目の「教育原理」と「社会的養護」はそれぞれ30分です。また、試験と試験の間には30分~1時間の休憩があります。科目免除がある方は、免除されている科目を除いて受験します。
具体的な開始・終了時刻については、公式時間割を確認しておきましょう。
会場到着から試験開始までの流れ
受験票で会場名と交通経路を確認し、試験当日は時間に余裕を持って会場へ向かいましょう。
会場に着いたら、掲示や係員の案内を確認して自分の試験室へ向かい、受験番号を確認して指定された席に着きます。
試験開始前には監督員から注意事項などの説明があります。この時間になると教材などはバッグにしまい、机の上には受験票、筆記用具、腕時計など、認められたものだけを出します。スマートフォンやスマートウォッチなどの通信機器は、マナーモードではなく必ず電源を切ってバッグにしまいましょう。
そのため、「試験開始直前までテキストを確認しよう」と考えていても、実際にはそれより前に教材をしまうことになります。余裕を持って確認を終え、落ち着いて試験開始を待つことをおすすめします。
また、交通機関の遅延による到着の遅れも、原則として遅刻として扱われます。道に迷ったり交通機関が乱れたりする可能性も考え、早めに会場へ到着できるよう予定を立てておくと安心です。
試験中の注意点と休憩時間の有効な過ごし方
筆記試験は、知識だけでなくペース配分も大切です。
60分の試験では、試験開始30分後から終了5分前まで途中退室が認められています。試験時間が30分の「教育原理」と「社会的養護」は途中退室できません。
保育士試験は女性の受験者が多いため、会場によっては休憩時間に女性用トイレが非常に混雑することがあります。
また、時間割上は次の試験まで30分空いていても、そのすべてを休憩に使えるわけではありません。試験終了後には解答用紙の回収・確認があり、次の試験開始前には再び着席して説明を聞く必要があるため、実際に自由に使える時間は15分程度になることもあります。
その間にトイレや次の科目の確認をしようとすると、想像以上に慌ただしくなります。そのため、問題を解き終えて十分に見直しもできている場合は、途中退室を利用して早めにトイレを済ませたり、次の科目を確認したり、頭を休めたりするのも一つの方法です。
保育士試験は、短距離走というよりマラソンに近い試験です。休憩のたびにすべてを覚え直そうとするのではなく、「今は頭を休める時間」「ここだけ確認する」と決めて、最後まで集中力を保てるようペース配分を意識しましょう。
また、終わった科目の答え合わせは、すべての試験が終了するまで控えることをおすすめします。一問の間違いに気づいたことで気持ちが沈み、次の科目まで引きずってしまう可能性があるからです。
終わった科目ではなく、「次の一科目」に気持ちを切り替えていきましょう。
【実技試験】当日の流れと科目別の注意点
筆記試験の全科目に合格すると、実技試験へ進みます。
実技試験では、「音楽に関する技術」「造形に関する技術」「言語に関する技術」から、受験申請時に選択した2分野を受験します。
実技試験当日の全体の流れ
実技試験で特に知っておきたいのが、当日のスケジュールです。
集合時刻は受験票などで確認できますが、選択した2分野それぞれを何時に受験するのかは、当日ガイダンスで案内されます。
造形は一斉に実施されますが、言語や音楽の試験時刻によっては、次の試験まで長時間待つ場合があります。実際に過去の受験生で、造形終了後40分程度で言語試験を受けられた方がいる一方、次の試験まで数時間待った方もいました。
会場や受験者によって異なるため、長い待ち時間も想定しておくと安心です。会場周辺に時間を過ごせる場所があるとは限らないため、飲み物や軽食、確認用の資料などを準備しておきましょう。
なお、実技試験会場内では、声を出したり楽器を演奏したりして練習することはできません。
発声や演奏の準備は会場に到着するまでに済ませ、待機中は頭の中で実演の流れを確認するなどして過ごしましょう。
また、子どもの一時保育などを利用する場合も、終了時刻を早めに見積もらず、時間に十分な余裕を持ってお願いしておくと安心です。
遠方の会場を指定された場合には、前泊が必要になるケースもあります。試験当日の移動で焦ることがないよう、交通手段や宿泊についても早めに確認しておきましょう。
万が一、保育士試験当日に行けなくなったら?(欠席・遅刻・体調不良)
どれだけ準備をしていても、体調不良や交通トラブルなどで試験会場へ行けなくなる可能性はあります。
当日欠席する場合の連絡は必要?
当日欠席する場合、基本的に欠席の連絡は必要ありません。ただし、個人的な事情で欠席しても、別日に振り替えて受験することはできません。
筆記試験で受験できなかった科目は、次回以降の試験であらためて受験する必要があります。また、実技試験は選択した2分野の両方で合格基準を満たす必要があるため、試験当日は一日予定を空けておくと安心です。
一部の科目を欠席・不受験とした場合の扱い
筆記試験では、一部の科目を欠席したからといって、受験したほかの科目まで無効になるわけではありません。
受験した科目が合格基準を満たしていれば、その科目については合格科目として扱われます。
ただし、筆記試験の必要科目すべてに合格しなければ実技試験へ進むことはできません。
また、「教育原理」と「社会的養護」は同じ試験で両方とも合格基準を満たす必要があるため注意してください。
保育士試験当日のリアルな体験談とアドバイス
試験当日は、思いもよらないことが起こる場合があります。
だからこそ、「予定どおりなら間に合う」ではなく、「多少のトラブルがあっても間に合う」という計画を立てることが大切です。
あってよかった!当日の「お役立ちアイテム」
腕時計、上着、飲み物、昼食、おやつなどは、実際の試験を一日過ごすうえで役立ちます。
そして何より、自分が落ち着くものを準備しておきましょう。
好きなお菓子を一つ食べる、いつも使っている教材を数分だけ確認する、目を閉じて休むなど、自分なりの「気持ちをリセットする方法」を事前に決めておくのもおすすめです。
本当にあった当日の失敗談と教訓
過去の受験生の中には、試験当日に予定していた電車が工事の影響で運行しておらず、急きょ別の交通手段を探すことになった方がいました。
また、大規模なイベントによる交通規制で、普段利用しているバスの運行状況が変わっていたケースもあります。
雪の多い地域では、大雪によって車での移動が難しくなってしまった方もいました。
「いつも使っている電車だから」「普段ならこのバスで間に合うから」と考えるのではなく、試験前日と当日の朝に、交通機関の運行情報を確認しましょう。
遠方の場合や悪天候が予想される場合は、前泊も選択肢になります。
車で向かう場合も、試験会場に駐車場があるとは限りません。駐車場の有無や公共交通機関からのアクセスを事前に確認しておくことが大切です。
試験当日は、それまで積み重ねてきた勉強の成果を発揮する日です。
移動など試験以外のことで焦らなくて済むよう、「少し早すぎるかな」と感じるくらい余裕を持って行動しましょう。
まとめ:準備を万全にして、リラックスして保育士試験当日を迎えよう!
保育士試験当日に大切なのは、知識を最後の一分まで詰め込むことだけではありません。
持ち物を準備する。早めに会場へ行く。トイレの時間を確保する。休憩中は頭を休める。終わった科目を引きずらない。
こうした一つひとつの準備が、落ち着いて試験で力を発揮することにつながります。
試験当日は、これまで勉強してきたことを発揮する日です。必要な準備を済ませたら、あとはできるだけリラックスして臨みましょう。
これまで積み重ねてきた学習を信じ、必要以上に完璧を求めず、最後の科目まで落ち着いて取り組んでください。
執筆者:髙山陽介(わでか保育士講座主催)
自身の受験経験と多くの受講生支援を通じ、受験者一人ひとりの状況に寄り添い、子育て中や仕事で忙しい人でも短期間で無理なく進められる合格までの道筋を示している。