「保育士の仕事を辞めたい・・・」そう悩んでいる方は少なくありません。
長時間労働や人間関係、業務の負担など理由はさまざまですが、心が疲れてしまうと、「この仕事は自分に合っていないのかも・・・」と感じてしまうことがありますよね。
ただ、せっかく取得した保育士の資格。
保育業界のお仕事をすぐに辞めてしまうのは、もったいない可能性もあります。
そのような方向けに、この記事では「保育士を辞めたい」と思った時に考えるべきポイントや、保育士としての経験を活かせる次の職場をご紹介します。
保育士のお仕事は、保育園だけに限らないことをご存じでしょうか?
また、保育園によって雰囲気や働き方は大きく異なるため、環境を変えるだけで悩みが解消するケースもあります。
保育士の経験を活かして次の仕事を探したい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
保育士資格を活かせるおすすめの仕事
保育士資格は、保育園だけでなくさまざまな場で活かすことができます。
ここでは、保育士資格を活かせるおすすめの仕事をご紹介します。
①認定こども園

幼稚園と保育園の機能を兼ね備えた『認定こども園』は、保育士資格を活かせる職場です。
保育だけでなく、教育の要素も含まれる施設なので子どもの成長をより幅広くサポートできます。
幼稚園教諭免許をあわせ持っている場合は、さらに活躍の場が広がります。
②放課後等デイサービス
障がいのある子どもたちを対象に、放課後や長期休暇中の活動をサポートする『放課後等デイサービス』も、保育士資格を活かせる職場です。
子ども1人ひとりにじっくり寄り添える環境が整っているため、やりがいを感じやすい職場といえるでしょう!
③病院内保育
『病院内保育』とは、病院内に設けられた保育施設で医療従事者のお子さんを預かる仕事です。
不規則な勤務時間に対応する必要がありますが、子どもの人数が少なく、家庭的な保育ができます。
④乳児院
『乳児院』では親と一緒に暮らすことが難しい乳児を対象に、日常生活のケアや愛情をもった支援をおこないます。
夜勤がある場合もありますが、子どもの成長を間近で支えられる、やりがいのある仕事です。


⑤児童館
『児童館』は、地域の子どもたちが遊びや学びを通じて成長できる場を提供する施設です。
保育士資格を活かしながら、子どもたちの健やかな成長を支えることができます。
幅広い年齢層の子どもたちと関われること、季節のイベントやワークショップの企画・運営など、保育士としてのスキルをさらに磨くことができるのもメリットです。
⑥子育て支援センター
『子育て支援センター』は地域の親子が交流できる場を提供する施設で、おもに乳幼児とその保護者を対象としたサポートをおこないます。
保育士としての経験を活かし、育児に悩む保護者への相談対応や親子で楽しめるイベントの企画・運営に携わることができるため、大きなやりがいを感じられるでしょう!
保育園一つにとっても様々な職場がある
保育園と一口にいっても雰囲気や働きやすさなど各種条件は園ごとに大きく異なります。
自分に合った保育園を見つけるためには、保育園ごとの特徴を知ることも大切です。
ここでは知っておくべきポイントを4つご紹介します。
園の雰囲気や方針の違い

雰囲気や方針は保育園によって異なります。
のびのびとした保育を大切にする園や、リトミックや英語教育など教育プログラムに力を入れる園など、それぞれの保育理念によって環境が変わります。
また、職場の人間関係や職員同士の協力体制も働きやすさも大きく違いがあるでしょう。
たとえば、意見やアイデアを気軽に共有できる風通しの良い職場や困ったときにサポートし合える環境が整っている園では、安心して働くことができます。
一方で上下関係が厳しすぎたり、コミュニケーションが不足している職場では、ストレスを感じやすいことも。
園見学時など、職員同士のやりとりや職場の雰囲気を観察することは自分に合った園を選ぶうえで重要なポイントです。
ICTや設備の充実度
最近では、ICT(情報通信技術)を活用して業務効率化を図る保育園も増えています。
保育日誌や連絡帳をデジタル化することで事務作業の負担が減り、子どもと向き合う時間が増えることが期待できます。
また業務効率が上がることで、残業が減りワークライフバランスの向上につながるケースもあります。
ICTのような最新の取り組みが導入されている園は、効率的かつ快適な働き方を支援している場合が多く、保育士が長く働きやすい環境を提供しているのが特徴です。
こうした取り組みにより、保育士の負担が軽減され、働きがいを実感できる職場環境の実現につながっています。
働きやすさをサポートする制度
保育園によっては、以下のような働きやすいサポートが整っていることもあります。
これらのサポート制度を上手に活用することで、安心して働ける環境を手に入れることができます。
給食提供・給食費補助
保育園の給食を職員が昼食として食べれる園があります。また、食べた給食費に一定の補助がつき、生活費が節約できるため、経済的な負担が軽減されます。忙しい毎日の中で食事の準備に悩むことなく、健康的な食事をとることができる点も魅力です。
借り上げ社宅制度
条件を満たすことで保育士が住んでいる賃貸住宅に一定の家賃補助がつく制度です。
とくに都市部で働く場合、住居費が負担されるのは大きなメリットです。
この制度を利用することで、生活コストを抑えながら、より働きやすい環境で保育の仕事に集中できます。
育児支援制度
職員が子育てをしながら働けるよう、柔軟な勤務時間や託児制度を設けている園もあります。中には育休の取得率が高い園もあるでしょう。
これにより、自身の家庭と仕事を両立しやすく、無理なく長く働ける環境が整います。
資格取得支援・キャリアアップ制度

保育士のスキルアップを支援する制度がある園もあるでしょう。
研修費用の補助や、勤務時間内での研修参加を認めている場合もあり、成長を目指しながら働けるのもメリットです。
有給休暇の取得推進
有給休暇の取得を積極的に推進している園では、プライベートを充実させながら無理なく働くことができます。
家庭や趣味の時間を大切にできる環境は、多くの保育士にとって魅力的です。
時短勤務制度
子育てや介護など、家庭の事情がある職員が利用できる制度を積極的に推奨している場合があります。
勤務時間を短縮できるため、家庭と仕事を両立しやすくなります。
メンタルヘルスサポート
保育士のメンタルケアを目的とした相談窓口や、カウンセリングサービスを提供している園もあります。
中には、定期的なヒアリングやストレスチェックを実施している保育園もあります。
リフレッシュ休暇制度

通常の有給休暇とは別に、一定期間ごとにリフレッシュのための特別休暇を付与する制度です。
長期休暇を取得することで、リフレッシュしながら心身の健康を保つことができます。
通勤手当や駐車場完備
通勤にかかる交通費を全額負担したり、車通勤が可能な駐車場を完備している施設もあります。
とくに地方の保育園では、車通勤が便利な場合が多いため、重宝されます。
産休・育休の取得実績
女性が多い職場では、産休・育休の取得率が高いかどうかは大事なポイントです。
復職しやすい制度を整えている園では、出産後も安心して働き続けることができます。
福利厚生クラブの利用
一部の保育園では、福利厚生サービスを通じて、映画館やスポーツクラブ、宿泊施設などを割引価格で利用できる特典を提供している場合があります。
これにより、保育士自身のリフレッシュや健康維持にもつながり、仕事とプライベートの充実を図ることができます。
賞与や昇給制度
努力や成果がしっかり反映される賞与や昇給制度を導入している園では、モチベーションを保ちながら働くことができます。
また、評価制度が明確に設定されている場合は、安心して仕事に取り組める環境が整っています。
ご紹介をしたような制度が充実している保育園では、保育士1人ひとりの生活やキャリアに配慮し、長く働き続ける環境づくりがおこなわれています。
転職活動の際は、このような条件をしっかり確認し、自分のライフスタイルに合った職場を選ぶことが大切です。


園の規模感による違い

保育園の規模は、小規模・中規模・大規模それぞれに特徴があり、雰囲気や働き方が異なります。
自分に合った環境を見つけるためには、各規模の特徴を知ることが重要です。
小規模保育園
小規模保育園で働くメリットは次のとおりです。
- アットホームな環境 : 小規模保育園は定員が少なく、子どもや保護者、職員同士の距離が近いのが特徴です。1人ひとりの子どもにじっくり関わり、個別の成長やニーズに応じた保育をおこないやすい環境です。
- 柔軟な対応が可能 : 小規模な分、急な対応や行事の準備も職員同士で連携しやすく、全員で一体感をもって働けます。保護者との信頼関係も築きやすいでしょう。
- 幅広い業務経験ができる : 職員数が限られているため、保育以外にも行事運営や事務作業など、さまざまなスキルを身につける機会が多いのが魅力です。
中規模保育園
中規模保育園で働くメリットは次のとおりです。
- バランスのとれた環境 : 中規模保育園は、小規模と大規模の中間に位置し、ほどよい人数感で保育がおこなわれるため、落ち着いた雰囲気とチームの連携の両方が得られる環境です。
- 子ども1人ひとりに寄り添える : 小規模保育園ほどではありませんが、子ども1人ひとりに寄り添うことができ、同時に他の職員と分担して効率的に仕事を進めることも可能です。適度なサポート体制があるため、負担が偏りにくい点も魅力です。
- 柔軟に仕事を進められる : 中規模保育園では、保育士として多様な業務を経験できる一方で、職員間のサポート体制が整っているため、柔軟かつ安心して仕事を進められる環境が特徴です。
- 職場の風通しが良い : 職員同士の関係性も、小規模保育園ほど密接ではなく、大規模保育園ほどドライではないため、ほどよい距離感の中で働きやすいと感じる方も多いでしょう。
大規模保育園
大規模保育園で働くメリットは次のとおりです。
- 職員同士のサポート体制が整っている : 大規模保育園では職員数が多く、業務の分担が明確になっているため、効率的に仕事を進めやすい環境が整っています。チームでの連携が強く、困ったときにもサポートを受けやすいのがメリットです。
- 多様な専門分野で活躍できる : 音楽や体育、英語などの特化したプログラムが充実している園が多く、それぞれの分野に強みを持つ保育士が活躍できる場が多いでしょう。
- キャリアアップのチャンスがある : 大規模な組織である分、主任や園長などキャリアアップの機会も豊富で、自分の将来を見据えて働くことが可能ともいえます。
- 設備が充実している : 広い園庭や最新の教材、ICT設備が整っている園が多く、子どもたちにさまざまな経験を提供しやすいのが魅力です。
園の規模によって働き方や雰囲気が大きく異なるため、どのような環境が自分に合うのかをしっかり見極めることが大切です。
小規模のアットホームな環境でじっくり関わりたいのか、中規模のバランスのとれた環境で幅広い経験を積みたいのか、あるいは大規模な園で専門性を活かしつつキャリアアップを目指したいのか、自分の理想に合った規模感を選びましょう!


保育士が転職時に活かせるスキル

保育士としての経験で培われたスキルは、他の保育園など幅広い保育現場で大いに活かせます。
以下では、保育士が転職時に活かせるスキルをご紹介します。
対人コミュニケーションが得意
保育士は、保護者や子ども、同僚、地域の人々など、多様な相手と関わりながら仕事を進めます。
その中で培ったコミュニケーション能力は、他の保育園や認定こども園、放課後等デイサービスなど、あらゆる保育現場で必要とされる重要なスキルです。
とくに、保護者対応力は即戦力として評価されます。
子どもとの関わりが得意
子どもの気持ちを理解し、安心感を与えながら信頼関係を築く力は、乳児院や病内保育、放課後等デイサービスなど、子どもと関わる多くの職場で活かせます。
保育園だけでなく、特別な配慮が必要な子どもたちに寄り添う場でも、このスキルは非常に重宝されるでしょう。
問題解決能力がある
保育現場では、予想外のトラブルが発生することも少なくありません。
日常的に問題を解決し、スムーズに業務を進める力は、どの保育施設でも必要とされるスキルです。
とくに、主任やリーダーとして働く場合、高く評価される能力といえます。
人の気持ちを大事にできる
子どもの繊細な変化に気づき、保護者の悩みに寄り添う力は、地域密着型の保育園や子育て支援センターなど、家庭と連携して保育を進める職場で大きな強みとなります。
保育士として相手を思いやる姿勢は、どの施設でも重要な資質です。
チームワークを大切にできる
保育士として日常的に職員と協力し合いながら保育をおこなう経験から、自然とチームでの働き方が身についています。
チームワークを重視して業務を進められるスキルは、職員間の連携が重要な乳児院や大規模保育園でとくに活かされます。
マルチタスクのスキル
保育士は、保育のほかにも行事の準備や記録業務、職員間の調整など、多岐にわたる業務をこなします。
マルチタスクのスキルは、ほかの保育園や認定こども園で、幅広い業務に対応できる柔軟性として評価されるでしょう。
観察力と分析力
子どもの行動や表情から気持ちや体調を察する観察力は、個別支援が必要な子どもを預かる施設や放課後等デイサービス、病院内保育などで重宝されます。
また、保育計画を立てる際にも、現状を把握し、的確な改善案を出せる分析力は重要な役割を果たします。
次の職場で経験を活かす方法
保育士として培った経験は、多くのスキルや強みをもっています。
それを次の職場で活かすためには、まず自分にはどのようなスキルがあり、それを保育業界でどのように活かせるのかを考えることが重要です。
そのためには、まず自分のスキルや経験を整理する「棚卸し」をおこない、自分の強みを明確にしましょう!
たとえば、対人コミュニケーション能力や子どもと信頼関係を築く力、問題解決能力などは、他の保育園や児童福祉施設、認定こども園など、さまざまな保育の場で活かすことができます。
また、自分がどのような保育方針や職場環境を重視するかを明確にすることで、より自分に合った職場を見つけることができます。
スキルを活かし、自分の価値観に合った職場を選ぶことで、保育士としてさらにやりがいを感じながら働けるはずです。
新しい環境でも自信をもってスキルを発揮していきましょう!
自分に合った職場の探し方

保育士として長く働くためには、自分に合った職場を見つけることが重要です。
職場の雰囲気や保育方針、働きやすい条件が自分の価値観やライフスタイルに合っていると、日々の仕事にやりがいを感じやすくなります。
ここでは、自分に合った職場を見つけるための方法をご紹介します。
求人サイトを活用して求人情報を幅広く収集する
自分に合った職場を見つけるためには、求人情報を幅広く収集することが大切です。
保育士専用の求人サイトを活用することで、効率的に自分の希望に合った職場を探すことができます。
求人サイトでは、勤務地や給与、雇用形態などを細かく条件で絞り込むことが簡単です。
たとえば、「残業なし」「借り上げ社宅制度あり」「小規模保育園」など、優先したい条件を設定することで、自分の価値観に合った求人を効率よく見つけることができます。
移動中や休憩時間などのスキマ時間を有効活用して、気軽に情報収集できるのもメリットです。
サポートが手厚い転職エージェントを活用する
保育士に特化した転職エージェントを活用することで、効率的に自分に合った職場を見つけることができます。
『保育士人材バンク』では、下記のようなサポートが受けられます。
- キャリア相談 : 保育士経験をもとに、自分に合う職場をご紹介
- 独自の求人情報を紹介 : 独自のネットワークを活用して、最新で深掘りされた求人情報をご提供します
- 転職に関する幅広いサポート : 応募書類の作成や面接対策を受けられるため、転職活動の負担を軽減できる
さらに、非公開求人を含め、さまざまな選択肢をご提案することで、理想の職場に出会える可能性が広がります。
転職活動に不安がある方や、一歩踏み出せない方もぜひ一度ご相談ください!


園見学や面接で直接確認する
求人情報だけでは分からない職場の雰囲気や職員同士の関係性は、見学や面接を通じて確認することも大切です。
実際に現場を見て、「自分がその環境に馴染めそうか」を確認することで、入職後のギャップを減らすことができます。
事前に現場の様子や働く人たちの雰囲気を知ることは、安心して新しい職場でスタートを切るための非常に重要なステップです。
保育士を辞めた後の仕事まとめ
保育士として働く中で「もう辞めたい・・・」と感じる瞬間があるかもしれません。
しかし、あなたがこれまで培ってきた経験やスキルは、保育業界内のさまざまな職場で活かすことができます。
保育園だけでなく、認定こども園や乳児院、放課後等デイサービスなど、環境を変えることで新たなやりがいや働きやすさを実感できる職場がきっと見つかるはずです。
職場選びを成功させるためには、自分のスキルや価値観を整理し、それに合った職場を探すことが大切です。
『保育士人材バンク』では、保育士経験を活かせる職場をご提案し、求人情報の提供から面接対策まで、転職活動を丁寧にサポートいたします。
あなたの新しいスタートを全力でバックアップいたしますので、ぜひ一度ご相談ください!