乳児院の仕事に興味を持ちながらも、仕事内容や給料・年収の実態が分からず、一歩踏み出せない保育士さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
乳児院は、親元を離れて暮らす0歳から2歳の子どもたちが生活する施設であり、保育士としてのスキルや思いやりが活かせる職場です。
本記事では、乳児院での保育士の役割や働き方、気になる給料や年収の実態について分かりやすくご紹介します。
乳児院で働きたいと考えている保育士さんは、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
乳児院の保育士とは

乳児院の保育士は、0歳から2歳までの子どもたちが安心して生活できる環境を整えながら、成長をサポートする重要な役割を担っています。
家庭での育児が難しい子どもたちにとって、乳児院は「もう1つのお家」となる場所です。
保育士は日々の生活や健康管理、発達支援だけでなく子ども1人ひとりに寄り添った心のケアもおこないます。
そのため、子どもたちの小さな成長や笑顔に触れるたびに、大きなやりがいを感じられます。
一方で、情緒的なサポートや夜間のシフト勤務など、通常の保育園とは異なる負担や専門性が求められるのも特徴です。
大変な仕事ではありますが、「子どもたちの未来を支える」という意義の大きさを実感できる、特別な職業といえるでしょう!
乳児院で働ける保育士の給料と年収
乳児院で働く保育士の給料や年収は、地域や施設の規模、運営形態(社会福祉法人・公立・私立など)によって異なります。
ただし、一般的な保育園と比べて、夜勤や休日出勤が多く発生するため、その分手当が加算される傾向にあります。
乳児院で働く保育士の給料について、行政が出している公的なデータはありませんが、実際の求人情報を参考にすると、月給20万円〜25万円が平均値です。
そのほか、該当者には月給とは別に、加算手当を支給している施設が多いようです。
- 住宅手当
- 夜勤手当
- 宿直手当
- 扶養手当
- 資格手当
- 通勤手当
また、賞与は年2回、3ヶ月分〜4.3ヶ月分出している施設もあるようなので、年収にすると330万円〜410万円ほどが想定されます。
ただしこの年収には、前述した加算手当は含まれていない計算になるので、さらに高くなる可能性があります。
2023年(令和5年)に行政が出している資料によると、保育園で働く保育士の平均年収は385.4万円となるので、乳児院で働く保育士の年収は同じくらい、もしくはそれよりも高くなることが想定されるでしょう。
さらに、給与モデルの一例をご紹介します
【モデル年収例】
- 入職1年目/23歳/年収461万円
- 入職5年目/27歳/年収482万円
- 入職9年目/31歳/年収537万円
上記はあくまで一例になりますが、乳児院では経験やスキルに応じた昇給が期待できるほか、夜勤や宿直といった業務に従事することで、さらに収入が増える可能性があります。
また、役職に就くことで手当が増加し、年収が大幅にアップするケースも少なくありません。
給料や年収については、施設ごとに差があるため、就職を検討する際には複数の求人情報を比較して、自分に合った条件の職場を見つけることが大切です。
参考:e-Stat_政府統計の総合窓口 「令和5年賃金構造基本統計調査」


乳児院で働く保育士の役割

乳児院で働く保育士は、0歳から2歳の子どもたちが健やかに成長できる環境を整えながら、1人ひとりの子どもに寄り添ったケアを提供する役割を担っています。
保育園での仕事と共通する部分もありますが、乳児院ならではの仕事内容や求められる役割もあります。
おもな仕事内容
乳児院で働く保育士のおもな仕事内容は、次のとおりです。
⑴ 日々の生活支援
- 子どもたちの食事・オムツ交換、着替えなど、基本的な生活習慣のサポート。
- 年齢や発達に応じて、個別のケアをおこない、成長を見守る。
⑵ 健康管理
- 子どもたちの体調管理や健康チェックを日常的におこない、必要に応じて医療機関と連携する。
- 夜間の見守りや急病時の対応。
⑶ 心のケア
- 家庭の事情で保護者と離れて暮らす子どもたちが多いため、子どもたちの心の支えとなる存在として、安心感や信頼関係を築く。
⑷ 発達支援
- 年齢や発達段階に合わせた遊びや学びを通じて、子どもたちの発達をサポートする。
- 1人ひとりに合わせた個別の支援計画を作成する。
⑸ 保護者や関係機関との連携
- 親子が再び一緒に生活できるように、保護者や児童相談所、医療機関など、さまざまな関係機関と密に連携をとりながらサポートする。
乳児院ならではの特徴
乳児院は、保育園や他の施設とは異なる独自の特徴を持っています。
ここでは、乳児院ならではの働き方や、保育士として求められる特別な役割についてご紹介します。
■24時間体制での支援
乳児院は24時間365日運営されており、保育士はシフト制で夜勤や宿直を担当するのが一般的。
■個別性の高いケア
子どもたちの生活背景や発達段階が異なるため、それぞれに合った細やかな対応が求められる。
■心理的な負担のケア
子どもや保護者が抱えるストレスや心の傷に寄り添い、それを軽減するための支援をおこなう。
乳児院での仕事は、体力や精神力が求められる一方で、子どもたちの成長を間近で感じられるやりがいの大きい職場です。
子どもたちの未来を支える重要な役割をになう保育士として、大きな成長と充実感を得られる環境といえるでしょう!


乳児院での保育士配置基準
乳児院で働く保育士の配置基準は、子どもの安全と発達を支えるため、年齢別に細かく定められています。
■基本の配置基準
- 乳児1.7人に対して保育士1人以上
→乳児院では、とくに乳児期の子どもに手厚い支援が求められるため、このような厳しい基準が設けられています。
■年齢別の配置基準
年齢が上がるにつれて、子どもたちがある程度自立して活動できるようになるため、配置基準が変わります。具体的には以下のとおりです。
- 0歳児~1歳児 : 乳児1.7人に対して保育士1人以上
- 2歳児 : 乳児2人に対して保育士1人以上
- 3歳児以上の児童 : 乳児4人に対して保育士1人以上
この年齢別基準により、乳児院では発達段階ごとの適切なケアが提供されています。
その他の職員の配置基準
乳児院では、保育士だけでなく、子どもたちの生活を支えるさまざまな職種が配置されています。それぞれの基準は以下のとおりです。
- 医師 : 嘱託医として小児科医や内科医が配置され、定期的な健康診断や必要な医療対応をおこないます。
- 看護師 : 乳児10人につき2人以上の配置が必要で、乳児が10人増えるごとに、さらに1人を追加します。看護師は体調管理や医療的ケアを担当します。
- 児童指導員 : 子どもたちの日常生活や遊びを通じた発達支援を担当します。配置数は施設規模により異なります。
- 栄養士 : 子どもたちの健康と発育を考慮した栄養バランスのとれた食事を提供するために、1人以上配置されます。
- 心理士 : 心理的なケアが必要な場合に配置され、子どもたちや保護者へのカウンセリングをおこないます。(必要な場合のみ)
- 施設長 : 施設全体の運営や職員の管理をおこないます。
乳児院の配置基準は、子どもたちの健全な発達と生活の質を守るために設けられています。
とくに、0歳から2歳の乳児期は、身体的・精神的な発達が著しい時期であるため、保育士や他の専門スタッフが連携しながら手厚いケアを提供することが求められます。
乳児院で働きたい方は、これらの基準をしっかり理解し、他職種との連携を意識することが重要です。
参考:厚生労働省「最低基準等及び措置費における職員配置基準について」
乳児院の求人を見つけるには
乳児院の求人を見つけるには、いくつかの方法があります。
それぞれの方法にメリットがあるため、自分に合う方法で効率よく探すのがおすすめです。
転職エージェントを活用する

保育に特化している転職エージェントを利用すれば、見つかりやすくなります。
転職エージェントを利用するメリットは次のとおりです。
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- キャリアの相談ができる : 乳児院での勤務経験がなくても、自分の経験や資格を活かせる選択肢についてアドバイスしてもらえる。
- 応募書類や面接対策のサポートを受けられる : 書類作成や面接の準備に不安があっても、具体的なサポートを受けられる。
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保育士向けに求人サイトで検索する
保育士向けの求人サイトで求人情報をチェックする方法も効果的です。
検索する際は、以下のポイントを押さえるとよいでしょう。
- 複数の求人サイトを活用する : 1つのサイトだけでなく、複数の求人サイトを利用して幅広い情報にアクセスできるようにする。
- 検索条件を詳細に設定する : 勤務地や給与、施設の種類(乳児院など)を細かく指定して検索する。
- 定期的に確認する : 求人情報は更新頻度が高いため、こまめにチェックする。
- 応募条件や待遇を比較する : 複数の求人を見比べて、給与や勤務時間、福利厚生など、自分にとって重要な条件を満たしているかを確認する。
上記のポイントを意識することで、より効率的かつ満足度の高い求人探しが実現できます。
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自治体や乳児院の公式サイトを確認する
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とくに、地域密着型の乳児院で働きたい場合や、地元で長く腰を据えて働きたい方にはおすすめの方法です。
また、公式ホームページには職場の雰囲気や活動内容について詳しく記載されている場合も多く、事前に施設の様子を知ることができるのもメリットです。
知人やネットワークを活用する
同じ業界で働く知人や同僚から情報を得るのも1つです。
乳児院に詳しい人からアドバイスをもらえることで、求人票では分からない施設の雰囲気や働きやすさ、実際の業務内容について具体的なイメージを持つことができます。
さらに、内部事情や職場の人間関係についての情報を得られることもあり、自分に合った職場かどうかを判断するうえで非常に役立ちます。
また、こうした人脈を通じて紹介を受けたり、非公開の求人情報を得られることもあるため、積極的に相談してみるとよいでしょう。
乳児院の保育士まとめ
乳児院の保育士は、特別な環境で子どもたちの成長を支えるやりがいのある仕事です。
子どもたち1人ひとりに深く寄り添い、信頼関係を築く役割を担うため、高いスキルと愛情が求められます。
給料や年収は一般的な保育士よりも高くなる場合もあります。とくに、夜勤やシフト勤務が発生する乳児院では、その分手当が上乗せされることが多いためです。
ただし、施設によって待遇や福利厚生が異なるため、慎重に求人情報をチェックすることが大切です。
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