保育士資格を持っていれば保育所以外にも、さまざまな職場で働けます。今回の記事では、保育士資格のみで働ける職場のほか認定こども園や幼稚園で働けるかもご紹介します。保育士資格を生かして働きたいという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
保育士資格のみで働ける職場

保育士資格のみで働ける職場には、以下のような職場があります。
- 保育所
- 乳児院
- 学童保育
- 児童発達支援施設
- 放課後等デイサービス
ここからは1つずつの職場や仕事内容について、紹介していきます。
保育所
保育士資格のみで働ける職場として、まず候補に挙がるのは保育所ではないでしょうか。
保育所は保護者が働いている間、0~5歳までの未就学の子どもたちを預かる場所です。
保育には、主に以下のような種類があります。
◯認可保育所…都道府県などの自治体の認可を受け、子どもの保育を行う施設
・保育所 … 0~5歳の子どもを対象に保育を行う、定員20名以上の施設
◯地域型保育…市町村などの自治体の認可を受け、子どもの保育を行う施設
・小規模保育 …0~2歳の子どもの保育を行う、定員19名以下の小規模施設
・家庭的保育 … 保育者の自宅などで、0~2歳の子どもの保育を行う
・事業内保育… 企業や病院に隣接し、従業員や地域の子ども(0~2歳)の保育を行う
◯認可外保育所…自治体などの認可なしで、子どもの保育を行う施設
・無認可保育所 …0~5歳の子どもの保育を行う施設
・企業主導型保育…企業が中心となって、導入・運営を行う保育施設
・ベビーホテル … 夜8時以降の一時保育や、宿泊を含む保育を行う施設
上記一覧からわかる通り、一言で「保育所」といっても、さまざまな形態の施設があり、雇用体系や働き方は多岐にわたります。
乳児院
乳児院も、保育士資格のみで働ける職場です。
乳児院は、家庭の事情などで保護者が自分で養育できない乳幼児の養育を行う施設です。預かるのは0~2歳の乳児が中心ですが、就学までの幼児を預かることもあります。
在籍している期間はさまざまですが、およそ半数が半年以内の短期です。長期間にわたって在所する場合には、子どもの養育だけでなく保護者支援や退所後のアフターケアも行います。
乳児院で働く場合、保育士は子どもたちの身の回りの生活支援などがメインとして担うこお仕事です。他にも、保護者のサポートや、専門家や関連機関との連携に関わることがあります。
学童保育
保育士の資格があれば、学童保育で働くこともできます。
学童保育は、学校のある日の放課後や学校のない週末、長期休み期間中などに小学生の子どもを預かる施設です。
共働きなどで保護者が日中不在になる家庭の子どもを中心に学びや遊びの場の提供、サポート、昼食やおやつの提供などを行います。
学童指導員には「放課後児童支援員」という専門資格があり、各施設に一定の配置が義務付けられています。
保育士の資格を持っている場合「放課後児童支援員」の資格取得にチャレンジすることも視野に入れるとよいでしょう。この資格を持っていれば学童保育所で働くのに、より有利となるはずです。
児童発達支援施設
保育士の資格があれば、児童発達支援施設などの療育施設で働くこともできます。
児童発達支援施設は未就学で、障がいのある子どもを対象に発達支援を行うところで主に以下2つの施設があります。
①児童発達支援センター
②児童発達支援事業所
児童発達支援施設で働く場合、保育士は以下のような仕事に携わります。
・日常生活に必要なスキルを獲得するための練習 ・運動、認知、コミュニケーションに関するトレーニング ・集団生活に適応するための活動 ・運動や遊びの場や機会の提供 |
障がい児支援の分野は年々サービスの利用者が増えており、ニーズが高まっているため、保育士資格のみでも働きやすい職場となっています。
放課後等デイサービス
児童発達支援施設と同じ、障がい児を対象とした放課後等デイサービスも、保育士資格で働ける職場の1つです。
放課後等デイサービスは、学校のある日の放課後や、学校のない週末、長期休み期間中に、障がいのある小学生を預かる場所です。
保育士は子どもと直接関わる仕事をメイン業務とします。具体的には、子どもたち一人ひとりの障がいや特性に合わせた遊びや療育、学習などを通して支援を行います。
学校やその近くに設置されている学童と違い、自治体外の施設でも通えるということもあり、送迎サービスを行っている施設も多くあります。
認定こども園は保育士資格のみで働ける?
結論からいうと、保育士資格さえあれば、認定こども園で働けます。
認定こども園には、以下4つのタイプがありますが、このうち、「幼保連携型」以外のタイプでは、3歳未満児の子どもに限り保育が可能です。
一方、幼保連携型の認定こども園で働けるのは、幼稚園免許状と保育士資格の両方を持つ「保育教諭」だけだと定められています。
ただ、認定こども園は比較的新しい制度のため、幼稚園免許状か保育士資格どちらかの資格があれば、保育教諭として働けるという「特例措置」が設けられています。
この特例措置は2030年3月まで延長されているため、少なくとも2029年度末までは、保育士資格のみでも、幼保連携型の認定こども園で働くことが可能です。
ただし、この特例措置がいつまで続くのかはわからないため、認定こども園で働きたいのであれば、幼稚園免許状の取得をおすすめします。
前述した「幼保特例制度」では、幼稚園教諭免許の取得緩和も行われています。
制度を使うと、保育士資格を持ち、保育士として3年以上の経験がある場合に限り、大学などで最大8単位を修得するだけで、幼稚園教諭免許が取得できます。
オンライン完結型の学習方式を採用している学校なら、働きながら勉強することもできます。
幼稚園は保育士資格のみで働ける?
基本的に、幼稚園で働くためには幼稚園免許状が必要です。
「保育補助」としてなら、保育士資格のみでも幼稚園で働ける可能性はありますが、保育補助として働くのには、保育士資格が必須というわけではありません。
幼稚園で働きたいという希望があるのならば、前述した「幼保特例制度」を活用して、2030年3月までに幼稚園免許状の取得を目指すことをおすすめします。


保育士資格を生かして就職先を見つけるには

保育士資格を生かせる就職先を探すには、どのような方法があるのでしょうか。
求人を探すには、一般的に、以下のような方法があります。
- ハローワーク
- サイトの検索
- 転職エージェント
しかし、今回のように、「保育士資格を生かして働きたい」という明確な目標がある場合には、保育士専門の転職エージェントの活用がおすすめです。
お仕事をしながらだと特に、特定の資格や条件を指定して仕事を探すのは困難です。
その点、転職エージェントであれば、保育士資格を生かした仕事のみが紹介されるため、自分のやりたい仕事を見つけやすいでしょう。
転職エージェントでは、検索システムを使って自分で求人情報を探すだけでなく、自分の希望に合った転職先を紹介してもらうこともできます。
さらには、保育の業界に関する情報提供や、非公開求人の紹介が受けられることもあり、効率的な転職活動が可能です。
エージェントによっては、履歴書の添削や面接対策といった、手厚いサポートが受けられる場合もあり安心ですよ。
まとめ
保育士資格のみで働ける職場には、以下のようなところがあります。
- 保育所
- 乳児院
- 学童保育
- 児童発達支援施設
- 放課後等デイサービス
保育士資格は、保育や療育など、さまざまな分野の職場で働けるの資格となっており、ニーズはまだまだ高い状況でしょう。
また、2030年3月まで「幼保特例制度」によって、保育士資格を持っている場合、幼稚園免許状が取得しやすくなっております。認定こども園や幼稚園で働きたい方は、今のうちに免許取得を検討するとよいでしょう。
転職活動をするなら、保育士専門の転職エージェント「保育士人材バンク」がおすすめです。保育士資格を生かして働きたい方は、ぜひ一度相談してみてくださいね。