認定保育園とは、自治体が独自に基準を設けて認定した保育施設のことで、認可保育園とは特徴が異なります。
近年、待機児童問題の解消策として注目されており、多くの家庭が利用しています。
本記事では、認定保育園の概要や認可保育園との違い、保育士が認定保育園で働くメリットについて詳しくご紹介します。
転職を考えている方や、認定保育園で働きたいと考えている保育士さんは、ぜひ参考にしてみてください!
目次
認定保育園とは?

認定保育園は、各自治体が独自の基準で認定した保育施設のことです。
多くの場合、自治体ごとの子育て支援政策の1つとして運営されており、待機児童問題への対応や多様な保育ニーズに応える役割を担っています。
認定保育園の魅力は、運営方針や保育内容が柔軟なことです。
保育施設ごとに個性があり、子どもたちの成長に合わせた多様なアプローチができるのも大きな特徴といえます。
自治体例
認定保育園を設置している自治体を一部ご紹介します。
東京都
東京都では、認可保育園では対応しきれない保育ニーズに応えるために、『認証保育所』と呼ばれる独自の基準で設けた保育施設を作っています。
2001年に制度が創設されて以降、多様な家庭のライフスタイルに合わせた柔軟な保育サービスを提供しています。
都市部の利便性の高い場所で利用できて、延長保育や夜間保育が充実しているのが特徴です。
参考:東京都福祉局「認証保育所について」
川崎市
神奈川県川崎市では、認可保育園だけでは対応が難しい幅広い保育ニーズに応えるために、市独自の基準をクリアした施設を、『認定保育園』として位置付けています。
川崎市の認定保育園は、市から運営費助成金が支給されるなど、積極的に支援がおこなわれているのが特徴です。
参考:川崎市「川崎認定保育園」
相模原市
神奈川県相模原市では、認可外保育施設の中でも、市が定めた保育内容や施設基準を満たす施設を『認定保育室』として位置付けています。
認定保育室は、無償化対象施設として、市が運営費の一部を助成することで、入所児童の処遇改善向上を図っています。
各施設は小規模でアットホームな環境を活かし、家庭的な保育を提供しているのが特徴です。
参考:相模原市「相模原市認定保育室のご利用について」
認定保育園と認可保育園の違い
認定保育園と認可保育園のおもな違いは、行政が定める設置基準をクリアしているかどうかにあります。
児童福祉法では、保育士の人数や施設の広さ、設備要件などが細かく決められており、認可保育園はこれらの基準をすべて満たしています。
また、認可保育園は、国や自治体からの補助金によって運営されているため、保育士の給与や施設の設備が充実している場合が多いです。
一方、認定保育園は認可を受けていない認可外保育園の一種で、基準には一部満たない部分があるものの、都道府県や自治体が定めた独自の基準をクリアしています。
認可保育園と比べて基準が比較的ゆるやかなので、柔軟な保育が提供されることや、テナント内に設置されていることもあり、駅近や商業施設内など利便性の高い場所にあることもメリットです。
それぞれの違いを下記の表にまとめました。
▼認定保育園と認可保育園の違い
項目 | 認可保育園 | 認定保育園 | |
1 | 設置基準 | 国が定めた基準に基づく(施設の広さ、保育士の人数など) | 自治体が独自に定めた基準に基づく(比較的柔軟) |
2 | 運営主体 | 公立や私立の認可施設 | 自治体だけでなく民間企業や個人も運営可能 |
3 | 保育内容 | 標準化された保育指針に基づく | 施設ごとに特色のある柔軟な保育内容 |
4 | 補助金 | 国や自治体からの補助あり | 自治体の補助がある場合もある |
5 | おもな特徴 | 基準が厳しいため、信頼性が高い | 自由度が高く、多様なニーズに対応 |
参考:
こども家庭庁:「保育所等について」
厚生労働省:「認可外保育施設の質の確保・向上について」


認定保育園で働ける資格
認可保育園と違い、認定保育園は保育士資格がなくても働けるケースがあります。
しかし、施設全体の6割以上を保育士が占める必要があるため、保育士資格を持っていると採用や待遇で有利になることが多いです。
また、幼児教育に力を入れている認定保育園では、幼稚園教諭免許が重宝される場合もあります。さらに、子育て支援員や看護師資格を持っている方も、施設によっては歓迎される可能性があるでしょう。
一部の認定保育園では、無資格でも保育補助として働くことが可能で、その場合は施設内での研修やサポートを通じて経験を積むことができます。
認定保育園は、柔軟な保育スタイルを採用しているため、資格の有無に関係なく、保育への情熱やスキルが評価されることが多いです。
参考:厚生労働省「東京都の認証保育所制度について」
保育士が認定保育園で働くメリット

保育士が認定保育園で働くメリットは、次のとおりです。
自分のアイデアや保育スキルを活かしやすい
認定保育園では、国の厳しいルールにとらわれず保育内容に自由度があるのが特徴です。
そのため、自分の得意分野や経験を活かした保育活動や、アイデアを形にしたイベントの企画がしやすい環境です。
たとえば、音楽や英語、アートなどに特化した保育プログラムを提案したり、子どもたちと一緒に地域交流イベントを企画することも可能です。
認定保育園ならではの自由で柔軟な保育環境は、保育士のアイデアや個性を活かしやすく、働きがいを実感できる場といえます。
駅近や利便性の高い勤務地が多い
認定保育園は、テナントに入っていることもあり、その場合、駅近や商業施設内など、利便性の高い場所に設置されている可能性があります。電車通勤の保育士にとってアクセスの良さが大きなメリットです。
また、保護者にとっても通いやすい立地であるため、送迎時に保育士とコミュニケーションを取りやすく、信頼関係を築きやすい環境が整っています。
こうした点から、通勤負担の軽減だけでなく、保育士が感じるストレスを減らす効果も期待できます。
多様な経験を積むチャンスがある

認定保育園では、利用する家庭や子どもたちのニーズがさまざまなため、幅広い保育経験を積めるのがメリットです。
たとえば、家庭環境や子どもの成長に合わせた個別対応をおこなうことで、保育スキルが自然と磨かれていきます。
他にも、英語や体操に力を入れている保育園など、園特有のプログラムがある場合は、保育士もその経験や知識を学ぶことができるでしょう。
また、小規模な保育園が多いため、子ども1人ひとりと深く関われるのも魅力です。
こうした環境では、子どもとの信頼関係を築きやすく、保育士としてのやりがいや達成感を得られる場面が多くなるでしょう!
幅広い経験を積みたい保育士さんにとって、認定保育園はぴったりな選択肢といえます。
アットホームな環境で働きやすい
認定保育園は比較的小規模な施設が多く、職場全体がアットホームな雰囲気であることが特徴です。
保育士同士の連携がとりやすく、チームワークを大切にした保育がおこなわれています。
また、子どもや保護者とのコミュニケーションも密にとれるため、信頼関係を築きやすいのもメリットです。
温かい雰囲気の中で働けることは、保育士としてのやりがいや満足感を高めるポイントです。安心して長く働き続けたい方にとっても、ピッタリの環境といえるでしょう!
プライベートとの両立がしやすい
前述したとおり、認定保育園は都市部の駅近や利便性の高い場所に設置されていることが多く、通勤時間を短縮できる場合は大きなメリットです。
通勤がスムーズになることで、仕事後のプライベートな時間をしっかり確保でき、家事や趣味、家族との時間を充実させることができます。


保育士が働くデメリット
認定保育園には多くの魅力がありますが、働く上でのデメリットもあります。
自分に合った働き方を見つけるためにも、事前に注意点を知っておきましょう!
給与や待遇が施設によって異なる
認定保育園では、運営主体や施設の財政状況により給与や待遇が大きく異なる場合があります。
施設によっては、認可保育園の求人よりも給与が低かったり、福利厚生が充実していない可能性も。そのため、求人情報を確認する際には、給与水準や手当の有無などをしっかりチェックすることが重要です。
基準や運営方針にばらつきがある
認定保育園は自治体独自の基準に基づいて運営されているため、施設ごとに保育方針や環境が異なります。
そのため、自分の保育スタイルや価値観と合わない場合があるかもしれません。
とくに、保育方針が合わないと感じた場合は長期的な勤務にストレスを感じる可能性もあるため、慎重な見極めが大切です。
キャリアアップの機会が限られることもある
認定保育園は複数の園を運営していることは少なく、主任や園長などの役職ポジションが空きずらい場合があります。
また、少人数の場合は、認可保育園と比べて職員数が少ないことから昇進の機会が限られることがあります。
長期的に保育士としてのキャリアを積みたい方は、事前に施設の体制を確認することが大切です。
認定保育園とはまとめ

認定保育園は、認可保育園と異なり、自治体独自の基準で運営される柔軟な保育施設です。
そのため、子ども1人ひとりに寄り添った保育や、個性を活かせる自由な働き方が可能です。
また、都市部の利便性の高い立地や、小規模で温かい職場環境も魅力です。
一方で、給与や運営方針に施設ごとの違いがあるため、自分に合った環境を見極めることが大切です。
認定保育園での経験は保育士としてのスキルを磨き、やりがいを感じられる貴重なチャンスです。
新しい環境での挑戦を考えている方は、ぜひ一歩踏み出してみてください!
「どんな職場を選べばよいのか分からない」という方は、保育士人材バンクまでお気軽にご相談ください!