この記事では、保育士が面接でよく聞かれる「どんな保育をしたいか」という質問について解説しています。
この質問に答えるには、自分自身の「保育観」を知っておく必要があります。そのうえでどんな回答をすればいいのか、手順や例文を紹介しています。
面接の時など、しっかりとした解答ができるために以下の記事を参考にしてみてください。
目次
「どんな保育をしたいか」なぜ面接で聞かれる?
「どんな保育をしたいか」という質問の答えをすぐ出す前に、なぜ面接でこの質問がよく聞かれるのか、面接官側の意図を考えてみましょう。
保育観とは「保育をする上で何を大切にしているか」という価値観や考え方、理想や信念などのこと。
保育に携わる人や、これから保育のお仕事をしようとしている人なら誰もが耳にしたことがある言葉なのではないでしょうか。
面接官が保育観を知りたい理由
では、なぜ面接官は保育観を知りたいのでしょうか。
それは、保育観を知ることで面接を受けている保育士が、保育や子どもに対して何を大事にしているかを把握したいからです。
保育観を知ることで、例えば以下のようなことがわかります。
- 子どもに対しての想い
- 保育に対しての考え方や価値観
- 保育士として働くことへの意欲や意識
- 本人の人柄
「どんな保育をしたいか」という質問から面接官が判断すること
そして更に、保育士の保育観を知るきっかけになる「どんな保育をしたいか」という質問。面接官は以下のような視点で話を聞いているでしょう。
- 園の保育理念や保育方針と合うか。
- 子どもの事を真剣に考えているか。
- 今働いている職員と相性が合うか。
- 自分の気持ちや考えを整理して言葉にできているか。
- 自分の意思があるか(どこかに載っているものをそのまま話していないか)
面接では、全ての質問に意味があります。特にこの「どんな保育をしたいか」という質問は、面接のカギを握る重要なものでもあるでしょう。
また、この質問に限らず面接官が何を考え、自分の何を見ようとして質問をしているのかを意識することが大切です。
自分の保育観を正しく認識して面接に臨むことで、自分の価値観と合う保育園で働くことができるでしょう。


質問に聞かれたときに考えておくこと

「どんな保育をしたいか」という質問は、面接においてよく聞かれる質問なので、事前にどういう答えを返すか考えておきましょう。
以下の手順を踏むと、自己分析をしながらベストな回答を導き出すことができますよ。
- 自分の保育観を分析する
- 面接先の保育園について知る
- 保育園ごとに質問への答えをアレンジする
最も大切なのは、自分の保育観を分析しておくことです。
また、併せて知っておくべきことが、面接先となる保育園の保育観です。
自分の保育観は自分で振り返り把握することができますが、保育園の理念や方針はきちんと調べて理解することが必要です。自分自身の考え方と照らし合わせ「どのようなことが共感でき」「どのように保育の実践として繋げることができるのか」を具体的に自分の言葉で説明をすることが必要です。
志望先の保育園の考え方を理解して、自分の保育観と共通する内容を把握しながら、面接前の準備をしていきましょう。
①自分の保育観を分析する
まず、以下の内容に沿って自分なりの回答とその理由、具体的なエピソードを考えてみましょう。
(1)どういう保育をしたいか。 (2)子どもたちとどう関わりたいか。 (3)子どもたちにどんな風に成長してほしいか。 (4)自分は保育士として何ができるか。 |
回答だけではなく自分はなぜそのように考えるのか、その理由と、そう考えるに至ったエピソードを具体的にまとめて書いておくと、あとから振り返りがしやすくなります。
以下にまとめ方の参考例をのせるので、参考にしてくださいね。
(1)どういう保育をしたいか。
回答 | 子どもたちの個性を尊重する保育。 |
回答の理由 | 子どもには、1人ひとり違った個性や魅力があると思うから。 |
エピソード | 自分が幼少期のころ通っていた保育園の先生が、自分の個性を尊重して気づかせてくれた。 |
(2)子どもたちとどう関わりたいか。
回答 | 日々の保育の中で、子どもと一緒にさまざまな体験をしていきたい。 |
回答の理由 | さまざまな活動を通して、子どもの好みや得意・不得意などがわかるから。 |
エピソード | 実習先で見た、創作活動での子どもたちの輝くような表情が印象的だった。 |
(3)子どもたちにどんな風に成長してほしいか。
回答 | 心身ともに健やかに成長してほしい。 |
回答の理由 | 子ども時代の経験は、その後の人生に大きく影響するから。 |
エピソード | 自分の身の回りだけでも、さまざまな家庭環境の子どもがいる。子どもたちが健やかに成長するためには、家庭だけでなく、保育園の役割も大きいと考えている。 |
(4)自分は保育士として何ができるか。
回答 | 子どもの成長を見守り、気持ちや感情に寄り添うことができる。 |
回答の理由 | 心も体も未熟な子どもだからこそ、見守る姿勢や寄り添いの気持ちが大切だと考えているから。 |
エピソード | 実習先の先生が、子どもの挑戦や失敗にすぐ手を出さず、黙って見守り、優しく寄り添い声掛けをしている姿に感銘を受けた。 |
最初は、志望先の園のことは考えず、まっさらな気持ちでまとめてみましょう。そうすることで、自身の保育観がハッキリ明確化できます。
②面接先の保育園について知る
その後、実際に面接を受ける前に、すでに考えてまとめた自分なりの保育観を面接先の園に合わせた形にアレンジすることをおすすめします。
そのためにまず、志望先の保育園について、以下のようなことを把握しておきましょう。
・園の保育理念や方針 ・園長や保育士の考え方 ・園で行われている活動 ・園の雰囲気 ・子どもたちや職員の表情(見学時など) |
園の理念や方針、園長の考え、実際に行われている活動などは保育園のホームページやWebサイトと開くなどでも調べられる可能性があります。
園の雰囲気や子どもたちの表情は、見学に行って実際に自分の目で見たり感じたりすることをおすすめします。
③保育園ごとに質問への答えをアレンジする
保育園についての研究ができたら、自分で考えた質問への答えをアレンジしましょう。
今回は、以下のような保育園の面接を受ける場合を想定します。
A保育園
・スローガンは「自然に親しみ、体と心を成長させる」保育園。 ・自然豊かな環境にあり、園庭が広く、運動(戸外遊び)中心の保育をしている。 ・保育士は、子どものすることにすぐには手を貸さず、見守っていた。 ・子どもは表情豊かで、園庭で活発に遊んでいる様子が印象的。 |
A保育園の場合、以下のように回答をアレンジするとよいでしょう。
(1)どういう保育をしたいか。
回答 | 子どもたちの個性を引き出す保育。 |
回答の理由 | 子どもには1人ひとり違った個性や魅力があると思うから。 |
エピソード | A保育園の先生方は、子どもたちが遊んでいるとき、なるべく見守るる姿勢を大切にしていた。 こういった対応こそが、1人ひとりの個性を尊重し、主体性を育むきっかけになるのではないかという学びになった。 |
(2)子どもたちとどう関わりたいか。
回答 | 日々の保育の中で、子どもと一緒にさまざまな体験をしていきたい。 |
回答の理由 | さまざまな活動を通して、子どもの好みや得意・不得意などがわかるから。 |
エピソード | A保育園の見学の際に見た、戸外活動での子どもたちの輝くような表情が印象的だった。 戸外活動では、子どもたちがさまざまな体験を主体的に積むことができる。私も保育士としてさまざまな体験を積んで、成長したいと考えている。 |
(3)子どもたちにどんな風に成長してほしいか。
回答 | 心身ともに健やかに成長してほしい。 |
回答の理由 | 子ども時代の経験は、その後の人生に大きく影響するから。 |
エピソード | A保育園では、自然豊かな環境の中、戸外活動で子どもたちにさまざまな体験をさせており、子どもたちが活発に遊んでいる様子から、保育園の役割をしっかり果たせていると感じた。 |
(4)自分は保育士として何ができるか。
回答 | 子どもの成長を見守り、気持ちや感情に寄り添うことができる。 |
回答の理由 | 心も体も未熟な子どもだからこそ、見守る姿勢や寄り添いの気持ちが大切だと考えているから。 |
エピソード | 見学に行った際、A保育園の先生が子どもの挑戦や失敗にすぐ手を出さず、黙って見守り優しく寄り添い、声掛けをしている姿に感銘を受けた。私も子どもの成長を見守り、寄り添える保育士になりたい。 |
質問への回答、回答の理由は必ず答えてください。さらにプラスでエピソードを入れ、自分にできることや、目指したい保育士像も話せるとよりよい印象を与えられますよ。


例文集10選

ここからは、「どんな保育をしたいか」という質問の回答として、10の例文を紹介します。
質問への答えは、保育士の数だけありますが、大きく分けると以下3つのパターンに分けられるでしょう。
パターン1:具体的に実践したいこと パターン2:子どもとの関わり方 パターン3:協力関係 |
そこで今回は3つのパターン別に、いくつかの例文を紹介していきます。
パターン1:具体的に実践したいこと
1つ目は、具体的な保育の実践内容を軸とした回答です。
・遊び(自然)
私は、自然と触れ合う戸外遊びを重視した保育がしたいと考えています。
私自身、自然豊かな環境で育ち、子ども時代は木や花、生き物などに囲まれて外遊びをすることが多く、今も、この頃の体験をとても貴重なものだったと思っています。
B保育園は、自然と触れ合う保育に力を入れており、私の理想の保育に近いと感じました。
・製作(描画、工作)
私は、日々の保育の中でも、製作活動に力を入れたいと考えています。
私は学生時代から美術部やサークルで、絵を描いたり立体物を作ったりする活動をしてきました。自分の経験から、製作活動は心を豊かにしてくれるという実感があります。
C保育園を見学した際、製作活動に取り組んでいる先生方と子どもたちの表情を見て、私もこの保育園で働きたいと思いました。
・音楽
私は、音楽を通して、子どもたちの生活を楽しく、明るいものにしたいです。
私は音楽が大好きで、ピアノやサックス、ドラムなどの楽器の演奏ができます。
D保育園ではリトミックやリズム遊び、合唱といった音楽の活動を積極的に保育に取り入れており、とても魅力的に感じました。
・運動
私は子どもたちと一緒に運動して、絆を深めていきたいと考えています。
私自身、特にスポーツが得意というわけではありません。でも体を動かすのは好きで、エネルギーにあふれた子どもたちと一緒に、たくさん運動ができたらと思っています。
E保育園では、粗大運動はもちろん、体操などのプログラムも実践しているので、私も子どもたちと一緒に、運動を楽しみたいです。
パターン2:子どもとの関わり方
2つ目は、子どもとの関わり方を軸とした回答です。
・笑顔で明るく
私は、いつも笑顔を絶やさず、明るく子どもたちに接しながら保育をしたいです。
保育園にはいろいろな個性や背景を持つ子どもがいますが、保育園は、その全員にとって温かい居場所ありたいと私は考えています。
だからこそ、子どもと接するときには笑顔を忘れないようにしたいです。まだほとんど経験のない私でも、いつも笑顔でいることはできるので、保育園を明るい雰囲気にしたいです。
・見守り、寄り添う
私は、子どもたちを見守り、いつでも寄り添う保育をしたいと考えます。
実習先の保育園の先生が、子どもたちの失敗にすぐには口を出さず、子どもがどんな反応をするか、どんな言動をするかを見守っている姿を見て、「すぐに口や手を出すことが、必ずしもいいこととは限らない」ことを学びました。
子どもたちの成長する力を信じて見守り、必要なときには寄り添える保育士になりたいです。
・変化に気が付く
私は、子ども1人ひとりの変化に気付ける保育をしたいです。
実習で思ったことが、集団生活をしていても、子どもは1人ひとりみんな違うということです。性格も違うし、その日の体調や気持ちによって、声や表情、言動も変わってきます。
私は子どもたちの保護者の方と同じような目線で子どもたちを見て、細かな変化にも気づき、しっかりとサポートしていけるようになりたいです。
・個性を伸ばす
私は子どもの個性を伸ばしてあげられるような保育をしたいです。
私自身、自分でも気づいていなかった自分の強みや得意なことを、保育園や学校の先生に引き出し、伸ばしてもらった経験があります。
家族ではないからこそ、気が付ける個性もあると思います。一見マイナスに見える個性でも、プラスに変換できることもあるので、私なりに支援していけたらと考えています。
パターン3:協力体制
3つ目は、保育の協力体制を軸とした回答です。
・同僚との関わり
私は、同じ保育園で働く保育士とのチームワークを生かした保育をしたいです。
保育園という職場は、横のつながりがとても大切だと思います。私が実習で一番強く感じたのも、先生方のチームワークのすばらしさでした。
私も保育園で働くようになったら、保育士同士の連携を大切にして働きたいです。
・保護者との関わり
私は、子どもたちだけでなく、保護者の方々もしっかりサポートできる保育がしたいです。
保育園は子どもたちがのびのびと過ごせる、家庭と同じ居場所の1つです。だからこそ、保護者の方々との協力が大切だと思います。
そこで私は、子どもの発達や障がいに関する勉強をしたり、育児に悩んでいる親御さんには、積極的に声掛けをしたりしたいと考えています。


「どんな保育をしたいか」の例文まとめ

「どんな保育をしたいか」というのは、保育園の面接でよく聞かれる質問です。
質問の意図は、保育士の「保育観」を知ることなので、この回答を用意するには、自己分析や職場研究が欠かせません。
自分の保育観を整理し、回答を準備しましょう。
また、転職・就職を考えている方は、保育士人材バンクにご相談をしていみてはいかがでしょうか。
保育士の求人検索や登録は無料で、専任のキャリアアドバイザーに履歴書や志望動機の添削・サポートをお願いすることもできます。
保育士の転職は沢山の求人が多くあり、どんな条件で選ぶかも重要な条件になってきますよね。求人選び一つにとっても、とても大切な転職・就職活動です。
そうしたときに、条件に適した職場を探して確実に就職へつなげるには、プロのサポートがあると安心です。
転職に不安を感じている方は、ぜひ一度、保育士人材バンクまでご相談くださいね。