保育事務は、保育園や幼稚園で主に事務仕事を担う職業のことで、一般的な事務職と異なり保育士のサポートや行事準備など、園運営にも携わることが多いのが特徴です。

今回は、保育事務の役割や必要なスキル、仕事内容や働く魅力などを深掘りしてみましょう。

保育事務の役割

まずは、保育事務の役割について解説します。

保育事務の役割は、一言でいうと事務仕事を通して園運営を支えることです。園によって保育事務の役割や担う仕事の範囲は異なりますが、経理や情報管理などの事務的な業務に加え、備品管理や行事の準備、保護者との電話対応など保育現場ならではの業務まで多くの仕事を担います。

保育事務がいることで、保育士の負担が軽減されて子どもと向き合う時間を確保しやすくなります。広範囲の仕事をサポートできる、縁の下の力持ちとなる存在です。

保育事務に必要なスキル

保育事務は、事務的な仕事を行いながら保育士のサポートまで幅広い業務を担っています。スムーズな園運営には欠かせない保育事務に、どのようなスキルが求められるのか見てみましょう。

マルチタスク・段取り力

保育事務は広範囲の仕事をカバーしているため、いくつかの業務を同時に担うことも少なくありません。書類を作っている最中に電話対応をしたり、行事の準備と経理処理が並行したりする場面が起こることもあります。

いくつかの仕事を同時に進める際に大切なのは、正しく優先順位をつけて、効率よく仕事を進めることです。自分の判断が不安な場合は、先輩や同僚に相談してみましょう。メモやToDoリストを使い、抜け漏れがないように管理することも大切です。

コミュニケーション力

保育事務は保護者や業者、そして園内の保育士など、園内外のさまざまな人とやり取りを行います。

相手の話をしっかりと聞き取り、分かりやすく伝える力が必要です。電話対応やメールなどは園の印象を左右するため、丁寧な言葉づかいや落ち着いた対応が求められるでしょう。対面での対応では、笑顔も欠かせません。

基本的なPCスキル

事務的な業務では、書類作成や名簿管理だけでなく、勤怠や支出の記録や管理なども日常的に行います。WordやExcelなどの一般的なソフト以外にも、保育園が独自に導入しているアプリやソフトの操作をするケースもあるでしょう。

もともとパソコンに慣れている方や、新しい知識を身に付けるのが好きな方は、スムーズに仕事を進めやすくなります。

子どもが好きな気持ちと丁寧な対応

保育事務に保育士資格は必要ありませんが、実際に保育現場に入る機会がたくさんあります。子どもが好きで、成長を身近に感じられる保育園の雰囲気が好きな方なら、保育事務での仕事に大きなやりがいを感じられるでしょう。

仕事の正確さ

事務的な仕事の多くが、園児の個人情報や保育料の管理、勤怠管理など、内容や数字に間違いが許されない重要な情報ばかりです。小さな間違いが大きな影響を起こしてしまう可能性もあるため、「うっかりミス」を防ぐ正確さや慎重さが求められます。

データ入力や書類管理に慣れている方や仕事を丁寧に進められる方は、厚い信頼を得てすぐに活躍できるでしょう。

主な仕事内容

  • 園児・保護者情報の管理(緊急連絡先、健康情報など)
  • 経理補助(保育料・給食費の入出金確認、領収書発行、帳簿管理)
  • 勤怠・給与関連の処理(出勤簿・休暇管理、給与計算の補助)
  • 備品や教材の発注・在庫管理
  • 自治体や行政への報告書類の作成
  • 電話や来客の対応(見学受付、業者との連絡)
  • 行事運営のサポート(案内文の作成、会場の手配)
  • 園だよりや配布物の作成、掲示物の準備

一日のスケジュール(例)

とある保育事務の一日を例に、どのようなスケジュールなのかを表で解説します。

時間保育スケジュール保育事務のスケジュール
8:15園児登園の受け入れ、体調確認出勤、事務所内の掃除、仕事準備
8:30朝礼、申し送りや連絡事項の確認朝礼に参加し、連絡事項を確認。メールや掲示物のチェック。
9:00朝の会園児の出席確認、保護者からの連絡対応、保育準備のサポート
10:00午前保育備品の在庫確認・発注書の作成、保育料や経費の処理・出納帳の入力などの経理事務
12:00給食昼休憩
13:00午睡、見守り園だよりや配布書類の作成、勤怠管理の入力・行政への提出書類の準備
15:00おやつ電話・来客対応、その他業務
16:00帰りの会保育士との情報共有・事務所内の整理整頓・翌日の準備
17:30園児降園、保護者への連絡、お見送り退勤

上記の表は一例で、実際の仕事内容やスケジュールは保育園や時期によって異なります。事務的な仕事がメインの場合もあれば、行事前は会場準備や備品準備などの仕事が増えることもあるでしょう。行事当日は写真撮影などを任される、ということもあります。仕事内容やスケジュールが時期によって変化する点は、保育事務ならではの特徴であり魅力です。

保育事務のお仕事をさらに詳しく知りたい方は下記も合わせてご確認ください。

>>保育事務の仕事内容はどんなもの?向いている人や職場の探し方もご紹介

保育事務に必要な資格

法人や園の考え方にもよりますが、保育事務として仕事をするために必要な資格はありません。ただ、場所によっては保育士資格が必要な職場や事務系の資格を求められることもあるでしょう。

そのため、「保育士に興味があって、保育現場の雰囲気を知りたい方」や、「事務仕事が好きで、子どもと関わることも大好き」と言う方にはぴったりです。

必須となる資格はない場合でも、転職の際は保育士資格や事務系の資格を持っている場合に有利になる可能性があります。仕事内容に活かせる資格や関連する経歴を持つ方は、積極的にアピールしましょう。

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保育事務で働くメリット

保育事務として働くと、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

子どもの成長を支えるやりがいがある

保育士と比べると子どもと直接関わる機会は少ないですが、保育園を運営する仲間のひとりとなり、子どもの成長を間近で見守ることができます。また、保育事務がいることで保育士の負担が減って子どもと向き合う時間が増えるため、結果的に保育事務の仕事が保育の質を高めることにつながります。

無資格や保育業界未経験からでも挑戦しやすい

職場によっては、資格がなくても始められることもあるでしょう。過去に事務職やサービス業での経験があれば、その経験を保育現場でも活かすことができます。「子どもに関わる仕事をしたいけれど資格がない」と悩んでいる人にとって、挑戦しやすい入口となるでしょう。

将来のキャリアや可能性が広がる

さまざまな業務の経験やスキルを身に付けられることが、保育事務の強みのひとつです。事務系の仕事を身に着ければ、法人本部など、保育園の運営や経営に関するポジションへとキャリアを広げることができます。また、働きながら保育士資格を取得し、将来は保育士として活躍する道もあるでしょう。保育の現場を知りながら学べるのは大きな強みです。

保育や事務に関する分野から離れても、コミュニケーション力やパソコン操作の正確性、段取りをこなす力など、保育事務で必要なスキルは他業種でも活かせるものばかりです。幅広い経験がその後のキャリアの選択肢を広げてくれるでしょう。

保育事務の職場を探す方法

保育事務の仕事が気になった方は、実際の求人を見てみましょう。保育事務の仕事や条件は運営元によって大きく異なるため、どのような探し方をするのかが転職成功のカギを握ります。自分に合った探し方で、ぴったりの職場を見つけてください。

園の公式サイト・自治体HP・ハローワークをチェック

地域の保育園や幼稚園は、公式ホームページで求人を出していることがあります。直接募集先の園とコンタクトを取ることができるため、やり取りや転職までの流れがスムーズに進められるのがメリットです。

また、自治体の広報やハローワークでも求人を探すことができるでしょう。ただし、保育事務であっても「事務職」と大きく括られている場合もあるため、検索する際は保育事務かどうかをしっかり確認する必要があります。

求人サイトを活用

求人サイトでも「保育園 事務」などのキーワードで検索すれば募集が見つかることがあります。大手の求人サイトなどを利用すれば、全国各地のさまざまな求人を探せるでしょう。検索ヒット数が多いぶん、一般事務や経理など他の事務職と混ざって表示されやすくなるため、できるだけ保育業界に精通した求人サイトを利用するのがおすすめです。

転職エージェント(保育士人材バンク)の活用

「相談しながら転職活動がしたい」「保育事務の求人だけを知りたい」という方には、保育業界に特化した転職エージェントの活用を検討してみましょう。保育業界の知識を持つキャリアパートナーに希望職種や条件を伝えると、あなたに合ったぴったりの求人を提案してくれます。

なかでも「保育士人材バンク」は、応募書類の作成や面接の日程調整までサポートしてくれるのが強みです。保育事務は保育士と比べると求人数が少ないため、面接や自己PRの対策に悩む方も少なくありません。一緒に歩んでくれるキャリアパートナーは、保育事務を目指す方にとって心強い存在になるでしょう。まずはお気軽にご相談ください!

まとめ

保育事務は資格がなくても挑戦でき、保育士や子どもたちを支えるやりがいのある仕事です。

仕事内容が幅広いからこそ、保育士を目指すのも事務系を極めるのも、その後の未来は自分次第で大きく切り開けます。

転職を考えている方は、転職エージェントなどの効率的かつじっくり向き合ってくれるサービスを利用しながら、自分に合った働き方を見つけてみてはいかがでしょうか。

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