保育士の仕事は「子どもと遊ぶだけ」と思われがちですが、実際には多くの業務に追われる日々です。

保育・記録・行事の準備・保護者対応など、担う役割は多岐にわたり、負担を感じている方も少なくありません。

また、仕事量は勤務先によっても差があり、たとえば認可保育園と企業内保育所、小規模保育園では業務の内容や忙しさが異なります。

この記事では、「保育士の仕事量がどのくらいなのか」をわかりやすく解説します。施設形態や働き先による違いについても詳しくご紹介するので、ぜひ参考にしてください!

保育士の仕事量

保育士の仕事量とは

多くの保育園における保育士の業務は、子どもの身の回りのお世話や遊びの見守りにとどまらず、多岐にわたります。

一日の保育の中で、以下のようなさまざまな仕事をこなします。

  • 食事・排泄・午睡などの生活に関するお手伝い
  • 日誌や連絡帳の記入、成長記録の作成
  • 保護者対応や園だよりの作成
  • 月案・週案・日案などの保育計画の作成
  • 季節行事や発表会の準備・運営
  • 職員間の連携業務・各種MTG

仕事量は、施設の規模や保育方針、担当する年齢(0歳~5歳)、職員配置によっても大きく異なります。

たとえば、0歳児クラスでは体調変化への配慮が必要なため、細かな観察と記録が求められますし、3歳以上のクラスでは行事や制作の準備が多い傾向にあります。

施設別の仕事量

保育士の仕事量は、勤務先の施設形態によって大きく異なります。ここでは、施設別にそれぞれの特徴と業務内容の違いをご紹介します。

認可保育園(中規模・大規模保育園)

一般的な中規模・大規模の認可保育園では、0~5歳までの子どもたちを対象に、日常生活のサポートや保育カリキュラムの実施、保護者とのやりとり、各種書類作成など、多岐にわたる業務があります。

行事や制作物の準備がある保育園もあり、とくに年度替わりや季節のイベント前は忙しくなりがちです。

また、認可保育園は行政の指導や監査があるため、書類の作成や管理体制が比較的厳格です。整備や報告に手間はかかりますが、保育の質を保つための重要な役割をになっています。

認可保育園(小規模保育園)

定員が6~19名程度と少人数の小規模保育園では、子ども1人ひとりとじっくり向き合えるのが魅力。

原則として0~2歳児を対象としているため、生活面での細やかなサポートが中心となります。

食事やおむつ替え、午睡の見守りなど、乳児期ならではの保育が多く、日々の体調管理や保護者との連携が重要です。

また、担任制ではなく複数の保育士で子どもを見守る「チーム保育」の体制が多く、協力しながら保育を進めるスタイルが特徴です。

その分、連携や情報共有は欠かせませんが、大規模園に比べて行事や制作の準備が少なめなケースもあり、残業を抑えられる傾向にあります。

認可外保育園

認可外保育園は、園によって保育方針や運営スタイルに違いがあり、柔軟な働き方ができることも多いです。

書類業務や行事の数が比較的少なめな場合もあり、子どもたちとじっくり関わりたい方にとっては働きやすい環境といえるでしょう。

一方で、園ごとにルールや体制が異なるため、サポート体制や業務の範囲については事前にしっかり確認することが大切です。

児童養護施設

虐待や家庭の事情で親と暮らせない子どもたちが生活する施設です。

保育士は生活支援員として、衣食住のサポートだけでなく、心のケアや学習支援、進路相談まで幅広く対応します。生活全般を支える業務が中心で、夜間も含めたシフト勤務が基本となります。

夜勤手当が支給されることで収入が安定しやすく、交代制勤務によって業務の偏りが抑えられるのがメリットです。

一方で、生活リズムの乱れや心身への負担が大きくなりやすい点や、全体的に仕事量が多くなる傾向もあります。

乳児院

0~2歳児の赤ちゃんを預かる乳児院では、授乳・おむつ替え・入浴などの身体介助を中心とした、きめ細やかなケアが求められます。

24時間体制で赤ちゃん1人ひとりに寄り添った丁寧なケアをおこなうため、業務は多岐にわたります。

夜勤や急な対応が発生することもありますが、そのぶんチームで支え合いながら保育に取り組む体制が整っており、やりがいを感じられる環境です。

些細な変化にも気づける観察力がある人にとっては、とくに向いている仕事といえるでしょう!

企業主導型保育施設

企業主導型保育施設は、企業が主体となって運営する保育園で、従業員の子どもだけでなく、地域の子どもを受け入れていることもあります。

認可外保育園に分類されますが、国からの助成を受けており、一定の運営基準が定められているのが特徴です。

保育方針や制度は施設ごとに異なり、認可保育園に近い業務内容の園もあれば、行事が少なく仕事量が軽めの園もあります。

施設ごとの方針によりばらつきが大きいため、事前に確認しておくことが大切です。

また、保護者の職場と隣接・併設されている場合も多く、連携がとりやすい一方で、保育士には臨機応変な対応力が求められる場面もあります。

障がい児施設・放課後等デイサービス

発達に特性のある子どもたちを対象とした施設では、1人ひとりの特性に合わせた個別対応が基本です。

療育プログラムの実施や記録作成、保護者との連携など、専門性の高いスキルが求められます。

比較的落ち着いた環境でじっくり支援できる一方、責任の重さを感じる場面も少なくありません。

病院内保育所

病院職員の子どもを対象とした保育施設では、24時間保育や夜間保育をおこなっている場合もあります。

シフト勤務の保護者に対応するため、保育士も交代勤務で早朝や深夜のシフトに入ることが一般的です。

園児数が少ない施設も多く、保育士同士で連携しながら、家庭的な雰囲気の中でじっくりと子どもと向き合えるのが特徴です。

また、季節のイベントなどが少ない分、準備や対応に追われることが少なく、比較的落ち着いた勤務環境で働けるケースもあります。

仕事量が多い時の対処方法

保育の現場では、忙しさや業務量の多さに悩むことも少なくありません。

限られた時間の中で子どもとしっかり向き合いながら、自分の負担を減らすためには、ちょっとした工夫や環境の見直しが大切です。

ここでは、日々の業務を少しでもラクにするための対処法をご紹介します。

業務を1人で抱え込まない

仕事量が多いと感じるときは、まず1人で頑張りすぎていないか見直してみましょう。

優先順位を整理し、「急がない業務は後回しにする」、「記録や準備は同僚と負担する」など、周囲と協力することが大切です。

同じ保育士同士だからこそ、忙しさを理解し合い、声を掛け合うだけでも気持ちがラクになります。

主任や園長に相談する

業務量が偏っていると感じたときは、1人で抱え込まず、主任や園長など信頼できる上司に相談してみましょう。

現場の状況を共有することで、業務分担の見直しやサポート体制の強化など、改善につながる対応をしてもらえる可能性があります。

また、相談することで職場全体の働きやすさを見直すきっかけにもなるため、遠慮せずに声をあげてみましょう。

悩みを言葉にするだけでも気持ちが軽くなることもあるため、早めに相談するのがおすすめです。

どうしても負担が大きい場合は転職も視野に入れる

業務改善を試みても どうしても解消されない場合は、無理せず転職を検討するのも1つの選択肢です。

ICTが導入されている園や、業務負担・サポート体制がしっかり整っている職場であれば、働きやすさは大きく変わります。

「もっと保育に集中できる環境で働きたい」「残業の少ない職場に移りたい」と思ったら、理想の働き方ができる職場を探してみましょう!

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自分に合った職場の探し方

保育士として長く働き続けるためには、「自分に合った職場選び」がとても大切です。保育方針や職場の雰囲気、勤務条件など、重視するポイントは人それぞれ。

ここでは、自分に合った保育園を見つけるための具体的なチェックポイントをご紹介します。

園の方針や雰囲気をチェックする

自分に合った職場を探すうえで、園の保育方針や雰囲気はとても重要です。たとえば、子ども主体の保育を重視する園もあれば、カリキュラムに沿った計画的な保育をおこなう園もあります。

また、職員同士の連携体制や風通しの良さも、働きやすさを左右します。

ミスマッチを防ぐためにも、園見学などで実際の雰囲気を肌で感じることが大切です。

勤務条件や福利厚生を比較する

勤務時間・休日日数・残業の有無・有給取得率・育休産休の取得実績など、勤務条件や福利厚生も必ず確認しましょう!

無理のない働き方を選ぶことで、長く安心して働き続けられます。

保育士の働きやすさを重視し、ICTの活用や業務分担によって業務を効率化している園も増えています。求人情報をチェックする際は、こうした取り組みがおこなわれているかどうかも確認してみてください!

転職エージェントに相談して客観的なアドバイスをもらう

自分に合う園が分からない場合は、保育業界に特化した転職支援サービスを活用するのも1つの方法です。

保育士人材バンクでは、一般の求人サイトには掲載されていない、「紹介を通じてしか応募できない非公開求人」もご紹介しています。

そのため、希望に合った条件のお仕事が見つかりやすいのが強みです。

また、履歴書の添削や面接対策などのサポートも充実しており、初めての転職でも安心して進められます。

まとめ

保育士は、子どもの保育だけでなく、書類作成や行事準備などの裏方業務も多く、目に見えない負担が大きい仕事です。

施設の種類や規模、保育方針によって仕事量の内容や負担も変わってくるため、自分に合った職場環境を見極めることが重要になります。

もし、今の働き方に負担を感じていたり、「もっと自分に合う園があるのでは?」と感じているなら、転職も1つの選択肢です。

保育士人材バンクでは、職場の雰囲気や仕事量、働き方まで詳しくヒアリングしながら、あなたに合った求人をご紹介しています。

非公開求人や条件交渉、履歴書の添削、面接サポートなども充実しているので、ぜひお気軽にご相談ください。新しい環境で、笑顔で働けるよう全力でバックアップします。

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