保育士の中間管理職にあたるミドルリーダーには、職務分野別リーダー・専門リーダー・副主任と、3つの役職があります。
この記事では、ミドルリーダーの役割や仕事内容を解説します。ミドルリーダーの仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
保育士のミドルリーダーとは
ミドルリーダーとは、いわゆる中間管理職のこと。保育園などの施設の「経営層や管理職」と、「現場の保育士」の、中間にあたるポジションです。
保育士のミドルリーダーには、以下3つの役職があります。
- 職務分野別リーダー
- 専門リーダー
- 副主任
これら3つの役職は、国の制度「処遇改善等加算Ⅱ」によって、2017年に導入されました。
「処遇改善等加算Ⅱ」は、従来少なかった保育園の役職を増やし、キャリアアップと待遇改善の両立ができる制度です。
職務分野別リーダーは月額最大5,000円、専門リーダーと副主任は最大4万円が、収入に加算される仕組みになっています。
参考:厚生労働省「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」
ミドルリーダーの役割

ここからは、ミドルリーダーの役職それぞれの役割を解説します。
ミドルリーダーの仕事に興味がある方や、勤務先から研修を受けるよう打診されている方、新たにミドルリーダーとして働くことになった方は、ぜひご一読ください。
職務分野別リーダーの役割
職務分野別リーダーは、保育士としての経験が約3年以上の方が就けるポジションです。
以下6つのうち、いずれかの分野の研修を受け、その分野に特化したリーダーとなります。
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
職務分野別リーダーは、上記のうち、いずれかの専門分野において、勤務先の保育園で中心的存在となり、他の職員へのサポートや保護者への助言を行います。
また、専門リーダーや副主任のサポートをする場合もあります。
専門リーダーの役割
専門リーダーは、職務分野別リーダーとしての経験を経て、保育士経験およそ7年以上の方が就くポジションです。
職務分野別リーダーよりも幅広い専門知識とスキル、現場経験を持っており、現場で働く保育士のリーダーとして、乳児や幼児クラス、もしくは園全体をフォローする形で働きます。
専門リーダーは管理職よりかはスタッフ職のため、保育現場の前線で、保育の課題解決や若手職員のフォローといった、現場に寄り添う仕事を務めることが多いでしょう。
副主任の役割
副主任も、専門リーダーと同じで、職務分野別リーダーとしての経験を経て、保育士経験およそ7年以上の方が就くポジションです。
ただし副主任は、主任保育士や園長などの管理職を支え、組織全体の調整や管理を行う仕事に携わりことが多いでしょう。
保育園の管理・運営といったマネジメントを学び、管理職へのキャリアアップに近づけます。
ミドルリーダーの仕事内容
次に、ミドルリーダーそれぞれの役職の、具体的な仕事内容をみていきましょう。
職務分野別リーダーの仕事内容
職務分野別リーダーの仕事内容は、日常的な保育の中で、リーダーとしての仕事が加わるようなイメージです。
具体的には、専門分野に関する課題が持ち上がったときに、ほかの保育士へのアドバイスや保護者への対応をしたり、園内研修を担当したりすることがあるでしょう。
専門リーダーの仕事内容
専門リーダーは、現場の保育士のリーダーとして、乳児クラスや幼児クラスなど一定の範囲をまとめる役職です。場合によっては園全体をまとめる職場もあるでしょう。
日頃の保育では、子どもたちだけでなく一緒に働く保育士の働き方や振る舞いにも注目し、助言や手伝いに入ります。若手育成のための研修やフォローも重要な役割です。
また、現場と経営側(管理職)のパイプ役として、よりよい組織づくりの一端を担います。
具体的には、保育現場の状況や課題を把握し、保育士の意見を取りまとめて、管理職が出席する打ち合わせや会議の場面で報告や相談、周知するなどして、連携に努める場面も想定されます。
副主任の仕事内容
副主任は、専門リーダーを比べると保育現場からは一歩離れ、施設や組織の運営側として、マネジメントの仕事に携わることが増える役職です。
管理職にあたる主任保育士や園長は、保育園の運営や園内外との調整などを行うことが多く、その仕事のサポートを行うことが多いでしょう。
具体的な仕事内容は、管理職の仕事や考え方によっても異なりますが、保育士スタッフのマネジメントやシフト・業務の調整がを行います。
副主任は、園の課題解決を推進できる立場です。保育士の働き方やチームの動き方など、課題解決のアイデアを管理職に提案し、改善を促すこともできます。
園全体の改善による効果を作りだすことができれば、評価が上がり昇給や昇進も期待できるでしょう。
ミドルリーダーのなり方
次に、どうすればミドルリーダーになれるのか、それぞれの役職に就くための方法や、ミドルリーダーとしての働き方を解説します。
職務分野別リーダーになる要件3つ
職務分野別リーダーになるには、以下3つの要件を満たす必要があります。
- 経験年数概ね3年以上
- 担当する職務分野(6分野のうち1つ)の研修を修了
- 修了した研修分野の、職務分野別リーダーとして発令
まず前提として、保育士として3年以上の経験が必要です。
次に、都道府県が実施している「キャリアアップ研修」(1分野15時間)を、以下の6分野から1つ選び、受講しなければなりません。
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
研修を終え、保育園などの勤務先から発令を受けたら、正式に職務分野別リーダーとして働くことになります。
専門リーダー・副主任になる要件4つ
専門リーダー、副主任になるための要件は、以下の4つです。
- 経験年数が概ね7年以上
- 職務分野別リーダーを経験
- 7分野のうち、4つ以上の分野の研修を修了 ※副主任の場合、「マネジメント」必修
- 専門リーダー・副主任として発令
前提として、保育士として7年以上の経験と、職務分野別リーダーとして働いた経験が必要です。
次に、発令の出る前までに各都道府県が実施するキャリアアップ研修を、7分野中4分野(合計60時間)以上、受講します。副主任の場合、「マネジメント」は必修です。
研修修了後、保育園などの勤務先から正式に発令を受けたら、専門リーダーとして働けます。
ミドルリーダーとしての働き方
ミドルリーダーの3つの役職には、前述した要件を満たせば就くことができます。
ただし、ミドルリーダーとして周囲に認められるには、肩書きだけではなく、それなりの働きを求められるでしょう。
ミドルリーダーにふさわしい働き方や、組織における役割や責任を自分なりに考え、リーダーとしての自覚をもって、職務を全うする必要があります。
そのためには、周りの保育士と協力して働き、信頼関係を築くことが、何より大切です。周囲との信頼関係を意識して働くことが、キャリアアップにつながるでしょう。
しかし、人事は結局、管理職次第。管理職との相性や運にも左右されます。もし、どうしてもミドルリーダーになる希望が果たせなければ、転職を検討してもいいでしょう。
ミドルリーダーのまとめ

ミドルリーダーとは、いわゆる中間管理職のことで、保育士の場合、以下3つの役職にあたります。
- 職務分野別リーダー
- 専門リーダー
- 副主任
職務分野別リーダーは、1つの分野に特化したリーダーで、先輩や上司にあたる、専門リーダーや副主任をサポートする役割を持ちます。
一方、専門リーダーと副主任になるには、複数の研修を受けた実績が必要です。
専門リーダーは専門分野を複数持ち、現場の保育士のリーダーとして、全体をまとめる存在です。現場と経営側(管理職)のパイプ役として、よりよい組織づくりの一端も担います。
副主任は、施設や組織の運営側として、主に園全体のマネジメントが多くなる役職です。主任や園長などの管理職をサポートする立場でもあります。
どの役職も、保育士としてキャリアアップするための重要なステップです。
もし今の職場で、ミドルリーダーになれそうになければ、転職を視野に入れるのもいいでしょう。その際には、保育士専門の転職エージェント「保育士人材バンク」をご活用ください。