近年、早期英語教育への関心が高まってきており、特色の一つとして保育のカリキュラムに英語を取り入れる保育園が増えてきています。

また、外国籍の保護者や子どもとコミュニケーションをとる機会も増えてきていることから、英語が話せる保育士の需要がどんどん高まってきています。

保育士さんの中には、「英語力を活かして保育士として働きたい」「保育士に活かせる英語の資格をとりたい」という方もいるかもしれません。

本記事では、保育士や幼稚園の仕事で英語が必要となる場面」や、「保育士が英語を話せるメリット」など詳しくご紹介します。

保育士が活かせる英語の資格や職業、スキルアップの方法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

保育士の仕事に英語は必要?

保育士の仕事に英語は必要?【保育士人材バンク】
保育士の仕事に英語は必要?【保育士人材バンク】

結論をお伝えすると、保育士は英語が話せる方が望ましいといえるでしょう。

この後詳しく説明しますが、近年、早期英語教育に関心が高まってきており、乳幼児期から英語に触れる機会を作ろうと英語教育を導入している保育施設が増加しています。

また、日本に住む外国人が増えていることもあり、保育士として日常会話レベルの英語力があった方が良いといわれています。

とはいえ、インターナショナルスクールなど英語が必須となる園を除き、必ず英語力が必要というわけでもありません。

英語教育を取り入れている保育園は増えてはいますが、実際は外部の講師を招いておこなっている場合が多く、保育士が高い英語力を求められるケースは少ないといえます。

保育士が英語を話せる【メリット3つ】

保育士の英語力は必ず必要というわけではないものの、英語は話せるに越したことはないです。

ここでは、保育士が英語を話せるメリットを3つご紹介します。

保育士が英語を話せるメリット①【外国人の保護者や園児とコミュニケーションがとれる】

保育士が英語を話せるメリット①【外国人の保護者や園児とコミュニケーションがとれる】【保育士人材バンク】
保育士が英語を話せるメリット①【外国人の保護者や園児とコミュニケーションがとれる】【保育士人材バンク】

保育士が英語を話せると、外国人の保護者や園児とスムーズにコミュニケーションがとれるというメリットがあります。

厚生労働省が出している令和2年の資料によると、「外国にルーツを持つ子どもが入園している保育所の有無」に関する調査に対して、1047の自治体のうち、約7割が「ある」と回答。

また、保育所が抱える課題として、以下のような回答が挙がりました。

保育所が抱える課題
  • 日常の連絡事項について意思疎通するのが難しい
  • 緊急のトラブルが発生した際に、保護者と連絡を取るのが難しい

(連絡が取れても、言語面で障壁があり、トラブル内容を適切に伝えられない)

  • 食事における文化的背景に起因する個別配慮について、どのような配慮が必要なのか保護者と十分にコミュニケーションがとれない 等

これらの結果を踏まえると、外国人の園児や保護者と円滑にコミュニケーションをとるためには、保育士の英語力がカギとなるでしょう。

保育園に英語が話せる保育士がいれば、保育中の子どもへの声掛けや、保護者支援などがスムーズになります。

つまり、英語が話せる保育士は保育現場で重宝される可能性が高いのです。

参考サイト:厚生労働省『保育所等における外国籍等の子ども・保護者への対応に関する調査研究事業』

保育士が英語を話せるメリット②【バイリンガル保育士として活躍の場が広がる】

「バイリンガル保育士」とは英語が話せる日本人保育士のことを指します。

バイリンガル保育士は、インターナショナルスクールやプリスクールをはじめ、英語に力を入れている認可保育園などで活躍できるメリットがあります。

また、外国籍の子どもや保護者は今後も増えていく可能性が高いため、持っている資格や英語のスキルによっては、手当がつくなど給料アップも期待できるでしょう!

さらに、一般の保育園でも採用面接などで有利になる可能性もあるかもしれません。

「保育士として活躍の場を広げたい」「キャリアアップを目指したい」という方は、英語力を高めることも一つの選択肢でしょう。

保育士が英語を話せるメリット③【子どもたちにとって英語が身近になる】

保育士が英語を話せることは、子どもたちにとってもメリットがあります。

2020年より、小学生での英語教育が必修化となりました。

それにともない、就学前から子どもに早期英語教育を取り入れるのがよいという考えが広まってきています。

幼児期の英語教育は、ゲームや歌など遊びの中で学習していくのが一般的です。

楽しい雰囲気の中で英語に触れることで、英語=楽しいものという良いイメージが定着し、より英語に対する興味関心が深まるでしょう。

もし、保育士が英語を話せれば、保育の中で英語を取り入れられるので、子どもたちにとって英語が身近な存在となります。

その結果、苦手意識がなくなり、早いうちから高い英語力を身につけられるでしょう!

参考サイト:文部科学省『新学習指導要領全面実施に向けた小学校外国語に関する取組について』

幼稚園の仕事に英語は必要?

幼稚園の仕事に英語は必要?【保育士人材バンク】
幼稚園の仕事に英語は必要?【保育士人材バンク】

ちなみに、「幼稚園の仕事に英語が必要かどうか?」気になっている方もいるかもしれません。

幼稚園の仕事も保育士同様に、英語が話せた方が望ましいといえるでしょう。

さまざまな理由がありますが、幼稚園は園の特色として英語教育に力をいれている場合が多いです。

ほとんどの園では、外部の先生を呼んで英語教育を実施していますが、幼稚園教諭も講師のサポート役として子どもと関わるため、簡単な英語は話せる方が望ましいでしょう。

また、保育園同様に、外国籍の子どもや保護者と関わる機会が増えています。

そのような場面で、スムーズにコミュニケーションをとれるように、日常会話レベルの英語力は身につけておくのがよいでしょう。

保育士にTOEICなどの英語の資格は必要?

この記事を呼んでいる方の中には、「保育士に英語の資格は必要なの?」と思っている方もいるかもしれません。

英語に関する資格は必ず必要というわけではありませんが、資格があることで転職活動の際に有利になる可能性もあります。

ちなみに、保育士の方におすすめの英語の資格は以下の4つです。

保育士におすすめの資格①【英語検定】

日本国内で広く認知されている『英語検定(英検)』は、就職でも有利になる資格です。

「読む」「聴く」「話す」「書く」の4つの技能を測ることができ、1級から7級まであります。

ちなみに一般的に履歴書に書けるのは、2級以上といわれており、英検2級は日常的な英会話と簡単な文章作成が可能なレベルです。

英語検定は年3回実施されており、小学生から社会人まで幅広い年齢層が受験できます。

参考サイト:公益財団法人 日本英語検定協会ホームページ

保育士におすすめの資格②【幼児教育・保育英語検定】

保育現場に合った実用英語を学べる『幼児教育・保育英語検定』もおすすめです。

乳幼児との会話や園内教育、保護者対応など、保育現場で活かせる実用的な内容となっているので、英語力を身につけたい保育士にピッタリの資格といえるでしょう。

検定は1級から4級までの5段階に分かれており、1級・準1級になると、実際の保育シーンを想定した二次試験もあります。

乳幼児と触れ合う時に使う英語も習得できるので、早期英語教育に力を入れている保育園で働きたい方におすすめです。

検定試験は、1級を除き年3回おこなわれ、「会場受験」と「オンライン受験」のどちらかを選べます。忙しい方でも自宅で受験できるのは大きな魅力ですね!

参考サイト:一般社団法人幼児教育・保育英語検定協会ホームページ

保育士におすすめの資格③【TOEIC】

ビジネスシーンで使われる内容が多く出題される『TOEIC』は、国際基準の英語能力測定検定です。

リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能から構成されており、獲得点数によって英語力を証明できます。

一般的には、600点以上あると履歴書に書いて転職活動などでアピールができるようです。

インターナショナルスクールや幼児英語教室によっては、採用条件に「TOEIC〇〇点以上の方は優遇する」などと記載されているケースもあります。

TOEICの試験は、年に10回実施されているため、働いている方でも自分の都合の良いタイミングで受験できるのがメリットです。

参考サイト:一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会ホームページ

保育士におすすめの資格④【J shine資格】

J shine資格(小学校英語教師指導者資格)は民間資格で、小学生以下に英語を指導する能力があると認められた人が取得可能です。

スクールに通って、指導者養成講座を修了することで資格を取得できます。

小学生以下に英語を指導できる資格なので、保育士としても十分活かすことができるでしょう!

参考サイト:特定非営利活動法人 小学校英語指導者認定協議会ホームページ

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保育士の英語必須の仕事の給料や年収は?

保育士の英語必須の仕事の給料や年収は?【保育士人材バンク】
保育士の英語必須の仕事の給料や年収は?【保育士人材バンク】

この後詳しくご紹介しますが、『インターナショナルスクール』や『プリスクール』は英語力が必要となる職業です。

気になる保育士の給料や年収ですが、どちらも月給が約17万円~25万円、年収は約250万円~350万円程度になります。

一般の保育園で働く保育士は、月給が約30万円、年収が360万円程度なので、インターナショナルスクールやプリスクールとあまり変わらないでしょう。

また、園によっては、住宅手当や通勤手当など福利厚生が充実している場合もあります。

英語力を活かして保育士として活躍したい方は、インターナショナルスクールやプリスクールの求人もチェックしてみてはいかがでしょうか?

参考サイト:内閣府『令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果』

保育士が英会話のスキルをアップするには?

保育士が英会話のスキルを高める方法は、全部で4つあります。

一つずつ詳しくご紹介していきます。

保育士の英語のスキルアップ①【通信教育講座で学ぶ】

保育士が英会話のスキルアップを目指す方法として、通信教育講座で学ぶ方法があります。

通信教育講座の場合は、テキストを使った学習だけでなく、オンラインをつないでネイティブ講師とマンツーマンで英会話できるのも魅力です。

英会話を学ぶといっても、働いている方からすると「大変…」「続けられるか不安…」という方も多いはず。

通信教育講座なら、休日や仕事終わりなど自分の好きなタイミングで勉強できるので、仕事が忙しい方でもチャレンジしやすいでしょう。

保育士の英語のスキルアップ②【英語教材を購入して独学で学ぶ】

本屋さんなどに売っている、参考書や英語教材を購入して独学で学ぶ方法もあります。

独学の場合は、自分に合った勉強方法で進められるのがメリットです。

CD付きの教材などを使用すれば、リスニングスキルも身につけられるでしょう。

一方、スピーキング学習は独学だと難しいという面も…。

そのため、正しい英会話をスムーズに身につけるためにも、オンライン英会話などと併用して学習するのがおすすめです。

保育士の英語のスキルアップ③【英会話教室に通う】

英会話教室に通って英語力を身につけるのも一つです。

英会話教室は、少人数やマンツーマンで勉強するのが一般的です。

教室によっても異なりますが、通うペースは週1回や月2~3回程度が多いでしょう。

英会話教室は外国人講師に教えてもらえる場合が多いため、本場のリスニング力やスピーキング力を身につけられるのが魅力です。

保育士の英語のスキルアップ④【留学する】

海外留学をして、ネイティブな英語を学ぶのも一つでしょう。

最近は、「保育留学」「チャイルドケア留学」など、海外の保育現場で子どもたちと関わりながら専門的な勉強ができます。

海外の保育を勉強しながら語学も学べるので、英語力を高めて保育士として活躍したい方にはピッタリの方法といえるでしょう。

留学する国は、オーストラリア・ニュージーランド・イギリス・カナダなどがあります。

保育留学するためにはビザが必要となり、短期留学ビザは6ヶ月以内、学生ビザは6ヶ月以上の滞在が可能です。

18歳~30歳の方で長期的に留学したい方には、最長2年間滞在できるワーキングホリデービザがおすすめです。

英語が必須の保育士の職業は?

英語が必須の保育士の職業は?【保育士人材バンク】
英語が必須の保育士の職業は?【保育士人材バンク】

ここからは、英語が必須となる保育士の職業を5つご紹介します。

英語力を活かして保育士として働きたいという方はぜひ参考にしてみてください!

英語が必須の保育士の職業①【ベビーシッター】

日本に居住する外国人は年々増えています。

法務省が出している資料によると、令和4年6月末の在留外国人数は296万9,267人で、前年末に比べて20万1,334人増加しているそうです。

そのため、外国籍の子どもや保護者がベビーシッターを利用することもあります。

その場合、円滑にコミュニケーションをとるためにも、保育士は英語力が必要となるでしょう。

参考サイト:法務省 令和4年6月末現在における在留外国人数について

英語が必須の保育士の職業②【プリスクール】

日本人の子どもを対象に英語教育をおこなう『プリスクール』は、近年人気が高まってきています。

ほとんどが認可外施設になるので、保育時間やカリキュラムなどは施設によってさまざまです。

プリスクールは、基本的には英語を使って保育をおこないますが、年齢によって英語と日本語の比率が変わる場合もあります。

外国人講師とのやりとりは英語になるので、保育士は日常会話レベルの英語力が必要となるでしょう。

英会話に自信がないという方は、就職して慣れるまでは苦労することもあるかもしれません。

英語が必須の保育士の職業③【インターナショナルスクール】

インターナショナルスクールも、プリスクール同様に、英語を中心に活動をする保育施設です。

外国籍の子どもや日本人の子どもなど、さまざまな子どもを預かり、日常生活や遊びのサポートをおこないます。

働くためには、一定の英語力を求められる場合もありますが、簡単な日常会話ができればOKという施設も中にはあるようです。

英語が必須の保育士の職業④【英語教育を取り入れている保育園】

一般的な保育園でも、積極的に英語教育を取り入れている場合もあります。

日常生活では日本語を使用して、遊びや活動の中に英語を導入する保育園が多いです。

また、保育園がネイティブ講師を雇用して、遊びやゲームの中でネイティブな英語を学ぶこともあります。

一般的な保育園の場合は、絶対に英語力がないといけないわけではありませんが、積極的に英語教育を取り入れている場合は、日常会話レベルの英語力が求められる場合もあるでしょう。

英語が必須の保育士の職業⑤【幼児英語教室】

子どもたちが習い事として英語力を身につける「幼児英語教室」も、保育士が英語力を活かして働ける職場です。

幼児英語教室の保護者は、早いうちからしっかり英語を学ばせたいと意欲的な方がほとんど。

そのため、講師として子どもに指導をおこなうため、TOEICなどの高い英語力が求められるでしょう。

教室によっては、「ネイティブレベルの発音ができるかどうか?」など、採用面接の際に試験を設けている場合もあるようです。

子どもたちの年齢や発達に合わせて、歌やダンス、ゲームを取り入れながら、英語を指導するのが仕事です。

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保育士の英語のまとめ

保育士の英語のまとめ【保育士人材バンク】
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保育士や幼稚園の仕事で英語が必要となる場面や、英語力を活かせる職業など詳しくご紹介しました。

英語教育を導入する保育施設は、今後も増える可能性が高いでしょう。

また、グローバル化や日本に住む外国人増加にともない、保育園や幼稚園に外国籍の子どもが入園するケースは今後も増えていくことが予想されます。

そのため、英語が話せる保育士は重宝されやすく、一般の保育園はもちろん、プリスクールやインターナショナルスクールなど転職先の選択肢もどんどん増えていくでしょう。

英語スキルが高いということは、保育士としてのスキルアップにもつながります。

保育士としてスキルアップできれば、手当の支給や給料アップも期待できるでしょう!

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