毎月受け取る給与明細、なんとなく「手取り額」だけ確認して終わりにしてはいませんか?
実は給与明細には、あなたの毎日の頑張りや、将来を支える大切な情報がたくさん詰まっています。
そこで今回は、保育士さんが給与明細を見る際に注目したいポイントを分かりやすく解説します。
収入や控除の仕組みを正しく知って、安心で充実した保育士ライフにつなげていきましょう。

支給額の欄(もらえるお金)

支給額の欄(もらえるお金)

給料明細の支給欄には、自分がもらうお金が記載されています。

支給されるのは、大きく分けて「基本給」と各種「手当」の2つです。それぞれの金額は、雇われ方や働き方などの状況によって異なります。

基本給は、各種手当を含まない、給料全体のベースとなるお金で、年齢や経験、勤続年数、能力や仕事内容などに応じて決められます。

賞与(ボーナス)や退職金は「基本給×◯ヶ月」分という形で支給されることが多いため、基本給の金額は、生涯年収にも大きく影響します。

手当には、一般的に以下のようなものがあります。

手当の名称手当の対象や条件(どんな人がもらえるか)
通勤手当基本は公共交通機関(電車・バス)を使って通勤する場合だが、自家用車の通勤で、駐車場代やガソリン代が支給されることも。上限額が定められていることが多い。
残業手当法定労働時間を超えて残業した際、時給換算で支給される。休日や深夜には割増金額で計算される。
住宅手当賃貸物件に住んでいる場合、家賃の一部が補助される。勤務先の借り上げ社宅に住むことが条件になっている場合も。
扶養(家族)手当妻や夫、子どもなど、扶養家族がいる場合に支給される。
特別業務手当運動会などの行事担当として働いた場合などに支給される。
資格手当保育士資格や、その他、保育業務に有益な資格を持っていたり、研修を受けていたりする場合に支給される。
役職(管理職)手当各リーダーや副主任、主任、副園長など、役職に就いている人を対象に支給される。

これらの手当の中で、法律上、支給することが定められているのは、残業手当になります。ほかの手当は、各事業主(雇用主)が支給するかどうかを決めています。

そのため、それぞれの手当名や支給される金額は、勤務先によって異なります。

残業手当や特別業務手当は、残業時間や担当業務の発生に応じて支給されるため、支給されるタイミングや金額がバラバラで、「変動手当」とも呼ばれます。

控除欄(引かれるお金)

給料明細の控除欄には、総支給額から差し引かれるお金が記載されています。

控除されるのは、大きく分けて「法定控除」と「その他の項目」の2つです。

「法定控除」は社会保険料や税金など、給料から控除されることが法律で定められているもので、「その他の項目」は、それぞれの職場で定められているものです。

ここからは、それぞれの控除項目について、くわしく解説していきます。

法定控除の項目

法定控除には、主に以下6つの項目があります。

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 介護保険料
  • 雇用保険料
  • 所得税
  • 住民税

これらの保険料の仕組みや対象について、見ていきましょう。

健康保険料

健康保険は、病気やけがの治療、出産などにかかる医療費の負担を軽くするための制度で、国民は加入する必要があります。

加入期間中は、毎月決まった金額の保険料を納めなければなりません。

保育園などの施設に雇用されている保育士の場合、雇用主と保育士が、折半で健康保険料を支払う仕組みになっています。

厚生年金保険料

厚生年金保険は、定年退職後、老後の生活を支える「年金」支えるための制度です。

病気やけがで、生活や仕事が難しいときに受給できる「障害年金」や、被保険者が亡くなった際に配偶者や子どもが受給できる「遺族年金」も、厚生年金保険の制度に含まれます。

厚生年金保険料も、健康保険料と同じで、雇用主と保育士が折半で支払う仕組みです。

介護保険料

介護保険は、介護サービスを受けるために必要な費用の一部を被保険者が負担する制度です。40歳以上の人を対象に、自動的に加入する仕組みになっています。

介護保険料も、雇用主と保育士が折半で支払います。

雇用保険料

雇用保険は、退職・失業、あるいは出産や育児などで収入が減った際に、手当の給付や、支援を受けるための制度です。

雇用保険料として支払ったお金は、失業手当や育児休業給付金、介護休業給付金、教育訓練給付金などの財源となります。

雇用保険料も、雇用主と保育士の双方で支払うのですが、雇用主側の負担の割合が大きいという特徴があります。

所得税

所得税は、1年間の収入に対して、納付が義務付けられている税金です。

その年の収入は、年末の12月になるまで確定しないため、毎月引かれる所得税の金額は、あくまでも推定されたもので、年末調整で過不足分が清算されます。

2025年12月時点では、年収160万円以上の場合に、納税義務が発生します。

住民税

自分の住んでいる都道府県や市区町村に納める税金です。収入のある人なら納税する必要があります。

住民税の金額は、前年1月から12月までの収入を元に計算され、その年の6月から翌年5月まで、毎月の給与から引き落とされます。

2025年12月時点では、年収110万円以上の場合に、納税の対象となります。

その他の控除項目

法定控除以外にも色々な控除があります。法人独自のもので、よく見かける3つの控除項目をご紹介します。

  • 給食費
  • 共済費/組合費
  • 財形貯蓄

それぞれの控除項目について、具体的に解説します。

給食費

勤務先で給食を食べている場合、給食費が給料から天引きされることがあります。

給食費は法人が決め、費用の例としては1食あたり300~500円くらいを負担する場合、月額にして6,000~10,000円ほどの控除額となるでしょう。

共済費/組合費

保育園などで働く保育士が共済組合に入っている場合、掛け金や負担金が控除されます。

共済は、職員の生活支援や福利厚生のサービスを提供する制度で、勤務先によって加入するかどうかや、負担する金額が異なります。

財形貯蓄

財形貯蓄は、給料から天引きしたお金を、金融機関の口座に貯蓄する仕組みです。

勤務先の保育園などが、福利厚生の一環として財形貯蓄の仕組みを導入している場合に利用でき、節税などのメリットがあります。

貯蓄する金額は自分で決められますが、貯金したお金を引き出すのには、手続きが必要です。

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勤怠欄(働いた日数・時間)

勤怠欄には、その月に働いた日数や時間などの勤務実績が記載されます。

具体的には、以下のような項目が記載されます。

勤怠の記載項目解説
就業日数勤務先が定めている、月の出勤日数。
出勤日数実際に出勤した日数。欠勤や有給を取得した場合、就業日数と異なる日数になる。
勤務時間数(労働時間数)その月に実際に働いた時間の合計数。
時間外勤務時間労働基準法で定められた法定労働時間を超えて働いた時間の合計数。休日や深夜には割増金額で計算される。
公休日数・欠勤日数勤務先が定めている休日の日数。・公休でも有給でもなく、欠勤した日数。
有給消化日数・有給残日数有給休暇を使った日数。・有給休暇の残り日数。
遅刻日数・早退日数遅刻した日数(回数)。・早退した日数(回数)。

給料は、出勤日数や勤務時間から計算されます。

そのため、出勤日数、勤務時間(労働時間)数、時間外の勤務時間(残業時間)などが、実際の日数や時間数と合っているかどうか、チェックするようにしましょう。

給与体系と給料明細のチェックポイント

ここまで、給料明細に記載されている項目について、解説してきました。ここからは、給与体系と給料明細について、知っておくといいチェックポイントを紹介します。

今回は、以下3つのポイントについて、解説します。

  1. 月給・月収(額面)・手取りの違いを把握しよう
  2. 収入の中では「基本給」もよく見る
  3. 「固定残業代(みなし残業)」を知る

(1)月給・月収(額面)・手取りの違いを把握しよう

収入について話すとき、さまざまな言葉が使われます。間違った認識をしていると、損をしてしまうリスクがあるので、それぞれの言葉の定義を正しく理解しておきましょう。

まず、「月給」は、基本給に固定手当を足した金額を指します。毎月必ず出て、金額が変動しない、固定手当だけを基本給に足すため、「月給」は毎月同じ金額です。

次に、「月収」いわゆる「額面」は、「月給」に、変動手当を加えた金額です。

残業手当や特別業務手当など、月によって発生したりしなかったり、あるいは金額が変わる手当を加えた、支給の合計額です。給料明細には「総支給金額」と記載されます。

そして「手取り」は、「月収(額面)」から、社会保険料や税金などの控除分を差し引いた、実際に支払われる(口座に振り込まれる)金額です。

給料明細には「差引支給額と記載されることが多いでしょう。

(2)収入の中では「基本給」もよく見る

仕事をして支給されるのは、大きく分けて「基本給」と各種「手当」の2つだということは、前述したとおりです。

実際に手元に入るのは、基本給と手当てを合わせた金額(総支給額)なので、「基本給」と各種「手当」の違いについて、改めて解説します。

でも、収入の中で一番重要なのは「基本給」です。その理由は、主に以下の3つあります。

  • 基本給はボーナスの支給額に影響する場合が多い
  • 退職金にも影響する

基本給は、給料全体のベースとなるお金です。

残業代は「残業時間×基本給×割増率」、賞与(ボーナス)や退職金は「基本給×◯ヶ月」分という形で計算される場合が多く、年収や生涯の収入に大きく影響します。

基本給をしっかり把握しておくことで、安定した収入が確保しやすくなります。

(3)「固定残業代(みなし残業)」を把握する

固定残業代(みなし残業)というのは、一定時間分の残業代を、最初から給料に組み込む賃金体系です。

保育士は、比較的残業(時間外の勤務)が発生しやすい仕事のため、このような制度を採用している施設あります。

具体例としては、ベースとなる給料18万に10時間分の残業代2万円を足して、計20万円を月給とするような形です。

この場合、実際には10時間の残業がなかったとしても、基本の18万円に、固定残業代(みなし残業)の2万円を加えた、計20万円が支給されます。

額面では高そうに見えても予めみなし残業が入っていることがあるため、念頭に入れておきましょう。

保育士 給料明細まとめ

給料明細に記載された収入や控除、勤務時間は、あなたのこれまでの頑張りが数字として表れた「信頼の証」でもあります。

これらを正しく理解することは、あなた自身の生活とキャリアを守ることにつながります。

もし、金額や勤務時間について「あれ?」と思うことがあれば、まずは事務担当者や信頼できる上司に確認し、疑問をクリアにしてみましょう。

そして、もし「もっと自分の頑張りを正当に評価してくれる環境があるかも?」と感じたら、それはステップアップのタイミングかもしれません。

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