「保育士の初任給はいくら?」「手取りだとどのくらい残るの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか?保育士の給与は、学歴や勤務先、地域などによって差が出ることがあります。
この記事では、公開されている最新のデータをもとに、保育士の初任給・手取り・1年目の年収を分かりやすく解説します。
さらに、学歴による違いや初任給に差が出る理由、今後の収入を上げるためのポイントまで紹介するので、保育士を目指している方はぜひ参考にしてください!
保育士の初任給平均はいくら?【額面・手取り・年収】

保育士として働き始めるにあたり、「最初の給与はいくらくらい?」「実際に使える金額はどれくらい?」と気になる方も多いでしょう。ここでは、給与明細を見るときに知っておきたい額面と手取りの違いや、1年目の年収について分かりやすく解説します。
保育士の初任給の額面は「月約23万6,000円」
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、経験年数0年の保育士の所定内給与額は月23万5,600円です。そのため、保育士の初任給は額面で月約23万6,000円がひとつの目安となります。
額面とは、税金や社会保険料などが差し引かれる前の給与額のことです。求人票などに「月給23万円」と記載されている場合も、基本的にはこの額面を指しており、実際に銀行口座へ振り込まれる金額とは異なります。
なお、ここで紹介している金額は全国の統計をもとにした目安です。実際の初任給には勤務先などによって差があります。
保育士の初任給の手取りは「月約19万5,000円」
額面が月約23万6,000円の場合、実際に銀行口座へ振り込まれる手取り額は月19万5,000円前後が目安です。
額面からは、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料、所得税などが差し引かれます。そのため、「月給23万6,000円」と書かれていても、そのすべてを受け取れるわけではありません。
また、新卒1年目は前年の所得が少ないため、一般的に住民税の負担が本格的に始まるのは2年目以降です。その影響で、2年目は給与が上がっていても、手取り額が思ったほど増えないことがあります。
保育士1年目の年収は「約297万円」が目安
同調査では、経験年数0年の保育士の年間賞与その他特別給与額は14万200円です。月23万5,600円の給与を12ヶ月受け取り、賞与をくわえて計算すると、年収は約296万7,000円となります。
つまり、保育士1年目の年収は、額面で約297万円がひとつの目安です。なお、年収とは基本的に1年間に受け取る給与や賞与などを合わせた、税金や社会保険料が差し引かれる前の金額を指します。
ただし、新卒1年目の賞与は在籍期間が短いため、満額支給されない場合もあります。そのため、実際の1年目の年収は勤務先や入職時期などによって前後すると考えておきましょう。
【学歴別】保育士の初任給の違い(大卒・短大卒・専門卒)
保育士の初任給は、大卒・短大卒・専門卒などの学歴によって差がつくことがあります。ただし、保育士に限定した学歴別の全国平均は公的統計では公表されていません。
ここでは、自治体などが公表している採用時の給与を参考に、学歴による初任給の違いを見ていきましょう。
大卒は短大卒・専門卒より初任給が高い場合がある
勤務先によっては、大卒の保育士の初任給を短大卒などより高く設定しています。たとえば、さいたま市の2026年4月時点の初任給は、大学卒が26万7,145円、短大卒が25万6,220円で、約1万1,000円の差があります。
これは、保育士資格そのものに違いがあるということではなく、勤務先の給与規程で学歴に応じた給与額が設定されているためです。そのため、大卒の場合は短大卒や専門卒よりも高い初任給からスタートできる職場があります。
短大卒と専門卒は同じ給与区分になることがある
短大卒と専門卒は、勤務先によって同じ給与区分として扱われることがあります。たとえば、独立行政法人国立病院機構の保育士採用では、「短大・専門学校卒」の初任給を20万4,800円、「大学卒(4年)」を21万4,600円としています。
ただし、すべての専門卒が短大卒と同じ扱いになるわけではありません。専門学校の修業年限や勤務先の給与規程などによって扱いが異なるため、就職先を選ぶ際は自分の学歴がどの給与区分に該当するのか確認しておくと安心です。
学歴による初任給の差は勤務先によって異なる
大卒のほうが初任給が高いケースはありますが、学歴による給与差や区分はすべての保育園で共通しているわけではありません。
たとえば大阪市では、2026年4月時点で4年制の保育士養成所卒が25万1,720円、2年制の保育士養成所卒が23万6,872円と、養成課程によって初任給が設定されています。
このように、同じ保育士でも勤務先によって給与の決め方は異なります。求人を確認するときは初任給の金額だけでなく、自分の学歴や養成課程ではいくらからスタートするのかも確認しておきましょう。
保育士の初任給に差が出る主な要因とは?
保育士の初任給は、同じ資格をもっていても勤務先によって金額が異なります。学歴だけでなく、働く地域や施設の運営形態、手当、給与制度なども初任給に影響するためです。
求人を比較するときは月給だけを見るのではなく、どのような条件によって給与が決まっているのかも確認しておきましょう。
勤務する地域によって給与水準が異なる
保育士の給与水準は、勤務する地域によって異なります。一般的に、都市部では物価や人材確保の状況などを踏まえて、地方よりも給与が高く設定されることがあります。
また、自治体によっては保育士の確保を目的に、独自の手当や支援制度を設けている場合もあります。そのため、同じような仕事内容でも、働く地域が変わるだけで初任給や実際に受け取れる給与に差が出ることがあります。
公立・私立など施設の運営形態によって異なる
公立保育園と私立保育園では、給与の決まり方が異なります。公立保育園で地方公務員として働く場合は、自治体が定める給与表などに沿って初任給が決まるのが一般的です。
一方、私立保育園では、社会福祉法人や株式会社など、それぞれの運営法人が給与体系を定めています。そのため、同じ地域にある保育園でも、運営主体によって基本給や賞与、昇給制度などに違いが出ることがあります。
住宅手当や処遇改善手当などの有無で変わる
保育士の給与は基本給だけでなく、勤務先から支給される各種手当によっても変わります。代表的なものには、住宅手当や通勤手当、資格手当、処遇改善に関する手当などがあります。
たとえば、基本給が同じ職場でも、毎月支給される手当が充実していれば、実際の月給は高くなります。ただし、手当には支給条件が設けられていることもあるため、求人を見る際は、「月給」に何の手当が含まれているのかまで確認することが大切です。
勤務先の規模や給与制度によって差が出る
勤務先の規模や法人独自の給与制度も、初任給に差が出る要因のひとつです。複数の保育施設を運営する法人では、法人全体で給与表や昇給制度を整えている場合がある一方、施設ごとに独自の給与体系を採用しているケースもあります。
また、基本給を高めに設定する職場もあれば、各種手当や賞与も含めて待遇を整えている職場もあります。そのため、求人を比較するときは初任給の金額だけで判断せず、基本給・手当・賞与・昇給制度を含めて確認すると、待遇の違いを把握しやすくなります。
保育士が初任給・年収を上げるための3つのポイント

保育士としてできるだけ良い条件で働くためには、初任給の金額だけでなく、その後の昇給や賞与、キャリアアップまで見据えて職場を選ぶことが大切です。
ここでは、就職前から意識できることと、働き始めてから収入アップにつなげるためのポイントを3つ紹介します。
基本給だけでなく手当や賞与まで確認して職場を選ぶ
初任給を比較するときは、基本給だけでなく、住宅手当や資格手当、処遇改善に関する手当、賞与などもあわせて確認しましょう。
基本給が高く見えても手当が少ない場合もあれば、基本給はそれほど高くなくても、各種手当や賞与が充実している職場もあります。また、昇給の有無や実績も確認しておくと、数年後の収入をイメージしやすくなります。
求人票を見る際は「月給」だけで判断せず、基本給・手当・賞与・昇給制度まで確認することがポイントです。
経験を積みながらスキルアップ・キャリアアップを目指す
保育士は、経験を積みながらスキルを身につけ、役割を広げていくことで収入アップを目指せます。たとえば、乳児保育や障がい児保育、保護者支援などについて学んだり、園内外の研修に参加したりすることで、保育士としての専門性を高められます。
また、経験を重ねてリーダーや主任、副主任などの役職を目指すと、役職手当などによって給与が上がることもあります。
まずは日々の保育を大切にしながら、自分が伸ばしたい分野を少しずつ見つけていくとよいでしょう。
どうしても改善できない場合には転職も選択肢に入れる
経験を積んでも給与が上がらない場合は、より待遇のよい職場への転職を検討するのもひとつの方法です。
保育士の給与体系や手当、昇給制度は勤務先によって異なるため、同じ経験年数でも転職によって収入が上がる可能性があります。また、これまでの保育経験や役職経験が評価され、経験加算によって基本給が高く設定される場合もあります。
すぐに転職を考える必要はありませんが、将来的な選択肢として求人情報を確認しておくと、自分に合った働き方や待遇を見つけやすくなります。
まとめ:保育士の初任給は手取り19万円前後が目安!手当や福利厚生もチェックしよう
保育士の初任給は、額面で月約23万6,000円、手取りでは月19万5,000円前後がひとつの目安です。ただし、実際の給与は学歴や勤務する地域、施設の運営形態、各種手当などによって異なります。
就職先を探すときは、初任給の金額だけでなく、住宅手当や賞与、昇給制度、福利厚生などもあわせて確認することが大切です。
また、保育士は経験を積み、スキルアップやキャリアアップを重ねることで、将来的な収入アップも目指せます。「子どもの成長をそばで支えたい」「子どもと関わる仕事がしたい」という気持ちがある方は、給与や働きやすさも比較しながら、自分に合った職場を探してみてください!
参考:
e-Stat:「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者・職種」
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 主な用語の定義」「賃金構造基本統計調査 調査の概要」
協会けんぽ「令和8年度保険料額表」
国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」
さいたま市「待遇・勤務条件」
大阪市「勤務条件・福利厚生等」
国立病院機構「保育士採用情報」