「保育士=給料が低い」という印象を抱く方は少なくありませんが、保育士にも求人情報によっては給料が高い職場はあります。収入を上げるポイントとなるのは「働き方」や「求人の探し方」です。今回は給料が高い職場や都道府県の特徴と、条件の良い求人を見つける方法を詳しく解説します。

給料が高い職場は?

保育士の給料は、施設の種類や運営形態、勤務時間などによって大きく変わります。同じ保育士資格を持っていても、園によって初任給や手当の支給額に差があるため、職場選びは収入を左右する大事な要素といえるでしょう。

保育士の仕事のなかでも、比較的給料が高めになりやすい職場の例は以下のとおりです。

認可保育園

認可保育園は自治体の基準を満たして運営されている施設で、社会福祉法人や大手法人が運営しているケースも多く、経営基盤が安定しやすい点が魅力です。住宅手当や通勤手当などの福利厚生が手厚く、給与面の条件が良い園があるでしょう。

また、年間休日や休暇制度がしっかり整備されている園が多いため、プライベートの時間を確保しつつ給料面にも期待しやすいでしょう。運営母体によっては研修制度やキャリア支援が充実しており、昇給や役職手当も見込めます。スタッフ数が多い園ほど役職やリーダーのポジションが必要となるため、キャリアアップとともに収入が増える可能性が高いです。複数の保育園を経営している法人なら、異動や昇進のチャンスを得やすい点もメリットといえます。

夜勤がある職場(院内保育・夜間保育など)

院内保育園や夜間保育を行う施設は、深夜手当や早朝手当などが支給されやすいため、保育士の給料が高くなる傾向にあります。とくに24時間体制の病院内保育では、病院に勤務する保護者のシフトに合わせて夜勤が組まれることが多く、深夜帯の割増賃金で収入アップが見込めるでしょう。

ただし、夜型の生活リズムが合わない方にとっては体力面の負担が大きくなる可能性もあります。勤務形態やシフト体制を事前に確認し、自分の生活スタイルに合うかどうかを見極めることが大切です。夜勤のある職場は平日昼間に休みを取りやすい点や手当による底上げが魅力な一方、無理のない働き方ができるかどうかを慎重に検討してください。

キャリアアップしやすい職場

給与アップを目指すなら、保育士キャリアアップ制度を積極的に導入している施設を選ぶのも効果的です。研修修了後にリーダー職や副主任へ昇格すると、役職手当が上乗せされ、収入アップを期待できます。

<保育士キャリアアップ制度とは>

保育士の処遇改善策の一つで、所定の研修を受講し、一定の現場経験を積むことで職務分野別リーダーや専門リーダー、副主任保育士などの役職に就けます。研修を受けるには実務経験が必要とされるものの、制度を活用すれば昇給やキャリアアップが比較的スムーズに進められるでしょう。

>>【2025年度最新】保育士等キャリアアップ研修とは?受けないとどうなるの?申し込み方法や研修内容を解説!

研修や役職が保育士としてのスキルを示す基準となるため、一度退職しても復職しやすくなるメリットがあります。将来的に転職を検討する際も、高給与の求人に応募しやすくなる点が魅力です。

給料が高い都道府県は?

保育士の給料を考えるときは、地域による差も見逃せないポイントです。大都市や人口が密集している地域は家賃や生活費が高いぶん、保育士の給与水準が高めとなっている場合があります。

厚生労働省の資料をもとに、平均年収の高い都道府県をご紹介します。

都道府県平均年収
東京都453.5万円
京都府452.8万円
広島県452.8万円
和歌山県449.9万円
大阪府428万円

参考:厚生労働省 「職業情報提供サイト jobtag 保育士

保育士の平均給与が高い地域は、東京都や京都府、広島県など企業や人口が集中しているエリアが多めです。都市部は保育士の需要も高いため、基本給や手当を充実させ、保育士を不足を解消しようとする様子が見られます。

地域独自の補助制度

自治体によっては、家賃や通勤費の一部を補助する制度や、引っ越し費用の支援策を設けているところもあります。たとえば東京都では「東京都保育士等宿舎借り上げ支援事業」という仕組みがあり、一定条件を満たす保育園に就職する場合、家賃の大半が補助されるケースもめずらしくありません。

保育士自身の子どもを預けるときの保育料を一部貸し付ける制度を実施している自治体もあります。いずれも地域ごとに条件が異なるため、各自治体の公式サイトやハローワークなどで最新情報をチェックしてみましょう。

給料が十分かどうかは、収入と実際にかかる生活費とのバランスで決まります。給与や手当だけで判断せず、どのくらいの生活費がかかるのかを考えながら地域を選んでいくのがおすすめです。

給料や手取りが高い働き方は?

給料や手取りが高い働き方は?

保育士として同じ資格を持っていても、どのように働くかによって給与や手取りに大きな差が出ます。月給や年収を底上げする方法として、次のポイントを意識してみてください。

夜勤やシフトの幅がある職場を選ぶ

院内保育や夜間保育のある園では、深夜帯や休日勤務の割増賃金が支給されるため、月収が底上げされやすい傾向にあります。夜勤をすると生活リズムは乱れやすいですが、うまく切り替えができる方や、夜型の生活が合っている方には大きなメリットになるでしょう。

また、シフト制がある職場の場合は平日や日中に休めることも多く、勤務日数やスケジュールをうまく組めば私生活と仕事を両立しやすい点も利点といえます。自分の体調管理やライフスタイルに合わせて検討しましょう。

園長・主任・リーダーなど管理職へステップアップ

キャリアアップで管理職を目指すことで、給与面が大きく改善されるケースがあります。運営に携わり、職員の指導・シフト管理といった責任が増える一方、その分だけ役職手当や基本給がアップしやすいのが特徴です。

保育士キャリアアップ研修を受講し、リーダー職や専門リーダーへ昇格する方法もあります。経験やスキルが正当に評価される職場を選ぶことで、保育士として働きながら継続的な収入増を目指せるでしょう。

手当・補助制度を上手に活用

給与だけで判断するのではなく、実質的な「手取り額」を増やす工夫も大切です。保育士が使える手当や補助制度の種類はたくさんあり、手厚い支援を受けられればそのぶん手元に残るお金が増えます。

代表的な補助・手当といえば「借り上げ社宅制度」や「住宅手当」が挙げられます。そのほかにも「通勤手当」「扶養手当」など一般的な職種でよくある手当をはじめ、行事やイベントの際に支給される「特別業務手当」、保育士の衣類にかかる出費をカバーする「被服手当」、保育園の給食が食べれて昼食代を支援する「給食費支給」など、保育士ならではの手当を導入しているケースもめずらしくありません。

手当や補助制度は、自治体や保育園によって種類や内容が異なるため、事前の確認が必要となります。求人票を見るときは、基本給以外の部分もしっかり確認しましょう。

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給料が高い保育士の求人を探すには

給料が高い職場を見つけるためには、求人の検索でちょっとしたコツが必要です。以下で紹介する方法やポイントを取り入れてみましょう。

園長や主任、リーダーなど役職を募集している求人を探す

園長や主任、リーダーなど役職者を募集している求人は、給料が高めに設定されているケースが多いです。基本給に役職手当が加算され、一般保育士より一段高い水準からのスタートが期待できます。また、初めから役職に就けなくても、今後のキャリアが見込める「園長・主任候補」の求人もおすすめです。

施設の中心人物となる役職者にはリーダーシップが求められるため、一般の保育士と比べて責任や業務の負担はやや大きくなります。ですが、そのぶん得られる達成感も大きくなるでしょう。キャリアアップを目指している方は、経験や役職が給料にしっかりと反映される保育園を選ぶことが大切です。

賃金面の条件検索で求人を絞る

転職サイトや転職エージェントで仕事を探すときは、具体的な給与条件を指定して検索すると、給与の高い求人を効率的に探せます。

たとえば、保育士専門の転職エージェント「保育人材バンク」の場合は、賞与3ヶ月以上」や「月給25〜30万円」「月給30万円以上などの条件を設定できます。希望の地域や職種形態と組み合わせて、自分にぴったりの条件で検索するのがおすすめです。

転職エージェントは、検索機能が充実しているほかに、キャリアパートナーへの相談や面接対策の準備など、今現在働いている忙しい保育士でもスムーズに転職活動できるサービスが整っています。一般の転職サイトには掲載されていない独自の求人もありますので、ぜひ一度チェックしてみてください。

手当や賞与、実際の労働環境などを確認する

求人票を見比べるときは、基本給だけでなく手当の内訳や賞与の支給回数なども確認しましょう。一見、給与が低いように見えても、手当や補助の内容を含めると「とても条件のよい求人だった」ということも少なくありません。

とくに、住宅に関わる手当や補助は、生活の中で大きな割合を占める住居費に関わるためしっかりとチェックしておきたいところです。自治体の支援制度や周辺の住宅相場なども合わせて確認しておくことをおすすめします。

また、給料だけで判断せず、実際の労働環境も確認しておきましょう。給料が高いのは実際に業務量が多めだったり、責任ある仕事を任されていたりと、給料を高く設定している理由があるかもしれないからです。

金銭的にゆとりある生活は魅力的で、賃金は多くの方が重視する条件ですが、同時に「どんな働き方をしたいか」も忘れてはいけません。自分に合った働き方で、かつ高収入を目指すことが長く働き続けられる職場探しのポイントです。

まとめ

まとめ

給料が高い保育士の職場は、探し方や働き方しだいで十分に見つけられます。認可保育園や院内保育のように補助や手当が充実している施設を選ぶ、園長・主任などの管理職にチャレンジして役職手当を狙う、夜勤や深夜手当を活かせるシフト制の園に入るなど、自分のライフスタイルに合った働き方で選ぶことがポイントです。

借り上げ社宅制度や家賃補助がある自治体を選べば、さらに手取り額を増やすことができます。求人選びの際には、月給やボーナスの額面だけでなく、各種手当の内訳などもしっかり確認してましょう。多くの情報から効率的に条件を絞る場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。

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