少子化が進む一方で、共働き世帯の増加や多様化により、保育士の役割は今後ますます重要になるといわれています。
保育士不足が続いている地域も多く、経験のある方や資格を持つ方へのニーズは高まってきています。
この記事では、保育士の需要は今後どうなるのか、そしてこの仕事を続けることでどんな良さがあるのかを分かりやすくお伝えします。
保育士の需要はどのくらいあるの?
保育士は長年にわたって需要が高く、今もなお人手不足の状況が続いています。
厚生労働省の発表によると、直近の令和7年(2025年)1月時点における保育士の有効求人倍率は3.78倍となっており、前年同月比で0.24ポイント上昇しています。
これは、保育士1人に対して約3.8件の求人があるという意味で、就職・転職を希望する方にとって選択肢があることを示しています。
ちなみに、全職種平均の有効求人倍率は1.34倍(前年同月比で0.01ポイント下落)であるため、保育士の需要が高いことが分かります。
このような高い需要の背景には、以下のような要因が挙げられます。
- 共働き世帯の増加 : 令和5年(2023年)には共働き世帯の割合が75.6%に達しており、保育ニーズが高まっています。
- 保育施設の拡充 : 待機児童解消のため、国は「新子育て安心プラン」に基づき、保育の受け皿拡大を進めています。
- 待機児童対策 : 令和6年(2024年)4月時点の待機児童数は2,567人で、前年より113人減少していますが、地域によっては依然として待機児童が存在しています。
これらの要因により、保育士の需要は今後も高水準で推移すると予想されており、保育士のキャリアを続けることは、安定した職業選択となるでしょう。
参考:子ども家庭庁「令和6年4月の待機児童数調査のポイント」
今後の需要や将来性は?

これから先も、保育士の役割はますます重要になっていくと考えられます。
その理由のひとつに、共働き世帯の増加があるといえるでしょう。
前述したとおり、厚生労働省の調べでは、2023年には共働き世帯が全体の約75%を超えており、今後もこの割合は伸びていくと予想されています。
働く保護者が増えると、その分、子どもを預けられる場所が必要になり、保育園や保育士のニーズも高まっていきます。
また、国もこうした流れに対応するために、保育園の数を増やしたり、保育士を確保する取り組みを続けています。
「新子育て安心プラン」などの政策では、待機児童を減らすための保育施設整備にくわえ、保育士の処遇改善や職場環境の見直しも進められています。
さらに最近では、企業内保育所や小規模保育施設、学童保育など、保育士が活躍できる場所が増えているため、豊富な選択肢の中から自分に合った職場を見つけやすくなっています。
今後も保育士の役割は重要であり、社会的な需要が続くと見込まれています。
安定性と社会貢献性を兼ね備えた職業として、保育士は将来性のある働き方といえるでしょう。
参考:子ども家庭庁「令和6年4月の待機児童数調査のポイント」
保育士を続けるメリット
保育士という仕事は、子どもとの関わり以外にも様々なやりがいがあります。
保護者や地域と連携しながら、子どもの健やかな成長を支える社会的にも意義のある仕事です。
ここでは、保育士を続けることで得られるおもなメリットをご紹介します。
子どもの成長を間近で見守れるやりがい
保育士の最大の魅力は、子どもの「できた!」の瞬間に立ち会えることです。
歩けるようになった、初めて名前を呼んでくれた、トイレにひとりで行けるようになったなど・・・小さな一歩を重ねる子どもたちの姿は、何度見ても感動を与えてくれるものです。
ときには「せんせい、見て!」と得意げに話しかけてくれたり「ありがとう!」と小さな手紙を渡してくれたりすることも。
こうした1つひとつの出来事が、保育士としてのやりがいや誇りにつながっていきます。
「自分の関わりが子どもの成長につながっている」と実感できる職業は、そう多くはありません。
保育現場では、子どもたちの変化や成長を毎日間近で見守ることができ、自分の仕事が直接的に“誰かの未来”につながっていると実感できます。
この手応えこそが、保育士を長く続ける大きな原動力となるのです。
社会的なニーズが高く将来も安定
保育士の仕事は、これからの社会に欠かせない重要な役割をになっています。
とくに近年は、共働き世帯の増加や子育て支援制度の整備が進んだことで、保育施設の数だけでなく、その運営形態や提供するサービスの幅も大きく広がっています。
企業主導型保育所、小規模保育事業、病児保育、学童保育など、活躍のフィールドはどんどん広がっており、保育士のニーズは今後も続くと見込まれています。
また、保育士は地域に密着した仕事でもあるため、転居先でも経験を活かして働きやすいのも大きな魅力です。
これからの人生を見据えて、長く安心して働ける道を探している方にとって、保育士は非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
ライフステージに合わせた働き方が選べる
保育士の仕事は、正社員だけでなく、パート・契約社員・派遣といった多様な雇用形態が整っているため、家庭の事情やライフステージに応じて働き方を柔軟に選べるのが大きな魅力です。
たとえば、子育てや介護と両立しながら短時間勤務を希望する方や、ブランク明けで徐々に仕事に慣れていきたいという方にも対応できる環境が増えています。
実際に、午前中のみ・週3日勤務・扶養内調整などに対応している園も多く、「フルタイムは難しいけれど、子どもたちと関わる仕事は続けたい」という想いを実現しやすい職場がそろっています。
また、職場によっては勤務時間や日数を相談できるところもあるため、自分らしい働き方を叶えながらキャリアを維持・継続できるのも保育士という職業の大きな魅力です。
保育士の経験が財産になる
保育士の仕事は、年齢を重ねることで得られる経験や人間力がそのまま価値になる職業です。
長年の保育経験を通して培った「子どもの変化に気づく力」や「場面に応じた柔軟な対応力」、さらには「保護者への丁寧な接し方」など、年齢とともに磨かれるスキルは数多くあります。
また、新人保育士の育成や現場の調整役としても、ベテラン保育士の存在は欠かせません。若手のフォローや相談相手となることで、園全体の運営に大きく貢献できる場面も増えていきます。
体力面に不安を感じている方でも、補助的な役割や年齢に配慮したクラスへの配置、短時間勤務など、無理なく働けるスタイルを選べる園が増えてきています。こうした選択肢が広がっているのも、嬉しいポイントのひとつです。
保育士として培ってきた経験は大きな財産になります。
地域や社会に貢献できる
保育士の仕事は、子どもを預かるだけでなく、保護者の心の支えとなり、地域全体の子育てを支えるという大きな役割をになっています。
とくに近年は、共働き家庭やひとり親家庭の増加により、保育園が地域にとって欠かせないインフラとして機能しています。
地域に根差した園で長く働くことで、「〇〇先生に育ててもらった」、「先生がいるから安心して仕事ができる」といった声をもらえることもあり、保育士という立場を超えた信頼関係が築かれていきます。
また、地元の行事や子育て支援イベントなどに関わる機会もあり、保育を通じて地域社会と深くつながれるのもこの仕事ならではの魅力です。
「自分の仕事が誰かの役に立っている」と実感できる瞬間が多く、やりがいと誇りをもって続けられる職業といえるでしょう!
キャリアの広がりもある
保育士として経験を重ねる中で、自分に合った働き方や役割を見つけながら、少しずつキャリアを築いていけるのも、この仕事の大きな魅力です。
現場での実績を活かして、リーダー・主任・園長といったマネジメント職を目指す道はもちろん、現場とは異なる分野へとキャリアの幅を広げていくこともできます。
たとえば、児童発達支援施設や放課後等デイサービス、ベビーシッター、子育て支援員など、保育の知識と経験を活かせるフィールドは多岐にわたります。
また、保育士資格にくわえて新たな資格取得を目指すことで、専門性を深めたり、自分に合った働き方を見つけたりすることも可能です。
「子どもと関わる仕事がしたい」という原点を大切にしながら、ライフステージに応じて無理なくキャリアを広げていける柔軟性は、保育士として働き続ける大きなメリットといえるでしょう!


保育士を長く続ける職場の探し方

保育士として長く働き続けるためには「自分に合った環境」を見つけることが何よりも大切です。
人間関係や職場の雰囲気、勤務時間、園の方針などが自分と合っているかどうかで、仕事の充実度や継続意欲は大きく変わります。
たとえば、以下のような視点を持つことで、自分に合う職場を見つけやすくなります。
園の保育方針や風土をチェックする
長く働ける職場を見つけるには「園の保育観」が自分の考えと合っているかを見極めることが重要です。
たとえば「子ども主体の保育」を大切にしている園と「しっかり指導する保育方針」の園とでは、日々の保育の進め方が大きく異なります。
自分が心から共感できる保育理念のもとで働けるかどうかは、やりがいと続けやすさに直結します。
また、園の人間関係や雰囲気も、ストレスをためずに働き続けるうえで大切な要素です。
職員同士の連携がとれているか、意見を言いやすい風土かどうかも、見学時や面接時に確認しておきたいポイントです。
勤務条件だけでなく“働きやすさ”も重視する
「残業は少ないか」「休憩はしっかりとれるか」といった実際の働きやすさにも注目しましょう!
たとえば、保育士の仕事は体力面や精神面での負担が大きいため、シフト制の柔軟さやフォロー体制の有無が働きやすさに直結します。
さらに、ライフステージに合わせて働ける職場かどうかも大切です。
育児や介護との両立がしやすい制度があるか、子育て中の職員が活躍しているかなど、長期的な視点で環境を見ていくことが、無理なく続けるカギとなります。
離職率の低さや定着率もチェックする
「長く続けやすい職場かどうか」は、給与や勤務時間といった条件だけでは見えてこない部分も多くあります。
そこで注目したいのが、職員の定着率や離職率。
在籍年数の長い職員が多いということは、職場環境や人間関係が良く、長く働き続けられる環境が整っているサインともいえます。
園見学の際には、「この園では何年くらい勤務している方が多いですか?」、「ベテランの職員さんもいらっしゃいますか?」など、さりげなく質問してみるのもポイントです。
働きやすさは、職員の定着といった形に表れるものです。自分に合った職場を見つけるためにも、こうしたポイントを意識して職場探しを進めましょう!
転職支援サービスを活用する
「園の中の雰囲気や働きやすさは、求人票だけでは分かりにくい・・・」、そんなときに頼れるのが、保育士に特化した転職支援サービスです。
保育士人材バンクでは、保育業界に精通した専任アドバイザーが、1人ひとりの希望や悩みに合った職場探しをサポートいたします。
年齢や経験、ライフスタイルを踏まえて、条件に合った求人をご提案し、園の雰囲気や人間関係、離職率など、求人票では得られない“リアルな情報”もしっかりお伝えします。
また、面接日程の調整や条件の交渉など、手間のかかるやり取りもすべてお任せいただけます。
「今の職場に在籍しながら転職活動を進めたい」、「忙しくて時間がとれない」という方にも心強い存在です。
まとめ
今後も保育士のニーズは高い状態が続くとされており、「人に必要とされる仕事」として社会での役割もどんどん広がっていくでしょう。
子どもの成長を間近で見守るやりがいや、地域に根ざして長く働ける安心感など、保育士として働き続けるメリットは多くあります。
「このまま保育士を続けていいのかな?」と迷っている方も、今の自分に合った職場を選び直すことで、もっと前向きに保育の仕事に向き合えるかもしれません。
とはいえ、「どんな園が合っているのか分からない」、「求人が多すぎて選びきれない」という方も少なくないはず。
そんなときは、保育業界専門の転職支援サービス『保育士人材バンク』を活用してみてください!
あなたの希望や経験に寄り添いながら、無理なく長く働ける職場選びをサポートします。
園の雰囲気や職員構成といった内部情報の提供や、日程調整・条件交渉の代行など、転職活動の不安もまるごと相談できるのが大きな魅力です。
「これからの保育士人生をもっと充実させたい」と感じている方は、ぜひ一度保育士人材バンクにご相談ください。