保育士資格を持っている方にとって、働く職場の選択肢は意外と広いものです。
認可保育園や認定こども園をはじめ、学童や児童館など多様な職場で活躍できます。
それぞれの施設には、各特徴や働き方があり、自分の希望条件やライフスタイルに合った場所を選べるのがメリットです。
本記事では、保育士の資格を活かして働ける、代表的な職場を11種類ご紹介します。
それぞれの特徴やメリットを詳しくご紹介するので、自分にピッタリの職場選びに役立ててください!
保育士が働ける職場11ヶ所
保育士が働ける職場は多岐にわたり、それぞれに特色があります。
子どもの成長に寄り添いながらスキルアップできる環境が揃っており、自分に合った職場選びが重要です。
ここからは、保育士資格を活かして働ける、代表的な11種類の職場をご紹介します。
認可保育園
認可保育園は、国や自治体の基準を満たした施設で、幅広い年齢の子どもたちを受け入れています。
0歳から6歳までの、小学校に入学するまでの子どもたちと関わるため、年齢に沿ったアプローチを身につけられます。
国や自治体から認可を受けているため、保育士には安定した給与や福利厚生が提供されやすく、教育カリキュラムに基づく保育で専門スキルを磨けるのがメリットです。
チーム保育が主流なので、業務を分担して同僚と協力しながら働けるのも魅力といえます。
認可外保育園
認可外保育園は独自の運営方針を持ち、少人数制や個別ケアを重視する施設が多いです。
また、夜間保育や特別なプログラムを取り入れている施設も多く、柔軟なニーズに応える保育をおこなっています。
子どもたち1人ひとりに寄り添う保育が可能で、柔軟な保育スタイルを追及できます。
働く保育士にとっては、既存のカリキュラムに縛られず、自身の保育観を活かして働けるのが大きな魅力です。
さらに、個性的な施設での経験は、キャリアの幅を広げるきっかけになるだけでなく、のびのびとした環境で保育スキルを磨けるのもメリットといえます。
認定こども園
幼稚園と保育園の良さを併せ持つ、認定こども園でも保育士資格を活かして働けます。
教育と保育の両方に力を入れており、基本的には0歳〜小学校就学前までの子どもたちを預かり、成長を支援します。
保育士にとっては、教育と保育のスキルを同時に磨けるのが魅力です。
両方のスキルが身につくことで、子どもの発達や個性を幅広い視点で理解し、より的確にサポートできるようになります。
その結果、保育士としての専門性が高まり、子どもや保護者とより深い信頼関係を築けるようになるでしょう!
院内保育園
院内保育園は、病院職員の子どもを預かるための施設のこと。
0歳〜5歳までの異なる年齢の子どもたちが、同じ空間で生活や活動を共にする『異年齢保育』を採用しているのが一般的です。
夜勤対応や早朝・深夜の変則的な勤務が求められるため、通常の保育園では得られないようなスケジュール管理能力や、緊急時の対応スキルを身につけられるのがメリットです。
少人数保育が中心で、1人ひとりとゆったりと丁寧に関わることができるのも魅力です。
小規模保育園
小規模保育園は、定員19名以下の少人数制で、0歳~2歳児の保育をおこないます。
家庭的な雰囲気の中で、1人ひとりの子どもとじっくり向き合う丁寧な保育が可能で、保育士として子どもの成長を実感しやすい職場です。
アットホームな雰囲気の中で、保護者とも深く関われるため、密接なコミュニケーションを通じてやりがいを得られるのも魅力です。
親身な保育をしたい方や、丁寧に子どもたちと関わりたい方に適した職場といえます。
事業所内保育園
事業所内保育園は、企業が従業員の子どもを預かるために設置した保育施設です。
おもに企業の敷地内や近隣に設置され、従業員の勤務時間に合わせた保育サービスを提供するのが特徴です。
少人数制で運営されることが多く、アットホームな雰囲気の中で保育がおこなわれます。また、従業員専用の保育園として、安全性や信頼性が高い環境が整っています。
働く保育士にとっては、固定勤務時間が多く、ワークライフバランスを保ちやすい点や、福利厚生が充実しているのが大きな魅力です。
幼稚園
幼稚園教諭免許をもっている保育士さんは、幼稚園で働くことができます。
幼稚園は、3歳以上の子どもを対象に教育カリキュラムを提供する施設です。
保育士は教育スキルを学びながら、子どもたちの成長を支援する重要な役割を担います。
土日休みや長期休暇があるため、プライベートと両立しやすい環境が整っているのも魅力です。
行事や活動を通じて、子どもたちの成長を実感しやすく、大きなやりがいを得られます。
1人でクラス担任をもつ場合も多く、理想の保育を実践したり、自分のペースで業務を進められるのもメリットといえるでしょう。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、小学校・中学校・高校に通う、6歳〜18歳までの障がいのある就学児童を対象とした施設です。
保育士は、専門知識を活かして個別支援をおこない、日常生活の基本動作や習慣、集団生活への適応訓練などを通じて、子どもたちの成長をじっくりサポートします。
幅広い年齢や特性をもつ子どもたちと深く関わることで、個々に合わせた専門的な支援スキルを習得できます。
また、発達支援の知識を深めることで、保育士としての視野を広げる機会にも恵まれます。
やりがいのある職場環境で、専門スキルをさらに高められるのが大きな魅力です。
>>放課後等デイサービスで働く保育士の役割は?必要な理由や仕事内容をご紹介!
児童発達支援
児童発達支援は、発達に課題をもつ0歳~6歳までの未就学児を対象に、日常生活の基礎スキルを支援する施設です。
子どもたちが自立に向けて少しずつ成長できるよう、遊びや訓練を通じて個々に合ったサポートを提供します。
また、親子で利用するプログラムも充実しており、保護者をサポートしながら助言をおこなうことも大切な役割の1つです。
保育士は1人ひとりの子どもに丁寧に向き合い、専門的な知識や技術を活かして働けます。さらに、個別支援計画の作成や実施を通じて、専門性を高められるのが大きな魅力です。
子どもの成長を間近で感じられるやりがいとともに、発達支援の分野でスキルアップできる環境が整っています。
>>児童発達支援とは?わかりやすく解説。保育士の転職先としてもご紹介
学童
学童は、小学生が放課後を安全に過ごせる環境を提供する施設です。
宿題をサポートしたり、遊びを見守ったりする中で、子どもたちの成長をサポートします。
保育士は、学校のような一斉指導ではなく、個々の子どもの特性やニーズに合わせた柔軟な関わり方が求められます。
幅広い年齢の子どもたちと接することで、成長段階ごとの特性を理解し、対応力や観察力を高めることができます。
学童での多様な経験が保育士としての視野を広げ、スキルアップにつながるでしょう。
児童館
児童館は、地域の子どもたちが集まり、遊びや学びを楽しむ場を提供する公共施設です。
保育士は乳幼児から小中学生まで、幅広い年齢や背景をもつ子どもたちと関わりながら、その成長を支える重要な役割を担います。
さらに児童館では、子どもたちとの交流にくわえて、地域イベントや親子教室を企画・運営を通じて、保護者や地域住民とのつながりを深めることも重要な業務の1つです。
地域全体で子どもや保護者を支える環境を作ることで、保育士自身も地域社会の一員としてのやりがいを実感できる職場です。
さまざまな保育園の施設形態
保育園といっても、施設形態にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴や保育士の働き方に違いがあります。
大規模や小規模といった規模の違いだけでなく、運営母体や設立状況によっても特色があります。
以下では、各施設形態の特徴と、保育士が働く際のメリットを詳しくご紹介します。
大規模
大規模保育園は定員が多く、幅広い年齢層の子どもたちが在籍するのが特徴です。
職員数も多く、チームで協力して保育を進めるため、経験が浅い保育士でも先輩から学びながら成長できる環境が整っています。
また、しっかりした教育カリキュラムや、充実した福利厚生が提供されることが多く、安定した働き方ができるのもメリットです。
多様な子どもたちと関わりながら、保育スキルや協調性を高めたい方におすすめです。
中規模
中規模保育園は、子ども1人ひとりに目が届きやすく、アットホームさとチームワークのバランスがとれているのが特徴です。
職員間の連携がとりやすく、保育士としてのスキルを磨きながら働ける環境があります。
多すぎず少なすぎない規模感なので、子どもたちとの密な関わりと職員同士の支え合いを両立できるのがメリットです。
協力しながら、自分のペースで保育を進めたい方に向いているでしょう。
小規模
小規模保育園は、定員19名以下で乳幼児を中心に保育をおこなう施設です。
1人ひとりに寄り添う丁寧な保育が可能で、子どもや保護者と密接な関係を築けるのが特徴です。
保育士にとっては、アットホームな環境で個別対応力を養える点が魅力です。
また、少人数制のため、柔軟にアイデアを取り入れた保育を実践できるのもメリットです。
温かい雰囲気の中でゆったり保育をしたい方に、最適な職場といえるでしょう!
株式会社
株式会社が運営する保育園は、独自の運営方針や教育プログラムを取り入れていることが多いです。
保育士には、企業運営ならではの充実した福利厚生や、キャリアアップのチャンスが提供されることも!
また、施設ごとに特色があるため、自分の保育観に合った環境で働けるのもメリットです。
ICTシステムやモニタリング機器、モンテッソーリ教育やリトミックなど、最先端の設備やカリキュラムを取り入れている場合もあり、先進的な保育を学べる環境が整っているのも魅力です。
社会福祉法人
社会福祉法人が運営する保育園は、地域や家庭の支援に力を入れながら、子どもたちの健やかな成長を促す保育を提供しているのが特徴です。
地域の子育て支援拠点として、保護者向けの相談会や子育て講座などを開催し、家庭との連携を深める取り組みもおこなっています。
また、非営利組織のため、利益追及に縛られず子どもの利益を最優先に考えた保育が実践されています。
自治体から補助金が支給されるため、運営が安定しており、保育士が安心して長く働ける環境が整っているのもメリットです。
新規オープニング園
新規オープニング園は、新しく開園する保育園で、施設や設備が最新であることが大きな特徴です。
保育士は、立ち上げメンバーとしてゼロから園の運営に携わるため、通常の保育業務だけでなく、園の方針やルール作り、保育環境の設備に関わることができます。
これにより、自分のアイデアや意見を反映させやすく、主体的に園の成長を支えるやりがいを感じられます。
さらに、新しい仲間と同じスタートラインから働き始めるため、人間関係がフラットで風通しの良い職場環境が築きやすいのも魅力です。
新しい挑戦をしたい方や、自分の力を試したい方にピッタリの職場といえるでしょう!
保育士資格が活かせる求人の探し方
保育士資格を活かせる職場は、保育園だけでなく多岐にわたります。
自分に合った求人を見つけるためには、目的や希望条件を明確にして、効果的な方法で探すことが大切です。
下記では、保育士資格を活かせる求人の具体的な探し方やポイントをご紹介します。
多様な選択肢を知って、理想の職場に出会うための参考にしてみてください!
保育士の求人サイトを活用する
保育士専門の求人サイトは、多くの求人情報を簡単に検索できる便利なサービスです。
希望の勤務地や勤務条件、雇用形態などの条件を指定することで、効率よく求人を探せるので、忙しい方でもスキマ時間を利用して手軽に転職・就職活動が進められます。
とくに、非公開求人や限定情報が掲載されている場合もあるため、複数のサイトを併用すると、より多くの選択肢を得られるのがメリットです。
また、口コミや施設の詳細情報が掲載されていることが多く、職場の雰囲気や働き方を事前に確認できるのも魅力といえるでしょう!
自治体のサイトを利用する
自治体が運営する求人情報サイトでは、地域密着型の求人が多数掲載されているため、地元での就職を希望する保育士にとって便利なツールです。
地元の認可保育園や、公立保育施設はもちろん、小規模保育園や児童館など幅広い選択肢を探すことができます。
また、自治体独自の取り組みとして、保育士向けの就職支援制度や家賃補助などの情報も掲載されています。これにより、経済的な支援を受けながら安心して転職活動を進めることが可能です。
さらに、相談窓口を利用すれば、地域の保育事情について詳しいアドバイスを得られることも大きなメリットといえるでしょう!
転職エージェントを活用する
保育士専門の転職エージェントを利用することで、保育業界に精通した専門家のアドバイスを受けながら効率的に求人を探せます。
エージェントは、自分では気づきにくい強みや、スキルを活かせる求人を提案してもらえるほか、応募書類の作成や面接対策など転職活動全般をバックアップしてくれるのが大きなメリットです。
くわえて、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえるため、より希望条件に近い職場に出会える可能性が高まります。
非公開求人には、好待遇や独自の保育方針をもつ園が多く含まれるため、理想の働き方に近づくチャンスが広がるでしょう!
また、エージェントが採用担当者との橋渡しをしてくれるため、交渉が苦手な方でもスムーズに進められます。初めての転職や、自分に合う職場選びに迷っている方にピッタリの方法です。
知人や同僚の紹介を受ける
保育士仲間や、知人から直接紹介を受ける方法も効果的です。
実際に働いている人からリアルな声を聞けるため、職場の雰囲気や人間関係、労働条件、さらには保育方針や働きやすさなどの詳細な情報を事前に把握できるのが大きなメリットです。
とくに、信頼できる相手からの紹介であれば、求人情報に記載されていない内情も知ることができ、より安心して応募することができます。
また、求人探しの負担を軽減できるだけでなく、入職後のギャップを最小限に抑えられるため、長く働ける職場選びにもつながります。
知人や同僚からの紹介は、人間関係や働きやすさを重視する方におすすめの方法です。
ハローワークで地元の求人を探す
厚生労働省が運営するハローワーク(公共職業安定所)は、地元に根付いた求人情報を多く取り扱っており、地元での就職・転職を希望する保育士にとって心強い存在です。
相談員に希望条件を具体的に伝えることで、自分に合った求人情報を提案してもらえるため、初めての転職活動でも安心して利用できます。
また、ハローワークでは、履歴書や職務経歴書の書き方指導、模擬面接などの実践的なサポートも受けられるため、転職に不安を感じている方にとって大きな助けとなるでしょう。
さらに、保育士向けの就職セミナーや相談会、地域の保育事情について詳しく学べるイベントが定期的に開催されているため、情報収集やスキルアップの場としても活用できます。
求人探しから就職準備まで、総合的にサポートを受けられるのがハローワークのメリットです。
気になる施設に直接問い合わせる
興味をもった保育園や施設には、直接問い合わせてみるのも1つです。
求人を出していない場合でも、問い合わせをきっかけに採用を検討してもらえる場合もあります。
また、見学の機会を得られるケースも多く、実際の雰囲気や働き方を自分の目で確かめた上で応募できるのが魅力です。積極的なアプローチで理想の職場を探しましょう!
保育士が働ける場所まとめ
保育士が働ける場所は、認可保育園や小規模保育園、院内保育園などの保育園だけでなく、児童館や放課後等デイサービス、学童など、幅広い選択肢があります。
また、大規模園や小規模園、新規オープニング園など、施設形態にもさまざまな種類があることをご紹介しました。
それぞれの職場には独自の特徴や魅力があり、保育士としてのスキルやキャリアを活かしながら働くことが可能です。
今回ご紹介した内容を参考に、自分に合った職場を見つけて、充実した保育士としてのキャリアを築いていきましょう!
参考:
こども家庭庁「地域型保育事業の概要」
厚生労働省「放課後等デイサービスの現状と課題について」
厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」
厚生労働省「児童館ガイドラインの改正について」