保育士と幼稚園教諭は、どちらも子どもの成長をサポートする仕事ですが、実は働く場所や仕事内容、給料などに違いがあります。
本記事では、保育士と幼稚園教諭の違いを詳しく解説します。
保育士と幼稚園教諭の免許を持っている方や、これから取得予定の学生さまが就職・転職活動の際に役立つ情報をお届けします。
また、どちらか一方の免許しか持っていない方でも、もう一方の免許をスムーズに取得できる『特例制度』についても、分かりやすくご紹介します。
これからのキャリア設計にぜひお役立てください!
目次
保育士と幼稚園教諭の違いは?

保育士と幼稚園教諭は、どちらも子どもと関わる仕事ですが、その役割や働く環境にはさまざまな違いがあります。
以下に、保育士と幼稚園教諭の違いを分かりやすく整理しました。
それぞれの特徴を確認し、自分に合ったキャリア選択の参考にしてください!
①管轄省の違い
保育士と幼稚園教諭は、それぞれ異なる省庁の管轄のもとで運営されています。この違いは、資格取得の目的や働く環境にも影響を与えます。
【保育士】
厚生労働省が所管する資格で、おもに福祉施設で働くことを想定されています。
【幼稚園教諭】
文部科学省が所管する資格で、教育機関である幼稚園で働くことを目的としています。
②働ける施設の違い
保育士と幼稚園教諭は、資格を活かせる職場も異なります。
【保育士】
保育園(認可・認可外)をはじめ、児童養護施設、障がい児支援施設など、幅広い福祉施設で活躍できます。
【幼稚園教諭】
幼稚園をはじめ、一部の認定こども園でも勤務が可能です。
認定こども園は、保育所と幼稚園の機能をあわせ持つ施設で、教育と保育の両方を提供することを目的としています。
③主な対象年齢
各資格の仕事では、対象となる子どもの年齢が異なります。
【保育士】
0歳〜小学校就学前までの子どもが対象です。とくに乳幼児の「保育」が中心になります。
【幼稚園教諭】
3歳〜小学校就学前までの子どもが対象で、おもに「教育」に重点を置いた活動をおこないます。
④お給料の違い
保育士と幼稚園教諭では、給料水準や収入の安定性にも差があります。
勤務先や雇用形態によっても変わるため、それぞれの特徴を知ることが大切です。
【保育士】
- 平均月収:26万4,500円
- 年間賞与その他特別給与額:67万9,600円
- 平均年収:385万4,000円
【幼稚園教諭】
- 平均月収:25万7,500円
- 年間賞与その他特別給与額:74万1,100円
- 平均年収:383万1,000円
保育士と幼稚園教諭の給与水準には大きな違いは見られませんが、年間賞与や月収にはわずかな違いが見られます。
処遇の見直しがおこなわれるようになり、以前よりも保育士の給与がやや高くなってきている傾向があるようです。
また、働く施設や業務内容によっても給与の水準は異なる場合があります。
参考:e-Stat_政府統計の総合窓口 「令和5年賃金構造基本統計調査」
⑤仕事内容の違い
保育士と幼稚園教諭では、日々の業務内容や役割にも違いがあります。
保育士は生活全般のサポート、幼稚園教諭は教育活動がおもな業務となります。
【保育士】
日常的な子どもの生活全般(食事・着替え・お昼寝など)のサポートを中心におこないます。また、保護者との密な連携も求められます。
【幼稚園教諭】
子どもの教育活動がメインで、絵画や音楽、運動などのプログラムを計画・実施します。


保育士と幼稚園教諭の給料の違い
保育士と幼稚園教諭では、給料水準にも差があります。
勤務先や雇用形態によっても変わるため、それぞれの特徴を知ることが大切です。
【保育士】
- 平均月収:26.45万円
- 年間賞与その他特別給与額:67.96万円
- 平均年収:385.4万円
【幼稚園教諭】
- 平均月収:25.75万円
- 年間賞与その他特別給与額:74.11万円
- 平均年収:383.1万円
保育士と幼稚園教諭の給与水準には大きな違いは見られませんが、年間賞与や月収にはわずかな違いが見られます。
処遇の見直しがおこなわれるようになり、以前よりも保育士の給与がやや高くなってきている傾向があるようです。
また、働く施設や業務内容によっても給与の水準は異なる場合があります。
参考:e-Stat_政府統計の総合窓口 「令和5年賃金構造基本統計調査」
また、保育士や幼稚園教諭として働く際に押さえておきたい給料のポイントもご紹介します。
- 幼稚園教諭は年間賞与が多い傾向があり、保育士は月収がやや高めである点を考慮して、自分の収入希望に合った働き方を選ぶ
- 勤務先の種類による給与差を確認し、保育士は保育園や福祉施設など幅広い選択肢がある一方、幼稚園教諭は幼稚園が中心であることを理解する
- 公立と私立の違いによる給与の差も把握し、公立では安定性、私立では施設ごとに給与体系や手当の違いがある点を考慮する
- 地域差を考慮し、都市部では給与が高めな一方で、生活費も高くなる傾向があることを踏まえて判断する
- 保育資格や幼稚園教諭免許を持っていることで資格手当が支給される場合もあるため、手当の有無や金額も確認する
- 保育士はシフト制で時間外勤務が発生することが多く、すべての職場で手当が支給されるわけではないため、支給状況を事前に確認する
- 給与だけでなく、住宅手当や交通費補助、退職金制度などの福利厚生が給与に付加される場合もあり、総合的な収入で比較するのが大切
上記のポイントを踏まえると、給与そのものだけでなく、手当や福利厚生、将来のキャリア形成までを含めた総合的な条件を比較するのが重要です。
保育士と幼稚園教諭の勤務時間・仕事内容の違い

保育士と幼稚園教諭は、勤務時間や仕事内容にも違いがあります。
ここからは、具体的な違いをタイムライン形式でご紹介します。
保育士の1日のスケジュール例(早番・中番・遅番)
保育士の1日のスケジュール例をご紹介します。
▼早番のスケジュール(例:7:00~16:00)
時間 | 仕事内容 |
7:00 | 出勤、園内の清掃・準備、子どもの受け入れ対応 |
8:00 | 子どもたちの自由遊びの見守り、安全管理 |
9:30 | 朝の会(歌や手遊びなど)、おやつの提供 |
10:00 | 主活動(外遊び、製作活動、絵本の読み聞かせなど) |
11:30 | 給食(食事介助、アレルギー対応)、食後の準備 |
12:30 | 午睡の見守りや園内整理、記録作業 ※交代で休憩(60分) |
15:00 | 午後のおやつ提供、自由遊びの見守り |
16:00 | 中番・遅番の保育士に業務の引き継ぎ、退勤 |
▼中番のスケジュール(例:9:00~18:00)
時間 | 仕事内容 |
9:00 | 出勤、園内の清掃・準備、午前の活動をサポート |
10:00 | 主活動(製作、運動、絵本の読み聞かせ)、外遊び |
11:30 | 昼食の介助や後片づけ |
12:30 | 午睡の見守り、保育記録の記入 ※交代で休憩(60分) |
15:00 | 午後のおやつ提供、自由遊びの見守り |
16:30 | 子どものお迎え対応、保護者とのコミュニケーション |
18:00 | 遅番の保育士に業務の引継ぎ、退勤 |
▼遅番のスケジュール(例:11:00~20:00)
時間 | 仕事内容 |
11:00 | 出勤、園内の清掃や午睡中の見守り |
12:30 | 午睡から目覚めた子どもの対応 ※交代で休憩(60分) |
15:00 | おやつ提供、片付け |
16:00 | 保護者への引き渡し対応、延長保育の子どもの見守り |
18:00 | 延長保育の活動(自由遊びや絵本読み聞かせ) |
20:00 | 最後の子どもの引き渡し、園内掃除、片付け、翌日準備、退勤 |
保育士は、早番・中番・遅番といったシフト制で働くことが多く、施設の運営時間に合わせた柔軟な勤務が求められます。
また、保育園では複数担任制が一般的で、他の保育士と連携しながら子どもたち1人ひとりに寄り添ったケアをおこないます。
とくに生活全般のサポートが中心となり、保護者対応や記録作業も含まれるため、幅広い業務を効率よくこなすスキルが必要です。
幼稚園教諭の1日のスケジュール例(一般的な勤務時間の場合)
幼稚園教諭の1日のスケジュール例をご紹介します。
▼幼稚園教諭のスケジュール(例:8:00~17:00)
時間 | 仕事内容 |
8:00 | 出勤、掃除、保育室の準備 |
8:30 | 登園対応、バスの添乗、保護者とのコミュニケーション |
9:00 | 朝の会(歌や体操など)、1日のスケジュールを共有 |
10:00 | 主活動(運動、リトミック、工作、文字、行事に関する練習) |
11:30 | 昼食(子どもの配膳補助や食事の見守り)、一緒に昼食をとる |
12:30 | 自由遊びの見守り |
14:30 | 帰りの会(歌や体操など)、降園準備 |
15:00 | 子どもの降園対応、保護者への報告、バスの添乗 |
16:00 | 保育室の片付け、翌日の準備 ※適宜休憩をとる |
17:00 | 退勤 |
幼稚園教諭は、比較的規則的な勤務時間で働くことが多く、カリキュラムや行事に合わせて計画的なスケジュールで動きます。
多くの場合、1人担任制が採用されており、「自分の保育がのびのびしやすい」という魅力がある半面、クラス全体を1人でまとめる責任があります。
子どもの教育をメインに、教材準備や行事対応といった教育要素の強い業務が特徴です。
土日祝が休みの場合が多く、長期休暇もありますが、行事や準備作業で残業や休日出勤が必要なこともあります。


保育士と幼稚園教諭を取得するには
保育士や幼稚園教諭の資格を取得する方法は、現在何も資格を持っていない場合と、どちらか一方の資格をすでに持っている場合で異なります。
ここでは、それぞれの取得方法を簡単にご紹介します。
現在資格を持っていない方の場合
保育士や幼稚園教諭の資格を持っていない場合は、養成校や試験を通じて資格を取得することができます。
【保育士資格の取得方法】
- 保育士養成校を卒業する : 指定された大学や専門学校(短期大学を含む)で所定の課程を修了することで、資格が取得できます。
- 保育士試験に合格する : 学歴要件を満たせば、保育士試験を受けることができ、合格すれば資格を取得できます。
【幼稚園教諭免許の取得方法】
- 大学・短大の教育課程を修了する : 文部科学省の指定を受けた大学や短期大学で、幼稚園教諭養成課程を修了する必要があります。
- 通信制大学を活用する : 通信制大学での課程修了により免許を取得できます。
片方の資格を持っている場合の特例制度
すでに、保育士資格または幼稚園教諭免許を持っている場合、以下の特例制度を活用することで、一方の資格をスムーズに取得可能です。
【保育士が幼稚園教諭免許を取得する場合】
- 特例制度 : 指定の講習を受講・修了することで、幼稚園教諭免許を取得できる
- 対象者 : 3年以上かつ4,320時間以上の実務経験がある保育士
【幼稚園教諭が保育士資格を取得する場合】
- 特例制度 : 指定された科目を修了後、保育士試験を受験し、合格する必要があります。
- 免除制度 : 試験科目の一部が免除されるため、負担を軽減できます。
参考:
子ども家庭庁 「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例」
文部科学省 「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例」
保育士と幼稚園教諭の違いまとめ

保育士と幼稚園教諭の違いについて、詳しくご紹介しました。
保育士は0歳から未就学児までの子どもたちの日常生活を支え、その成長を身近に感じられるのが大きなやりがいです。
一方、幼稚園教諭は教育活動に重点を置き、行事やカリキュラムを通して子どもの発達をサポートすることで、達成感を得られる魅力があります。
それぞれの仕事に異なる魅力があり、どちらも子どもたちの成長に深く関わる大切な役割を担っています。
自分の興味や得意な分野、希望する働き方に合わせて職種を選ぶことで、より充実しキャリアを築くことができるでしょう!
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