保護者の安心感や、緊急時の落ち着いた対応など、ベテラン保育士だからこそ発揮できる価値が高く評価される50代保育士の転職。
ここでは、転職のメリットや今までの経験をどうアピールすべきかなど、キャリアチェンジを成功させるためのポイントもご紹介します。
50代の保育士転職とは
人手不足の傾向にある保育業界では、50代の保育士はこれまでの経験が強みとして評価される場面が増えています。保育士は体力勝負ともいわれていますが、「令和6年賃金構造基本統計調査」によると全国の保育士の平均年齢は39.5歳。40代や50代などのベテラン保育士が今も全国の保育施設で活躍しています。
<保育士の年代別の人数と割合>
| 年代 | 全国の保育士数 | 割合 |
|---|---|---|
| 20代 | 98,300人 | 32% |
| 30代 | 74,350人 | 23.4% |
| 40代 | 68,710人 | 21.6% |
| 50代 | 56,350人 | 17.8% |
| 60代 | 18,060人 | 5.7% |
| 70代 | 1,630人 | 0.5% |
| 合計 | 317,600人 | – |
※参考)職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
保育業界全体で見ると、50代の保育士は17.8%を占めています。保育園の精神的な支柱になりみんなが頼れるベテラン保育士や若手の保育士どちらも保育園にとって不可欠な存在です。
50代保育士に求められる役割
50代になると自分が率先的に主導する役割の他に「全体を整える」立ち位置に移行するケースも増えていきます。
行事の段取りや新人のフォロー、保護者対応の相談役など、保育園運営の土台となる役割を担うこともあるでしょう。
鬼ごっこや夏のプールなどに対して「体力面が不安……」という場合でも、経験を生かしたポジションに就くことで自分が活躍できる働き方ができるでしょう。
50代保育士が転職するメリット

50代保育士が転職する魅力は、これまで積み重ねてきた経験を新しい環境で活かせることです。ここからは、転職することで得られる主なメリットを紹介します。
①経験が強みとして評価される
50代保育士の最大の強みは「経験がそのまま強みになる」という点です。
急なトラブルや保護者対応も、経験を重ねてきた50代保育士なら「前にもこんなことがあったはず」と過去の経験から対応策を見つけられるでしょう。
また、ここでいう「経験」とは保育スキルに限られた話ではありません。人間関係やプライベートでの悩み解決など、保育以外の辛さや大変さを共感してあげられるのもベテラン保育士が頼られる理由のひとつです。
②環境を変えて“自分に合う働き方”を見つけられる
保育士として働くことが好きでも「もう少し自分のペースで働きたい」「小規模な保育園で働きたい」など、別の働き方を検討している方もいるのではないでしょうか。
長く働くためには、自分に合った働き方ができるかどうかが大切です。今後に不安を感じている場合、50代の転職が働き方を見直す最適なタイミングだといえるでしょう。
最近では、0歳~2歳のみをお預かりする小規模保育施設の求人や、時短勤務や週3〜4日勤務など、さまざまな勤務形態を取り入れる保育園も増えています。自分のライフスタイルに合わせた働き方が実現しやす環境です。
③働く目的や今後のビジョンが明確
保育業界で働き始めた方のなかには「自分に合った働き方」「自分の理想とする保育」が定まり切れていない方もいるかもしれません。自分にはどんな保育方針が合うのか、どんなキャリアを積み上げたいのか、経験してみないと分からないこともあるでしょう。
スムーズに再就職するには、自分の条件に合わせて求人を絞っていくことが大切になります。50代保育士はこれまでの経験から自分に合う職場のイメージを掴みやすいため、多くの求人から理想の職場を見つけやすいといえるでしょう。
④ブランクがあっても復職しやすい仕組みが整っている
もし、子育てや異業種転職をしていて保育士としてのブランクがあったとしても、保育業界への復職はしやすい傾向があります。
人手不足という要因もありますが、保育士は「子どもと向き合う仕事」という本質は変わらないため、今までの経験がそのまま保育現場で役立つことができやすいのも特徴です。また、復職支援制度がある行政もあり、その場合はサポート制度を利用することができます。
ブランクがある時のポイント
ブランク期間があり、保育現場への復帰を悩んでいる方も少なくありません。そのような方に向けて、事前準備と心持ちのポイントをお伝えします。
今の保育業界を知る
まずは、ブランク期間で変化した今の保育業界について知っておく必要があります。
たとえば、近年保育士の処遇改善拡充し手当が拡充していることや、各行政が保育士に役立つ制度を作ってくれているエリアもあります。
保育士の給料情報や支援制度など調べると把握することができますので、まずは業界全体で活用できる情報を収集してみましょう。
無理なく復帰できる職場を選ぶ
ブランクがある方の場合、最初からフルタイムの正社員を目指すのではなく、自分のペースで働ける職場を選ぶことも選択肢のひとつです。負担が重すぎない職場には、次のようなケースが挙げられます。
- パートや非常勤からスタートできる職場
- 小規模保育園などの、子どもの数が少ない施設
- ブランクを歓迎している職場
上記のような方法なら、体力面や家庭との両立にも無理がありません。とくに50代では「長く働きやすい職場かどうか」は、とても大切なポイントです。
小さな一歩を踏み出す感覚で臨む
「ブランクが長いから不安」「もう昔みたいに動けないかも」と感じるのは自然なことです。ですが、保育園側もブランクを知ったうえで雇用しているので、気負いすぎる必要はありません。
「はじめから完ぺきを目指さず、少しずつ慣れていけばいい」という心構えで再スタートをきるのがおすすめです。保育現場に出ながら感覚を徐々に取り戻していきましょう。
50代保育士のおすすめ転職方法

いざ転職活動をしようと思っても「何から手を付けていいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ここからは理想の職場を見つけるための5ステップをご紹介します。
ステップ1.自己分析から始める
まずは、これまでのキャリアと今の生活スタイルから、自分の強みや理想の働き方を整理します。長く保育を続けてきた方はもちろん、ブランクがある方もできるだけ具体的に洗い出してみましょう。
- 好きな保育:乳児保育中心でじっくり関わる方針が好き
- 得意なこと:チームのサポート役に回るのが得意。
- やりがい:保護者対応にやりがいを感じる。
- 働き方:フルタイムで安定した収入を得たい。早番遅番も可能。
50代の転職では、条件が多いことよりも「優先する条件の軸を絞っておくこと」「譲れない条件と出来れば欲しい条件を分けておくこと」が自分に合った職場を見つけるためのカギとなります。
ステップ2.情報収集を行う
保育園を情報収集する際は、求人票だけでなくホームページやSNS、見学会など、さまざまな方法を活用しましょう。
求人票で書かれている情報だけではなく、園の雰囲気や行事の状況、施設の様子など出来るだけ知っておきたいですね。
ステップ3.保育園見学や面接で実際に確認する
気になる保育園が見つかったら、積極的に見学や面接に参加してみましょう。書面や画像だけでは読み取り切れない、リアルな雰囲気を自分の目で確かめることができます。
- 職員同士の声かけやチームワークが良いか
- 子どもの表情は生き生きしているか
- どんな世代が働いているか
- 子どもの人数に対して、十分な職員配置がされているか など
また、面接の際には、自分の強みや転職理由だけではなく、逆質問なども準備しておきましょう。詳しく知りたい方はこちらのコラムでもご紹介しています。
>>【保育士の面接】質問や逆質問の回答例。面接官が知りたいポイントは?自己紹介や服装などもご紹介!
ステップ4.しっかりと考えてから決断する
50代の転職では「急いで決める」よりも自分の強みを生かし「納得して選ぶ」ことが大切です。
希望の条件をすべて満たす保育園を見つけるのは簡単ではありませんが、はじめに優先順位を整理しておけば無理なく働ける職場を見つけやすくなります。
転職はゴールではなく、これからの働き方を整えるスタートラインです。焦らず、自分のペースで進めていきましょう。
転職先の探し方
求人はさまざまな方法で探すことができるので、どこで何を見ていいのか迷ってしまいますよね。保育士の転職でよくある探し方は以下の4つです。
- ハローワーク:地域密着の求人が多く、地元で働きたい人におすすめ。
- 知人・元同僚の紹介:職場の雰囲気や実情を知る人から情報を得られる。
- 求人サイト:求人数が豊富で、自分のペースで比較・検索ができる。
- 転職エージェント:希望条件に合う保育園を専門スタッフが紹介してくれる。
上記のなかで50代の転職でおすすめなのは「転職エージェント」の活用です。なかでも、保育士業界に特化している保育士人材バンクを利用すると、より専門的で具体的なサポートやアドバイスを受けられます。
保育士人材バンクのサービスを例に、転職エージェントの特徴をもう少し具体的に見てみましょう。
転職エージェント(保育士人材バンク)の特徴
保育士人材バンクは、全国各地の保育施設の求人を取り扱う転職エージェントです。転職する方のニーズに合わせたサポートで、再就職への支援を行っています。
希望条件に合う求人を効率的に探せる
一般の求人サイトとは異なり、保育士専門の転職エージェントは保育業界ならではの条件に絞って検索できるのが大きな特徴です。保育士人材バンクでも、「ブランクOK」や「小規模園」「ピアノ苦手OK」など、自分では探しにくい細かな検索機能を備えています。
また、キャリアパートナーに希望を伝えておけば、希望に合った求人を紹介してくれることがあります。求人探しにかかる時間を大幅に減らし、効率的に転職活動を進められるのがメリットです。
応募や面接の日程調整をしてくれる
転職活動は応募や保育園との連絡・面接調整など、意外と多くの手間がかかりますが、保育士人材バンクを利用すると日程調節や面接対策などのサポートが受けられます。働きながら転職する場合や複数の園を検討したい方は特におすすめです。
保育業界に詳しい担当者がサポート
保育士人材バンクでは保育と転職事情に詳しいキャリアパートナーが一人ひとりにサポートを提供しています。転職に関する不安や疑問もお気軽にご相談ください。
50代の保育士の転職まとめ
経験が活きる保育士という職業では、年齢はむしろ武器になる可能性を秘めています。
理想の働き方に合う条件を定め、どのような求人があるのか実際に調べてみましょう。保育士人材バンクでは転職希望の方はもちろん「ブランクOKの求人を見たい」「小規模の保育園は近くにある?」という転職に関するご相談も大歓迎です。
ぜひ無料登録をして非公開の求人の確認やキャリアパートナーのサポートをご活用ください。