保育士としての経験や知識を持ちこれからの活躍も期待できる3年目の保育士は転職しやすい人材です。
今回の記事では、3年目の保育士におすすめの転職先や転職活動のポイントなどを紹介します。自分の希望に合う転職先を見つけたい方は、ぜひご一読ください。
保育士3年目の転職は可能?
結論からいうと、働き始めて3年目の保育士は、転職しやすいでしょう。
新卒から保育士として働いている職場を辞める場合、勤続3年目だと20代や30代前半など、年齢の若い方も多いのではないでしょうか。
これから更に知識を吸収し経験を重ねていく考えがある方だと、新たな職場の方針ややり方にスムーズに馴染めそうという点でも好印象を抱かれやすいでしょう。
また、3年働いた保育士は、担任を持ったり後輩の指導に当たったりと、責任ある仕事をしていた方も多いでしょう。保育士としての基本的な業務の経験や知識があるので、重宝される存在になれるはずです。
とはいえ、3年という勤続年数を短いと思うか、長いと感じるかは、個人の価値観次第です。採用担当者の中には「勤続3年は短い」と思う人もいるでしょう。
だからこそまずは「なぜ自分は転職したいのか」「自分が新しい職場に望むことは何か」などをしっかりと洗い出し、頭を整理したうえで転職活動に入ることをおすすめします。
保育士3年目の転職におすすめな職場候補
まだ若く、体力と柔軟性を兼ね備えている3年目の保育士に、3つの職場を紹介します。
保育園
保育士にとって、保育園は最もスタンダードな職場と言えるでしょう。
その中でも最も一般的なのは「認可保育園」です。定員20名以上で、0歳から5歳までの未就学児を対象としています。幅広い年齢の子どもたちがいるため、保育士として多くの経験を積みたい方におすすめです。
一方で、主に0歳から2歳の乳児と、少人数でじっくり関わりたい場合は、「小規模保育園」が選択肢になります。似た形態として、企業や病院に併設されて従業員の子どもを預かる「事業内保育」もあります。
このほかにも夜間や宿泊を伴う保育を行う「ベビーホテル」病気の子どもを預かり保育と看護を行う「病児保育園」など、特定のニーズに応える施設も保育園の一種です。
このように、保育園には様々な種類や業態があります。ご自身が「どのような経験を積みたいか」「何を学びたいか」、そして「将来どのようなキャリアを築きたいか」を考えながら、自分に合った施設の形態を選ぶことをおすすめします。
学童保育
学童保育は小学生を対象とした施設で、学校がある日の放課後や夏休みなどの長期休暇中に児童たちを預かります。
主に共働きなどで日中保護者が不在となる家庭の子どもたちが利用し、安全な遊びや学びの場を提供しながら、宿題の見守り、おやつや昼食の提供などを行います。
運営形態には、市町村などの自治体が運営する「公立」の施設と、企業などが運営する「民間」の施設があります。
公立の学童保育は小学校の敷地内にあることが多く、子どもたちは学校が終わると自分で歩いて通うのが一般的です。一方、民間の学童保育は小学校から離れた場所にあることもあり、その場合は専用バスなどによる送迎サービスを提供している施設も見られます。
最近では、特に都市部を中心に、保護者のニーズに応える形で、預かり機能だけでなく、塾や英会話、スポーツといった「習い事」の要素を組み込んだ学童保育も増えています。
学童保育で働く専門スタッフには「放課後児童支援員」という資格があります。保育士の資格を持っている方は、この「放課後児童支援員」の資格取得にもチャレンジすることが可能です。
放課後等デイサービス
「放課後等デイサービス」は、障がいのある小学生を対象とした施設で学校がある日の放課後や、土曜日、夏休みなどの長期休暇中に子どもたちを預かる場所です。
保育士は、子ども一人ひとりの障がいについて、度合いや特性を理解し、それぞれに合わせた遊びや療育、学習のサポートなど専門的な支援を行います。また、施設と自宅間の送迎業務を担当する場合もあります。
この仕事は、未就学児を対象とする保育園とは異なり「障がいのある小学生を支援する」という点が、保育園のお仕事と大きな違いです。
勤務時間も、朝7時から夜19時頃までのシフト制で保育園とは異なり、平日は昼11時から19時頃、学校が休みの日は朝8時から17時頃が中心となるなど、働き方が大きく変わります。
障がい児支援に興味がある方や、保育士としてのキャリアアップを目指したい方、ご自身の働き方を見直したい方にとって、おすすめの転職先と言えるでしょう。
3年目の転職活動をスムーズに進める9つのステップ

3年目の転職活動を上手に進めていくためには、何をすべきなのでしょうか。
ここでは、以下9つのステップに分けて、保育士の転職の手順を説明していきます。
1.転職の動機や目的を把握する
まずは、なぜ自分は転職をするのか、その目的を具体化しておきましょう。
この部分が分かっていないと、転職後に「転職しなければよかった」「何のために転職したのか分からない」と、転職を後悔する可能性があります。
具体的には以下の点について考えましょう。
- 今の職場をなぜ退職したいのか
- 転職することで何をどう変えたいのか
ノートに書き出すなどしてまとめておくと、転職活動中に見返すことができて便利です。
2.自己分析をする
転職したい理由や目的が分かったら、次に自己分析をしましょう。自己分析をすることで、自分が仕事や職場に求めるものが、さらに細かく見える化できます。
自分の長所や強み、反対に短所や弱みを把握することで、自分に合った仕事や職場を見極めやすくもなります。自己分析は、転職活動において特に重要なステップです。
例えば、以下のようなポイントについて、考えておきましょう。
- どういう性格か(明るい、ポジティブ、穏やか、冷静など)・長所/短所
- 今まで経験してきた仕事(◯歳児クラスの担任/担当した行事など)
- 今までの経験から学んできたこと
- 得意なこと/不得意なこと
- 今後、どんな経験(仕事)をしたいか
- どんな保育士になりたいか
3.情報収集をする
次に、転職に必要な情報収集をします。
保育士が働ける職場には、主に以下のような場所があります。
| 保育園・幼稚園・認定こども園・学童保育・病児保育・産婦人科、助産施設・子育て支援センター・児童発達支援施設・放課後等デイサービス・乳児園、児童養護施設 |
どんな職場に興味があるか、ある程度絞り込んだうえで、求人を探しましょう。
求人の探し方については、記事後半の「後悔しない選択をするための転職方法(h2)」で、くわしく解説します。
4.転職先の希望条件を決める
次に、転職先に求める条件を洗い出してみましょう。
具体的には、以下のようなポイントについて、一つひとつ書き出していくのがおすすめです。
- 勤務エリア
- 仕事内容
- 働き方(勤務時間、曜日、公休など)
- 待遇(給料、ボーナス、昇給、有休、福利厚生など)
- スキル/キャリアアップ(配属、昇進、研修、資格取得など)
- 職場の雰囲気
どのポイントに特にこだわりたいか、優先順位をつけると分かりやすいでしょう。
5.志望先の施設を見学する
「4.転職先の希望条件を決める(h3)」を考えたときに、職場の雰囲気を知りたい、特に優先すべき条件だと思った方には、志望先の施設の見学をおすすめします。
まずは志望先の施設の見学ができるか、ホームページや電話で確認し、見学ができそうであれば、見学の日時を予約します。
くわしくは「保育士の保育園見学はした方がいい?質問事項や服装、アポイントの取り方、マナー、注意点・ポイント!」の記事をご覧ください。
6.志望先に応募する(書類作成)
次に、志望する施設の求人を決め、応募します。
応募する際には、履歴書や職務経歴書などの書類を提出し、それらの書類をもって最初の審査が行われるのが一般的です。
近年の保育業界は、慢性的な人手不足が続いているという事情もあり、保育士経験3年で転職する若い人材であれば、書類審査には通過することが多いでしょう。
7.対策をした上で面接を受ける
求人に応募、書類を提出したら面接対策に入りましょう。
面接では以下のような質問をされることが多いので「2.自己分析をする」でまとめた内容を土台に、あらかじめ質問への回答を考え、どう答えるか練習しておきます。
| 志望動機・これまでの経験・自己PR・長所と短所・得意なこと |
もちろん、想定外の質問をされることもあります。そういうときには落ち着いて、頭の中の考えをまとめながら、答えるようにしましょう。
面接で採用側が見たいのは、その人の雰囲気や人柄、コミュニケーションの取り方です。回答の内容が完璧でなくても、穏やかな喋り方や表情で、好印象を与えられるでしょう。
8.内定後、退職手続きを進める
志望先から内定が出て、転職先が決まったら、退職の意思を今の職場に伝えます。
伝えるタイミングは、実際に退職する2~3カ月以上前が望ましいとされています。
近いうちに面談の機会があれば、そこで伝えてもいいですし、なければ自分で伝える機会を設けます。関係性にもよりますが、直属の上司や主任、園長に伝えるのが一般的です。
9.引継ぎと入職準備をする
退職の意思を伝えたら、次年度の担任に引継ぎを行います。クラス担任以外の業務を担当していた場合には、そちらの引継ぎも忘れないようにしましょう。
また、このタイミングで、入職先での手続きも進めていきます。書類の提出など、締め切りがあるものも多いので、期日を守り、記入漏れやミスがないように気をつけましょう。
後悔しない選択をするための転職方法

保育士が3年目で転職先を探す場合、まずはスマホで手軽に使える就職・転職サイトなどで、求人を調べる方が多いのではないでしょうか。
また、ハローワークでも公式サイトで「求人情報検索」ができます。こちらでも、就職・転職サイトと同じように、就業場所や職種、雇用形態などを選択して、求人を探せます。
でも、勤続3年の保育士の方の中には、今回が初めての転職活動で、求人の探し方や、転職活動の進め方に、不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、保育士専門の転職エージェントの活用です。
保育士の転職に特化した転職エージェントには、以下のような強みがあります。
- 保育士の仕事や職場について情報収集できる
- さまざまな詳細条件で絞り込んで検索できる
- インターネットに出ていない非公開情報を得られる
初めての転職活動に、特におすすめの転職エージェントが、「保育士人材バンク」です。
保育士人材バンクなら、約3万件以上という、豊富な保育・療育求人の中から、あなたにぴったりの仕事を見つけられます。
職務経歴書など、書類の添削や面接対策もサポートしてくれるので、初めての転職活動でも安心して進められますよ。
まとめ
若くてまだ十分体力もあり、考え方も柔軟だけれど、3年という保育士経験から、一通りの知識とスキルのある3年目の保育士は、需要が高く、転職しやすいでしょう。
初めての転職活動に不安を感じていて、効率よく活動したいと考えているのなら、保育士専門の転職エージェント「保育士人材バンク」の活用がおすすめです。