近年、働き方改革にともない副業を始める人が増えています。保育士や幼稚園教諭として働く方の中にも「今より収入を増やしたい」と副業を考えている方もいるかもしれません。
しかし、中には副業を禁止としている就業先もあるため、「自分は副業していいのかな?」と悩む方もいるでしょう。
また、いざ副業を始めるとなっても、「どんな副業を選べばいいのか分からない」という方もいるかもしれません。
今回は、そんな方に向けて保育士や幼稚園教諭の“副業”について詳しくご紹介します。
おすすめの副業や税金や確定申告の注意点などもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 1 保育士や幼稚園教諭の副業(ダブルワーク)は可能?
- 2 保育士の平均的な給料は?
- 3 【正社員】保育士・幼稚園教諭の副業は可能?
- 4 【パート】保育士・幼稚園教諭の副業は可能?
- 5 【派遣】保育士・幼稚園教諭の副業は可能?
- 6 【私立】保育園の副業は可能?
- 7 【公立】保育園(公務員保育士)の副業は可能?
- 8 保育士や幼稚園教諭の副業禁止の理由は?
- 9 保育士や幼稚園教諭の副業、税金や確定申告は必要?
- 10 保育士や幼稚園教諭の副業率(割合)は?
- 11 保育士や幼稚園教諭のおすすめ(在宅)の副業は?
- 12 保育士や幼稚園教諭の注意すべき副業は?
- 13 保育士や幼稚園教諭の副業の注意!(就業規則・法律・税金など)
- 14 保育士や幼稚園教諭の副業まとめ
保育士や幼稚園教諭の副業(ダブルワーク)は可能?
結論からお伝えすると、公立保育園・公立幼稚園の正規職員は副業はできませんが、私立は園によっては副業OKの場合もあります。
後ほど詳しくご紹介しますが、「保育士や幼稚園教諭の副業が可能かどうか?」は、就業先や雇用形態によって変わってきます。
保育士の平均的な給料は?
一般的に保育士は給与が低いといわれていますが、ほかの業種とどれくらい給与が違うのか比較してみましょう。
厚生労働省が発表している令和元年度の調査結果によると、私立保育園(常勤)の平均年収は362万円。
公立保育園は364万円ということが分かっています。
一方、国税庁の発表によると、平均給与は“443万円”です。
これらの結果を踏まえると、保育士はまだまだ給与水準が低い傾向にあるため、副業で給料アップしたいと思う方が多いのかもしれません。
参考サイト:厚生労働省「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>」
参考サイト:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
【正社員】保育士・幼稚園教諭の副業は可能?
公立園に正規職員として勤務している場合、副業はできません。
地方公務員法第38条にも「あらゆる報酬のある兼業に従事することを制限する」としっかり明記されています。
なお、私立園はその法人の就業規則によって副業ができる場合とできない場合があります。
現在の職場で副業を考えている方は、まずは園の就業規則を確認するのがおすすめです。
参考サイト:総務省「地方公務員法 第三十八条」
【パート】保育士・幼稚園教諭の副業は可能?
正規職員の場合、公立園は副業ができないとお伝えしましたが、パートとして働く場合は就業先の許可が下りれば掛け持ち(ダブルワーク)可能です。
ただし、パートであっても副業できない職場もありますし、禁止していなくてもルールが設けられている場合もあります。
そのため、パートであっても就業規則の確認と上司への相談は必要になるでしょう。
【派遣】保育士・幼稚園教諭の副業は可能?
従来は、就業先と直接雇用を結ぶのが一般的ですが、最近では派遣会社との間で雇用関係を結ぶ「派遣保育士」という働き方が広まっています。
派遣の保育士・幼稚園教諭が副業するとなった場合は、派遣会社と勤務先の保育園に確認が必要となるでしょう。
雇用を結んでいる派遣会社と職場の判断にはなりますが、許可が下りればダブルワークは十分可能です。
【私立】保育園の副業は可能?
私立保育園は、副業がOKの園とダメな園の両方があります。
一般的には就労規則に書かれているケースが多いので、気になる方は確認してみましょう。
また、書かれていない場合には周囲の先生や総務・人事に聞いてみるのも一つですね。
後ほど詳しく説明しますが、就業規則を破って副業した場合は解雇となるケースもあります。
安心して働くためにも事前にしっかり確認しておきましょう。
【公立】保育園(公務員保育士)の副業は可能?
公立保育士の副業は原則禁止されています。
パートやアルバイトの場合は副業できる可能性が高いですが、正規職員は基本的にはNGです。
公立保育園の保育士は地方自治体によって雇われているため、いわゆる「地方公務員」という扱いになります。
副業は「地方公務員法」によって禁止されているのです。
ただし、一部の自治体によっては副業を部分的に認めているケースもあります。
参考サイト:兵庫県「地域貢献応援制度」
参考サイト:長野県「職員の地域社会貢献活動の応援制度を充実します!」
保育士や幼稚園教諭の副業禁止の理由は?
副業禁止としている保育園、幼稚園はなぜ禁止にしているのでしょうか?
考えられる理由は以下のとおりです。
- 保育業務へ悪影響・支障が出る可能性
- 園児や保護者の情報など情報漏洩のリスク
- 問題が起こった際に園のイメージ(ブランド)が崩れる可能性
- 長時間労働により健康状態に影響がでる可能性
保育士や幼稚園教諭は体力勝負な仕事なので、+αで副業した場合、疲労が蓄積して保育業務に支障が出る可能性もあります。
また、保育士や幼稚園教諭は、プライベートでバッタリ保護者と会う可能性もゼロではありません。
副業の内容によっては、あまり良いイメージを持たれなかったり「保育に集中できているの?」と不安を与えてしまったりすることもあるでしょう。
これらのリスクを考えて、副業禁止としている保育園もあります。
なお、中には副業はOKでも副業申請が必要だったり、ルールが設けられていたりする職場もあるようです。
保育士や幼稚園教諭の副業、税金や確定申告は必要?
副業をするか迷っている方の中には「税金や確定申告についてはどうなのだろう?」と考えている方もいるでしょう。
結論からお伝えすると年間の収入が副業だけで「20万円」を超える場合は、確定申告をしなければなりません。
確定申告とは、フリーランス・自営業・副収入がある方がおこなう手続きのことで、前年の収入額やかかった経費を申告書類にまとめて、税務署に申告します。
副業の収入が年間20万円を超えてくる場合は、確定申告の手続きによりその分の納税が必要です。
なお、確定申告が不要な場合でも住民税は申告する必要があるので注意しなくてはなりません。
保育士や幼稚園教諭の副業率(割合)は?
この記事を読んでいる方の中には、「保育士や幼稚園教諭で副業している人はどれくらい?」という方もいるでしょう。
国税庁や厚生労働省による副業率のデータはありませんが、長期休暇などを使って副業している方は少なくないかもしれません。
処遇改善により、徐々に保育士・幼稚園教諭の給与は高くなってきていますが、「今より貯金額を増やしたい」「生活を充実させたい」と副業を検討している方は多いでしょう。
保育士や幼稚園教諭のおすすめ(在宅)の副業は?
ここからは、保育士や幼稚園教諭におすすめの副業を6つご紹介します。
在宅でできるものをまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
保育士や幼稚園教諭のおすすめの副業①【ベビーシッター】
保育士や幼稚園教諭には、資格や経験が活かせる「ベビーシッター」の副業がおすすめです。
ベビーシッターとは依頼者のご自宅や施設などに出向いて子どもを保育する仕事のこと。
近年は共働き世帯が増えているので、ベビーシッターは今後も需要のある仕事といえるでしょう。
未経験の副業を一から始めるとなるとハードルが高いですが、子どもと関わるベビーシッターであれば保育士の知識や経験を活かせます。
また、保育士資格や幼稚園教諭など資格を持っている方は時給が高めに設定されている場合もあります。
保育現場で実際に働いているとなれば、利用者の信頼にもつながるでしょう!
保育士や幼稚園教諭のおすすめの副業②【ハンドメイド(制作)】
手先が器用な方やモノ作りが得意な方は「ハンドメイド副業」に挑戦するのも選択肢の一つです。
人形服やアクセサリー、マスクなど、さまざまな種類のハンドメイド作家がいます。
保育士や幼稚園教諭の経験を活かすならペープサートやパネルシアター、乳児用の手作りおもちゃを作って売るのがおすすめです。
普段から職場で作る機会も多いと思うので、作り慣れている方にはピッタリですね。
また、最近では子ども服や子ども用カバンなども人気があります。
「保育士が作った〇〇」というだけで信頼度が上がるため、購入してもらえる可能性が高いかもしれませんよ。
保育士や幼稚園教諭のおすすめの副業③【ライター】
隙間時間を有効につかって副業したい方には、完全在宅で完結できる「Webライター」の仕事がおすすめです。
近年、知りたいことは何でもインターネットで検索できる時代なので、あらゆる企業、メディアでWebライターを募集しています。
Webライターというと、難しいイメージを持たれる方も多いはず。
しかし、最近では、ライターとライターを探している人をつなぐ便利なサービスなどもあり、未経験でも始められる仕事がたくさんあります。
さまざまなジャンルがありますが、保育士や幼稚園教諭の方におすすめなのは、子育てや子どもに関する記事です。
保育現場での経験を活かして、説得力のある記事を書けるのがメリットといえるでしょう。
保育士や幼稚園教諭のおすすめの副業④【イラストレーター】
おえかきやイラスト制作が得意という保育士さんには、「イラストレーター」の副業も合っているかもしれません。
イラストレーターは絵具を使って現物販売するケースもありますが、パソコンやタブレットを使用してイラストを描いて販売する場合もあります。
最近では、イラスト制作を受注できるサービスもたくさんあるので、効率よく収入を得たい方はそういったサービスを利用するのもおすすめです。
壁面装飾や制作活動など、普段から絵を描く機会が多い保育士・幼稚園教諭の方は始めやすい副業かもしれません。
保育士や幼稚園教諭のおすすめの副業⑤【ブログ】
Webライター同様、完全在宅でできる副業として「ブログ運営」もおすすめです。
ブログと聞くと日記などのイメージを持たれる方もいるかもしれません。
しかし、記事内で紹介された商品・サービスを読んだ人が利用することで、収益化も可能になります。
何より自分の書いた記事が「誰かの役に立つ」ということは、やりがいにつながるでしょう。
保育士や幼稚園教諭の経験やスキルを活かすなら、知育玩具・子どもの習い事・育児グッズなど、育児や子どもに関するブログがおすすめです。
収益化するまでには時間がかかる可能性もありますが、好きな場所ですき間時間を使って気軽に始められるので、副業としては人気があります。
保育士や幼稚園教諭のおすすめの副業⑥【メルカリ】
クローゼットに眠っている衣類やカバンなど、必要なくなったものを売ることができる「メルカリ」を利用して収入を得ている方もいるでしょう。
メルカリでは、自分にとって不要なものを売るケースもあれば、前述したとおりハンドメイド作品を売ることも可能です。
スマホ一つで商品を出品できるので、保育士の仕事と両立させながら気軽にできるのが魅力といえるでしょう。
「ハードルが低い副業から始めてみたい」という方は、メルカリから始めてみるのも良いかもしれません。
保育士や幼稚園教諭の注意すべき副業は?
保育士や幼稚園教諭が副業をする際、以下の5つは注意が必要な副業です。
保育士や幼稚園教諭の注意すべき副業①【ユーチューバー(動画)】
動画を撮影・編集してYouTubeに投稿する「ユーチューバー」は、近年人気の職業となっています。
最近では、簡単に動画編集ができるソフトやツールもあるので、「とりあえず始めてみようかな」と思っている方もいるかもしれません。
ただし、保育士や幼稚園教諭の場合、動画内容によっては注意しなくてはなりません。
YouTubeをやる上での注意点は、不特定多数の人に見られる可能性があること。
保育園や幼稚園の保護者に見られる可能性もゼロではないので、注意しなくてはなりません。
保育士や幼稚園教諭の注意すべき副業②【モデル(コンパニオン)】
イベントや宴会の席に呼ばれて接客をする「コンパニオン」や「モデル」の副業も注意が必要です。
モデルやコンパニオンの仕事も保護者の目に触れる可能性がありますし、見つかった場合あまり良いイメージをもたれないこともあります。
保護者からすると、「あなたのイメージ=園のイメージ」につながってしまうこともあるので、リスクを考えると避けるのがよいでしょう。
保育士や幼稚園教諭の注意すべき副業③【インスタグラム(SNS)】
最近では当たり前のように使われている「SNS」。
プライベートの思い出などをインスタグラムに載せている方も多いかもしれません。
インスタグラムは、一定数以上のフォロワーさんがいた場合、企業から依頼された商品やサービスをPRすることで収入を得ることが可能です。
そのため、最近では副業としてチャレンジする方も少なくありません。
しかし、YouTube同様に、インスタグラムも不特定多数の人に見られる可能性があるため、保育士・幼稚園教諭の方は注意が必要でしょう。
保育士や幼稚園教諭の注意すべき副業④【キャバクラ(夜の仕事)】
給料の高さから、キャバクラなど夜の仕事を「やってみようかな?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、キャバクラは夜の仕事なので掛け持ちすることで、寝不足になる可能性が高いです。
保育士や幼稚園教諭は昼間に仕事をするので、夜の仕事もするとなると両立が難しいでしょう。
睡眠時間が短いと集中力が続かず、保育にも支障が出てしまいます。
保育士や幼稚園教諭は子どもの命を預かる責任ある仕事なので、睡眠時間が削られる副業は避けた方がよいでしょう。
また、キャバクラで保護者とバッタリ会ってしまうリスクもゼロではありません。
露出の多いドレスを着て接客することも多いので、保護者へ悪いイメージを与えてしまう可能性も高いでしょう。
保育士や幼稚園教諭の注意すべき副業⑤【コンカフェ】
最近では、「コンカフェ」と呼ばれるコンセプトカフェで副業する女性も増えています。
コンカフェとは、コンセプトを全面に押し出したカフェで、代表としてはメイドカフェが挙げられます。
しかし、保育士や幼稚園教諭の方にはコンカフェの副業はおすすめできません。
理由としては、保護者にバッタリ会ってしまう可能性があるのと、保育士・幼稚園教諭の仕事と両立できない可能性が高いからです。
業態によっても変わってきますが、中には夕方から朝まで営業しているお店もあります。
キャバクラ同様に睡眠不足となる可能性があるため、避けた方がよいでしょう。
保育士や幼稚園教諭の副業の注意!(就業規則・法律・税金など)
働いている職場が副業禁止であっても、「バレないように働けば問題ないのでは?」という方もいるかもしれません。
しかし、黙っていてもバレる可能性が高いです。
副業によって所得が増えると住民税が通常より多くなるため、職場で副業がバレる可能性があります。
確定申告の際、住民税を「普通徴収」にすることで、バレるリスクを減らすことはできますが、保護者や職員にバレるリスクは十分あり得るでしょう。
また、給料手渡しのバイトならバレないと思っている方もいるかもしれません。
しかし、店側は、給料支払い報告書を作成して自治体に提出しているため、個人に給料を払った証拠が残ってしまいます。
さらに、年間20万円以上の副業収入があるのに確定申告していないとなると、副業がバレるリスクだけでなく違法になってしまいます。
職場が副業禁止となっている場合は、最悪バレて解雇となるケースも少なくありません。
さまざまなリスクや、「バレたらどうしよう…」という精神的負担を抱えてまで副業するのは、あまりにマイナス面が大きいのでやめておきましょう。
なお、副業OKな職場であっても、上司や園長にしっかり相談・副業申請したうえで始めるのが安心です。
年間20万円以上の収入がある場合は、確定申告をするのも忘れずに。
保育士や幼稚園教諭の副業まとめ
保育士や幼稚園教諭の副業について、おすすめの副業や注意点など詳しくご紹介しました。
保育士や幼稚園教諭の給料は、ほかの業種と比べて低い傾向にあるため、新卒や非常勤の方の中には「給料だけで生活するのは難しい」という方もいるかもしれません。
そのため、本業以外の時間で副業ができないか考えている方もいるでしょう。
しかし、体力が必要な保育士や幼稚園教諭をしながら、+αで副業するのは想像以上にきついです。
副業をすることで心身のバランスを崩して働けなくなってしまっては、本末転倒になってしまいます。
もし、現在の状況で収入に困っているのであれば、今の職場でキャリアアップを目指したり、どうしても難しい場合は給料アップが見込める保育園や幼稚園へ転職を検討するのも一つの手段かもしれません。
「今の職場の収入だけでは生活するのが大変…」「働きやすくて給料が高い園に転職したい」という方は、ぜひ、保育士人材バンクにご相談ください。
保育の転職市場に詳しい、専任のキャリアパートナーがあなたのご希望や悩みを伺って、あなたにピッタリの職場をご紹介したします。
履歴書の書き方などのサポートもいたしますのでぜひお気軽にご相談ください!