保育の仕事に魅力を感じながらも「正社員で働く意味ってなんだろう」「資格がなくても働けるのだろうか」と疑問を抱く方もいるかもしれません。

実は、正社員の保育士といっても、その勤務時間や働き方の採用条件は園によってさまざまです。必ずしも「長時間勤務」や「資格必須」ばかりではなく、ご自身の現状や生活スタイルを大切にしながら働ける職場も存在します。

この記事では、保育士が正社員で働くメリットをはじめ、無資格で働けるケースや勤務時間の柔軟性、実際の業務内容についても紹介します。

保育士の正社員とは?

いわゆる保育士の「正社員」とは、一般的には期間の定めのない無期雇用のフルタイム職員を指します。

パートと比べると、待遇面・勤務時間・責任範囲に違いがあり、まずはこの違いを理解しておくことで、自分に合った働き方が見えやすくなります。

雇用契約の期間

正社員は、期間の定めがない無期雇用が基本です。一方、パートは更新制の有期雇用であることが多く、契約期間が決まっている場合があります。

この違いが、働き方の安定性や将来の見通しに影響することがあります。

勤務時間・働き方

正社員はフルタイム勤務が前提となり、園全体のシフトや業務に合わせて働く場面が多くなります。

パートは短時間や希望時間帯で働ける柔軟さが特徴で、家庭やプライベートと両立しやすい働き方です。

※「6時間勤務で正社員」などの例外は、後ほど詳しくご紹介します。

役割と責任範囲

正社員は、クラス運営や行事の企画など、園の中心となる業務を任されることが多いです。

パートは保育補助やサポート業務が中心で、正社員よりも責任範囲は限定される傾向があります。

給与・待遇

正社員は、賞与・昇給・社会保険・退職金制度などの待遇が整っているケースが多く、安定して働きやすいのが特徴です。

一方でパートは時給制が中心で、福利厚生の内容にも園ごとの違いがあります。ただ、経験年数や仕事への貢献度を評価して、時給アップを検討してくれる園も増えています。

保育士が正社員で働くメリット

保育の仕事にはいろいろな働き方がありますが、「安定した働き方をしたい」「キャリアを積んでいきたい」と考えている方には、正社員という選択肢がピッタリです。

正社員には、待遇面の安心感や役割の広がりなど、パートとは異なる魅力があるのが特徴です。

ここでは、保育士が正社員として働くメリットを分かりやすくご紹介します。

安定した収入と福利厚生を受けられる

正社員は、賞与・昇給・社会保険・退職金制度などの待遇が整っているケースが多く、パートよりも収入の見通しが立てやすいのが大きなメリットです。

継続して働くことを前提とした雇用形態のため、安定した収入や長期的なキャリアを築きやすい働き方といえます。

一方でパートは時給制が中心となり、勤務日数や時間帯によって収入が変動しやすい働き方です。

キャリアアップがしやすい

正社員は、経験やスキルに応じてキャリアアップのチャンスが広がる働き方です。

担任からリーダー、主任、副主任へとステップアップできる環境が整っている園も多く、長期的にキャリアを築きやすいのが特徴です。

役職に就くことで、保育観を深めたり、後輩の育成に携わったりと、より専門性の高い業務に関わる機会も増えます。

「保育士として成長したい」「ゆくゆくはリーダーとして働きたい」という方には正社員がおすすめです。

園運営の中心業務に関わることができる

正社員は園の“中心メンバー”として見られるため、クラス運営や行事企画、保護者対応などの核となる業務に関わることもできます。

責任は伴いますが、子どもたちの成長を長い目で見守れたり、行事が成功したときの達成感が得られたりと、やりがいを実感しやすい立場です。

また、新人職員のフォローや園の運営改善に意見を出す場面もあり、自分の経験を園全体に活かす機会も増えます。

保育を中心から支えるポジションで働きたい方にとって、大きな魅力といえるでしょう!

働きながらスキルを身につく環境が多い

正社員は、研修制度やOJT(現場指導)が充実している園が多く、学びの機会に恵まれた働き方です。

日々の保育にくわえて、研修会・園内研修・振り返り面談などを通じて、自分の保育を磨いていくことができます。

また、同じクラスの先生との連携やミーティング、行事準備などの実務を通して、経験に基づいたスキルが身につきやすい環境でもあります。

「経験を積みながら成長したい」「スキルアップを目指したい」という方に向いている働き方です。

保育園は無資格でも働ける?

保育園は「資格がないと働けないのでは?」と思われがちですが、実は無資格でも働けるケースがあります。

保育士資格が必要な業務はある一方で、サポート業務を中心に無資格の方を採用する園も多く、未経験から保育の仕事を始める入口として選ばれることもあります。

ここでは、無資格でも働けるおもなパターンについてご紹介します。

保育補助として働くケース

もっとも一般的なのが保育補助として働くパターンです。

資格をもつ保育士のサポート役として、子どもの見守り、環境整備、掃除、給食配膳などの補助的な業務を担当します。

保育計画や保護者対応などの責任ある業務は有資格の保育士が担うため、未経験の方でも無理なく保育の仕事に慣れていけます。

認可外保育園・企業主導型保育での無資格採用

認可外保育園や企業主導型保育園では、運営形態によって無資格スタッフを一定人数まで配置できる制度があります。

そのため、補助業務を中心としたポジションで無資格の方を採用している園も多く見られます。ただし、配置基準や採用条件は園によって異なるため、求人票でしっかり確認しておくことが大切です。

放課後児童クラブ・児童館など“保育園以外”で働くケース

学童(放課後児童クラブ)や児童館などでは、無資格でも子どもの見守りや遊びのサポート業務で採用されることがあります。

保育と少し違う役割ですが、子どもと関わる経験を積めるため、保育士資格取得を目指す人が経験を積む場所としても人気です。

受験資格のための“実務経験”として働くケース

保育士試験の受験資格を満たすために、児童福祉施設での実務経験(2年以上・2,880時間以上)を積むルートがあります。

この場合、保育園や障がい児施設、学童などで無資格のまま勤務を開始し、経験を積みながら資格取得を目指す方も少なくありません。

このような働き方はスタッフだけでなく園にとってもプラスで、「働きながら資格を取得してくれる人」として歓迎されることが多いです。

日々の業務を通して園の雰囲気や子どもたちの様子を理解してくれているため、資格取得後は「そのまま正社員として長く働いてほしい」と考える園もあるでしょう。

無資格で挑戦を始める方にとって、「資格取得後も続けて欲しい」と言ってもらえる環境で働けるのは、大きな安心材料になるでしょう!

参考:全国保育士養成協議会「受験資格詳細

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6時間勤務で正社員の場合もある

保育士の正社員としての働き方はフルタイムだけではありません。

近年では、1日6時間前後の勤務でも正社員として働ける「短時間正社員制度」を導入する園が少しずつ増えてきています。

家庭の事情や体力面の不安がある方、フルタイムへ戻るにはまだ自信がない方でも、無理なく安心して働けるようにするための仕組みです。

短時間正社員とは

短時間正社員とは、通常の正社員より勤務時間は短いものの、雇用形態としては正社員として扱われる働き方です。

そのため、社会保険・昇給・賞与・退職金などの待遇が適用される園も多く、「パートだと不安だけれど、正社員としての安定感は欲しい」という方にとって心強い制度になっています。

働く時間が短い分、家事や育児、プライベートとの両立がしやすく、ブランク明けの復帰にも向いています。

勤務時間や働き方など

勤務時間は園によって異なりますが、下記のように柔軟に働けるのが魅力です。

  • 1日6時間の正社員
  • 1日6.5~7時間の時短正社員
  • 週4日勤務+短時間勤務で正社員扱い

フルタイムが難しい事情があっても、「もう保育士は続けられない」と諦める必要はなく、自分の生活に合わせて働ける選択肢が広がっています。

ただし、短時間正社員制度はすべての園にあるわけではなく、「勤務時間」「昇給の仕組み」「担任を持つかどうか」などは園ごとに違います。

求人では、「時短正社員制度あり」「6時間勤務の正社員制度あり」などと記載されていることもあるため、応募前に詳細を確認しておくと安心です。

「保育は続けたいけれど、フルタイムは不安・・」という方を支えてくれるのが短時間正社員制度です。

自分に合った働き方を模索している方は、ぜひ選択肢のひとつとして考えてみてください!

参考:厚生労働省「保育士が働きやすい職場づくりのための手引き

正社員の仕事内容

正社員の仕事内容

正社員の保育士は、園の運営を支える中心メンバーとして働くことが多く、パートとは役割の幅や責任の範囲が少し異なります。

日々の保育にくわえて、クラス運営や行事の企画、園全体を支える業務など、“チームで園をつくる仕事”に関わる場面が多いのが特徴です。

ここでは、正社員の保育士が具体的にどのような業務を担当するのかを分かりやすくご紹介します。

日々の保育業務(乳児~幼児のクラス運営)

正社員は、子どもたちの生活面・成長面を支える日常保育の中心を担います。

担当クラスをもつ場合が多く、子ども1人ひとりの様子を見ながら保育計画を立て、年間を通して深い関わりをもつことが特徴です。

業務内容としては、次のようなものがあります。

  • 年齢に応じた遊びや活動の提供
  • 着替え・食事・排泄などの生活援助
  • 情緒の安定や発達に合わせた関わり
  • 怪我や事故防止の見守り

子どもの成長に寄り添える場面が多く、保育士としてのやりがいを感じやすい業務です。

保育計画・記録作成

正社員は、保育計画(月案・週案・日案)や記録作成など、専門職としての業務も担当します。

保育方針に沿って計画を立てたり、子どもの変化を記録したりすることは、保育の質を守るうえで欠かせない大切な役割です。

行事・イベントの企画・運営

季節行事や発表会、遠足などの園行事では、正社員が中心となって園全体で準備を進めていきます。

具体的には、次のような業務を担当することが多いです。

  • 企画内容の検討
  • 必要物品の準備
  • 子どもたちの練習サポート
  • 当日の進行

行事は職員同士で協力しながら進めることが多く、成功したときには大きな達成感を共有できるため、チームで働く楽しさを実感しやすい場面でもあります。

保護者対応

正社員は、パートに比べて保護者とやりとりする機会が多くあります。

日々の会話はもちろん、面談や連絡帳での共有、子どもの成長や悩みごとの相談に応じるなど、信頼関係づくりにも関わります。

新人・パート職員のサポート

保育の現場では、職員同士の連携が保育の質を左右します。

正社員は、パートや新人スタッフをフォローする機会も多く、“園のチームを支える存在”として働く場面が多く見られます。

正社員の求人を探す方法

正社員の求人を探すときは、働きたい条件や園の特色に合った求人を見つけることが大切です。

とはいえ、「何から始めればいいのか分からない」「どんな園が自分に合うのか不安・・」と感じる方も少なくありません。

ここでは、自分に合った職場を見つけるための方法を、無理なく取り組める形でご紹介します。

求人サイトで幅広く情報を集める

まずは求人サイトを使って、どんな園がどのような条件で募集しているのかを広く把握しましょう。

仕事内容・シフト・給与・園の規模などが一覧で見えるため、希望条件がまだ固まっていない方でも比較しやすいのがメリットです。

複数のサイトを組み合わせることで、求人の出し方や園ごとの特徴もつかみやすくなります。

園のホームページや見学で雰囲気を知る

気になる園があれば、ホームページの職員紹介やブログを見ることで、園の方針や大切にしている保育が見えてきます。

さらに、可能であれば園見学に足を運び、職員の雰囲気や子どもの様子、保育環境を直接確かめてみるのもおすすめです。

求人票だけでは分からない“働きやすさ”や“園の空気感”がつかみやすくなります。

転職エージェントを活用して効率よく探す

正社員として働きたいけれど、「自分に合う保育園が分からない」「もっと詳しい情報を知りたい」と感じる方には、転職エージェントの利用もおすすめです。

保育専門の『保育士人材バンク』では、保育の転職事情に詳しいキャリアパートナーが、二人三脚で転職活動をサポートいたします。

求人紹介はもちろん、履歴書・職務経歴書のアドバイスや面接の日程調整、園の内部情報の共有など、転職活動を総合的にバックアップします。

1人では見つけにくい園の情報や選択肢も含めてお伝えし、正社員としての転職活動を無理なく進められるようお手伝いしています。

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保育士の正社員まとめ

保育士として正社員で働くことには、収入面の安定や福利厚生、キャリアの広がりなど、たくさんの魅力があります。

さらに、園によっては無資格からのスタートや短時間正社員の制度があるなど、保育の働き方はとても柔軟です。

正社員として働くことで、子どもたちとじっくり向き合えるだけでなく、自分自身の成長にもつながります。

「自分に合う園を見つけたい」「働き方を見直したい」という方は、ぜひ私たち保育士人材バンクにご相談ください!

これからの働き方を一緒に考えながら、あなたらしく働ける職場探しをお手伝いします。

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