千葉県は関東のなかでも人気の高い地域と言われますが、保育士の場合は実際にどのような働きやすさがあるのでしょうか。今回は、千葉県に住むメリットや保育士向けの支援制度、市町村独自のサポートなど、地域の魅力と支援制度をご紹介します。

保育士が千葉県で働くメリット

給与水準が全国平均より高め

厚生労働省が運営している職業情報提供サイト「Job tag」によると、保育士の全国平均年収は 406.8万円ですが、千葉県では 455.7万円 と約50万円も高い水準となっています。実際の給与は事業所によって幅がありますが、全国的に見ても高めの収入を期待できる地域です。

特に保育の需要が高い都市部や、子育て世帯が多く住むエリアは求人数も多い傾向があり、さまざまな運営形態・特徴ある施設のなかから選ぶことができるでしょう。

また、東京都心に比べて家賃相場が低めな地域も多いので、収入に対してゆとりをもった生活をしやすいのが魅力です。

借り上げ社宅制度を導入する保育園が多い

千葉県では千葉市・船橋市・市川市などで国の「借り上げ社宅制度」を活用している保育園が多くあります。

借り上げ社宅制度とは、事業所が借り上げた住居に住むことができ、住宅補助を受けられる制度です。導入している保育園に雇用され、条件に当てはまれば一人暮らしや転居にともなう負担を抑えて働き始めることができます。

東京都心へのアクセスが良く通勤しやすい

千葉県のなかでも千葉市・船橋市・市川市といった都心寄りのエリアは、総武線や京葉線、東西線など主要路線が通っており、比較的交通の便が整っている地域です。

東京方面へも移動しやすいため「通勤時間を短くしたい」「休みの日は都内にも行きたい」という方にとって、働きやすさを感じやすい環境と言えるでしょう。

自分に合った働き方を選びやすい

千葉県には東京のベッドタウンとして発展してきた地域が多く、子育て世帯が集まりやすいため保育需要が高いことで知られています。保育ニーズに合わせたさまざまな受け皿が整えられている地域です。

施設形態が豊富なぶん、保育士にとっては自分の保育スタイルに合わせた働き方がしやすいともいえます。「子どもとじっくり関わりたい」「行事の多い保育園が好き」など、選びやすい環境が整っています。

保育士が千葉県で活用できる支援制度

保育士が千葉県で活用できる支援制度

千葉県には、保育士を目指す方や現場で働く方が、安心して働き続けられるような支援制度があります。上手に活用すれば、資格取得や就職、子育てとの両立などで負担を軽減できる心強いサポートです。

制度ごとに対象者や条件が異なるため、自分が当てはまるものを確認してみましょう。

保育士修学資金貸付(学生向け)

保育士資格を取得するために、千葉県内の指定保育士養成施設に通う学生を対象とした貸付制度です。学費の負担を抑えながら、無理なく学べる点が魅力となっています。

貸付限度額学費月額50,000円以内入学準備金20万円以内就職準備金20万円以内生活費(※一部対象者のみ)
貸付限度期間2年間以内
返還免除になる条件養成施設卒業後に5年間保育園などに従事

参考:千葉県福祉人材センター「保育士修学資金貸付とは?

保育料の一部貸付(子育て保育士向け)

子育て中の保育士が働くときに、子どもを預けるための保育料の半額が貸付対象となる制度です。子育てと仕事を両立しながら働きたい保育士を支えます。

貸付限度額保育料の半額(月額27,000円以内)
貸付限度期間最長12か月
返還免除になる条件2年間保育園などに従事

参考:千葉県福祉人材センター「保育料の一部貸付とは?

就職準備金貸付(再就職・新規就職向け)

保育士資格を持つ未経験の方や、ブランクから復帰する方を対象にした制度です。就職に必要な費用をカバーし、新たな一歩に向けて支援します。

貸付限度額40万円以内
貸付回数1回
返還免除になる条件2年間保育園などに従事

参考:千葉県福祉人材センター「就職準備金貸付とは?

保育補助者雇上費用貸付(保育士を目指す方向け)

保育補助者として働きながら資格取得を目指す方を支援する制度で、事業者向けの貸付ですが、資格取得を目指す方にとってもメリットがあります。

貸付限度額年額295万3,000円以内
貸付限度期間3年間以内
返還免除になる条件保育補助者が保育園などで従事し、かつ保育士資格取得すること

参考:千葉県福祉人材センター「保育補助者雇上費貸付とは?

各市区町村の制度状況

千葉県の各市区町村でも、保育士を対象とした独自の取り組みが行われています。手厚い制度が導入されている自治体を5つピックアップして見てみましょう。

千葉市

千葉市は、保育士が安心して働き続けられるよう、給与面の加算や家賃補助、働きやすい職場づくりなど、市独自の取り組みを積極的に行っています。

<千葉市手当>

千葉市内の保育施設で働く保育士を対象に、給与へ月額最大4万円(年度により変動あり)を上乗せする制度です。

<家賃補助(借り上げ社宅制度)>

借り上げ社宅制度を導入している保育園に勤めれば、新卒1年目から年間最大約123万円の生活支援(月額最大4万円の給与上乗せ、月額最大63,000円の家賃補助)が受けられます。

参考:千葉市「千葉市の未来を育てよう!保育士さん応援宣言!

船橋市

船橋市は、市独自の支援が特に充実している自治体です。なかでも力を入れている「ふなばし手当」「家賃補助」「修学資金の貸付」についてご紹介します。

<ふなばし手当>

船橋市内の保育施設で働く保育士に対して、給与の上乗せとして毎月4万5,100円、賞与時には9万7,560円が支給される制度です。初年度から約64万円の大きな支援が得られ、継続年数に応じて増額されるため、長く働くほど給与面のメリットが高まります。

<家賃補助(借り上げ社宅制度)>

事業者が借り上げた住居に住むと、月額最大6万9,000円、年間最大約82万8,000円まで支援が受けられます。

<修学資金の貸付>

保育士資格取得を目指す方へ、市独自の修学資金を貸付する制度です。年間36万円(月額3万円)の貸付が受けられるほか、千葉県の制度とも併用できます。市内の保育施設に一定期間勤務すれば返還免除となる心強いサポートです。

参考:船橋市「ふなっしーも応援!船橋市内の保育園で働きませんか?~保育士さん向け支援をご紹介~

市川市

市川市でも保育士の確保と定着率アップのために、働きはじめの負担を軽減する独自の取り組みを行っています。特に注目したいのは「家賃補助」「新生活準備資金」「いちかわ手当」です。

<家賃補助(借り上げ社宅制度)>

市川市の借り上げ社宅制度は、国の宿舎借り上げ制度に市独自の上乗せがあり、月額最大7万5,000円が支給される点が特徴です。

<新生活準備給付金>

市内の保育施設に就職する保育士を対象に、最大10万円の新生活準備金が支給されます。

<いちかわ手当>

いちかわ手当は、給与に上乗せして月額最大10万円程度が支給される制度です。経験年数や勤務形態に応じて支給額が変動し、日々の収入を安定させる仕組みとして活用されています。

参考:市川市「保育士になろうよいちかわで!

柏市

柏市では、保育士が市内で働き始めやすいよう、就職時の補助金や給与の上乗せ、家賃補助など、経済的な支援が手厚く用意されています。

<保育士等就職支援金事業>

市内の保育施設で初めて勤務を開始する保育士に対し、一人あたり10万円の支援金が支給される制度です。

<月額4万円の給与アップ>

保育園などで働く正規雇用の保育士・保育教諭を対象に、事業所が処遇改善として給与を上乗せした場合、その上乗せ分に対し市から月額4万円の補助金が交付されます。

<借り上げ宿舎支援>

正規職員として採用されてから5年以内の保育士が、事業所の借り上げた住宅に入居する場合、その経費の一部が市から補助される制度です。

参考:柏市「はぐはぐ柏

松戸市

松戸市は、給与の上乗せや家賃補助、奨学金返済支援など、多方面から保育士を支える独自制度が充実しています。なかでも要チェックなのは以下の制度です。

<修学資金貸付制度>

保育士資格取得のために指定養成施設へ通う学生を対象に、最大72万円の修学資金を貸し付けています。千葉県の貸付制度(最大120万円)と併用でき、両方合わせると最大192万円まで支援を受けられる点が特徴です。

<松戸手当>

市内の保育施設で正規職員として働く保育士を対象に、毎月の給与に上乗せして支給される松戸市独自の手当です。支給額は勤続年数に応じて少しずつ増額していく制度で、長く働くほどメリットが大きくなります。

<新卒保育士向け家賃補助制度>

市内の保育所等に正規雇用された新卒や若手保育士には、月額最大30,000円の家賃補助が最大4年間支給されます。

<奨学金返済支援制度>

保育士資格の取得のために奨学金を利用した方を対象に、返済の一部を支援する制度があります。補助額は月額15,000円、総額最大900,000円まで支給され、市内の民間保育園等に正規保育士として勤務している期間が対象です。

<永年勤続表彰制度>

同じ事業所で10年間勤務した保育士に対して、市長から表彰状と記念品(例:3万円分のクオカード)が贈呈される制度です。さらに特に功労があった職員には、別途5万円分のクオカードが贈られる制度もあります。

参考:松戸市「松戸市の保育士確保に関する取組み

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千葉県内の求人を探す方法

保育施設の種類や数が多い千葉県では、「自分に合う条件」をはっきりさせることが大切です。ここでは、求人を探す際の選び方についてご紹介します。

エリアごとに特徴を比べて選ぶ

千葉県は、市区ごとに雰囲気が大きく異なるのが魅力です。たとえば、都心寄りのエリアは電車移動がしやすく、通勤の負担を抑えたい方に向いています。一方、住宅地が広がる地域は比較的落ち着いた雰囲気のなかで働けます。どんな暮らしをしたいかを基準に選ぶこと、働きやすさも変わってきます。

施設形態の違いから選ぶ

運営体制が安定している認可保育園や、幼児教育にも携われる認定こども園、柔軟な働き方がしやすい小規模保育園など保育施設の種類によって、日々の仕事内容や学べる経験も変わります。「どんな保育をしたいか」に合わせて選ぶと、満足度の高い転職につながります。

働き方・勤務条件で選ぶ

残業の少なさ、持ち帰りの有無、シフトの組み方、人員配置のゆとりなど、職場の雰囲気は保育園によってさまざまです。求人票だけでは分かりにくい部分も多いため、事前に見学をしたり、働いている職員の様子を確認したりすることをおすすめします。

比較が難しいときは専門サポートを活用する

千葉県は保育施設の数が多く、地域の特徴や保育園ごとの違いも大きいため、比較するのが難しいと感じる方も少なくありません。ひとりで悩まず、保育士専門の転職エージェントを活用するのも一つの手です。

保育業界に精通している保育士人材バンクでは、希望条件ヒアリングを丁寧に行い、保育園の雰囲気や宿舎借上げ制度の有無など、自分では調べにくい情報も確認してもらえます。見学や面接の日程調整まで任せられるため、仕事や家事と両立しながら転職活動を進めたい方にもぴったり。

「まずは情報収集だけしてみたい」「転職するかどうか検討中」という段階の方もご安心ください。まずは千葉県にどんな求人があるかチェックしてみましょう。

保育士の千葉県情報まとめ

千葉県は、給与水準の高さや家賃補助をはじめとした支援が魅力的なエリアです。市町村ごとに特色ある制度が導入されているため、自分の暮らし方や働き方に合わせて選びやすい点も魅力となっています。選択肢が多く悩んでしまう方は、ぜひ転職エージェント「保育士人材バンク」にお気軽にご相談ください。

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