大規模保育園と聞いて、どのような印象を持ちますか?
「やりがいを感じられそう」「忙しくて大変そう」「保育士同士の人間関係が大変そう」と思う方もいるかもしれません。
就職活動や、転職活動をしている方の中には、大規模保育園と小規模保育園のどちらで働くべきか悩んでいる方もいるでしょう。
今回は、大規模園について詳しく紹介します。保育士が大規模園で働くメリットや、小規模園との違いも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
大規模園とは?
大規模園とは、定員が多い保育園を指します。
中には、園児の定員が200~300名のマンモス園と呼ばれる大規模園もあります。
「あまりイメージがつかない」という方のために、ここでは大規模園のクラス編成例をご紹介します。
【定員100名のA園の場合】
0歳児 | 1歳児 | 2歳児 | 3歳児 | 4歳児 | 5歳児 | 計 |
6名 | 12名 | 18名 | 20名 | 22名 | 22名 | 100名 |
【定員160名のB園の場合】
0歳児 | 1歳児 | 2歳児 | 3歳児 | 4歳児 | 5歳児 | 計 |
12名 | 28名 | 30名 | 30名 | 30名 | 30名 | 160名 |
クラスごとの人数配分は園によってさまざまですが、2歳以上になると、1クラスの人数が多くなることがあります。
大規模園は子どもたちの人数も多い分、施設が広く保育士の人数も多いのが特徴です。
小規模園との違いは?
子どもの人数が多いこと以外に、大規模園はどのような特徴があるのでしょうか?
ここでは、小規模園と大規模園の特徴をご紹介します。
それぞれの違いもみていきましょう。
大規模園の特徴
大規模園は、以下のような特徴があります。
- 園児の対象年齢が0~5歳
- 定員が100名以上など子どもの人数が多い
- 職員の人数も30名以上が多い
- 年間カリキュラムにそって保育が進められる
- 季節の行事やイベントが充実している
小規模園の特徴
小規模園は、以下のような特徴があります。
- 園児の対象年齢が0~2歳
- 定員が6名~19名
- 職員の人数は7名~10名程度
- 家庭的な保育に力を入れている
近年増えている小規模園は、小規模保育園、家庭保育室、病院内保育室、企業内保育園など、さまざまな種類の施設があります。
預かる子どもの人数は19名以下で、年齢も3歳未満と定められています。
大規模園と小規模園の大きな違いは、園児の人数や対象年齢などが挙げられます。
また、大規模園は行事やイベントが充実しているのに対して、小規模園は家庭的な保育に力を入れるなど、保育内容にも違いがみられます。
参考:子ども家庭庁 よくわかる「子ども・子育て支援新制度」
大規模園の仕事内容
大規模園の仕事内容は、基本的には一般的な保育園と同じです。
しかし、小規模園と違って、運動会や発表会など大がかりな行事の準備などが加わります。
大規模園の仕事内容は下記のとおりです。
- 乳児から幼児までの生活全般のサポート(食事・トイレ・睡眠など)
- 年齢に合わせた成長のサポート(集団生活のルールや遊びの提供など)
- 保護者へのサポート(子どもの情報共有、育児のアドバイスなど)
- 近隣の保育園や小学校、地域の方との交流
- イベントや行事の計画立案・準備・実行
- 施設内の安全点検・環境整備
- 園だよりなど配布物の作成
- 指導案・日誌の作成
- 壁面制作や教材の作成
- 専門スタッフとの連携
保育士はシフト制で働く場合が多く、子どもの人数が多い分、早番や遅番では担当クラス以外の子どもも保育します。
また、大規模園の場合、地域の方や近隣の保育園、小学校との交流も盛んにおこなわれる傾向があります。その際、外部とこまめに連携するのも保育士の仕事です。
保育士が大規模園で働くメリット
保育士が大規模園で働くメリットは、次の5つが挙げられます。
①たくさんの子どもと関われる
大規模園は園児数が多いため、たくさんの子どもと関われるのがメリットです。
乳児から幼児まで幅広い年齢の子どもたちが保育対象なことが多く、年齢に合わせた適切な関わり方が学べるでしょう。
また、人数が多い分、さまざまな性格の子どもと触れ合う機会があります。
さまざまなタイプの子どもと幅広く関わることで、個々に合わせたサポートができるようになります。
②保育のバリエーションが広がる
100人以上の子どもを預かる大規模園は、保育室や園庭が広く、子どもたちがのびのびと遊べる環境が整っています。
環境が整っているということは、保育のバリエーションが広がるということ。
広い空間で運動やダンスをして身体を動かしたり、自然のある園庭では、自然を観察したり、植物や野菜を育てたりする経験もできるでしょう。
保育の選択肢が広がるため、保育士としての引き出しやスキルアップにもつながります。
③行事を通してやりがいを実感できる
大規模園では、行事やイベントに力を入れている園も多いです。
発表会や運動会、遠足など、さまざまな行事を通して、子どもたちはたくさんのことを学びます。
行事の準備や練習など、保育士さんは大変な思いをしたり、プレッシャーを感じたりすることもありますが、それ以上に達成感ややりがいを感じられるでしょう。
園行事は準備が大変な分、子どもの成長はもちろん、自分自身の成長も実感できる機会です。
④業務を分担できる
大規模園は子どもの人数が多い分、保育士の人数も多くなります。
小規模園より業務量は増えますが、人手が多いことで業務を分担できるのがメリットです。
行事やイベントの準備は大変ですが、職員1人ひとりが協力することで、負担は少なくなります。
ほかの保育士さんと一緒に業務を行うことで、チームの推進力や協調性が身につくでしょう。
⑤休暇がとりやすい
職員の人数が多い大規模園は、休暇がとりやすいというメリットもあります。
職員の人数がギリギリだと、有給休暇がとりづらい、体調不良などの欠勤も言いづらいということがあるかもしれません。
職員の人数が多ければ、急な欠勤でも融通が利きやすく、プライベートの予定がある場合でもシフト希望を出しやすいでしょう。
保育士が大規模園で働くデメリット
保育士が大規模園で働くデメリットは、次の3つが挙げられます。
子ども1人ひとりと丁寧に関わるのが難しい
大規模園では、小規模園に比べて1クラス当たりの子どもの人数が多くなる場合があります。複数担任の中でも子ども全体を見ながら安全に保育を進める必要があり、
子ども1人ひとりと丁寧に関わるのが難しくなりやすいことがデメリットだといえます。
「1人ひとりと向き合って寄り添いたい」という方は、小規模園の方が向いているかもしれません。
業務量が多い
大規模園は子どもの人数が多い分、業務量が多くなります。
連絡帳の記入や、誕生日カードの作成、製作活動の準備など、人数が多くなれば業務量の負担も増えるでしょう。
また、大規模園の場合は、行事やイベントの準備も大がかりになりやすい場合もあります。
大道具や衣装など本格的に作る場合は、普段の保育と同時進行で準備を進めなくてはなりません。
しかし前述したように、大規模園は職員の人数が多い分、業務を分担して進められるメリットもあります。業務分担を上手く行い、一人当たりの業務量を減らすこともできます。
人間関係が難しい
大規模園は職員の人数が多い分、人間関係が複雑で悩むこともあります。
ときには、価値観が合わない職員と一緒に働かなくてはならない場面も出てくるでしょう。
どのようにコミュニケーションをとるべきか悩んだり、保育の進め方で意見がぶつかったりと、悩むこともたくさんあるかもしれません。
しかし、人間関係の悩みは、どの仕事にもつきものです。
ポジティブに捉えて、自分から積極的にコミュニケーションをとったり、良い部分は吸収したりと、意識を変えるだけで悩みを解消できる可能性もあります。
大規模園に転職をするには?
大規模園に転職したいと考えている方は、保育士の求人サイトで、「大規模園」に絞って検索するのがおすすめです。
大規模園といっても、保育方針や雇用形態などは異なります。
自分が譲れないポイントを明確にした上で、求人を探すとスムーズです。
とはいえ、「1人で転職活動するのが不安・・・」「自分に合う保育園が分からない」という方もいるかもしれません。
そんな方はサポートを受けながら転職活動を進められる、保育士専用の転職エージェントに相談してみるのも1つです。働いていて忙しい方でも、効率よく転職先を見つけられます。
大規模園まとめ
ここまで大規模園で働くメリットや、小規模園との違いなどを詳しく解説しました。
大規模園は大変なイメージをもつ方もいるかもしれませんが、たくさんの子どもと関われたり、行事やイベントでやりがいを感じられたりと大規模園ならではのメリットがたくさんあります。
保育士として成長したい方は、大規模園で経験を積むのも1つの手です。
園や働く職員の雰囲気などは求人だけでは分からない部分なので、気になる保育園は実際に見学してみるのがおすすめです。
たくさんの選択肢から、自分に合う保育園が見つかるといいですね。
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