小学校教諭の免許を持っている方は、保育士の資格がなくても働ける場合があります。また今回の記事では、小学校教諭が保育園で働くための条件やメリットなどもご紹介しますので、小学校教諭免許を持っていて、保育士の仕事に興味のある方は、ぜひご一読ください。

小学校教諭免許があれば保育園で働ける?

結論からいうと、小学校教諭免許があれば、保育園で働ける場合があります

小学校教諭免許を使って、保育園で働けるようになったのは、厚生労働省が平成28(2016)年度から「保育所における保育士配置の特例」を施行したからです。

特例には以下3つのケースがあり、小学校教諭免許を持っている方の場合「②幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭活用についての特例」のケースが該当します。

①朝や夕方など、子どもが少数となる時間帯における保育士配置の特例

②幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭活用についての特例

③保育の実施に必要となる保育士配置の特例

参考:厚生労働省「保育所等における保育士配置に係る特例について(通知)

②は、幼稚園教諭や小学校教諭や養護教諭の普通免許状を持っている人を保育士とみなすことができる制度です。

専門性を生かすため「小学校教諭については5歳児を中心的に保育することが望ましい」とされており、保育経験がない時には「子育て支援員研修」の受講などを求められる場合があります。

ただ「保育所における保育士配置の特例」を活用するかどうかの判断や条件は、認可保育園などを管轄する各自治体や、それぞれの事業所にゆだねられています。

小学校教諭免許を活用して、保育士として働きたい場合には働きたい自治体や事業所が特例を活用しているかどうか、また、どんな条件を設けているかを確認するとよいでしょう。

小学校教諭免許を持っている方が保育園で働くメリット

小学校教諭免許を持っている方が保育園で働く場合、以下のようなメリットがあります。

・小学校教諭としての知識や経験を生かして働ける

・多年齢の子どもについての幅広い視野が身に付く

・キャリアの可能性が広げられる

小学校教諭としての知識や経験を生かして働ける

小学校教諭免許を持っている人が保育園で働く場合、小学校教諭としての知識や経験を生かして働けます。

なぜなら保育園も小学校も、子どもと関わる仕事であるという点で共通しているからです。

特に保育園の年長クラスでは、就学を意識した活動が重要となるため、これまでの知識や経験を生かし、活躍できるでしょう。

多年齢の子どもについての幅広い視野が身に付く

広い意味では、保育園も小学校も同じ「子どもに関わる仕事」ですが、それぞれの施設の目的や役割に伴って、子どもとの関わり方は異なります。

保育園と小学校、それぞれの知識や経験を両方身に付けることで、多年齢の子どもの保育や教育について、幅広い視野を持てるようになるでしょう。

キャリアの可能性が広げられる

小学校教諭免許を持っていて、保育園で働くことでキャリアの可能性を広げられます。

両方の資格や経験があるということは、0~12歳まで、あらゆる年齢の子どもの保育や教育、支援ができるということです。

保育園や小学校はもちろん、ほかにもさまざまな教育分野、福祉分野の業界でキャリアを積みやすくなるでしょう。

教育分野や福祉分野の業界は、人手不足の顕著な分野でもあるため、さまざまな可能性を模索、検討することが、キャリアを広げていくきっかけとなるでしょう。

小学校教諭の免許を持っている方が保育士資格を取得するには?

小学校教諭の免許を持っている方が保育士資格を取得する、最も簡単な方法は、国家試験である保育士試験を受験し、合格することです。

前提として、小学校教諭の免許を持っている方には、保育士試験の受験資格があるため、受験のハードルが低いといえます。

参考:全国保育士養成協議会

保育士試験の合格率は20~30%程度と、決して高くはありません。とはいえ独学で勉強しても、十分合格の可能性があります。

なお、小学校教諭の免許や小学校教諭として、あるいは保育士としての経験があることによる科目免除などはないので、資格取得に必要な全ての科目試験に合格する必要があります。

参考:全国保育士養成協議会

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小学校教諭免許が活かせる子ども関係の仕事

ここからは、小学校教諭免許を生かして働ける、子どもと関われる仕事を紹介します。

小学校教諭免許があると、さまざまな仕事に就ける可能性があります。今回は、その中でもおすすめしたい仕事を4つ厳選してご紹介します。

・学童保育

・放課後等デイサービス

・児童養護施設

・学習塾

学童保育

学童保育所は、学校のある日の放課後や学校のない土曜日、長期休み期間中などに小学生の子どもたちを預かる施設です。

公立の学童保育所は、小学校の敷地内に隣接されていることが多く、運動場や体育館などの施設を使う機会もあります。

一方で私立の学童保育所の施設はさまざまで、保育園などの敷地内に設けられていたり、駅周辺やビルの一室などで運営している施設もあります。

学童保育所では、共働きなどで保護者が日中不在になる家庭の子どもを中心に遊びや宿題の見守り、昼食・おやつの提供などを行います。

学童保育で働く職員は一般に「学童指導員」「学童保育指導員」と呼ばれています。

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、障がいのある児童を学校のある日の放課後や学校のない土曜日・長期休み期間中に預かる施設です。

個々の子どもの障がいや特性に合わせ遊びや療育、学習などを行い支援をします。

学校やその近くに設置されている学童と違い、自治体外の施設でも通えるということもあり、送迎サービスを行っている施設も多くあります。

放課後等デイサービスで働く場合、小学校教諭免許を持っていると、実務経験がなくても「児童指導員」として働けます。職場側からも重宝される人材となるでしょう。

児童養護施設

児童養護施設は、保護者のいない子どもや家庭の事情で保護者と一緒に暮らせない子どもを養育するための施設で、小学校よりも子どもたちとの距離が近い職場です。

児童養護施設では、家庭的な環境を整えて、子どもたちの生活指導や学習指導を行います。入所児童の平均在籍期間は4.6年と長く、10年以上の子どもも1割程度います。

また、近年では、虐待を受けた子どもや障がいのある子どもの入所が増えてきており、専門的なケアの必要性が高まっています。

児童養護施設には小学生が多いため、小学校教諭免許を持っていると重宝されるでしょう。子どもへの知識が豊富で、学習指導もできるため、就職や転職に有利だと考えられます。

学習塾

小学校教諭免許を持っている方や教員としての経験がある方に、おすすめなのが小学生向けの学習塾での仕事です。

学習塾の講師が行うメインの仕事は、授業の実施や指導です。集団塾か個人指導の塾かによって、指導方法こそ違いますが、基本的な仕事内容は共通しています。

また、授業を行うためには、準備や予習、テストの採点、進学相談や保護者との面談なども行いますが、どれも小学校教諭の仕事と似通っています。

小学校教諭のように、クラス経営や行事・イベントの実施、その他さまざまな学校運営への協力に関わらなくていい分、負担が軽く、気が楽という人も多いかもしれません。

小学校教諭免許が生かせるおすすめ求人検索方法

小学校教諭免許を生かして、保育の現場で働くための転職先を探すには、どのような方法があるのでしょうか。

求人を探すには、一般的に、以下のような方法があります。

・ハローワーク

・就職・転職サイト

・転職エージェント

しかし、今回のように、「小学校教諭免許を生かして働きたい」という明確な目標がある場合には、転職エージェントの活用がおすすめです。

転職エージェントでは、自分の希望に合った転職先を紹介してくれるほか、業界や分野に関する情報提供や、非公開求人の紹介が受けられることもあり、効率的な転職活動が可能です。

エージェントによっては、履歴書の添削や面接対策といった、手厚いサポートが受けられる場合もあり、これまでとは違う分野や業界の職場で働くことになっても、安心ですよ。

特に、保育の現場を志望されている方におすすめなのが、保育士専門の転職エージェント、「保育士人材バンク」です。

小学校教諭免許を生かして、保育現場で働きたいと考えている方は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。

小学校教諭記事まとめ

小学校教諭免許を持っている方は「保育所における保育士配置の特例」により、保育園で働けます。

ただし、この特例を活用するかどうかの判断や条件は、認可保育園などを管轄する各自治体や、それぞれの事業所にゆだねられているため、注意が必要です。

小学校教諭免許を持っている方が保育園で働く場合、以下のようなメリットが得られるでしょう。

・保育士資格なしでも働ける可能性がある

・小学校教諭としての知識や経験を生かして働ける

・多年齢の子どもについての幅広い視野が身に付く

・キャリアの可能性が広げられる

もしあなたが、小学校教諭免許を生かして保育現場で働きたいと考えているなら、保育士専門の転職エージェント、「保育士人材バンク」の活用がおすすめです。

「保育士人材バンク」を利用すれば、自分に合った就職・転職先を効率的に見つけられるでしょう。

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