学童保育は、「放課後や長期休暇期間中に小学生を預かるための施設」です。
職員が子どもたちに安全な生活の場を日々提供しています。
この記事では、学童保育に必要な資格や学童保育と保育園、放課後児童クラブなどとの違い、概要などを簡単にわかりやすくご紹介します。
また、学童保育で働いてみたいという方へ、職場としての特徴や魅力、やりがい、履歴書・職務経歴の書き方、面接のポイントなど、幅広く解説します。
目次
学童保育とは?
学童保育とは、「放課後や長期休みなどに小学生を預かる施設」です。
「学童クラブ」や「放課後児童クラブ」という名称で呼ぶ地域もあります。
対象となるのは、主に共働きなどで保護者が家にいない家庭の子どもです。
子どもたちは保護者が仕事を終えてお迎えにくるまで、学童保育の施設で勉強したり遊んだりしながら過ごします。
学童保育は「放課後児童健全育成事業」による国の事業
学童保育事業は、市区町村の主導のもと公営または民営の団体に委託して実施される事業であり、正式な事業名を「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」といいます。
管轄は厚生労働省となっており、「適切な遊び及び生活の場を与えて、児童の健全な育成を図る」ことが、学童保育の主な目的です。
参考サイト:厚生労働省 放課後児童健全育成事業について
学童保育では何をする?
学童保育では、「子どもたちに遊びや生活の場を提供すること」を目的としており、子どもたちは家に代わる居場所として過ごします。
そのため、以下のような活動をして過ごすことが一般的です。
- 自主学習の場の提供
- 宿題の見守り
- おやつの提供
- 遊びの場の提供(集団遊びや外遊びなど)
学童保育の種類2つ
学童保育の設置・運営形態は、大きく分けて「公立(自治体運営)」と「民間」があります。
それぞれの特徴を以下にご紹介します。
学童保育の種類①【自治体運営】
公立学童の対象児
- 保護者の就労
- 疾病
- 介護などの理由により留守家庭の小学生
料金目安
- 月額3,000円~6,000円程度
特徴
- 料金が安い
- 利用申し込みは自治体窓口
- 自治体の審査があり入れない場合もある
- 延長預かりはないか短い場合が多い
自治体が主体となり運営する学童保育は、「公立公営」の形態のほか、運営を民間に委託する「公立民営」の形態があります。
学童保育の種類②【民間運営】
民間学童の対象児
- 小学生なら誰でも
料金目安
- 月額3,000円~50,000円程度
特徴
- 自治体運営と比べると料金が高い
- 利用申し込みは施設へ直接
- 希望すれば誰でも入れる(就労の必要なし)
- 学習塾や習い事を兼ねている、夕食を提供する、夜間まで利用可、送迎ありなど、独自のサービスがあるケースも多い
自治体主体ではなく、民間企業・社会福祉法人・NPO法人・保護者会などが設置・運営する「民立民営」の学童が、いわゆる「民間の学童保育」です。
教育や預かりサービスなどの付加価値により、公立学童よりも利用料金が高く設定されている場合があります。
学童保育の現状と課題
次に、学童保育の現状と課題をご紹介します。
学童保育の現状①【学童保育の施設数・利用児数は増加傾向にある】
厚生労働省の調査によると、約27年前の平成10年から比べて、利用児数は約4倍、施設数は約2.7倍に増加しています。
これは、女性の社会進出に伴い、共働き家庭が一般的になってきたためと考えられます。
参考サイト:こども家庭庁 放課後児童健全育成事業
学童保育の現状②【公立と民間では民間学童のほうが多い】
令和4年時点で、公立学童は7,359か所、民間学童は19,324か所と、民間学童のほうが多くなっています。
民間企業の参入も増加しており、「教育」や「預かりサービスの充実」などのニーズの増加により、さまざまなサービス形態をもつ学童保育施設が生まれてきています。
参考サイト:こども家庭庁 放課後児童健全育成事業
学童保育の課題③【学童保育施設不足「小1の壁」など問題も多い】
学童保育施設は増加傾向にありますが、共働き家庭が一般的になってきている今、学童保育施設は足りているとはいえません。
料金が安い公立学童は、定員により入れず「待機児童」となってしまう子どもたちも多くいます。
小1の壁って?
小1の壁とは、「小学校に上がると同時に子どもの預け先がなくなってしまう問題」のこと。
保育園などは比較的受け入れが進んできているのに対し、学童保育施設の数が足りず、預け先が見つからない方が多くいます。
厚生労働省の調査によると、2019年時点の待機児童数は18,261人。
これを解決するため、厚生労働省は2023年度(令和5年度)末までに待機児童30万人分の受け皿を整備し、待機児童問題を解消すると発表し、令和3年には待機児童数も13,416に減少しています。
参考サイト:厚生労働省 令和元年(2019 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況
学童保育の指導員の資格は?
学童保育で働く職員は、一般に「学童指導員」と呼ばれます。
2015年からは「放課後児童支援員」という専門資格が創設され、同時に1クラス(40人以下)につき1人の配置が義務付けられました。
有資格者は「放課後児童支援員」、無資格者は「補助員」という立ち位置で働くことになりますが、業務内容が大きく異なるわけではありません。
なお、放課後児童支援員となるためには、保育士や社会福祉士、教員免許を保有しているか実務経験を積んだうえで、「放課後児童支援員認定資格研修」を修了する必要があります。
学童保育によくある疑問
以下に、学童保育に“よくある疑問”をまとめます。
ぜひ参考にしてください。
学童保育によくある疑問①【学童保育の入園条件は?】
学童保育の入園条件ですが、現行の児童福祉法によると、放課後児童クラブの対象児童は、「小学校に就学している児童」とされています。
つまり、小学校1年生から6年生まで、年齢を問わずに利用できます。
ただし、自治体によっては小学校3年生までの場所もあるため、自治体ごとに確認が必要です。
公立学童に申し込む際は、「家庭調査表」「就労証明書」といった書類の提出が必要な自治体がほとんどで、面接が行われるところもあります。
定員を超える場合は、シングル家庭や長時間勤務の家庭、近くに祖父母がいない家庭などが優先されます。
なお、途中からの入所は自治体ごとに取り決めが異なるため確認が必要です。
一般的には、空きがあれば途中からでも入れます。
学童保育によくある疑問②【学童保育の料金は?民間は高い?】
学童保育の料金は、施設によってかなりバラつきがあります。
下記に詳しくご紹介します。
81%のクラブが2,000円〜1万円の価格帯
学童保育で利用料の徴収を行っているクラブは、全体の96.5%です。
そのうちクラブが徴収している月額利用料で最も多いのは4,000円〜6,000円、次が6,000円〜8,000円で、この2つの層が占める割合は48.6%と、全体のほぼ半数を占めます。
さらに、2,000円〜4,000円と8,000円〜1万円の層を合わせると81%となります。
つまり、公立か民間かは関係なく、全体の81%のクラブが2,000円〜1万円で事業を提供しているとわかります。
民間学童も、実は2万円以下がほとんど
一般に民間の学童保育は費用が高額で、月4万円以上かかるとも言われています。
しかし実際のところは、2万円以上の利用料を徴収しているクラブは、全国で270と、全体の1%に過ぎません。
民間の学童保育数は全体の22.6%を占めているため、そのうちのほとんどの料金設定が2万円以下であるとわかります。
つまり、学童保育の費用や料金は、公立か民間かというよりも、そのクラブのある地域や、クラブを運営する自治体や団体によって異なっているようです。
民間の場合には、補助金の有無や金額に大きく左右される傾向にあります。
参考サイト:厚生労働省「放課後児童クラブについて」
延長料金や延長のありなしも施設によってさまざま
同じように、延長保育の実施時間や延長料金も、運営する自治体や団体、クラブによってさまざまです。
延長は朝夕合わせて1〜2時間程度で、月額1,500円〜3,000円ほどに設定されることが多いようです。
また、2万円を超える高額な利用料を設定している民間の学童保育の多くは、一般企業が運営しています。
利用料が高くなる理由は、独自のサービス内容にあるようです。
例えば22時など夜間にまで至る延長保育や、夕食や入浴サービスの提供、自宅や習い事への送迎。
他にも、特別な学習プログラムやカリキュラムの実施、イベントの開催などを提供しているケースがあります。
また、地域によっても料金の差が大きいようです。
今後は学童保育も無償化の対象になる可能性あり
内閣府の資料によると、少子化対策の取り組みとして、今後は学童保育も保育料と同様、無償化にすべきとの提言が上がっています。
具体的な施策は出ていませんが、今後、学童保育が無償化される可能性もあるといえるでしょう。
参考サイト:内閣府 少子化対策の充実強化(1) 3
学童保育によくある疑問②【学童保育はどこでやっている?】
公立の学童は、学校の空き教室や敷地内の専用施設、児童館などを利用して開設されます。
民間の学童の場合だと、空き家を改装したり、独自に設置したり、商業施設の一角に開所したりとさまざまです。
学童保育によくある疑問③【学童保育は何曜日の何時から何時まで?】
学童保育を利用できる曜日
平日の放課後や土曜日、春休み・夏休み・冬休みといった学校の長期休暇期間中などに利用できます。
公立の場合は日曜日・祝日はお休みのところがほとんどです。
学童保育を利用できる時間帯
公立学童の利用時間は、小学校終了後~18時までのところが多くあります。
一方、民間学童の場合は、夜19時~22時頃までの延長サービスを行なっているところもある状況です。
学童保育によくある疑問④【学童保育は何歳(何年生)まで?】
入園条件でご紹介したように、現在は6年生(12歳)までが放課後児童クラブ(学童保育)の対象とされています。
ただし、学童保育をいつからいつまで利用できるかは、地域の利用状況(待機児童の多さなど)によって変わる場合があります。
特に公立の学童において、希望者が定員を超える場合は低学年が優先され、4年生以上の利用が難しいケースも多くあります。
学童保育によくある疑問⑤【学童保育の子どもへの良い影響は?】
学童保育へ預けるメリットは、「集団活動の場」で過ごすことになるわけですから、人との関わり方を学ぶこともできます。
また、家で留守番をするよりは外遊びなども安全にできて、健全な遊びや関わりを学んでいくことができると考えられます。
学童保育によくある疑問⑥【学童保育の根拠法は?】
学童保育の根拠法は「児童福祉法」であり、児童福祉第六条の三第二項②に、放課後児童健全育成事業に関する記載があります。
参考サイト:児童福祉法 放課後児童健全育成事業についての記載
学童保育と似た施設の違いは?
学童保育には、似た名称や似た施設、資格があり、違いを知りたい方もいるかもしれません。
以下に、学童保育と似た施設や資格との違いを簡単にご紹介します。
学童保育と「放課後児童クラブ」の違いは?
「放課後児童クラブ」は、学童保育の正式名称です。
国の政策である「放課後児童健全育成事業」では名称を放課後児童クラブと記載されています。
つまり、「学童保育」とは、一般的な通称であり正式名称は「放課後児童クラブ」となっています。
また自治体によっては、「学童クラブ」など独自の名称を付けている場合もあります。
学童保育と「放課後子ども教室」の違いは?
「放課後子ども教室」とは、放課後の子どもの居場所のひとつとして2007(平成19)年度から実施されている取り組みです。
学童保育とは目的や対象が異なり、「放課後子ども教室」は以下のような特徴があります。
「放課後子ども教室」の目的や特徴など
放課後子ども教室【目的】
放課後に適切な遊びや生活の場を与えて,その健全な育成を図る
放課後子ども教室【管轄】
文部科学省
放課後子ども教室【対象】
すべての小学生(親の就労の有無は問わない)
放課後子ども教室【特徴】
- 地域の人の協力を得て子どもたちに遊びや体験の場を提供
- 希望すれば誰でも参加できる(学童保育の子どもも参加可能)
- 参加は自由だが学童ほど出入りが管理されない
簡単に言うと、学童保育は家にかわる子どもの「生活中心の場」であり、放課後子ども教室は「活動中心の場」です。
学童保育では親のお迎えまできちんと管理されるのに対し、放課後子ども教室は出入り自由な活動の場といった感じで、毎日の生活の場を保証するものではありません。
学童保育と「児童館」の違いは?
学童保育と児童館は、「申し込みの有無」と「対象年齢」において違いがあります。
児童館は、「0歳~17歳までの児童が自由に来館して遊ぶ場所であり、地域に開けた遊び場・活動の場」となっています。
一方、学童保育は親の就労など家庭で子どもをみられない子どもが申し込んで利用するものです。
学童保育と「保育園」の違いは?
学童保育と保育園では、預けられる子どもの年齢層が異なります。
学童保育は小学生を対象としていますが、保育園は、「0歳~未就学までの子どもを預かる施設」です。
最近では認定こども園などの形態も増えてきています。
なお、学童保育は幼稚園やこども園内の一角で行われているケースも多くあります。
学童指導員と「保育士」の違いは?
学童指導員は学童保育において小学生を見守る職員を指します。
一方、保育士は「0~就学前(職種によっては18才)までの児童が主な対象」であり、「保育等を行う専門知識を有することを示す国家資格」です。
なお、学童指導員とは、学童保育で指導員として働くすべての職員をさす呼び方ですが、このうち、有資格者を「放課後児童指導員」といいます。
放課後児童指導員と保育士では、保有資格の種類が異なります。
放課後児童指導員と「保育士」の違いは?
学童指導員
「放課後児童支援員」という認定資格
保育士
「保育士」の国家資格
放課後児童指導員は、都道府県が行う研修を受講することで得られる資格です。
一方、保育士は国家資格であり、資格を取得するためには指定保育士養成施設(大学・短期・専門学校など)の卒業や独学で国家試験に合格する必要があります。
一度資格を取れば、生涯有効とされています。
学童保育で働きたい方によくある疑問
ここからは、学童保育で働きたいと考える方に「よくある疑問」や、「給料」「お仕事内容」などの知っておきたい概要をご紹介していきます。
学童保育とはどんな仕事?仕事内容は?
学童保育では、「家庭にかわって子どもたちを預かり、生活の場を提供」します。
子どもと直接関わる職員は「学童指導員」と呼ばれ、子どもたちが安全に過ごせるよう見守ったり、楽しく過ごすための遊びの提案を行なったりします。
「ときには親代わりとなり、ときには遊び相手となりながら、子どもたちを見守っていく」のが、学童保育の仕事です。
以下は、学童指導員の仕事内容の一例です。
- 遊びの提案
- 見守り
- おやつの提供
- 宿題
- 自主学習の見守り
- 連絡帳の記載
- 季節のイベントの企画
- 準備
- 学校との連携
学童保育には「放課後児童支援員」の資格をもつ職員と資格のない「補助員」がいますが、仕事内容は大きく変わりません。
このほか、企業がサービスとして提供するような学童では、送迎や食事の提供、入浴、寝かしつけといった内容も業務に含まれることがあります。
学童保育の一日の流れ(勤務時間)は?
学童保育で働く場合の一例としては、以下のようなスケジュールとなります。
学童指導員の1日のスケジュール
学童指導員「平日」の勤務時間
学童保育は平日は放課後からの預かりとなるため、職員も比較的ゆっくり出勤できます。
残業や持ち帰りの仕事はほとんどありません。
公立の学童は18時閉所が一般的であり、勤務終了時間も18時前後となります(※延長のありなし・終了時間は地域や施設により異なります)。
一方、民間の学童で遅い時間までの延長保育がある場合は、22時ごろまでなど延長保育にあわせた終了時間となる場合もあります。
学童保育の1日の流れ(長期休暇の場合)
学童指導員「土曜日・長期休暇中」の勤務時間
学童保育の土曜日や夏休み・冬休みなど、学校のない日の開所時間は、公立の学童で8時~18時ごろまでが一般的です。
職員の勤務時間は、基本8時間のシフト制としているところが多くなっています。
日曜日・祝日はお休みです。
ただし、多くはありませんが、民間の学童ではサービスとして日・祝も営業しているケースもあります。
参考サイト:厚生労働省【資料2】20171106放課後児童クラブ関連資料
学童保育の給料は?
学童保育の平均年収(月給)・平均時給
厚生労働省が「令和4年賃金構造基本統計調査」から発表している情報をみると、学童保育で働く職員の平均月給は21.8万円、平均年収は381.9万円です。
求人情報では、正規雇用で20万円前後の給料帯が多くなっています。
これは、保育士と同等か、少し少ない傾向にあるようです。
平均時給は、1,000円前後です。
参考サイト:学童保育指導員 – 職業詳細 – job tag – 厚生労働省
学童保育の待遇
学童保育の待遇については、地域や施設によって大きな差があります。
例えば公立公営の学童保育で正規職員として働くのであれば、公務員として働くため、それなりの待遇が期待できます。
なかには公立民営の園でも、公務員に準じた形で採用されるケースもあります。
非正規職員(アルバイトやパートの補助員)として働き始めたとしても、経験を積んで「放課後児童支援員」の資格を取るなどすれば、正職員になれる可能性はゼロではありません。
そこからさらにリーダーなどの役職に就けば、施設長などへのキャリアアップも夢ではないでしょう。
学童保育は働きやすい?
学童保育の仕事は、拘束時間が少なく残業が少ないという面では、働きやすいといえます。
職員同士よりも子どもたちと関わる場面が多いため、人間関係の悩みも少ない傾向があります。
ただ、夏休みなど長期休暇中の勤務は、暑さもあり大変な一面も。
子どもと直接関わり、遊び相手もこなす指導員は、体力勝負となる場面も多々あるでしょう。
さらに、学童保育は人手不足の施設もあり、指導の手が回らなくなる場合もあります。
子どもが好きな方にとっては楽しく仕事ができる職場ですが、待遇面や人手の状況などはしっかりとチェックしたほうがよさそうです。
学童保育で働くために必要な資格や取得方法・条件は?
学童保育で補助員として働く場合は、資格は不要です。
ただし、学童保育には「放課後児童指導員」の資格をもつ職員を40人に1人配置しなければならない決まりがあります。
そのため、正社員として勤務を希望するなら、資格取得を目指したほうがいいでしょう。
放課後児童指導員は、保育士などの資格をもつ方や、一定の実務経験がある方であれば、都道府県知事が実施する数時間の研修を受講するだけで認定資格を得ることができます。
放課後児童指導員になるための条件3つ
【下記の資格をもっている】
- 保育士
- 社会福祉士
- 幼・小・中・高校の教員免許
【高卒以上で一定の実務経験がある】
- 高校卒業後、2年以上児童福祉事業に従事
- 高校卒業者等であり、かつ、2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めた者
【大卒で教育にかかわる勉強をしてきている】
- 社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学、体育学のいずれかの専門課程を修了している方
参考サイト:放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 第10条 第3項
参考サイト:内閣府 放課後児童支援員研修の受講要件の緩和
「放課後児童支援員都道府県認定資格研修」の申し込み方法
放課後児童指導員になるための研修の申し込み方法・条件・必要書類は、都道府県によって異なります。
お住まいの地域の情報は、「放課後児童支援員都道府県認定資格研修+県名」で検索してみてください。
学童保育の運営形態や管轄は?
学童保育の管轄は、「厚生労働省」です。
参考サイト:放課後児童健全育成事業について – 厚生労働省
運営形態は、大きく「公立」と「民間」があります。
公立はさらに、「公立公営」と「公立民営」にわかれます。
学童保育で大切なことは?
学童保育で働く際に必要な資質としては「コミュニケーションスキル」や「遊びの知識、視野の広さ」などがいえるでしょう。
指導員は子どもが安全に過ごせるよう見守ることが特に重要な役割のため、広い視野で全体を見渡せることは大切です。
また、親がわりとなる側面もあるため、年齢が低い学年ほど、適切なスキンシップや愛情をもった関わりも大切でしょう。
学童保育に夏休みはある?
学童保育は夏休みや冬休みの長期休暇中も子どもを預かるため、職員に夏休みはありません。
長期休暇を取りたい場合は、夏休みなどの繁忙期とずらして職場にお願いする必要があるでしょう。
学童保育指導員が長く続かない理由や悩みは?
学童保育は、子どもが好きな人には毎日子どもたちと関わりながら楽しく働ける理想の職場ですが、長く続かない場合どのような理由が想定されるか見ていきましょう。
- 給料が低い
- 人間関係
- 体力面
特に多いのは、給料面での不安です。
学童保育は自治体からの補助金で運営されるところがほとんどのため、給料を上げにくく、待遇の悪さに辞職を決意する人も多いようです。
次に、人間関係の問題。
職員同士のこともあれば、子どもの対応に関することや、親からのクレームなども辞職の原因になることもあります。
また、想像以上に体力を使う仕事であるため、夏休みなど体力面が続かずに辞める決断をするケースも多いようです。
学童保育に英語は必要?
一般的な学童で働く場合は、英語の資格や能力は必要ありません。
ただ、最近では学童と英語教育が一体となった「英語学童」などもあり、そういった施設で働く場合にはスタッフにも英語の能力が求められます。
英語学童で働くスタッフはバイリンガル講師や外国人講師がほとんどですが、宿題面のサポートのために、英語が得意な日本人スタッフを配置するケースもあります。
民間サービスのため、比較的高い給料が期待できるでしょう。
学童は自宅開業も可能?
個人事業として、自宅で学童を開業することも可能です。
自宅を利用すれば、家賃もかからず少ない資金で開業できるのがメリットですが、「放課後児童指導員」の資格は必須です。
また、賃貸では開業は難しいため、持ち家である必要があったりと、しっかりと要件を確認しながら開業を進めていくことが重要です。
学童保育で働くメリット・やりがい
学童保育で働くメリット・やりがいとしては、以下があげられます。
学童保育で働くメリット・やりがい
- 親代わりとなり子どもの成長を見守れる
- 得意なことや好きなことを仕事にいかせる
- 勤務時間がはっきりしており働きやすい
子どもが好きな人にとって、日々子どもと関わりながら成長を見守っていけるのは、一番のメリットであり、やりがいにつながります。
子どもの成長過程において、大切な人間関係の一旦となり、成長を側でサポートできる仕事です。
また、「遊びの知識が豊富」「体を動かすことが得意」「制作物が得意」など、学童保育では自分の得意なことをいかして働くことができるでしょう。
最近では習い事型など特色ある学童も増えてきているため、自分にあった職場を探してみると、よりやりがいをもって働けるはずです。
さらに、平日は放課後から18時ごろまでの勤務で残業もほとんどないため、時間的な余裕が生まれやすいのもメリットです。
半面、長期休暇中は大変なこともありますが、それ以外の平日、午前中は自分の時間をしっかり確保できます。
学童保育で働くデメリット・大変なこと
学童保育で働くデメリット・大変なこととしては、以下があげられます。
学童保育で働くデメリット・大変なこと
- 給料面に不安がある
- 体力が必要
- 責任が大きい
学童保育の給料は高いとはいえず、給料・待遇面は一般的な仕事と比べると不安が残ります。
特に、無資格で非正規雇用として働く場合には、将来への不安が生じやすくなるでしょう。
また、夏休み期間はかなり体力が必要になることも覚えておくとよいかもしれません。
学童保育は子どもの命を預かる仕事のため、日々、責任感をもって働くことが大切です。
学童保育に向いている人
子どもが好きな方であれば、学童保育で働いてみたいと考えている方も多いですよね。
メリット・デメリットはありますが、子どもと関われる楽しい職場であることも事実です。
学童保育施設への就職を前向きに検討するため、事前に向き不向きをチェックしておくといいでしょう。
ここでは、学童保育に向いている人の特徴をご紹介します。学童保育に向いている人は、以下のような人です。
学童保育に向いている人
- 子どもと一緒に成長できる人
- 体力に自信のある人
- 保育士や教員として働いていた人
学童保育に向いている人①【子どもと一緒に成長できる人】
学童保育では学習や集団遊びなど、子どもを見守りながら、一緒に過ごす時間が長いという特徴があります。
そのため、子どもと一緒に遊びや学びを楽しめ、その経験を通して、指導員として成長していける人に向いているといえます。
積極的に子どもとコミュニケーションを取り、良い関係を築き、子どもたちの安心できる居場所作りを目指しましょう。
学童保育に向いている人②【体力に自信のある人】
小学生は未就学児と比べると体が大きく、エネルギーと元気に満ちています。
学童保育ではゲーム機の持ち込みを禁止にしているところが多く、そうなると室内遊びよりも外遊びを選ぶ子どもが多くなります。
小学生には鬼ごっこやドッジボールなど、体を動かすハードな遊び方が人気です。
そのため、彼らについていける体力があるに越したことはありません。
未就学児のお世話をする保育園などと比較すると、体力に自信のある方や、男性が向いているかもしれません。
学童では保育士をもっていると有利です。
先に保育士の資格をとっておきたいという男性は、以下の記事も参考にしてください。
男性保育士の年収や将来性は?給料の上げ方や活躍シーン・注意点を詳しく解説!>>
学童保育に向いている人③【保育士や教員として働いていた人】
保育士や教員として働いた経験のある人なら、その経験をいかして働けます。
このような経験をもつ人材は即戦力ともなるので、現場からも歓迎されるはずです。
また、これらの資格をもっている人は、「放課後児童支援員」の資格も取りやすいため、資格取得を目指しても良いでしょう。
保育士や保育教諭の資格に興味がある方は、以下の記事も参考にしてみてください。
保育教諭とは?必要資格や保育士との違い、仕事内容などをわかりやすく解説!>>
学童保育に向いていない人
以下のような人は、学童保育の指導員に向いていない可能性があります。
- 短気な人
- 視野が狭い人
- 体力に自信がない人
- 高い給料が欲しい人
短気な人は、子ども相手の仕事にあまり向いているとはいえません。
なぜなら、子どもは大人の思うようには動かず、関わる大人は「子どもの意思を尊重して待つ」姿勢が大切になってくるからです。
子ども同士がケンカをしてしまったときなど、子どもを指導する場面では、感情的にならずに冷静に対処することが大切です。
また、子どもの安全を守るためには、視野の広さも重要です。
子どもと一緒に遊びに集中しすぎてしまうと、危険な場面を見落とす可能性もあります。
夏休み期間の指導などにおいて体力に自信がない方や、高い給料を希望する方も、学童保育は向いていない可能性があります。
学童保育の仕事の探し方【転職・就職】
学童保育の仕事の探し方としては、以下のような方法があります。
学童保育の仕事の探し方
- ネット検索で「〇市 学童 求人」などと探す
- 転職エージェントに相談する
- 求人情報サイトをみてみる
- ハローワークに行く
- 地域の情報誌や新聞の広告欄をチェックする
より条件のいい求人を見つけたい場合は、ネット検索やハローワークなど複数の方法から探してみるといいでしょう。
また、転職エージェントに相談することも方法の一つです。自分にあった就職先をきっと見つけることができるでしょう。
また、学童保育は平日の勤務時間が短いぶん、非正規職員を募集しているところもあります。
正社員だけではなく、パートやアルバイト希望でも求人を見つけることができるかもしれません。
学童保育の「履歴書・職務経歴書」の書き方
学童保育の求人が見つかったら、求人に記載の連絡先に連絡し、履歴書を送付、書類審査ののち面接という流れが一般的です。
この際、面接に進むかどうかは履歴書(転職者は職務経歴書も)の内容で判断されるため、履歴書の書き方は非常に重要です。
応募前に、履歴書・職務経歴書の書き方のポイントをおさえておきましょう。
履歴書の書き方(志望動機・自己PR)
経験や資格ももちろん大切ですが、応募が多い場合、採用者が特に重要視するのが志望動機です。
採用につながる志望動機は、以下のような特徴があります。
- なぜその学童を選んだのかの理由が具体的
- 経験に基づいたその人なりの志望理由が書かれている
このような志望動機は熱意を感じられるため、採用者も会ってみたいと感じるでしょう。
自己PR欄のほうは、採用のメリットを感じさせるような、仕事にいきる経験・スキルを記載するといいでしょう。
職務経歴書の書き方(転職者)
保育士の転職者の場合、履歴書とあわせて職務経歴書の提出を求められることがあります。
職務経歴書を書く場合は、スキルや経験を箇条書きなどでわかりやすく記載し、どんな経験をしてきたのかが簡潔にわかるよう工夫しましょう。
学童保育の面接のポイント
学童保育の面接まで進んだら、あとは重視されるのは人柄です。
採用者が子どもと関わるあなたの姿をイメージできるよう、明るい受け答えと笑顔を意識しましょう。
多少の緊張があったとしても、あなたらしさが伝われば、十分に採用につながるはずです。
学童保育の面接で聞かれることは?
学童保育の面接では、よく聞かれる質問が決まっているものです。
定番の質問は事前に答えを準備しておくと、本番で答えやすくなりますよ。
- 自己紹介をしてください
- 志望動機を教えてください
- なぜこの学童がいいと思ったのですか?
- 子どもと関わる職業を目指したきっかけは?
- なぜ学童なのですか?(保育士や教員免許がある場合)
- 自己PRをしてください
- 長所・短所を教えてください
学童保育のまとめ
学童保育は、「小学生の放課後や長期休暇期間に生活の場を提供する施設」です。
共働き家庭の増加により、近年は学童保育の需要が高まりつつあります。
学童保育の仕事はやりがいがあり、子ども好きの人には天職ともいえる仕事です。
これから子どもと関わる仕事を目指したいと考えている方は、ぜひ就職先として検討してみてください。
もし学童が合わないと感じた方は、保育士などの資格があるのであれば、障がい児施設や病棟保育士など、別の働き方も考えられます。
「保育士人材バンク」では、子どもと関わるさまざまな仕事の求人を多数取り揃えています。どんな求人があるかのぞいてみるだけでも、今後の働き方をイメージしやすくなりますよ。
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