保育士が長く安心して働くには、「働きやすい保育園」を見極めることが大切です。どのような保育園が「働きやすい」といえるのか、転職が失敗しない見分け方とともに解説します。「自分に合っていないかも」という方は、ぜひ参考にしてください。

働きやすい保育園の特徴

「働きやすい保育園で働きたい」という気持ちは、ほとんどの保育士が抱いている想いです。しかし、働きやすさの感じ方は人それぞれ。

そもそも「働きやすさ」とは何を指すのでしょうか。保育士を続けやすい保育園の特徴を見てみましょう。

人間関係が良好である

保育の現場ではチームワークが欠かせず、クラス担任とフリーの保育士、保育補助が連携しながら子どもを見守っています。子どもの情報共有や話し合いのとき、人間関係が良好な場合とギクシャクしている場合で比べると、良好なほうが意見を伝えやすのかは明らかです。

また、子どもへの向き合い方や保護者対応で悩んだときにも、相談しやすい関係性があるかと対処の方法も大きく変わります。ひとりで抱え込むのではなく、保育園全体がチームとなって家庭を支えられる体制かどうかが重要です。

キャリアアップや学びの機会がある

働きやすいと感じる園では、ただ働くだけでなく「もっと成長したい」と思えるきっかけにあふれています。

研修や勉強会などで学ぶ機会があったり、資格取得を支援したりする制度があれば、働きながらスキルアップすることができます。保育士が学びやすい環境は、結果的に子どもたちへの保育の質を高めることにもつながるでしょう。

保育環境や保育方針が自分と合っている

「自由保育を大切にする園」や「カリキュラムを重視する園」など、園によって保育方針はさまざまです。

自分が大切にしたい保育観と合っていれば、日々の仕事に違和感を覚えにくく、やりがいを感じやすいでしょう。反対に方針が合わない場合、どんなに待遇や労働条件が良くても、違和感を感じてしまいやすくなります。

スキルアップしたい意欲が湧いてくる

「もっと子どもたちに良い保育を提供したい」「自分を成長させたい」と自然に思える環境は、保育士にとって魅力的な職場です。

学びや挑戦を応援してくれる雰囲気があると、日々のやりがいが増し、生き生きと働き続けられます。

見本となる先輩・同僚がいる

「この先輩のようになりたい」「一緒に働けて良かった」と思える存在が身近にいると、仕事のモチベーションは大きく高まります。

困ったときに助けてもらえるだけでなく、自分の目標や指標となり、自然とスキルも磨かれていくでしょう。

プライベートの時間が確保できる

どんなに仕事が好きでも、プライベートの時間とのメリハリがなければ長く続けることはできません。

休日がしっかり取れたり、持ち帰りの仕事が少なかったりする職場は、心身をリフレッシュしながら働き続けられる環境だと言えます。

働きやすさ6つのポイント

「働きやすそう」と感じても、いざ入職してみると想像と違った……ということは少なくありません。ミスマッチを防ぐために以下の「チェックポイント」を確認しておきましょう。

1.保育士が働ける職場の種類を知る

「保育士の職場といえば保育園」というイメージを持つ方も多いですが、実際は保育士が働く現場にはさまざまな種類があります。それぞれ働き方が異なるため、その特徴を知っておくことが仕事探しの最初のステップです。

保育施設の種類特徴
保育園0歳~就学前までの子どもを預かる施設。園児数や規模によって働き方が大きく変わる。
認定こども園保育と教育を一体的に行う施設。幼稚園的な役割と保育園的な役割を兼ねている。
児童養護施設事情により家庭で生活できない子どもを養育する施設。保育だけでなく生活支援全般を担う。
放課後等デイサービス発達に特性のある子どもを対象に、放課後や休日に療育・生活支援を行う。
児童発達支援未就学の発達支援が必要な子どもを対象に、日常生活や発達を支える。
託児サービス商業施設や病院内などで、一時的に子どもを預かるサービス。短時間勤務が中心のケースも多い。

2.保育環境や保育方針が自分と合っているか

保育園の規模や保育方針は保育士の仕事探しを左右する大きな要素です。大規模な保育園は一般的に行事が多く、そのぶん多くの職員で仕事を分断している一方、小規模な保育園は家庭的で子どもと密に関われますが、幅広い業務を担っている傾向があります。

また、「自由保育を大切にする保育園」と「独自のカリキュラムを重視している保育園」では日々の過ごし方が大きく異なります。自分の保育観と大きなズレがないかを確かめることが、長く続けるためのカギです。

3.業務負担が適切か

「残業が多い」「持ち帰り仕事が当たり前」という環境では、心身ともに疲れ果ててしまいます。

働きやすい保育園では、仕事は役割分担をしてできるだけ効率のよい方法で取り組む工夫がされています。

近年ではデジタルの技術を取り入れて、連絡帳や出欠の管理をタブレットで行う保育園も増えていますよね。こうした仕組みが整っていると、保育士が子どもと向き合う時間を確保しやすくなります。

4.待遇や福利厚生が整っているか

給与や賞与が安定して支給されることはもちろん、役職や勤続年数が給与にどう反映されているかは知っておきたい点のひとつです。

また、有給休暇や産休・育休、介護休暇などの制度があっても「取りづらい」環境では働きやすいといは言えません。制度が形だけでなく、実際に活用されているかを確認しておくことが大切です。

5.キャリアアップや学びの機会があるか

保育士が成長できる環境が整っていることは、モチベーションや長く働き続けることに置いてとても大きな意味を持ちます。

キャリアアップ研修制度などを導入している職場なら、学びながら将来への幅を広げられます。将来的に主任や園長を目指したい方であれば、職場選びを左右する重要なポイントです。

反対に、キャリアよりも「子どもと向き合う時間を増やしたい」と思う方であれば、研修の参加を強制せず柔軟に選べる園の方が向いているかもしれません。

6.毎日通える立地にあるか

どんなに良い条件で働く環境が自分に合っていても、自分自身の生活県内から離れすぎている場所の職場は、働くのに適しているとは言えません。

片道にかかる距離など「毎日通えるかどうか」も確認しておきたいポイントです。

働きやすい保育園を見つける方法

働きやすい保育園を見つけるには、求人票だけで判断せず、さまざまな角度から情報を集めることが大切です。具体的にどのような視点で探すとよいのでしょうか。

自分の「働きやすさの基準」を整理する

どんなに良い条件がそろっていても、自分に合わなければ働きにくくなってしまいます。

まずは「子どもとじっくり関わりたい」「今より通勤時間を短くしたい」「研修が充実している園がいい」など、自分にとって譲れないポイントを整理しておきましょう。

何が大事なのか見極めておかなければ、自分に合わない求人にまで目移りしてしまう恐れがあるからです。具体的な基準であるほど、より的を絞った仕事探しができます。

求人情報だけに頼らない

求人票には給与や勤務時間といった基本的な条件は書かれていますが、保育園の雰囲気や人間関係までは分かりません。

保育園のホームページやSNSなど実際の雰囲気が分かるものから読み取ることもおすすめです。また、自分の生活エリアにある立地なら、知り合いや保育士仲間を通じて、保育の様子や印象を聞いてみるのもよいでしょう。

保育園見学を活用する

保育園見学は、働きやすさを自分で見極める大きなチャンスです。園長や副園長などと直接話をしながら、気になったことを質問することができます。保育の様子を実際に見られるのも魅力ですよね。「具体的に、何を確認すればいいのか分からない」という方は、以下のポイントに注目してみてくださいね。

  • 保育士同士が声を掛け合い、協力して動いているか
  • 子どもへの声かけがあたたかいかどうか
  • 掃除や整理整頓が行き届いていて、安全に配慮されているか
  • 行事や制作物などで職員が忙しそうにしていないか
  • 子どもや職員に笑顔で対応しているか
  • ICTの機械(タブレットなど)が導入され、効率的に活用されているか
  • 園児の表情が生き生きしていて、安心して過ごしているか

短時間の保育園見学で確認できるのは、普段の生活のほんの一部です。すべてを一気に確かめることは難しいですが、あらかじめ確認したいことをリストアップしておくと保育園見学の時間を最大限活用できます。自分が大事にしているポイントを優先して覚えておくのもおすすめです。

面接で質問してみる

面接は「採用してもらうための場」であると同時に「保育園の様子を知る場」でもあります。採用後のミスマッチは保育園側としても避けたいところなので、保育士からの質問はポジティブなものとして捉えてもらえることが多いです。

保育園側の回答だけでなく、答え方や雰囲気からも「働きやすい園かどうか」を感じ取ることができます。貴重な機会を逃さず、気になっていることを聞いてみましょう。

転職エージェントを活用する

保育士の求人は全国各地にあり、自分ひとりで情報を集めるのには限界があります。求人サイトなどのサービスを使えば、自分に合った求人を見つけやすくなりますが、保育士におすすめなのは、保育業界に特化した転職エージェントです。多くの求人を取り扱っているので、希望に合った職場を見つけやすくなります。

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自分に合った保育園へ転職する方法

働きやすい保育園を見極めるためには、求人を見るだけでなく、実際に転職活動を進めるなかで「自分に合った保育園かどうか」を具体的に確認していくことが大切です。ここまで解説したポイントを整理しながら、転職を成功させるためのステップをご紹介しますので、仕事探しの際の参考にしてみてくださいね。

ステップ1:自分の優先順位を明確にする

最初の手順は自分の優先順位をつけておくことです。具体的には以下の気になる項目を見つけ明確にしておくとよいでしょう。

<条件項目の例>
・給料の目安(月給〇〇円以上~など)
・年間休日の数
・自宅からの通勤時間・交通アクセス
・キャリアアップの見通し
・施設の形態(大規模・小規模)
・福利厚生の手厚さ
・勤務時間・雇用形態 など

何を重要視するのかは人によって異なり、すべてを満たす職場を見つけるのはけして簡単ではありません。だからこそ事前にゆずれない条件を絞っておくことが大切です。

ステップ2:情報収集を行う

自分の求める条件が定まった後は、できるだけ幅広い角度から情報を集めることが必要です。給与や勤務時間など、雇用に関する一般的な情報なら求人サイトですぐに確認できます。公式ホームページやSNSを運用している保育園も多いため、インターネットを使った情報収集もおすすめです。

可能であれば保育園見学を実施して、直接現場を見たり話を聞いたりして情報を集めましょう。実際に足を運ぶことで「求人票では分からなかった部分」が見えてきます。

ただし、転職活動を始めたからといって、必ずすぐに転職しなければならないわけではありません。情報を集め、面接や見学に行くなかで「今の園で工夫できることがある」と気付く人もいます。大事なのは、悩みを抱えたまま立ち止まらず、行動して確かめることです。

ステップ3:面接に申し込む

情報収集を経て「ここで働きたい!」と転職への意思が固まったら、いよいよ面接に臨みます。どのような人物を求めているのかを想像し、面接では自分がどのように活躍できるのかを具体的に自己PRしましょう。熱意を持って伝えれば、思いはきっと届くはずです。

おすすめ:転職エージェント「保育人材バンク」を利用する

転職活動は自分ひとりでもできることですが「本当にこれでいいのかな?」「もっと良い職場があるかも」とたびたび不安に思う方も少なくありません。実は、転職エージェントの「保育人材バンク」なら、ステップ1~3のすべてでサポートを受けられるんです。

転職事情に詳しいキャリアパートナーが、求める条件を聞き取り、ぴったりな求人をご紹介します。「求める条件をしぼりきれていない」という方も、まずは今の職場の不安や悩みについて話すだけでも良いのでお気軽にご相談ください。一緒に「働きやすい保育園」の条件を整理していきます。

今回ご紹介した「働きやすい保育園の特徴」は、どれも一般的な求人票からでは分からないことばかりです。保育業界に特化した転職エージェントなら、非公開求人の紹介や面接準備までサポートでき、信頼できる相談相手がいると転職活動はとてもスムーズに進められます。ぜひ、お気軽にご利用ください。

働きやすい保育園の見分け方まとめ

働きやすい保育園を見極めるには、人間関係や仕事の負担だけでなく自分の価値観やライフスタイルに合っているかどうかを確認することが大切です。

転職エージェントである保育士人材バンクの活用などを通して情報を集めることで、ミスマッチを防ぎ、安心して長く働ける職場に出会いやすくなります。

焦らず余裕を持って、生き生きと働ける環境を探していきましょう。

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