保育園の事務は、保育園の事務仕事を行う仕事で少数体制ということもあり、園の運営を根底から支える重要な役割を担っています。
間接的に子どものサポートができ、やりがいある魅力的な仕事でもあります。今回は、保育事務の仕事や資格について網羅的に解説していきます。
保育園の事務とは
保育園の事務とは、保育園で事務仕事を担当する職種のことです。
保育事務は、園長や主任、保育士と協力して、保育園の運営に携わります。保育園の規模にもよりますが、1~3人など、少人数の場合が多いでしょう。
子どもとかかわる保育士が中心となる保育園で、保育事務はいわば「縁の下の力持ち」。目立たない存在ですが、保育士、在園児、保護者へのサポートを通じて、保育園を支えます。
子どもと直接かかわる機会は多くはないものの、陰ながら子どもたちを支え、育てる仕事なので、子ども好きにとっては魅力的な仕事(職場)なのではないでしょうか。
くわしい仕事内容については、次の章で紹介します。
保育園の事務(保育事務)とは?主な仕事内容

保育園の事務は、保育士が子どもと向き合う時間をサポートする役割を担っています。実際の業務範囲は園の規模や方針によって異なりますが、書類作成などの一般的なデスクワークから、人事・労務、経費や給与を扱う経理、そして広報まで、幅広い業務に携わる可能性があります。
具体的な仕事例をご紹介します。
(1)庶務(日常的なデスクワークなど)
(2)人事・労務(職員にかかわる仕事)
(3)経理(お金を扱う仕事)
(4)園のお知らせ・PR活動(広報)
(5)保育補助など
ここからは、それぞれの仕事内容について詳しく解説します。
(1)庶務(日常的なデスクワークなど)
庶務は一般的な事務仕事、いわば日常的に行うデスクワーク全般を指します。
保育事務の庶務には、以下のような仕事があります。
| ・在園児の出欠確認や報告 ・各種申請書(入園届・退園届)の受付、書類確認 ・行政との連絡、調整や手続き ・郵便物の確認や整理・電話やメールの対応 ・保護者を含む来客応対 ・備品(教材)管理、発注 ・行事などのスケジュール作成、管理・配布物の作成、配布 ・書類の整理や処理・各種データ入力 |
上記に挙げた仕事の中には、保育園ならではの事務仕事もありますが、一般企業で行う仕事と共通している部分もあります。
(2)人事・労務(職員にかかわる仕事)
人事・労務は、保育園で働く職員に関する仕事です。
採用時の書類準備や退職時の手続きなど、職員が働く過程で発生する事務仕事や手続きといった業務に携わります。
保育事務の人事・労務には、以下のような仕事があります。
| ・求人票の入力、作成補助 ・入社、退社時に必要な書類の案内や回収 ・タイムカードの集計や、打刻漏れのチェック ・シフト表の作成補助(清書やデータ入力など) ・給休暇の取得状況の記録 ・職員の定期健康診断のお知らせや、日程調整 ・外部研修の申し込み手続き ・休憩室の備品補充などの環境整備 |
保育園を運営するうえで最も大切なのは、働いてくれる保育士です。こうした日々の細やかなサポートが、保育士の働きやすい職場づくりにつながる大切な仕事といえます。
(3)経理(お金を扱う仕事)
経理は簡単にいうと、お金を扱う仕事です。入ってくるお金と出ていくお金、保育事務ではさまざまな種類や金額のお金を扱います。
保育事務の経理には、以下のような仕事があります。
| ・保育料、給食費の集計や管理 ・経費の取りまとめ、精算(小口現金の管理など) ・伝票の記帳や帳簿の整理(会計ソフトへの入力など) ・取引先などへの支払い業務のサポート ・職員の給与計算(タイムカードなどのデータ入力) ・社会保険料の計算や手続きのサポート ・補助金、助成金の申請に向けた書類の準備や手続き ・監査の準備(必要書類のファイリングや整理など) ・予算書の作成補助や、決算に向けたデータ整理 |
最近では、会計ソフトを使った帳簿の作成や管理をしている保育園もあります。
職場となる保育園(大規模な法人か、小規模な個人経営かなど)によって処理の仕方や任される範囲が異なるため、その園のやり方に柔軟に対応できるスキルが求められます。
(4)園のお知らせ・PR活動(広報)
保護者や地域の方々、これから入園を考えている方に向けて、保育園の日常や魅力を伝えることも保育事務の大切な役割です。園の認知度を上げ、たくさんの方に親しみを持ってもらうためのサポートを行います。
保育事務の広報には、以下のような仕事があります。
| ・ホームページの更新(お知らせの追加や行事の報告など) ・各種SNS(ブログやInstagramなど)の定期的な更新 ・園児募集やイベントを知らせるポスター・チラシの掲示(作成) ・見学者や入園希望者への園内案内、パンフレットの準備 ・地域の方を招いたイベントの運営サポートや準備のお手伝い |
特に、ホームページやSNSの更新を担当する場合は、定期的に行う場合が多いでしょう。写真・動画撮影や編集、文面作成などを実施します。
(5)保育補助など
ここまで紹介してきたようなデスクワークにとどまらず、実際の保育現場に入ってサポートを行う場合も園の方針によってはあります。
たとえば、保育士資格を持っている場合は、貴重な戦力として人手の足りないクラスに入り、保育補助として現場を直接サポートします。
資格がない場合でも、子どもたちの見守りや、おもちゃの消毒・部屋の清掃など、子どもたちが安心・安全に過ごせる環境づくりを幅広くお手伝いします。
未経験でもなれる?必要な資格とスキル
結論からいうと、保育園の事務職は未経験からでも十分にチャレンジできるお仕事です。
とはいえ、バックオフィス業務全般をサポートする役割を担うため最低限以下のようなスキルがあると、よりスムーズに業務に取り組めるでしょう。
保育事務で活かせる3つのスキル
- 基本的なPCスキル(Word・Excelなど)
事務職が未経験でも、Wordでの文書作成やExcelでの簡単な表計算など、基本的なOfficeソフトの操作ができれば問題なくスタートできます。 - コミュニケーション能力
実は、保育事務においても大切なスキルのひとつです。園には子どもたちや保護者、保育士、出入りする業者の方など、日々たくさんの方が訪れます。明るく丁寧な対応ができ、人とのコミュニケーションがスムーズにできるスキルは、大きな武器になります。
- 柔軟な対応力(マルチタスク能力)
分野を問わず幅広い業務で園を支えるため、状況に合わせて臨機応変に複数の仕事を進めるスキル(マルチタスク)があると、正確に漏れなく仕事を進められます。
さらに、次のような資格をお持ちの場合は、保育事務への就職や転職で一層有利になるでしょう。
保育事務に有利な3つの資格
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
WordやExcelなど、事務に欠かせないOfficeソフトのスキルを客観的に証明できる資格です。「パソコン操作をスムーズにこなせる即戦力」として、面接でも大きなアピールになります。 - 日商簿記
経理業務に必要な知識や、園の運営を支える費用計算・処理能力があることの証明になります。 - 保育士資格
事務職でありながら、保育の知識もあるため非常に重宝されます。保育補助と事務の兼任をお願いすることを想定している法人の場合、大きな武器と言えるでしょう。
保育園の事務ならではのやりがい
保育園の事務は、単なるデスクワークにとどまらず、園の運営を多角的に支えるためにアクティブに動く、非常にやりがいのあるお仕事です。
- 園の運営を支える「縁の下の力持ち」
少数精鋭の体制だからこそ、自分の仕事が園の運営に直結している実感を強く持てます。
- デスクワークに閉じこもらない、メリハリのある仕事
事務作業の合間に子どもたちと触れ合ったり、行事の準備を手伝ったりと、毎日新鮮な気持ちで働けます。
- 「ありがとう」を直接受け取れる嬉しさ
保育士さんや保護者の方から、日々のサポートに対して直接感謝の言葉をいただけるのは、この仕事ならではの喜びです。
保育事務として働く「3つのメリット」
保育園という特別な環境で事務職に就くことは、ご自身のキャリアにとっても大きなプラスになります。
- 未経験からでも「保育現場」に携われる
資格や専門経験がなくても、これまでの事務スキルを活かして憧れの保育業界にチャレンジできます。
- どこでも通用する「総合的な事務スキル」が身につく
経理業務を幅広く経験できるため、事務職としての市場価値が格段に高まります。
- ライフステージに合わせた「安定した働き方」が叶いやすい
近隣の園を選べば家事や育児とも両立しやすいため、長く安定して続けられる環境です。
保育事務の志望動機例
保育事務になりたい方向けに、志望動機例を3つ紹介します。
保育業界未経験・事務職未経験の場合
私は現在、商業施設で販売員として働いています。日々の業務では、複数のお客様対応や在庫管理などマルチタスクが求められますが、効率のいい進め方を工夫し、店舗の売り上げ増加にも貢献してきました。元々PC作業が好きで得意でもあるため、これからはPCスキルと接客で培ったコミュニケーション力を生かせる事務職への転職を希望しています。貴園のHPを拝見し、あたたかい雰囲気と子どもたちを第一に考える姿勢に大変魅力を感じました。私の経験を生かし、裏方として貴園の運営を笑顔でサポートしていきたいです。
保育業界未経験・事務職経験者の場合
私はこれまで、一般企業で経理事務に従事してまいりました。正確で迅速な処理を心がけ、部署をサポートすることにやりがいを感じていましたが、元々子どもが好きだったこともあり、「子どもたちの成長を支える仕事がしたい」という思いから転職を決意しました。そんな中、貴園の「子どもの歩みを尊重する」という保育理念に強く共感いたしました。これまでの経理事務の経験を生かして園の運営基盤を正確に支えつつ、子どもたちの笑顔あふれる環境づくりに貢献していきたいと考えております。
保育士から事務職に転職する場合
私は出産を機に退職するまで、保育士として5年間勤務しておりました。前職では保育業務に加え、おたよりの作成やSNSの更新といった事務作業にも力を入れて取り組んでいました。その中で、PCを使った事務作業が自分に向いていると気づき、これからは事務のスペシャリストとして保育現場を支えたいと考えるようになりました。今回、貴園が経理・広報を中心とした事務職を募集されていると知り、私の保育士としての現場目線と、事務作業の強みを最大限に生かせる環境だと思い応募いたしました。
【まとめ】保育園の事務は子ども好きでサポート上手な人におすすめ
保育園の事務は、保育園の運営に欠かせない幅広い事務仕事を担う、頼りになる存在です。1~2人くらいの少人数体制で、主に以下のような仕事を担当します。
特に「子どもが好き」「人のサポートをするのが得意・好き」という方には、前向きに仕事を検討できる、やりがいあるお仕事です。
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保育・療育の仕事へ転職を考えている方は、ぜひご活用いただき、自分にあった職場探しの第一歩を踏み出してみてください。