保育士は、小さな子どもたちの命を預かる責任ある職業です。
そのため、保育士を目指す方の中には、「大変そう…」「自分にできるか不安…」という方もいるでしょう。
また、保育士としてすでに働いている方の中にも、「保育士としてのやりがいを再確認したい」と思っている方もいるかもしれません。
たしかに保育士の仕事は、体力的にも精神的にも大変な仕事です。しかし、それ以上に、やりがいを感じられる魅力的な仕事といえるでしょう。
今回は、保育士のやりがいについて詳しくご紹介します。
実際に、現場で働く保育士さんのエピソードもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
保育士がやりがいを感じることは?
保育士は心身ともに大変な仕事ですが、その大変さを忘れさせるほど“やりがい”を実感できる仕事です。
ここでは具体的に、保育士がやりがいを感じることをご紹介します。
保育士のやりがい①【子どもの笑顔を見られたとき】
保育は大変な仕事ですが、子どもの笑顔を見ていると、幸せな気持ちになるという保育士さんは多いでしょう。
保育をしていると、子どもたちの笑顔にやりがいを感じられる瞬間がたくさんあります。
たとえば、入園当初は保護者と離れる際に泣いていた子も、徐々に笑顔で登園できるようになります。
他にも、子どもが苦手を克服した瞬間に、嬉しそうな笑顔を見せてくれると、「保育士になってよかった!」「大変だけどがんばろう!!」と思えるものです。
保育士のやりがい②【子どもの成長を感じられたとき】
子どもたちは日々成長しています。その成長を一番近くで実感できるのは保育士の特権といえるでしょう。
たとえば、以下のような場面でやりがいを実感できます。
- 苦手な食材を一口食べることができた
- お友だちに自分から「ごめんね」「ありがとう」が言えるようになった
- 昨日までつたい歩きだった子どもが自分で歩けるようになった
- 泣いて登園していた子が笑顔で登園できるようになった
- 練習では上手くいかなかったことがイベント当日にできるようになった
保育をしていると、子どもたちの“できた”に立ち会える瞬間がたくさんあります。
日々の成長を重ね、進級して、立派に卒園していく子どもたちを送り出す瞬間は、保育士として感慨深いものです。
保育士のやりがい③【行事が無事成功したとき】
保育園は、「入園・進級式」「誕生会」「夏祭り」「運動会」「発表会」など……さまざまなイベントや年中行事があります。
保育士は、日常の保育業務に加えて行事の計画や準備などをおこなうため、本当に大変です。
徐々に経験を重ねるごとに慣れていくものですが、初めは「自分のせいで失敗したらどうしよう」と不安になることもあるでしょう。
しかし、苦労して準備をしてきた分、行事が成功したときに感じられるのが大きな“達成感”です。
さらに、先輩保育士や同僚と「無事成功してよかったね!」と喜びを分かち合ったり、頑張りを褒められたりすることで、その達成感は、大きな自信とやりがいに変わります。
保育士のやりがい④【先輩保育士や園長に信頼してもらえたとき】
保育士として経験が浅いときは、誰でも失敗をするものです。
子どもたちへの対応に悩んだり、保護者対応で不安になったりすることもあるでしょう。
しかし、子どもたちの成長のように、失敗を重ねることで保育士も一つずつできることが増えていきます。
そんなときに、先輩保育士や園長に褒められたり、信頼されて大きな仕事を任されたりすることで、やりがいを感じられます。
また、日々の忙しさに追われて、なかなか自分の成長に気付けなくても、第三者から褒められることで自分がステップアップしていることを実感できるでしょう。
保育士のやりがい⑤【保護者に感謝の言葉をもらえたとき】
保育士は保護者と丁寧にコミュニケーションをとりながら、二人三脚で子どもの成長を見守っていきます。
保護者と信頼関係を築けるようになると、「いつもありがとう!」と感謝の言葉をもらえたり、育児の悩み相談をしてくれたりすることもあるでしょう。
保護者の中には、口数が少なかったり、我が子を預ける不安から思いもよらない要求をしたりする方もいます。
その場合は、良い関係性を築くまで時間がかかることもあるでしょう。
しかし、そんな保護者が心を開いてくれた時は、「保育士として信頼してもらえた」「ここまで頑張ってきてよかった!」とやりがいを実感できる瞬間です。
保育士のやりがい⑥【社会貢献できていると感じたとき】
少子高齢化問題、核家族や共働きの増加など、現代はさまざまな問題を抱えています。
そんな中で、未来を担う子どもたちの成長をサポートする保育士の仕事は、「社会貢献」にもつながっています。
働く保護者にとって、保育園で働く保育士はなくてはならない“大切な存在”なのです。
また、保育士は、保育のプロとして子育てに関するアドバイスや助言をできる立場でもあります。
働く保護者はもちろん、一時保育や地域との交流の中で、子育てに悩む方たちの手助けもできるため、社会貢献できているとやりがいを実感できるでしょう。
【役職別】保育士がやりがいを感じることは?
保育士のやりがいと一言でいっても、立場によってさまざまです。
ここからは、「役職別」に保育士のやりがいをご紹介していきます。
保育士のやりがい①【クラス担任】
クラス担任になると、一年間クラスの子どもたちを任されます。
ちなみに、幼稚園教諭は一人担任になる場合が多いですが、保育士は年長クラスを除いて、基本的には複数担任になります。
クラス担任は、一人ひとりの年齢や成長に合わせて保育をします。
安心・安全な環境で、子どもたちが楽しくさまざまな経験ができるように、保育計画を立てたり、環境を整えたりします。
クラスの保護者と面談をしたり、連絡帳で日々のできごとをやりとりしたりするのも大切な仕事です。
「クラスの子どもたちを任される」という責任の重さに、時にはプレッシャーを感じることもあるでしょう。
しかし、クラス担任をしていると、子どもたちの成長を近くで実感することができます。
「昨日できなかったことが今日はできた」とできることが少しずつ増えていき、一年経つと、「傍で見守ってきてよかった」とやりがいを感じられるでしょう。
仕事とはいえ、一年間クラス担任を全うすることはとても大変なことです。
だからこそ、「一年間担任をやりきった」という結果が、自分にとって大きな自信につながります。
保育士のやりがい②【主任】
保育園の園長をサポートする「主任保育士」は、中間管理職の立場になります。
主任保育士になると、クラス担任は持たず、フリーという立場で現場をまとめていきます。
現場のリーダー役として、保育士を指導することもあれば、シフトやマニュアルを作成することもあるでしょう。
また、時には園長に代わって、保護者や地域の方からのクレームやトラブル対応をすることもあります。
主任保育士になると、子どもと直接関わる時間が少なくなるため、子どもと関わりたい方にとっては残念に感じるかもしれません。
しかし、子どもたちが安心・安全に過ごせるよう環境を整えたり、保育士が働きやすい職場を作ったりと、運営側にまわって保育園をサポートできることにやりがいを感じられます。
加えて、主任保育士になると給与がアップするのもメリットです。
「これだけもらえる」という明確な額は決まっていないものの、相場的には3~5万円程度、役職手当としてもらえる場合が多いでしょう。
役職がアップすると責任は重くなりますが、その分、給与にも反映されるのでやりがいにつながるでしょう。
保育士のやりがい③【保育園園長】
保育園の最高責任者である『園長』を目指している保育士さんもいるかもしれません。
保育園の園長は保育園の運営・経営をする立場なので、経費や補助金の管理をはじめ、人事や設備管理など、仕事内容は多岐にわたります。
園長の考え方や選択が、保育園の運営や経営に大きく影響するため、大きな責任がのしかかる立場です。
また、保育士同士の人間関係が悪い場合は、園長が介入して解決のために動くこともあるでしょう。
主任と連携しながら、保育士の育成や新人教育をおこなうのも大切な仕事です。
ここまで聞くと、園長の大変な部分ばかりが強調されてしまいますが、保育園の責任者ということは、“自分の理想の保育園を作れる”という大きな魅力があります。
「子どもがのびのびと過ごす保育園を作りたい」「食育や音楽にも力を入れたい」など、自分がやってみたいこと、大切にしたいことを形にすることができます。
そのため、自分の目標や理想がある方には、やりがいがある役職といえるでしょう。
さらに、「収入が増える」という面でもやりがいを実感できます。
保育士はほかの業種と比べると、給与が低い傾向にあるため、やりがいを感じられず辞めてしまう方もいるかもしれません。
しかし、園長になれば安定した収入を得られるため、収入アップのためにキャリアを積んで園長を目指すのも一つでしょう。
保育士の魅力や楽しさ、喜び、保育士になって良かったことは?
ここからは、実際に保育士として働かれている方のエピソードをご紹介します。
「保育士の魅力」や「楽しさ」、「喜び」をテーマにエピソードをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
保育士魅力や楽しさ、良かったこと①【子どもと想いが通じ合ったこと】
【子どもと想いが通じ合ったこと】
練習ではなかなか成功しなかった組体操。
たくさん練習はしてきたものの、私自身は当日成功しなかったら「どうしよう」と不安でいっぱいでした。
しかし、運動会当日!あんなに上手くいかなかった組体操が大成功しました。
子どもたちも私も泣きながら大喜びでした。
不安もありましたが、子どもたちも私も最後まで諦めなかったからこそ、結果に結びついたのだと思います。
保育士になって本当に良かったと思えた瞬間でした。
保育士魅力や楽しさ、良かったこと②【子どもたちと一緒に成長できたこと】
【子どもたちと一緒に成長できたこと】
新卒でクラス担任を任されました。
年度始めは、子どもたちも慣れない環境に泣いてばかりの日々。
私自身も経験が浅いこともあり、何から何まで分からないことばかりで不安の毎日でした。
先輩保育士にいろいろ教えてもらううちに、徐々に仕事も覚え、余裕も生まれるようになりました。
余裕が生まれるようになってからは、子どもたちに寄り添う保育を実践できるようになり、子どもたちも笑顔で園生活を過ごせるようになりました。
初めての担任をもって一年が過ぎたとき、子どもたちの成長を実感して、私もここまで頑張ってきてよかったと思うことができました。
子どもたちと一緒に成長できた喜びで胸がいっぱいになりました。
保育士魅力や楽しさ、良かったこと③【保護者からの嬉しい言葉に感無量!】
【保護者からの嬉しい言葉に感無量!】
担任になってすぐの時は、自分よりも年上の保護者と良い関係性を築けるか不安でいっぱいでした。
保護者とコミュニケーションを取る中で、ポジティブなことを伝えるときは戸惑うことはありませんでした。
しかし、時には、保護者の方に協力を求めたり、気になる発達について話したりなど、どうやって伝えるべきかと悩むこともありました。
そこで、とにかく寄り添いながら、丁寧にコミュニケーションをとることを意識したところ、保護者の方に「先生が一緒に子どものことを考えてくれるから安心できます」と嬉しい言葉をいただきました。
保育や子育てには正解はないからこそ、保護者の方に感謝の気持ちを伝えられると、「ここまでやってきたことは間違いじゃなかったんだ」と実感できます。
保育士になって苦労したこと、大変なことは?
ここからは、保育士になって苦労したこと、大変なことをテーマに、実際に保育士として働かれている方のエピソードをご紹介します。
保育士になって苦労したこと、大変なこと①【責任の重さを実感】
【責任の重さを実感】
乳児クラスの担任になって苦労したことは、子どもたちが安全に過ごせるように注意したことです。
子どもは大人と比べて体が弱いため、ちょっとした保育士の不注意が大きな事故につながることもあります。
どんなに気をつけていても、転倒したり、扉に手を挟めてしまったりと子どもたちの怪我を防げないこともありました。
保育士は一対一で子どもを見ているわけではないので、担任同士で連携し合って、一つひとつに気を配らなければならない状況に、「つらい」「大変」と感じることは多々ありました。
そのような経験を通じて、子どもたちの命を預かる保育士は、非常に責任の重い職業であると実感しました。
保育士になって苦労したこと、大変なこと②【体力が必要になる】
【体力が必要になる】
子どもを抱っこしたり、元気な子どもたちと走り回ったりと、保育士は体力勝負の仕事であることを実感しました。
また、保育士になったばかりの時は、胃腸炎などの感染症にかかったり、腰や肩を痛めたりと体調を崩すことも多々ありました。
何度も体力的にしんどいと感じることがあり、そのたびに、「自分には保育士という仕事が合わないのかもしれない……」と挫けそうになることも。
日々の忙しさの中でも、元気に子どもたちと関わるためには、“体力づくり”と“体調管理が大切”であると実感しました。
保育士になって苦労したこと、大変なこと②【仕事量が多い】
【仕事量が多い】
保育士になって、一番大変だったことは仕事量が多いことです。
保育士は子どもたちと関わるだけでなく、指導計画や壁面制作、係の仕事などとにかくやることがたくさんあります。
勤務中に業務が終わらなかった場合は、持ち帰って仕事をすることもありました。
また、行事やイベントが多い時期は、普段の業務をしながらイベントの企画や準備も進めなくてはならないので、心身ともにしんどいと感じることも……。
一人で抱え込まず、先輩保育士や同僚に相談できるようになってからは、持ち帰り業務は減りましたが、慣れるまでは業務をこなすことが本当に大変でした。
保育士になってやりがいを感じられなくなったら?
保育士は、やりがいを感じられる素敵な職業ですが、それ以上に「つらい」という気持ちが強くなった場合、やりがいを感じられないときもあるかもしれません。
その場合は、以下の方法を試してみましょう。
保育士になってやりがいを感じられなくなったら①【先輩や同僚に相談する】
一人で抱え込んでしまうと、視野が狭くなり、物事に対する考え方もネガティブになりがちです。
やりがいを感じられなくなった場合は、「信頼できる同僚や先輩保育士に相談してみる」のがよいかもしれません。
同僚や先輩保育士も同じような経験をしている場合があり、相談することで的確なアドバイスをもらえることもあるでしょう。
また、話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなったり、もやもやがスッキリしたりすることもあります。
保育士になってやりがいを感じられなくなったら②【転職を考えるのも一つ】
保育士としてやりがいを感じられなくなると、「自分には保育士が合っていないのではないか?」と考える方もいるでしょう。
しかし、保育士が合っていないのではなく、職場の雰囲気や環境が合っていない可能性もあります。
そのため、他の保育園へ転職を考えるのも選択肢の一つでしょう。
一人で転職活動をするのが不安な場合は、保育士の転職に詳しい『転職エージェント』を利用するのもおすすめです。
自分の希望や悩みに合わせて、ピッタリな職場を提案してもらえます。
ちなみに、保育士人材バンクでは「転職するか迷っている」「相談だけでも聞いてもらいたい」という方でも気軽にご相談いただけます。
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保育士のやりがいのまとめ
保育士は、大きな責任がともなう大変な仕事です。
大切な命を預かるので、責任の重さに「つらい」「辞めたい」と感じることもあるかもしれません。
しかし、それ以上に、子どもたちの成長を隣で見守ることができたり、保護者に感謝されたり、やりがいを感じられる魅力的な仕事でもあります。
そのため、保育士になりたての頃は悩むこともあるかもしれませんが、それを乗り越えた先に大きな達成感とやりがいが待っていることを忘れないでください。
もし、「保育士としてやりがいを感じられない」「今の職場の人間関係が合わない」と悩んでいる方は、転職するのも一つです。
保育士資格を活かして働ける職場はたくさんあります。
自分に合った職場でやりがいを感じながら楽しく働きませんか?
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