保育から他業種への転職では「保育経験はどんな仕事に活かせるの?」「転職活動でのコツは?」といった悩みがちです。
今回は元保育士のおすすめ転職先10選、履歴書や職務経歴書の書き方、自己PRのコツなど、転職を考える際に役立つ情報をお届けします。
目次
【10ヵ所厳選】元保育士の転職先
元保育士で一度業界を離れた方や、子育て経験を持つ元保育士におすすめの職種を紹介します。保育士として培ったスキルを活かせる職場や、働きやすい環境が整っている職種を選びました。その経験やスキルがどのように役立つか、具体的に見ていきましょう。
保育園
やはり最初におすすめするのは、保育園。保育士として子どもに関わっていた経験を活かせる職場と言えるでしょう。保育園と一口にいっても、0歳~2歳の子どもが対象で定員19名以下の「小規模保育」や病院内で子どもを預かる「院内保育」、定員が20名以上で、0歳~就学前の子どもを預かり、自治体に認可された「認可保育園」など、施設の形態は本当にさまざまです。自分にあった施設形態を探してみるのも良いかもしれません。
児童発達支援
児童発達支援は、未就学で障がいがある子どもが通う施設です。保育園で働いていた経験がある場合は、子どもの年齢層が同じであるため、経験が活かしやすいといえるでしょう。また、定員数は10名前後が多く、子ども一人ひとりとじっくり関わることができます。成長を身近に感じながら働ける環境です。
詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
>【2024年】児童発達支援とは?わかりやすく解説。保育士の転職先としてもご紹介
学童保育
学童保育は、小学生の放課後や長期休暇中に子どもたちを安全に預かり、遊びや学習をサポートする仕事です。学童保育では、子どもが安全に過ごし、自主的に学習や遊びを行えるよう指導員がサポートを行っています。
多くの子どもたちに意識を向け、楽しく過ごせるよう関わっていくスキルが必要になるため、保育士としての経験がとても役立つでしょう。また、保護者が安心して預けられるよう、家庭との密なコミュニケーションや連携も大切です。
>学童保育とは?必要な資格や保育園との違いは?働く場合のメリット・デメリットを簡単にわかりやすくご紹介!
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、主に小学生から高校生の障がいのある児童が通う施設です。学童と同じく、学校の放課後や夏休みなどの長期休暇中に利用をします。子どもや保護者の支援を通して、やりがいを感じることができるでしょう。保育園で働いていた事がある方は、子ども(児童)に寄り添う姿勢や、保護者との関わり方など、経験を活かすことができます。また、保育士資格を活かして働くこともでき、施設数も年々増えてきていることから、資格を活かしたい方におすすめです。
>放課後等デイサービスで働く保育士の役割は?必要な理由や仕事内容をご紹介!
養護施設(児童指導員)
養護施設では、児童指導員が何らかの事情があり家庭で生活できない子どもたちの生活全般を支援しています。具体的には、食事や睡眠、学習支援、感情面のケアを行い、子どもたちが安心して生活できる環境を整えるのが仕事です。
子どもが数年以上と長く在籍することも多く、児童指導員は子どもたちの成長に深く関わっていきます。近年では、障がいを持つ子どもや虐待を受けた過去を持つ子どもも増えているため、個々の子どもに合わせた対応が求められています。
>児童指導員とは?どんな仕事?任用資格の取得方法や要件、平均年収、仕事内容、保育士との違いを詳しく解説!
ベビーシッター
ベビーシッターは、家庭で子どもを個別にケアする仕事です。赤ちゃんが保護者と離れても安心して過ごせて、安全性も保たれている必要があります。遊びのほかに食事やおむつ交換など、乳幼児に対する細やかなケアが重要です。
基本的には、利用者の自宅で子どもを預かるため、家具や使うおもちゃも毎回異なるなかで保育を行います。子ども一人ひとりの様子に合わせた関わりはもちろん、場所や状況に合わせられる臨機応変さも欠かせない職業です。
こども家庭ソーシャルワーカー
こども家庭ソーシャルワーカーとは、令和4年児童福祉法改正に基づいて、2024年(令和6)4月に創設された認定資格です。保育や社会福祉の分野で一定の資格を持つ方が研修を受けることができ、児童相談所やこども家庭センターなど、子どもや家庭に関連する施設が主な職場となります。
虐待や障がい、孤立化など、親子の抱えるさまざまな悩みや問題に対し、支援機関や適切なサービスへと繋げていく仕事です。資格取得までの道のりは決して低くはありませんが、新設されたばかりの資格なため、将来性もあります。保育経験を持つ方の場合、子どもの成長に関する知識や親子関係を見守ってきた経験が、相談に応じる際に役立つでしょう。
保育園・幼稚園の事務職
保育園や幼稚園で働く事務職は、経理や書類管理のほかに、電話対応、保護者対応、職員のサポート業務なども行っています。子どもや保護者への関わり方に慣れ、保育園の行事やイベントなども熟知している元保育士が事務員になると、現場をより効率的にサポートすることができるでしょう。
保育士を辞めても、保育には携わっていたいという方の選択肢のひとつとしておすすめです。
保育園を運営している会社の本社勤務
複数の保育園を運営している会社だと、いわゆる本社勤務という選択肢もあります。例えば、保育士を採用する部署や、各園のサポートをするスーパーバイザー・マネージャー職があります。保育士の経験を活かして現場で働く保育士さんのために働く選択肢もあります。
習い事、幼児教室のスタッフ
保育士経験は、幼児教室や習い事のスタッフとしても役立てることができます。子どもの習い事はリトミックや体操、サッカー、水泳など体を動かすものから、英語やプログラミングのように学習要素のあるものまでさまざまです。ご自身の強みとなる分野があれば、そのスキルをぜひ発揮してみましょう。
見せて伝える、できたときはしっかり褒める、といった「子どもの興味を引き出し楽しく学ばせる工夫」が、習い事や幼児教室でも活かせます。
元保育士が転職する時のポイント
元保育士が転職する時は、これまでの保育経験が転職先でどう活かせるのかを具体的にアピールすることが大切です。転職活動に欠かせない「履歴書」「職務経歴書」「自己PR」は混同されやすいため、まずはそれぞれの役割をしっかりおさえましょう。
<履歴書>
基本的な個人情報(氏名、住所、連絡先など)に加え、学歴や職歴、資格などを時系列で記載する書類。書類選考の第一段階として、応募者の経歴を簡潔に伝えるために用いる。
<職務経歴書>
これまでの具体的な仕事の内容や実績を詳細に記載する書類。履歴書が基本的な経歴を示すのに対して、職務経歴書は応募先に「どう貢献できるか」を具体的にアピールできるのが特徴。
<自己PR>
自己PRは、履歴書や職務経歴書に記載する、自分の強みや特徴をアピールするための文章。自己PRでは、自分の性格や人柄、働く上での姿勢を具体的に表現し、他の応募者との差別化をするために用いる。
それぞれの具体的な書き方について解説していきます。
履歴書の書き方
履歴書には、これまでの経歴や資格取得、志望動機などを簡潔に記載します。
- 職歴の書き方
勤務歴に「保育士」とだけ書くのではなく、担当クラスや人数、具体的な業務内容(例:行事運営、保護者対応、クラス管理など)を具体的に記載することで、他業種の担当者にも理解してもらいやすくなります。
- 志望動機の書き方
どうしてその業界に興味を持ったのか、具体的に記載します。また、保育士経験のなかで転職先に活かせるポイントはしっかりアピールすると良いでしょう。
職務経歴書の書き方
職務経歴書には、これまでの仕事内容や成し遂げたことを詳細に記し、転職先でどう活かすのか具体的なイメージが持てるように伝えます。
- 経歴の書き方
経歴は詳細に記し、先方にどんな人材か伝わりやすくしましょう。特に、保育業界以外の方には、ただ「リーダーシップがある」とアピールするよりも、「〇歳児クラスの主任としてチームをまとめ、〇人のスタッフと協力してきました」と伝えるほうがイメージしてもらいやすいです。
自己PRの書き方
自己PRでは、自分の性格や人柄、働くうえでの姿勢を具体的に伝え応募先の企業にマッチしていることをアピールします。他業種と比べた保育士ならではの強みを積極的に挙げ、転職後に貢献できることを伝えましょう。
アピールポイント例
- 共感力とコミュニケーションスキル
- 対応の臨機応変さ
- ストレス管理能力
- チームワーク力
- 体調管理能力
上記に挙げたポイントを参考に、自分らしい具体的なエピソードを合わせてみましょう。イメージしやすく、かつオリジナリティある自己PRができます。
保育士に戻った理由
保育業界を離れたあとに、子どもとのふれあいを恋しく思い、保育士に復帰している方も実はたくさんいます。保育士として再び働きだす理由には、どのような事情が挙げられるのでしょうか。
やっぱり子どもが大好き
保育現場を離れてみて初めて「やっぱり子どもが大好き!」という思いに気付くこともあります。子どもの小さな成長を一緒によろこび、気持ちを通じ合わせていく嬉しさは、ほかの職業ではなかなか味わえないやりがいです。
他業種に就いたことがきっかけに、ふと保育士としての想いを思い出し、復職したいと考える方もたくさんいるようです。
処遇が改善されてきている
保育士は給料が低いイメージを持たれがちですが、実は待遇改善で保育士の給料は上がっています。以前は「やりがいがあっても収入が少なくて辛い……」と保育から離れてしまった方も、収入アップやキャリアアップの可能性が広がってきました。
生活や環境が変化した
保育士を辞める、よくある理由のひとつに「結婚」「出産」などが挙げられますが、子育てがひと段落した後に保育士に戻るケースもめずらしくありません。子どもへの対応や、保護者からの相談に自分の子育て経験を活かせるようになり、保育士としてのスキルアップを感じられるでしょう。
また、転勤や介護など家族の事情で離職した方も、環境が変わったことで保育士に戻れる場合があります。保育士資格を取得すれば、何歳になっても全国の保育現場で活かすことができます。ブランクが不安な方は、週数回のパートや時短勤務などからじっくり職場復帰を進めるのもおすすめです。
元保育士の転職まとめ
保育士として身に付けた知識やスキルは、保育業界以外の多くの職場で活かすことができます。元保育士が転職を考える際には、経験から得たことや自分の強みを履歴書、職務経歴書、自己PRなどでしっかりとアピールしましょう。再び保育士に戻る場合も、自分の生活や環境に合った職場を見つけることが大切です。ぜひ今回の記事を参考に、やりがいを得られる新しいキャリアへの転職を成功させてくださいね。
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