「保育士」と「幼稚園教諭」は、どちらも子どもたちの成長を支える大切な仕事ですが、役割や仕事場所には違いがあります。

これから目指す方や両方の資格を持っている方にとって、この2つの職業の違いを理解することは、自分に合った働き方を見つけるための第一歩です。

この記事では、保育士と幼稚園教諭の仕事内容や資格、働ける場所、さらに給料についても詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください!

保育士と幼稚園教諭の違いは?

保育士と幼稚園教諭は、子どもたちの成長を支える重要な職業ですが、管轄や必要な資格、勤務条件などに違いがあります。

▼保育士と幼稚園教諭の違い

保育士幼稚園教諭
必要な資格 保育士資格幼稚園教諭免許
管轄厚生労働省文部科学省
対象年齢0歳児~小学校就学前満3歳~小学校就学前
勤務時間原則1日8時間勤務・7時~20時の中でシフト制(早番・中番・遅番)原則1日8時間勤務・幼稚園の開園時間は8時~14時

上記の表で紹介しているとおり、保育士は、おもに0歳児から小学校就学前までの子どもを対象に、保育園などで日常生活を支援する役割を担います。

一方、幼稚園教諭は、満3歳から就学前の子どもを対象に、幼稚園で教育をおこなう専門職です。

また、勤務時間についても、保育士は早朝や夕方のシフトがあるため、柔軟な働き方が求められる一方で、幼稚園教諭はおもに日中の勤務が中心です。

保育士と幼稚園教諭、働ける場所の違いは?

保育士と幼稚園教諭では、働ける施設や役割にも違いがあります。各施設ごとの特徴や資格について、下記の表でさらに詳しくご紹介します。

▼各施設ごとの特徴と資格について

施設・職場      保育士資格     幼稚園教諭免許施設の役割
保育園保護者が仕事や育児が難しい時間帯に、0歳児から小学校就学前の子どもを預かり、基本的な生活習慣や社会性を育む。
幼稚園満3歳から小学校就学前の子どもに対し、教育要素の強い活動を行い、集団生活や学びの基礎を養う。
認定こども園〇(原則必要。施設の種類や制度によっては不要な場合もある)保育園と幼稚園の機能を併せ持ち、保護者のニーズに応じて保育・教育のどちらにも対応できる施設。
小規模保育事業6人~9人の少人数制で、家庭的な環境を重視し、0~2歳児を対象にきめ細やかな保育を行う。
放課後等デイサービス障がいを持つ子どもに対して、学びや遊びを通じて社会性を育て、日常生活のスキルを向上させる支援を行う。
学童保育〇(優遇される場合もある)〇(優遇される場合もある)小学生を対象に、放課後や長期休暇中に安心して過ごせる場を提供し、宿題や遊びを通じて自主性や社会性を育む。
児童館地域の子どもたちに自由な遊びや学びの場を提供し、イベントや体験活動を通じて交流や成長を促進する。
病院内保育病院内で働く職員の子どもを預かり、安心して働ける環境を提供しつつ、子どもの日常生活をサポートする。
企業内保育企業が従業員の子どもを預かるために設置した施設で、仕事と育児を両立しやすい環境を整える。

各施設は、保護者の支援や子どもの成長をサポートするための役割を担っています。

保育園はおもに働く保護者を支え、幼稚園は教育的な基礎を築く場として機能します。

認定こども園や小規模保育事業などは、それぞれのニーズに応じて柔軟に対応できるため、多様な働き方を選べるのが特徴です。

なお、施設によっては資格がなくても働ける場合もあります。

施設ごとの特徴を理解し、自分に合う職場を選びましょう!

参考:子ども家庭庁「認定こども園概要

保育教諭としても働ける

保育教諭とは、保育士と幼稚園教諭の役割を兼ね備えた職業のことで、主に幼保連携型認定こども園で働くことができます。

幼保連携型認定こども園は、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ施設で、保育と教育を一体的におこなうため、子どもたちの成長を総合的にサポートできるのが魅力です。

保育教諭として働くためには、通常、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方が必要となります。

しかし、一定の条件を満たせば、経過措置としてどちらか一方の資格だけでも保育教諭として勤務することが認められています。

この経過措置は、資格取得を目指している方や、キャリアチェンジを考えている方にとって大きなチャンスとなるでしょう!

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各資格取得の免除制度

各資格取得の免除制度

保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を取得するためには、それぞれの資格の要件を満たす必要があります。

しかし、すでにどちらか一方の資格を持っている場合、免除制度を利用することで効率的に資格取得を進めることができます。以下で詳しくご紹介します。

保育士資格を持っている方が幼稚園教諭免許を取得する場合

すでに保育士資格を持つ方が、幼稚園教諭免許を取得する際には、文部科学省が定める特例制度を利用できます。

必要な科目を効率よく履修しながら資格取得を目指すことが可能です。

【対象者】

  • 保育士資格を持ち、幼稚園教諭免許取得に必要な科目を履修していない方
  • 一定の実務経験を有する場合に適用されるケースもある

【特例内容】

  • 大学や短期大学などで指定された特例科目(最大8単位程度)を履修することで、必要な単位数を減らすことができる
  • 履修後に教員免許状の申請をおこない、幼稚園教諭免許を取得できる

【注意事項】

  • 実務経験年数や施設の種類によって、免除される単位が異なる場合もある

幼稚園教諭免許を持っている方が保育士資格を取得する場合

幼稚園教諭免許を持つ方が保育士資格を取得するためには、子ども家庭庁の特例制度が利用できます。

【対象者】

  • 幼稚園教諭免許を有し、以下のいずれかの実務経験がある方

 ⇒幼稚園などで「3年以上かつ4,320時間以上」の実務経験(3年特例)

 ⇒幼保連携型認定こども園で「2年以上かつ2,880時間以上」の勤務経験2年特例)

【特例内容】

  • 指定された保育士養成校で特例教科目(最大8単位)を履修する
  • 特例教科目を修了後、保育士試験を受験して修得単位に応じて試験科目が免除される

【注意事項】

  • 実務経験の年数と時間が不足している場合は特例制度を利用できないため、事前に勤務実績を確認するのが必要である

上記の免除制度を活用することで、今持っている資格を活かしながら新しい資格取得を効率よく進めることが可能です。

保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を取得することで、働ける場所や業務の幅が広がり、キャリアアップにもつながります。

なお、特例制度は法改正や行政方針の変更により突然終了する可能性もあるため、制度の利用を検討している方は、早めに手続きを進めるのがおすすめです。

文部科学省や子ども家庭庁のホームページで最新情報を確認して、計画的に必要な履修や申請を進めましょう。

参考:

子ども家庭庁 「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例

文部科学省 「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例

保育士資格や幼稚園教諭免許が活かせる仕事の見つけ方

保育士資格や幼稚園教諭免許が活かせる仕事の見つけ方

さいごに、保育士資格や幼稚園教諭免許を活かせる仕事の見つけ方を5つご紹介します。 それぞれのメリットを理解して、効率的に理想の職場を見つけましょう!

求人サイトを利用する

求人サイトは、エリアや希望条件を絞り込むことで、効率よく仕事を探すことができます。

とくに、保育士や幼稚園教諭に特化した求人サイトでは、給与や勤務時間、福利厚生などの詳細情報が充実しており、働きたい職場のイメージを具体的につかむことができます。

簡単なオンライン応募機能を備えている場合も多く、忙しい方でも空いた時間を使ってスムーズに就職・転職活動を進められるのがメリットです。

さらに、施設の写真やスタッフの口コミが掲載されている場合もあり、職場の雰囲気を事前に確認できるのも魅力といえます。

保育専門の転職エージェントを活用する

転職エージェントは、キャリア相談から求人紹介、応募書類の添削、面接対策まで一貫してサポートしてくれる心強いサービスです。

とくに、保育士や幼稚園教諭に特化したエージェントは、業界の情報に詳しく、悩みや希望を踏まえて、自分に合った職場を提案してくれるのが魅力です。

また、一般には公開されていない非公開求人を紹介してくれる場合も。

非公開求人は、希少かつ重要なポジションを募集していたり、好待遇の求人が多い傾向にあります。

就職・転職が初めての方や、今の働き方に悩んでいる方、効率よく自分に合う職場を探したい方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

ハローワークを利用する

厚生労働省が運営する、公共の就職支援機関、『ハローワーク』を利用するのも1つです。

ハローワークは、無料でサービスを受けられるだけでなく、地域に根ざした求人情報を豊富にとり扱っています。

とくに地元で就職を目指している方は、ハローワークが提供する求人情報は非常に役立ちます。

さらに、求人の紹介だけでなく、応募書類の添削などのサポートも受けられます。

ハローワークは全国に拠点があるため、アクセスしやすいのもメリットです。

自分で施設に直接問い合わせる

気になる保育園や幼稚園があれば、直接問い合わせてみるのも有効な手段です。

園の特徴や具体的な仕事内容について、直接質問できるため、自分が希望する働き方に合っているかを事前に確認することができます。

たとえば、職場の雰囲気や保育方針、1日のスケジュールなど、現場のリアルな情報を直接聞けることは大きなメリットです。

直接問い合わせる際には、電話やメールのマナーを確認し、良い印象を与えられるように誠実な対応を心がけましょう!

保育士と幼稚園教諭のお仕事まとめ

保育士と幼稚園教諭のお仕事まとめ

保育士と幼稚園教諭は、それぞれ子どもの成長を支える大切な役割を担っています。

保育士はおもに保育園で0歳から就学前までの子どもをサポートし、幼稚園教諭は幼稚園で満3歳から就学前の子どもに教育を提供します。

働ける場所や必要な資格、給料には違いがありますが、どちらも子どもたちの未来を支えるやりがいのある仕事です。

さらに、保育士と幼稚園教諭の両方のスキルを活かして働ける、『保育教諭』として幼保連携型認定こども園で活躍する道も広がっています。

免除制度を活用すれば、保育士資格や幼稚園教諭免許を効率的に取得することが可能です。

あなたの想いを実現するために、自分にピッタリのキャリアを見つけましょう!

また、保育士や幼稚園教諭を活かしながら転職・就職を考えている方は、ぜひ保育士人材爆まだお気軽にご相談ください!

保育士人材バンクでは、専門のアドバイザーがあなたのキャリアプランをお伺いしながら、自分に合った職場や働き方を見つけるお手伝いをします。

転職や働き方の見直しを考えている方も、今すぐ転職を考えていない方も、まずは気軽にご相談ください。

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