保育士の平均賃金は、月額約27万で手取りは約21万円です。国は人材不足解消のため、賃金引き上げなどを行っていて、処遇改善は一昔前と比べると大分実施されている状況です。
そこで今回は、保育士の賃金について徹底解説します。
「保育士の賃金ってどうなっているの?」「賃金を上げる方法はないの?」と思う方は是非、ご一読ください。
保育士の平均賃金
保育士の平均賃金は、月額27万300円です。
額面給与から各税金を引いて毎月の手取りを概算すると、約21万円~22万円となります。また、ボーナスなどの平均額は、年間74万1,700です。
以下は、平均賃金額(月額)と手取りを年齢別に比較した表です。
平均賃金(月額) | 手取り(月額) | |
20代 | 23万9,950円 | 約19万円 |
30代 | 27万2,750円 | 約21万円 |
40代 | 28万1,500円 | 約22万円 |
50代 | 29万5,050円 | 約23万円 |
60代 | 27万8,850円 | 約22万円 |
出典:e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査」
保育士の賃金引き上げはいつ?
保育士の賃金10.7%の引き上げは、2024年11月の記者会見で発表した後、実施されすでに始まっています。
ただし、勤務している施設によって、支給の方法や状況は異なります。
2024年度から支給が始まっている保育士がいる一方、2025年4月から支給が始まった方や、ボーナスでまとめて支給される方など、施設や保育士によってバラつきがあるでしょう。
保育士の賃上げの注意点
保育士の賃上げがすでに始まっているのに、「自分はまだ支給されていない」「手当は付いているが、10%も上がっていない」という方もいるかもしれません。
実は、全ての保育士がそれまでの給与額の10.7%を一律受け取れるわけではありません。
10.7%というのはあくまでも、保育園などの施設に対する人件費として支給がされている状況です。
支給の有無や金額は、以下のような内容によって、変わります。
・勤務園や、そのエリア ・園の方針 ・保育士の世代(勤続年数) |
前述した通り、賃上げ分の給与の支給やその割合は、勤務園によって異なります。


保育士の賃金改善が行われる理由
保育士の賃金改善が行われている最大の理由は、保育士の人材不足を解消するためです。
保育士不足は、長らく深刻な社会問題の1つとして注目されています。
子ども家庭庁の資料によると、保育士の有効求人倍率は、2025年1月時点で3.78です。これは、保育士1に対して、約4件の求人があることを意味します。
全職種の有効求人倍率1.34と比べると、保育士の求人倍率が高いことがわかります。
そこで国は保育士の人員改善対策の一つとして、保育士の賃金改善に取り組んでいます。
出典:子ども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」
保育士が賃金アップする方法

国による、保育士の賃金改善のための対策が進んでも、まだ目指している水準に届いていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでここからは、保育士が賃金アップするための方法を、紹介していきます。
・保育士の給料の相場を知る ・今の職場で使える制度を活用する ・キャリアアップを目指す ・待遇のいい職場に転職する |
ここからは、それぞれの方法について、1つずつみていきましょう。
保育士の給料の相場を知る
まずは、保育士の給料の相場を知ることが大切です。
「もしかして私の給料って、安いかも?」と思っても、働いているエリアの相場であれば、決して「安い」とは言い切れません。
まずは、今の職場のエリアの、保育士の給料の相場を調べてみましょう。
その上で、やっぱり相場を下回っていたなら、今働いているエリアを出なくても、以下のように、賃金アップのためにできることがあるはずです。
・今の職場で使える制度を活用する ・キャリアアップを目指す ・待遇のいい職場に転職する |
反対に、今の給料がエリアの中で相場通りの場合、理想にかなう賃金アップを目指すには、今働いているエリアを出ることや、キャリアチェンジを考えるしかないかもしれません。
今の職場で使える制度を活用する
今の給料が、働いているエリアにおける相場以下だった場合、次にできるのは、今の職場で使える制度を活用することです。
例えば、住む場所についていえば、以下のような制度が使える場合があります。
・保育士借り上げ社宅制度 ・法人独自の住宅手当制度 ・法人が持っている寮への入居 |
職場の持つ寮や社宅に住む、あるいは借り上げ社宅に住むことで、家賃の全てや一部を補助してもらえる制度があります。
勤め先の法人によっては、住宅手当を出しているところもあるでしょう。
また、「処遇改善等加算」の対象となる研修に参加すると、賃金加算が受けられます。勤務園によっては、資格を取ると手当が得られる場合もあり、給料アップにつながるでしょう。
キャリアアップを目指す
今、保育士として働いている職場に勤め続けたいならキャリアアップを目指すことをおすすめします。
保育士の場合、職務分野別リーダーや専門リーダー→副主任→主任→園長(施設長)という順にキャリアパスを築いていき、昇進するごとに給与がアップします。
保育士のスキルを上げるには、以下のような方法があります。
・本を読んで自主勉強する ・研修やセミナーに参加する ・資格を取得する |
保育の方法や技術について知識を増やしたり、専門性を高めたりすることで、昇給や昇進のチャンスを得られる可能性を上げられるでしょう。
待遇のいい職場に転職する
スキルを磨いてキャリアアップを目指しても、満足のいく待遇にならない見込みの場合、現在の勤務先よりも待遇のいい職場への転職を検討してみましょう。
また、昇給されていても、金額が少なければ総額はあまり変わりません。元々の待遇があまり良くない場合、どれだけ長く勤めても望むだけの収入を得るのは難しいでしょう。
このような事情がある場合、今の勤務園に勤め続けるよりも他の職場に移った方が、賃金アップを望めるかもしれません。
日ごろから保育の知識やスキルの習得に励み、自己研鑽を続ける努力をすることで、ほかの保育園からも「求められる人材」となれるでしょう。
また、転職活動には保育士を専門とした転職エージェント「保育士人材バンク」の活用をおすすめします。保育士としての経験を生かした、効率的な転職活動ができますよ。
保育士の賃金まとめ
保育士の平均賃金は、月額27万300円で、手取りを概算すると、約21万円となります。
保育士不足を解消するため、国はさまざまな方策を取っており、2024年には「保育士の賃金10.7%の引き上げ」も始まっています。
もし、賃金の低さに悩みを抱えており賃金アップを目指すなら、以下のような方法があります。
・保育士の給料の相場を知る ・今の職場で使える制度を活用する ・キャリアアップを目指す ・待遇のいい職場に転職する |
もし、保育士としての転職を考えているならば、「保育士人材バンク」をご活用ください。豊富な求人数で、効率的な転職活動を実現します。