「職場の意向調査にどう答えたらよいか?」
今後仕事を続けるべきか悩んでいるため意向調査の時期や答え方を知りたい保育士の方もいるかと思います。
この記事では、保育士の意向調査の時期や書面での書き方、対面で退職希望を伝えるときのよい伝え方をご紹介します。
目次
この記事でわかること【保育士の意向調査】
「意向調査を出さなければならないけど、退職の希望をどう伝えればいいのだろう……」
「保育園で意向調査が行われる時期を知りたい」
そのような保育士さんもいるかと思います。
意向調査とは、「来年度も働き続ける意思があるかどうか?」職場側が職員に対して行う調査です。
意向調査をもとに、次の年度までに不足する人材を補充する目的があります。
このような目的で行われるため、一般的には保育園での意向調査は十分に求人募集の時間をとれるよう、9月~12月ごろまでに行われるのが一般的です。
ただ、保育士さんのなかには、「早くから退職の意向を伝えたら雰囲気が悪くなりそう……」と悩んでしまう方もいるようです。
そうした悩みを解消できるよう、この記事では職場の雰囲気を崩さないような上手な退職・転職意向の伝え方をご紹介します。
人間関係・給料面など、退職・転職の理由別に伝え方の例文をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
保育士への意向調査とは?
意向調査とは、保育園が保育士に対して「来年度も働く意思があるか?(辞める意向があるか?)」を調べるものです。
保育士は、来年度に「退職・異動」などの希望があれば、調査時に伝えます。
保育園の意向調査は、一般的には面談形式で行われるケースが多いですが、保育園によっては書面で渡されることもあります。
また、保育園によっては意向調査を行なっていないところもあります。
その場合、退職希望の方は、就労規則に「退職を希望する場合〇か月前までに申し出ること」などの記載がないかを確認し、辞められるよう期限までに申し出るようにしましょう。
保育士への意向調査が実施される時期はいつ?
保育園で意向調査が実施される時期は、一般的には9月~12月ごろ。
運動会前後の秋口に行われることが多いです。
冒頭でもご紹介したように、保育園が意向調査を行う理由は、次年度に急な退職によって人員が不足しないようにするためです。
意向調査で退職の意思がある人数がわかれば、求人募集をかけ、次年度に備えることができます。
保育士の意向調査は毎年ある?内容は?
保育士への意向調査は、毎年決まった時期に行なっている保育園もあれば、意向調査自体を行なっていない保育園もあります。
内容としては、来年度も働く意思があるかを問うものになります。
保育士の意向調査の書き方・伝え方のポイント
面談や書面での意向調査で退職の意向を伝えるときは、3月の年度終わりまで働き続けることを考え、円満退職にもっていけるような書き方・伝え方をすることが大切です。
まずは、悪い印象をもたれないための意向調査の書き方・伝え方のポイントをご紹介します。
保育士の意向調査のポイント①【時期を明確にする】
保育園の退職の意思がある場合、退職希望の時期を明確に伝えるようにしましょう。
これは、人材不足で保育園側に迷惑をかけないためです。
退職時期がはっきりしていると、求人募集のためのスケジュールも立てやすくなります。
なお、保育園の就業規則によって、年度途中の退職ができない場合もあるため注意しましょう。
また、退職意向を伝えたあとは、退職まで責任をもって働くことで、円満退職になりやすくなります。
保育士の意向調査のポイント②【前向きな理由を伝える】
人間関係の問題や給料・待遇への不満など、マイナスの理由で退職や転職を考えていたとしても、なるべく前向きな理由に転換して伝えることも大切です。
退職前に不満をぶつけてしまっては、退職までの居心地も悪くなってしまいます。
どうしてもポジティブに変換しにくい理由の場合には、家族の体調不良や介護、子どもの都合など、「家庭の事情」を理由にすることもひとつです。
【例文あり】ケース別の保育士への意向調査の書き方・伝え方文例
次に、保育士が退職を考える理由別に、意向調査の書き方・伝え方の例文をご紹介します。
ケース①【人間関係が理由で退職・異動を希望】
- ほかの保育士との関係が悪化してしまった
- 保育園の園長と合わない
- 職場の雰囲気が悪く居心地が悪い
人間関係が理由で退職や転職を考える場合は、自身のステップアップに理由を転換してみましょう。
【例文】人間関係が理由の場合の意向調査
3月いっぱいで退職(異動)を希望いたします。理由として、新しい環境で自身のスキルアップを目指したいと考えているためです。これまで、本園ではさまざまなことを教えていただき、保育士として成長することができました。ただ、さまざまな環境・保育方法を経験することも、より保育士として成長するためには必要だと考えています。もちろん、退職まではこれまでと変わらず精一杯勤めさせていただきますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
ケース②【給料面が理由で退職・異動を希望】
- 給料が低い
- 手当てやボーナスが少ない
- 今の園ではキャリアアップができなそう
給料面が理由で退職や転職を考える場合も、不満をぶつけるのではなく自身の前向きな理由に転換しましょう。
【例文】給料面が理由の場合の意向調査
3月いっぱいで退職を希望いたします。理由として、今後は保育士としてもキャリアアップしていきたいと考えているためです。保育士としてそれなりの年数を経験させていただいた今、より責任ある役職へのキャリアアップを考えています。当園では人員の関係でキャリアアップが難しいこともあり、今回、転職を決意いたしました。
ケース③【保育方針の不一致が理由で退職・異動を希望】
- 子どもの保育の仕方に納得できない
- 園の方針が自分の保育方針に合わない
外遊びが少ない、全体での遊びの機会が少ないなど、保育方針に不満があり退職や転職を考える方もいるかもしれません。
そうした場合も、保育園を責めるのではなく、自分自身の理由に置き換えて伝えるようにしてみましょう。
【例文】保育方針が理由の場合の意向調査
3月いっぱいで退職を希望いたします。理由として、今後の保育士としてのキャリアを考えた際に、より成長できる環境で働いてみたいと思ったためです。当園でも保育士としてたくさん学ばせていただきましたが、さまざまな環境・保育を経験することも、今のわたしには重要だと思っています。
ケース④【残業など働き方が理由で退職・異動を希望】
- 残業や持ち帰りの業務が多い
- 固定の曜日を休みにしたい・通勤が大変
今の職場での働き方に不満がある場合、もしも改善してもらえる可能性があるなら、「〇〇を改善していただけないなら退職しようと思っています」と正直に伝えることもひとつです。
改善が難しそうな場合は、明確に理由を伝えつつ、退職の意向を示しましょう。
【例文】働き方が理由の場合の意向調査「改善の提案」
現在、残業が当たり前の状況に疑問を感じています。職場全体での呼びかけや取り組みがなければ、現在の風習は変わっていかないのではないかと思っております。もしも今後もこの状況が変わらないようなら、3月いっぱいで退職を希望いたします。
【例文】働き方が理由の場合の意向調査「休日への不満」
3月いっぱいで退職を希望いたします。理由として、今後は家族との時間を考慮し、決まった曜日にお休みをいただきたいためです。
3月いっぱいで退職を希望いたします。理由として、今後は家族との時間を考慮し、決まった曜日にお休みをいただきたいためです。
【例文】働き方が理由の場合の意向調査「業務量への不満」
3月いっぱいで退職を希望いたします。理由として、当園での現在の業務量に限界を感じているためです。仕事の時間を切り分け、プライベートとメリハリをつけて働いたほうが、よりパフォーマンスを発揮できると考えています。
ケース⑤【健康面が理由で退職・異動を希望】
- 持病の悪化
- 精神的ストレスによる体調の悪化
体調面が理由の場合は、正直に状況を伝えつつ、退職や休職の希望時期をはっきり伝えるようにしましょう。
体調面が理由ということは、年度末まで働き続けることが難しい状況も考えられます。
無理に我慢をして働いて倒れれば、職場に迷惑をかけることにもなりかねません。
保育士の意向調査を待たず、早めに伝えることも大切です。
【例文】体調面が理由の場合の意向調査
少し前より体調を崩しており、病院を受診したところ、医師から「〇〇」と診断されました。このままでは業務に支障をきたす可能性がありますので、職場に迷惑をかけないためにも、退職(休職)を希望いたします。
来年どうするか悩んでいる方は、悩んでいる理由を書き出す
意向調査の時期になり、来年度も働くか辞めるかを悩んでいる保育士さんもいるかと思います。
保育士を辞めるほどの理由はなくとも、職場への不満や悩みをもつ保育士さんは多いはず。
悩んでしまうということは、自分の中に「辞めたい理由」と「躊躇(ちゅうちょ)する理由」があるということです。
意向をはっきりさせるためには、自分の中のそうした考えを一度、書き出してはっきりさせることをおすすめします。
書き出すことで、悩んでいる状況から抜け出し、先に進むことができますよ。
もしも「辞めたい理由」が今の職場では改善が難しいものなら、思い切って退職や転職に向かって動き出すのもひとつです。
以下に、よくある理由をご紹介しますので、考えを整理するための参考にしてみてください。
保育士に多い退職・異動理由
- 人間関係
- 給料や待遇
- 保育園の保育方法への不満
- 漠然とした将来への不安(この園でいいのかなど)
- ほかにやりたいことがある
人間関係が理由の場合、気持ちを切り替えて新しい環境でやり直したほうが現状を改善できる可能性があります。
給料・待遇面に不満がある場合は、「改善してもらえそうか?」を考えてみましょう。
難しい場合は、転職を考えるのもひとつです。
保育園やほかの保育士と保育方針が合わない場合、不満をもっているだけなら何も改善しません。
伝える勇気があるのであれば、話し合うことで改善できる可能性があるでしょう。
漠然とした不安がある場合、それがどこからくるものなのかを掘り下げて考えてみましょう。
おそらく、給料面だったり働き方だったり、何かしらの理由が見つかると思います。
ほかにチャレンジしたいことがあるなら、内容にもよりますが早めのチャレンジをおすすめします。
人間は、やった後悔よりも、やりたいことをやらなかった後悔のほうがあとあと残るといわれています。
躊躇(ちゅうちょ)してしまう理由もあると思いますが、どちらが自分の中で重要か、一度しっかりと考えてみてくださいね。
退職・異動、転職を躊躇してしまう理由
- 退職を伝えたら職場に居づらくなるのではないかと不安
- 時期的に今ではないような気がする
- 今自分が抜けたら迷惑がかかることが不安
- これまで頑張ってきたことが無駄になるような気がする
- 次の職場がすぐ見つかるか不安
退職や異動、転職を躊躇(ちゅうちょ)する理由として、人間関係の悪化や迷惑をかけることに不安を感じる方は多いと思います。
ただ、もしも、退職するとなれば、退職後は今の職場との関係もほぼなくなり、誰かの気持ちや迷惑を気にすることもなくなります。
現在は不安が強いかもしれませんが、前向きな退職・転職理由にフォーカスして前進すれば、人生は先に進んでいきます。
これまでの経験は無駄になることはなく、必ず人として経験をいかしていくことができます。
転職に不安がある場合は、「8.迷っている方は転職も視野に入れてみて」の章でご紹介するポイントをおさえつつ、早めに決断し動き出すことで転職成功の可能性が高まります。
人生を後悔しないように生きるためには、決断と覚悟を大切に、他人の感情や体裁ではなく、自分の本心で考えていきましょう。
保育士の意向調査で退職を伝えたあとの対応
保育士の意向調査の時期は秋口の早い時期にあるため、「退職を伝えたあとが気まずい……」と悩んでしまう人は多いです。
ただ、職場への迷惑を考えるなら、早めに意向を伝えたほうが迷惑はかかりません。
特に、人間関係が理由の退職の場合は気まずいかもしれませんが、退職意向を伝えたあとは次の自分のステップへ気持ちを切り替えることが大切です。
今の職場では最後まで丁寧に保育や業務をこなししつつ、気持ちを切り替えて前を向いていきましょう。
迷っている方は転職も視野に入れてみて
どうしても迷ってしまうという方は、先に転職情報を調べてみることもひとつです。
保育士の転職情報を調べてみることで、保育園に限らず、自分のライフスタイルにあった働き方が見つかる可能性があります。
保育士の働き先としては、保育園のほかにも、病院(病棟保育士)や障がい児施設、民間企業などさまざまあります。
給料体系や休日・待遇もさまざまであり、職種によっては自分にしか見つけられないやりがいを感じられる可能性があります。
以下に、転職を希望する保育士が知っておくべき、転職成功のためのポイントをご紹介します。
保育士の転職活動開始のベストタイミング
多くの保育園が秋口に保育士へ意向調査を行うのは、来年度に不足する人員の把握と、余裕をもった求人募集のため。
そのため、意向調査後から年末ごろは、4月入社の求人が増え始める時期でもあります。
つまり、保育士の転職活動開始のベストタイミングもこのタイミングです。
保育士の転職活動は、平均で3か月以上ほどかかる場合もあります。
よって、保育士は、転職の意向を固めたら早めに転職活動をスタートさせることが、転職成功のポイントとなります。
保育園を退職してからの求職はキケン!
転職したいと思っていても、「次の仕事がちゃんと決まるか不安」と感じる保育士さんは多いと思います。
保育園の退職後は3か月間、失業保険を受け取ることができるため、その期間に次の仕事を探そうと考える方も多いです。
ただ、それだと新年度の人員募集の時期は過ぎてしまい、仕事も決まりにくくなります。
退職を決めたら、当サイト「保育士人材バンク」をはじめとする保育士向けの転職サイトなどで早めに情報収集を始めることが、転職成功のためには重要です。
保育士の転職成功のカギは「志望動機」!早めの動機固めを
保育士の転職活動において、応募した施設や保育園から採用をもらうためには、「志望動機」が非常に重要となります。
明らかに今の職場に不満があって転職をしている保育士を、ほかの保育園は採りたいとは思いません。
なぜなら、不満によって自分の人生を選択する人は、ほかの職場に行っても同じような理由で辞めてしまう可能性が高いからです。
企業や保育園が採用したいと思うのは、志望動機が前向きで、その会社・保育園を選んだ理由がはっきりしている人です。
例えば、「保育理念にとても共感した」「キャリアアップの仕組みがしっかりしていて、長く勤めたいと感じた」などの志望動機から、今後も辞めずに長く勤めてくれそうと感じさせることができれば、採用ももらいやすくなるでしょう。
志望動機固めのためには、その会社、その保育園をしっかり知ってから面接に臨む必要があります。
そのためにも、転職の際は早め早めの情報収集を心がけましょう。
早めに意思を固めて意向調査に備えましょう
秋口に行われる保育士の意向調査では、次年度の就業継続の意思を問われます。
もしも、保育士園の退職や転職を検討している方は、早めに気持ちを整理し、意思を固めておきましょう。
意向調査で退職の希望を伝えたら、転職希望の方はすぐに転職活動のための情報収集を始めることをおすすめします。
早めの活動開始が、転職成功のカギとなります。
保育士の転職活動には、保育士専門の求人サイトを活用するのが便利です。
当サイト「保育士人材バンク」では、地域別・条件別に自分に合う求人を絞り込んで検索できます。
また、保育士の転職のアドバイザーであるキャリアパートナーに相談いただければ、履歴書添削、面接対策、条件交渉など転職のサポートも可能です。
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