この記事では、認定こども園と保育園、幼稚園の違いをイラスト付きでわかりやすく解説しています。メリット・デメリットまで詳しくご説明します。
記事後半では保育の仕事を目指す方向けの情報もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1 認定こども園とは
- 2 認定こども園ができた【理由・目的・役割】
- 3 認定こども園【3つの特徴】
- 4 認定こども園には4つの種類がある
- 5 「保育園・幼稚園」と「認定こども園」の機能面での違い
- 6 「保育園・幼稚園」と「認定こども園」の保育料の違い
- 7 認定こども園を利用するときに知っておきたい「認定区分」
- 8 保護者は就労状況などから保育施設を選択しよう
- 9 認定こども園で働きたい方は【保育教諭】を目指すのがおすすめ
- 10 認定こども園【給料・年収(幼稚園・保育園との違い)】
- 11 認定こども園で働く【メリット・デメリット】
- 12 認定こども園【向いている人・向いていない人】
- 13 「履歴書・職務経歴書」書き方「面接」の仕方、注意点
- 14 保育士人材バンクなら認定こども園の求人も多数
認定こども園とは
認定こども園とは、簡単にいうと「保育園」と「幼稚園」が一緒になった保育施設です。
認定こども園では、「保育」と「教育」を同時に行います。
認定こども園がはじめて創設されたのは、2006年(平成18年)のこと。
記事作成時点の現在が2023年ですから、今から約17年前です。そのため、現在、親になる世代の方は、あまりなじみがない名前かもしれません。
認定こども園は「幼保一元化」という政府の政策によってつくられた施設で、さまざまな保育ニーズに対応し、保育の受け入れ幅を広げることを目的としています。
認定こども園によくある【Q&A】
- 認定こども園は私立?公立?:私立と公立、どちらもあります。
- 認定こども園は何歳から入れる?:対象年齢は決まっている?……認定こども園は、0歳~5歳までの子どもを対象としています。ただし、0歳~1歳の受け入れを行なっているかは園により、特に幼稚園型の認定こども園では2歳以上からの受け入れを行うケースが多くなっています。
- 認定こども園は保育料無償化の対象になる?:認定こども園は保育園や幼稚園と同じく、保育料無償化の対象になります。ただし、保育料無償化の対象は3歳~5歳のため、0~2歳の利用では保育料がかかります(※非課税世帯は0~2歳も無償化対象)。参考サイト:内閣府 幼児教育・保育の無償化概要
- 認定こども園は給食は出る?:幼保連携型認定こども園においては、2号・3号認定の(共働きなど保育の必要性が認められた)子どもに対しては食事の提供が必須です。保育園や幼稚園から認定こども園に移行した園では、園や自治体の取り決めによって異なります。なお、給食費は保育料無償化の対象とならないため、別途料金がかかります。
- 認定こども園と認可保育園はどう違う?:認可保育園は、自治体の認可を受けて国の補助金で運営されている保育所です。一方、認定こども園も、都道府県から認可を受けることで「施設型給付費」と呼ばれる補助を受け運営されます。また認定こども園は親が働いていない3歳以上の子どもも入園できる点が認可保育園と異なります。
- 認定こども園の管轄は?:内閣府です。(幼稚園:文部科学省、保育所:厚生労働省)
認定こども園ができた【理由・目的・役割】
「認定こども園がなぜできたのか?」には、女性の社会進出などが関係しています。
共働き世帯の増加に伴い、保育園に入れない、いわゆる「待機児童」が増加し、社会問題となりました。
また子どもがいると母親は働きに出られないことで、産み控えからの「少子化」も問題視されています。
こうした問題を解消すべく考えられたのが、「幼保一元化」の政策です。
これまで、保育園には共働き世帯しか入れず、幼稚園では働く親には保育時間が足りないという問題がありました。
そのため、保育園や幼稚園を認定こども園に変えていくことで、それぞれの入園条件を緩和し、子どもの受け入れ幅を広げることが、認定こども園の主な目的です。
後述しますが、認定こども園には4つの種類があり、「幼稚園型」「保育所型」などニーズに応じて預け先を選ぶことができるのも特徴です。
従来のスタイルに応じて保育・教育の方法に幅をもたせることで、さまざまな保育ニーズに対応しやすくしています。
認定こども園【3つの特徴】
認定こども園の特徴を簡単にご紹介します。
認定こども園の特徴①【保育と教育を同時に行う】
認定こども園の特徴の1つめが、「保育」と「教育」を同時に行う点です。
認定こども園の教育・保育要項は、管轄である内閣府によって定められており、認定こども園の認定を受けた保育施設は要項に従って教育・保育を行なっていきます。
参考サイト:内閣府 幼保連携型認定こども園 教育・保育要領解説
認定こども園の認定を受けるためには、定められた設置基準を満たすほか、以下のような機能を備えている必要があります。
- 就労の有無に関係なく子どもを受け入れ、教育
- 保育を一体的に実施できること
- すべての子育て家庭を対象に、子育て相談や親子の集いの場の提供などを行うこと
これらの条件を満たした保育園・幼稚園は都道府県から認定を受けることで、認定こども園となることができます。
また、新設の場合には、「幼保連携型」認定こども園として認可されます。
認定された保育施設には、保育の質の向上のため年一回の自己点検・自己評価の提出が求められています。
認定こども園の特徴②【「保育教諭」の配置が必須】
これまで、保育園は保育士、幼稚園は幼稚園教諭と必要資格が分けられていましたが、認定こども園では両方の資格を持つ「保育教諭」の配置が義務付けられています。
特に、保育園と幼稚園、両方の機能を持ち新規に開園される「幼保連携型認定こども園」では、保育教諭の配置が必須です。
- 満3歳以上の保育:幼稚園教諭と保育士資格の併有が望ましい
- 満3歳未満の保育:保育士資格が必要
参考サイト:内閣府 認定こども園概要: 子ども・子育て本部
そのため、人員の面からも、保育と教育どちらかに偏った価値観ではなく、双方の側面から保育を捉えられる人材を確保できるようになっています。
保育教諭について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
保育教諭とは?必要資格や保育士との違い、仕事内容などをわかりやすく解説!>>
認定こども園の特徴③【子どもの受け入れ幅が広い(保護者は選択肢が増える)】
認定こども園となった保育施設は、これまでよりも入園の際の制限が減り、より多くの子どもを受け入れられるようになります。
よって、保護者はこれまでの「共働き→保育園」「専業主婦→幼稚園」といった枠組みに縛られることなく、預け先を選択できるようになっています。
例えば、保育園では保護者の就労が入園条件でしたが、認定こども園となることで就労の有無に関係ない受け入れが可能になりました。
加えて、幼稚園のような教育的内容を日々の保育のなかで受けることができます。
また、幼稚園では保育時間が4時間と短く、働く保護者は利用しにくい問題がありましたが、認定こども園となることで標準保育時間が増え、幼稚園型の園にも働く保護者が子どもを預けられるようになっています。
認定こども園には4つの種類がある
認定こども園は現在、以下4つの種類に分けられています。
簡単に説明すると、保育所を新設する場合は「幼保連携型」となり、幼稚園からの移行だと「幼稚園型」、保育園からの移行だと「保育所型」、認可外保育園からの移行だと「地方裁量型」となります。
それぞれの特徴を、以下に解説します。
認定こども園の種類①【幼保連携型】
特徴 | ・幼保一体型の保育施設 ・全家庭が利用対象 ・子育て支援が充実している ・縦割り保育を実施する施設が多い |
メリット | ・共働き世帯でも「教育」を受けられる ・保護者の離職等による退園の心配がない |
デメリット | ・保育園同様、保護者の就労(認定区分)によって入園の優先順位があるため、入れないこともある |
職員 | 保育教諭の配置が必須 |
開園時間等の決まり | 保育時間は1日8時間、11時間開園、土曜日の開園が原則 |
入園できる年齢 | 0歳~ |
入園申込 | ・共働き→お住まいの自治体市役所へ申し込み ・就労なし→園へ直接申し込み |
保育所を新設、あるいは大幅リニューアル等で園を作り直す場合には、「幼保連携型」認定こども園となります。
保育園型にも幼稚園型にも偏らない、独自の保育・教育を実施しており、共働き世帯でも保育だけでなく「教育」を受けられるのがメリットです。
幼保連携型認定こども園は、はじめから「幼稚園」「保育園」両方の機能を兼ね備えているのが特徴です。
また、幼稚園教諭と保育士の資格をあわせ持つ保育教諭の配置が義務付けられています。
内閣府の定める「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」に基づいた保育・教育を行います。
参考サイト:内閣府 幼保連携型認定こども園 教育・保育要領解説
幼保連携型認定こども園では、保育時間は1日8時間、11時間開園、土曜日の開園が原則となっています。
認定こども園の種類②【幼稚園型】
特徴 | ・幼稚園教育をベースにしている ・保育時間が4時間→8時間に |
メリット | ・保護者の就職等による退園の心配がない ・就学準備に役立つ教育を受けられる ・教育面を重視したい共働き世帯も利用可能 |
デメリット | ・土曜日や夏休みなどの長期休暇は預かりがないことがある ・保護者が参加する行事が多い ・預かり保育は利用者が少ない(保育園的な使い方だと子どもが寂しい思いをする可能性がある) ・3歳以降はお昼寝の時間がない(夜まで預かりの子どもは体力が持たないことがある) |
職員 | ・3歳未満を預かる場合は保育士資格が必要 ・3歳以上では保育士と幼稚園教諭、両方の資格を持っていることが望ましいとされる |
開園時間等の決まり | 保育時間は1日8時間、11時間開園、土曜日の開園が望ましいとされている。 ※ただし、開園時間・預かり(延長)時間は園による |
入園できる年齢 | 0歳~ ※幼稚園型では0~1歳の低年齢児を受け入れていないことも多い |
入園申込 | ・共働き→お住まいの自治体市役所へ申し込み ・就労なし→園へ直接申し込み |
「幼稚園型認定こども園」は、私立や公立の認可幼稚園に保育所的な機能を追加した施設です。
幼稚園では、これまで子どもを預かる時間が4時間と決められていました。
しかし、認定こども園となることで、親の就労状況に応じて8~11時間の預かりが可能となったため、働く保護者でも預けられるようになりました。
幼稚園型認定こども園では、教育ベースの保育を受けられるのが魅力です。
3~5歳児では、幼稚園教育要領に基づく幼児教育を行います。
ただし、入園可能な年齢は保育園同様0歳からですが、実際にはそれぞれの園によって対象年齢が決められています。
未満児クラスは満2歳程度からとしている園も多いようです。
共働き世帯も幼稚園型認定こども園に入園は可能ですが、まだまだ幼稚園的な側面が残っている園も多く、働く親には利用しにくいケースも多くみられます。
「親の行事参加はどれくらいあるか?」「預かり保育の体勢や利用状況はどうか?」など、事前に確認しておいたほうがいいでしょう。
認定こども園の種類③【保育所型】
特徴 | ・保育園をベースにしている ・保育に加え、教育的内容を追加 |
メリット | ・共働き世帯が利用しやすい(夏休みなどがない、参加行事が少ない、お昼寝があるなど) ・従来の保育所よりも教育的な内容を受けられる |
デメリット | ・1号認定(3歳以上で保育の必要性がない子ども)は園へ直接申し込む必要がある ・共働き家庭は就労状況により優先順位があり、入園できないこともある |
職員 | 3歳以上では保育士と幼稚園教諭、両方の資格を持っていることが望ましいとされる |
開園時間等の決まり | 保育時間は1日8時間、11時間開園、土曜日の開園が原則 |
入園できる年齢 | 0歳~ |
入園申込 | ・共働き→お住まいの自治体市役所へ申し込み ・就労なし→園へ直接申し込み |
「保育所型認定こども園」は、公立や私立の認可保育園に幼稚園的な教育的内容を追加した施設です。
基本的には、保育所保育指針に基づき、保育を行います。
認定こども園となることで、働いていない保護者も利用できるようになっています(※1号認定‐3歳以上で保育の必要性がない子どもも対象)。
1号認定の方が保育所型認定こども園を利用する場合、園に直接、申し込みが必要です。
保育所型認定こども園は、働く保護者にとっては利用しやすく、教育も受けられるのがメリットです。
ただし、そのぶん競争率も高くなります。
共働き家庭では就労状況によって入園の優先順位が変わるため、希望の園に入れないこともあります。
認定こども園の種類④【地方裁量型】
特徴 | ・保育園をベースにしている ・保育に加え、教育的内容を追加 |
メリット | ・共働き世帯が利用しやすい(参加行事が少ない、お昼寝があるなど) ・待機児童が多い地域では保育の受け皿となる |
デメリット | ・認可外保育施設のため、認可園と比べると保育内容に不安がある ・そもそも数が少ない |
職員 | 3歳以上では保育士と幼稚園教諭、両方の資格を持っていることが望ましいとされる |
開園時間等の決まり | 保育時間は自治体の取り決めによって異なる |
入園できる年齢 | 0歳~※園による |
入園申込 | ・共働き→お住まいの自治体市役所へ申し込み ・就労なし→園へ直接申し込み |
「地方裁量型認定こども園」は、待機児童の解消のため、自治体の裁量によって認可外の保育園や幼稚園を認定こども園と認めた保育施設です。
他に預け先がない場合の受け皿となります。
ただし、認可外保育施設のため、所定の設置基準を満たした認可園と比べると保育の体勢や保育内容に不安がある場合があります。
そもそも地方裁量型認定こども園を採用していない自治体も多く、数が少ないのが現状です。
「保育園・幼稚園」と「認定こども園」の機能面での違い
次に、認定こども園と保育園・幼稚園の違いを解説します。
まずは、以下に保育園と幼稚園の機能面での違いをご紹介します。
保育園は【保育】を提供
保育園は、基本的に共働き家庭が利用できる保育施設であり、保育の必要性がある子どもに「保育」を提供することを目的としています。
そのため、保育園は働く保護者の負担がないよう、以下のような特徴があります。
【保育園の特徴】
- 保育時間が8~11時間と長い
- 0歳から預けられる
- 夏休みなどの長期休暇がない
- お昼寝がある(夕方までの預かりでも疲れない)
- 親が参加する行事が少ない
- 収入によって保育料が決まる(3歳以上は無償化対象)
「保育所型認定こども園」や「幼保連携型認定こども園」も、上記のような特徴を兼ね備えており、働く保護者が利用しやすい施設といえるでしょう。
幼稚園は【教育】を提供
幼稚園は、「教育」を基本とする施設です。
専業家庭や保育園の利用対象とならない家庭が利用でき、就学に備えた教育を受けさせることができます。
幼稚園では、以下のような特徴があります。
【幼稚園の特徴】
- 指導案に沿って教育的目標のもと遊びを提供する
- 入園できるのは3歳から
- 預かる時間は4時間から
- 夏休みなどの長期休暇がある
- お昼寝がない
- 親が参加する行事が多い
- 園それぞれが保育料を決める(預かり以外は無償化対象)
幼稚園型認定こども園では、預かり保育の時間が伸びてはいますが、上記のような特徴を引き継いでいるケースが多くみられます。
そのため、フルタイムで働く保護者は利用しにくい側面もあるため注意が必要です。
「保育園・幼稚園」と「認定こども園」の保育料の違い
次に、「保育園・幼稚園」と「認定こども園」の保育料の違いを解説します。
全体の保育料やかかるお金をまとめると、下図のようになります。
認定こども園 | 保育園 | 幼稚園 | |
保育料の無償化(3歳以上) | 対象 | 対象 | 対象 ※月額25,700円まで無料※入園料は入園した年度に月割り計算で無償化対象 |
3歳以下の保育料 | 親の収入によって決まる ※所得が上がるほど保育料も高くなる | 親の収入によって決まる ※所得が上がるほど保育料も高くなる | ※幼稚園は3歳からが基本だが、園によってプレ保育(2歳児クラス)あり。利用する場合は園が定める保育料がかかる。 |
延長料金 | 認定区分で決められた時間以上の預かりは実費負担(1時間300円程度~) | 認定区分で決められた時間以上の預かりは実費負担(1時間300円程度~) | 1時間:300円〜1,000円程度※預かり保育は月額11,300円(1日450円)まで無償化対象 |
保育料以外にかかるお金・準備品 | ・給食費 ・お昼寝用の布団など入園準備品 ・行事費など ※幼稚園型認定こども園では制服代などがかかる場合もある | ・給食費 ・お昼寝用の布団など入園準備品 ・行事費など | ・入園料(園によるが公立で0~1万円程度、私立で3万円~10万円) ・制服 ・バッグ ・帽子などの購入費 ・学用品1~3万円 ・送迎バス代 ・給食費 ・行事費など |
※住民税非課税世帯は0~2歳も保育料は無料(給食費も無償化対象)
基本的に、「幼稚園・保育園・認定こども園」はすべて保育料無償化の対象であり、3歳以上の保育料はかかりません。
2歳以下の保育料は、保育園や認定こども園の場合、親の収入によって月3,000~7万円程度の範囲で決まります。
以下に、それぞれの保育料の違いを解説します。
参考サイト:こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化概要
【認定こども園】保育料
0~2歳の利用では、市が定める認定区分(次章参考)によって保育料が決まります(※住民税非課税世帯は0~2歳も保育料は無料「給食費も無償化対象」)。
3歳以上は無償化の対象になります。
また、市で定められた保育時間(パート:8時間、フルタイム:11時間)を超えて利用する場合には、園が定める延長料金(1時間300円程度~)がかかります。
その他、園によって以下のような費用がかかることがあります。
<幼保連携型・保育園型>
- 入園準備品(布団やカラー帽子など)
- 給食費
- 入園料
- 制服代
- バス代
- 学用品代
- 給食費(弁当持参のケースもあり)など
認定こども園の入園料は基本的に保育料のなかに含まれるべきとされていますが、幼稚園型など園によっては数万円の入園料がかかる場合もあります。
【保育園】保育料
0~2歳の利用では、市が定める認定区分(次章参考)によって保育料が決まります(※住民税非課税世帯は0~2歳も保育料は無料「給食費も無償化対象」)。
3歳以上は無償化の対象になります。
また、市で定められた保育時間(パート:8時間、フルタイム:11時間)を超えて利用する場合には、園が定める延長料金(1時間300円程度~)がかかります。
その他、園によって以下のような費用がかかることがあります。
- 入園準備品(布団やカラー帽子など)
- 給食費(1食300円程度~)
- 写真代など
基本的に、保育園は保育料のなかに入園料などを含めることとされているため、幼稚園と比べると入園時にかかる費用は少ないのが特徴です。
【幼稚園】保育料
幼稚園の入園年齢は3歳からで、幼稚園の保育料も無償化の対象となっています。
ただし、幼稚園によって保育料にバラつきがある幼稚園の場合は無償化になる上限額が決まっており、月額25,700円までが無償化対象です。
入園料も無償化対象ですが、入園年度に月割りで計算されるため、保育料と合わせて25,700円を超える分は実費となります。
保育園や認定こども園と比べると料金は高いケースが多く、以下のような費用もかかります。
- 入園料(園によるが公立で0~1万円程度、私立で3万円~10万円)
- 制服
- バッグ
- 帽子などの購入費
- 学用品1~3万円
- 送迎バス代
- 給食費
- 行事費
- 写真代など
幼稚園は、園によって保育料や入園料も大きく異なり、保育園と比べるとかかる費用が多い傾向があります。
入園を希望する場合は、入園時にかかる費用だけでなく、毎月かかる費用についても事前に確認しておくといいでしょう。
認定こども園を利用するときに知っておきたい「認定区分」
認定こども園や保育園を利用する際には、市へ申し込み、保育の必要性を認定してもらう必要があります。
保育が必要だと認められると、保育園や認定こども園を利用できるようになります。
この際、就労状況によってどの程度の時間、保育が必要なのかの証明を、「認定区分」といいます。
認定区分は、以下3つに分けられます。
この認定区分によって、子どもを預けられる時間や保育料もかわってきます。
よって、これから認定こども園や保育園を利用したいと考えている保護者の方は、まず自分がどの認定区分に該当するのかを理解しておくといいでしょう。
以下に、3つの認定区分について解説します。
「1号認定」:3歳以上で保育を必要としない方(専業主婦など)
保育を必要としない満3歳以上のお子さんは、「1号認定」に該当します。
1号認定の方は「幼稚園」や「認定こども園」を利用でき、教育標準時間の4時間を保育料無償化の範囲で通うことができます。
標準時間を超えて預かりをお願いする場合には、別途、延長料金がかかります。
また、1号認定にあたるお子さんが幼稚園や認定こども園を利用する場合は、園に直接申し込みが必要です。
認定区分の申請は園から市区町村へ行うため、保護者は園への入園申し込みだけでOKです。
「2号認定」:3~5歳で保育が必要な方(パート・フルタイムなど)
共働き家庭など、保育の必要性が認められた満3歳~5歳のお子さんは、「2号認定」に該当します。
2号認定の方は「保育園」や「認定こども園」を利用でき、パートなど短時間勤務の方は8時間、正社員などでフルタイム勤務の方は11時間の保育を受けられます。
標準時間を超えて預かりをお願いすることもできますが、別途、延長料金がかかります。
2号認定にあたるお子さんが保育園や認定こども園を利用する場合は、お住まいの市区町村の窓口へ申し込みが必要です。
また、就労状況によって優先順位が変わるため、希望の園に入れないこともあります。
「3号認定」:0~3歳で保育がが必要な方(パート・フルタイムなど)
共働き家庭など、保育の必要性が認められた0歳~満3歳のお子さんは、「3号認定」に該当します。
3号認定の方は「保育園」や「認定こども園」を利用でき、パート勤務などの方は8時間、フルタイムの方は11時間の保育を受けられます。
標準時間を超えて預かりをお願いすることもできますが、別途、延長料金がかかります。
3号認定にあたるお子さんが保育園や認定こども園を利用する場合は、お住まいの市区町村の窓口へ申し込みが必要です。
また、就労状況によって優先順位が変わるため、希望の園に入れない可能性があります。
加えて、0~2歳は保育料無償化の対象外のため、親の収入によって、3,000円~10万円程度の範囲で保育料がかかります(住民税非課税世帯は無料)。
保護者は就労状況などから保育施設を選択しよう
子どもが小さいご家庭で、「認定こども園」や「保育園・幼稚園」を利用したいと考える方は多いと思います。
子どもをどこへ通わせるか迷ったときは、保護者はご自身の就労状況や今後の就労の予定などから、通わせる場所を考えていくといいでしょう。
現在は認定こども園へ移行する「保育園・幼稚園」も増えていますが、同じ認定こども園でも「幼稚園型」と「保育所型」では親の負担も変わってきます。
現在、現在就労している方は、保育と教育を同時に受けられる「幼保連携型・保育所型認定こども園」がベストといえます。
また、これから就労の予定がある方は、認定こども園(幼稚園型など)を選ぶと就労によって園を変える必要がないでしょう。
とはいえ、まだまだ全国的には認定こども園の数は多くなく、優先順位によって希望の園に入れない状況もあります。
園を利用希望の方は、入園年度の1年前くらいから情報収集をはじめるのがおすすめですよ。
認定こども園の数(令和4年)
年度 | 認定こども園の総数 | 公立 | 私立 | 幼保連携型 | 幼稚園型 | 保育所型 | 地方裁量型 |
令和4年 | 9,220 | 1,414 | 7,806 | 6,475 | 1,307 | 1,354 | 84 |
引用サイト:こども家庭庁 認定こども園に関する状況について(令和4年4月1日時点)
保育園・幼稚園・認定こども園の数比較
保育園 | 幼稚園 | 認定こども園 |
29,985か所(令和3年) | 9,111か所(令和4年) | 9,220か所(令和4年) |
参考サイト:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」
認定こども園で働きたい方は【保育教諭】を目指すのがおすすめ
ここからは、認定こども園など保育の仕事で働きたいと考える方へ、知っておくべき情報をご紹介します。
まず、これから保育の仕事を目指すのであれば、「保育士資格」と「幼稚園教諭免許」の両方を持つ「保育教諭」を目指すのがおすすめです。
なぜなら、幼保一元化の政策によって認定こども園へ移行する保育園・幼稚園が増えており、今後はさらに両者は一体化されていくと考えられるためです。
幼保連携型認定こども園では「保育教諭」の配置が必須ですが、他の保育園に就職するとしても、両資格をもった人材は優遇されます。
今後の就職を考えても、両資格を取得しておくのがベストといえるでしょう。
保育教諭について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
保育教諭とは?必要資格や保育士との違い、仕事内容などをわかりやすく解説!>>
認定こども園【給料・年収(幼稚園・保育園との違い)】
次に、認定こども園・保育園・幼稚園の給料の違いをご紹介します。
※保育教諭:幼保連携型認定こども園で働く、幼稚園教諭・保育士の両資格をもつ職員のこと
参考サイト:内閣府 令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】
現状では保育園・幼稚園・認定こども園で給料の違いはほとんどありません。
ただ、今後、保育と教育の専門家である保育教諭は必須の資格となっていくことが考えられ、給料も優遇される可能性があります。
働ける施設の幅も広く就職や転職にも有利になることは間違いありません。
また、保育園や幼稚園が認定こども園へ移行した際も、業務が制限されることなく働き続けることができ、主任教諭や保育園園長などの役職も目指しやすくなります。
役職につくことで、給料アップも見込めます。
※年収額は月額×12か月で計算
参考サイト:内閣府 令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】
園長になるための要件は園によりますが、主任保育士などの役職を経験し、10年以上の経験を積むことがおおまかな目安です。
認定こども園で働く【メリット・デメリット】
認定こども園で働く【メリット】
認定こども園で働く大きなメリットは、幼児教育のプロとして保育と教育、両面からの保育経験を積むことができる点です。
以前は、保育士と幼稚園教諭は勉強内容も分かれていましたが、現在は保育や教育一辺倒にならない視点が幼児教育にも求められています。
両資格を取得しておくことで、今後の「幼保一元化」の波から外れることなく、幼児教育のプロとして働き続けることができるでしょう。
認定こども園で働く【デメリット】
認定こども園で働くデメリットは、現状ではとくにありません。
認定こども園に移行したばかりの園などは、保育士側と幼稚園教諭側で意見が対立する可能性もなくはないですが、基本的には園の方針に従っていくことになります。
逆に、保育園や幼稚園で勤めた場合、今後、認定こども園に移行する際には従来の保育や教育を大きく変えなければならなくなるかもしれません。
はじめから認定こども園を選んでおくと、そうした変化に対応する必要はなくなります。
認定こども園【向いている人・向いていない人】
認定こども園【向いている人】
認定こども園に向いているのは、幼児教育のプロとして偏った価値観を持たずに働いていきたいと考える人です。
内閣府制定の「認定こども園の教育・保育要領」は、幼稚園教育要領や保育所保育指針よりもあとにつくられており、お互いのよいところを残した新しい保育・教育のあり方が示されています。
認定こども園に勤めることで、これからの時代に即した保育・教育を実践できるでしょう。
認定こども園【向いていない人】
認定こども園に向いていないのは、「保育」や「教育」どちらかを重視したいと考える人です。
そうした人は、私立で独自の教育を打ち立てる幼稚園や、民間のアットホームな保育園などが合っている可能性があります。
これから保育の仕事を目指す方は、それぞれの保育・教育観に合う選択肢を選んでいくといいでしょう。
「履歴書・職務経歴書」書き方「面接」の仕方、注意点
現状、保育の世界は保育士不足といわれていますが、保育士の就職の難易度は地域によっても差があります。
いよいよ求人を探す段階になったら、しっかりと就職活動に備えていきましょう。
保育士・幼稚園教諭、保育教諭の履歴書の書き方
保育士や幼稚園教諭、保育教諭が履歴書を書く際は、手書きが基本です。
なぜなら、保育の仕事には連絡帳の記入などもあるためです。
きれいな文字を書くことで、先生としてもしっかりやり取りできる人柄を感じてもらえるでしょう。
志望動機を書く際は園の特徴や方針をよく理解し、自分の考え方との共通点を探すと、自分にしか書けない志望理由が見つかるはずですよ。
保育士・幼稚園教諭、保育教諭の職務履歴書の書き方
転職の方は、職務履歴書の提出を求められることがあります。
職務履歴書を添付する場合は、履歴書とは別に用意し、転職する園でいかせそうな経験なら、雇用形態がパートなどでも記載しておくといいでしょう。
保育士・幼稚園教諭・保育教諭の面接の注意点
面接まで進んだら、保育士や幼稚園教諭、保育教諭は「笑顔」と「明るくハキハキした声」がとにかく大切です。
園で働くシーンを面接官にイメージしてもらえるよう、明るいやり取りを心がけてくださいね。
保育士人材バンクなら認定こども園の求人も多数
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