転職を考える中で、保育士以外の仕事も視野に入れている方も多いのではないでしょうか?
保育士は、資格や経験を活かせる転職先が数多く存在します。
本記事では、保育士以外のおすすめの仕事や自分にピッタリの転職先の見つけ方について詳しくご紹介します。
自身の経験や強みを活かし、より充実感を得られる転職先を見つけるために、ぜひ参考にしてください!
保育士の転職は難しい?
転職を考えている保育士さんの中には、「転職は難しいのではないか・・・」と不安に感じている方もいるでしょう。
保育士の転職は一見難しそうに感じるかもしれませんが、自分の強みを活かせれば、転職の難易度はグッと下がります。
保育士として培ったコミュニケーション力や忍耐力、チームワーク、問題解決能力などは、どの職種でも必要とされるスキルです。
これらをしっかりアピールすることで採用担当者に好印象を与え、スムーズな転職活動につなげることができます。
おすすめのお仕事をご紹介
ここからは、保育士の方におすすめの、保育士以外の転職先をご紹介します。
それぞれの職種について、詳しく見ていきましょう。
幼稚園
幼稚園は主に3歳~6歳児を対象にした教育施設です。
働くためには『幼稚園教諭免許』が必要ですが、保育士経験で培った「発達支援のスキル」や「個々に合わせた関わり」が役立ちます。
保育士と幼稚園教諭の両方を経験することで「保育」と「教育」の両方から、子どもの成長を支えられるようになります。
なお、一時的な措置ではありますが『幼保特例制度』を利用すれば、保育士資格しか持っていない方でも、幼稚園教諭免許がとりやすくなります。
認定こども園
認定こども園は、幼稚園と保育園の役割を兼ね備えた施設です。
『保育教諭』として、『保育士資格』と『幼稚園教諭免許』を活かして、教育と保育の両面で貢献できます。
保育士として培った「柔軟な対応力」や「発達段階に応じた支援力」が求められるため、子どもたちの成長を総合的に支援しつつ、保育士としての経験をさらに深められます。
保育園運営法人のマネージャー
保育園を運営する法人や企業では、マネージャーとして働くことができます。
保育士としての経験があれば、現場で働く保育士の悩みや業務負担を深く理解できるため、的確なサポートやアドバイスが可能です。
保育士や子どもたちの環境をより良くしたいと考える方にとって、保育マネージャーは非常にやりがいのある仕事といえるでしょう!
児童発達支援
児童発達支援は、発達に特性のある0~6歳までの未就学児を対象に支援をおこなう施設です。
職種としては、『児童発達支援管理責任者』や『児童指導員』とも呼ばれ、保育士の「個々に寄り添うスキル」や「発達理解」が活かされます。
児童発達支援の仕事は、子どもの個性や成長に寄り添いながら、一人ひとりに合った支援を提供できるのが魅力です。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障がいのある子どもたちが、放課後に利用する施設です。
保育士として培った「観察力」や「問題解決能力」を活かし『指導員』や『支援員』として活躍できます。
子どもたちの、学習支援や生活スキルの向上を促すサポートがおもな仕事です。
放課後等デイサービスの仕事は、子どもたちの成長を長期的に見守りながら、個別のニーズに応じたきめ細やかな支援ができるのが魅力です。
学童保育
学童保育は、保護者が仕事で不在の間、小学生を預かる施設です。
職種は『学童指導員』や『学童支援員』と呼ばれます。
保育士として培った「遊びを通じて学びを引き出す力」や「子どもと信頼関係を築く力」が役立ちます。
学童保育の魅力は、子どもたちの自主性や社会性を育てられることです。
障がい者支援
障がいのある方を支援する施設でも、保育士としての経験やスキルが活かせます。
おもな職種は『相談支援員』『生活支援員』で、保育士の「多様なニーズに合わせた柔軟なケア」や「コミュニケーションスキル」が求められます。
障がい者支援の仕事は、1人ひとりの可能性を引き出し、生活の質を向上させることで直接貢献できるのが魅力です。
子育て支援センター
子育て支援センターは、地域の親子をサポートする施設です。
『子育て支援員』として、子育てに関するアドバイスやサポートをおこないます。
保育士としての「保護者に寄り添う姿勢」や「育児の知識」が大いに活かせるでしょう!
親子が安心して交流できるコミュニティを提供し、育児の不安や悩みに応えることで、「社会全体の子育て支援に貢献している」と実感できる点が魅力です。
病院内・医療施設内
病院内や医療施設内では『病棟保育士』として働くことができます。
入院中の子どもたちのケアや、病院で働く医療従事者の保育をします。
保育士として培ってきた「子どもに安心感を与えること」や「臨機応変な対応力」が活きるでしょう。
子どもや家族の心の支えとなって、安心感や笑顔を引き出すのが大きなやりがいです。
保育と障がいの子どもが複合している施設
障がいのある子どもを対象とする保育施設では『療育保育士』や『特別支援保育士』として活躍できます。
保育士の「個別支援のスキル」や「特性に合わせた柔軟な対応力」が重宝されます。
子ども1人ひとりの特性に寄り添いながら、成長や可能性を引き出せることが魅力です。
保育園の仕事も種類が豊富
保育園といっても、実はさまざまな種類があることをご存じでしょうか?
保育園によって規模や特徴、雰囲気が異なるため、自分に合った職場を見つけることができます。
さまざまな選択肢を知ることで、保育士としてのキャリアを見直し「保育士を続けてみようかな」と感じるきっかけになるかもしれません!
ここからは、さまざまな種類の保育園をご紹介します。
認可保育園
認可保育園は、国や自治体の基準を満たした保育施設です。
運営体制がしっかりしており、人員体制や研修制度も整っているため、充実したサポートのもと安心して長く働けるのが魅力です。
保育士としてのキャリアを築きたい方や、スキルを磨きながら専門性を高めたい方におすすめの転職先です。
認可外保育園
認可外保育園は、名前のとおり国や自治体の認可を受けていない保育園です。
認可を受けていない分、独自の方針やカリキュラムのもと自由な保育ができるのが魅力です。
保育内容やプログラムに柔軟性があるため、自分のアイデアや創意工夫を活かせる環境が整っています。
また、少人数制の園が多く子ども1人ひとりに深く関われるのも特徴です。
小規模保育園
小規模保育園は、少人数の子どもを対象に家庭的な雰囲気の中で保育をおこなう施設です。
少人数ならではのきめ細かな保育が提供できるため、1人ひとりの子どもに丁寧に寄り添えるのが大きな魅力です。
密なコミュニケーションがとれるため、保護者とも信頼関係が築きやすく手厚いケアができます。
個別支援に力を入れたい方や、アットホームな雰囲気の中で働きたい方におすすめです。
株式会社の保育園
株式会社が運営する保育園は、企業独自で教育方針をもっている場合が多いです。
園によって、保育内容やカリキュラムに多様性があり新しい保育スタイルにチャレンジしやすい環境が整っています。
給与や福利厚生が充実していることも多く、最新のシステムや安全設備など設備投資にも積極的です。
最新の教材やICTを活用した機器を導入している園も多く、保育の質や保育士の働きやすさに力を入れている点も魅力です。
社会福法人の保育園
社会福祉法人の保育園は、福祉を基盤とした理念で運営されている施設です。
地域との連携が強く、地域全体の子育て環境を支える役割を担っているため、社会貢献を実感しやすいでしょう。
また、安定した財政基盤と公的な支援を受けているため、運営体制や研修制度が充実しているのもメリットです。
安心して長く働ける職場を選びたい方におすすめの転職先です。
オープニングスタッフ
「フレッシュな雰囲気の中でスタートしたい」という保育士さんは、オープニングスタッフとして働くのもおすすめです。
オープニングスタッフとして働く保育園では、園の方針づくりや保育の体制を1から作り上げるため、大きな達成感とやりがいを感じられます。
また、保育士同士が、同じゼロからのスタートなので、意見や相談がしやすいのも魅力です。フラットな人間関係からスタートできるので、これまで上下関係に悩んでいた方にもおすすめです。
転職先の見つけ方
自分に合う転職先を見つけるためのポイントは次のとおりです。
キャリアの方向性を明確にする
まずは、「自分がどのようなキャリアを目指したいのか」をハッキリさせることが重要です。
たとえば次のように、人によって目指す方向性は異なるでしょう。
- 保育士としての専門性を高めていきたい
- 保育士経験を積み、将来的には主任保育士や園長に就きたい
- 保育士経験を活かしつつ、新たな分野にチャレンジしたい
自分が目指すキャリアによって、適切な転職先は変わります。
もし「キャリアの方向性が分からない」という方は、自分の強みや興味に基づいて考えてみるとよいでしょう。
希望条件に優先順位をつける
転職先を見つける際は、給与や勤務時間、勤務地、福利厚生など、自分が求める条件を明確にするのが大切です。
ただし、すべての条件を満たす転職先を探すと、候補が限られてしまうこともあります。
そのため、とくに譲れない条件を明確にすることで、自分に合った転職先をスムーズに見つけやすくなるでしょう。
求人サイトを活用する
総合的な求人サイトや保育士専門の転職サイトを活用すると、さまざまな転職先の情報を得ることができます。
求人サイトは、自分の都合に合わせて検索ができるほか、希望条件を入れることで、選択肢を絞って効率よく転職先を探せるのがメリットです。
とくに、保育士専門の転職サイトには、保育士経験を活かせる仕事や、さまざまなタイプの保育園の求人が豊富に揃っています。
まずは多くの求人をチェックし、園の方針や雰囲気、待遇などを比較してみましょう。
園見学をして職場環境をチェックする
転職する際は、必ず園見学をして、実際の雰囲気やスタッフの様子を自分の目で確認するのが大切です。
求人票には、勤務時間や給与、福利厚生などの基本的な情報が記載されていますが、職場の人間関係や具体的な保育方針までは把握しにくいものです。
さらに、園見学をすることで「自分が実際にその園で働く姿をイメージしやすくなる」というメリットもあります。
自分に合った転職先を選ぶためには、園見学を通じて違和感がないかをしっかり見極めましょう。
保育の転職エージェントに相談する
保育士や保育関連職の転職をサポートする、保育の転職エージェントに相談するのもおすすめです。
一般に公開されていない求人情報の紹介や応募先への条件交渉、面接日程の調整など、さまざまなサポートを受けられるのがメリットです。
さらに、履歴書や職務経歴書のアドバイス、面接対策など手厚いサポートがあるので、転職に不安を抱える保育士さんでも安心して活動できます。
希望条件を踏まえて自分にマッチする求人を提案してくれるので、キャリアアップを目指す方や、新たな挑戦を考えている方にとって、心強いサービスです。
キャリアアップのための資格取得も検討する
新たな資格を取得することで、転職先の選択肢が広がり、これまで以上に活躍の場が広がります。
今回ご紹介したように、保育士以外にも、幼稚園教諭や発達支援管理責任者など、保育士資格や経験を活かせる職業がたくさんあります。
スキルアップやキャリアの幅を広げるためにも、新たな資格取得を視野に入れてみてはいかがでしょうか?
転職をする時の成功ポイント
転職を成功させるためには、保育士としての経験やスキル、強みを活かすのが大切です。
転職する際は、以下のポイントを強みとしてアピールしましょう。
保育士ならではの「柔軟性」をアピールする
保育士は、さまざまな変化や状況に対して、柔軟に対応する能力を培っています。
この柔軟性は、職場が変わっても活かせるスキルで予期せぬ問題が発生しても冷静に対応できる強みです。
転職活動では、新しい環境でも臨機応変に対応できる点を、具体的なエピソードと一緒にアピールするのがポイントです。
「チームワーク」の強さをアピールする
子どもの成長を支える保育士は、同僚や保護者、地域の方々と協力する必要があります。個人で完結する仕事ではなく、関わる人たちと連携しながら進めていきます。
保育士として培ったチームワーク力は、新しい職場でも求められる強みです。
転職活動では、チームワークを築く際に「自分が大切にしていること」などを具体的にアピールするとよいでしょう!
「コミュニケーション力」を活かす
子どもや保護者、同僚、地域の方々など、さまざまな立場の相手と関わる保育士は、高いコミュニケーション力が求められます。
相手に合わせた対話力や、信頼関係を築く力は、新しい職場でも大いに活かせるスキルです。
転職活動では、コミュニケーション力の高さをアピールすることで、どんな立場の相手とも良好な人間関係を築けることを伝えましょう!
「観察力」と「問題解決能力」を仕事で発揮する
保育士として経験を重ねることで、小さな変化に気づく「観察力」や、突然のトラブルにも冷静に対処できる「問題解決能力」が身につきます。
これらの能力はあらゆる仕事で重宝されるスキルです。
とくに、臨機応変な対応が求められる仕事では、保育士の観察力や解決力が大いに役立つでしょう。
転職活動では、保育士時代に直面した問題や課題を例に、どのような工夫をして対応したのかを具体的にアピールすると効果的です。
「忍耐力」をポジティブにアピールする
焦らずに子ども1人ひとりのペースに合わせて支援したり、保護者が抱える悩みや不安に丁寧に寄り添ったりと、保育士は多くの場面で忍耐力が求められます。
保育士として培った忍耐力は、困難な状況に直面しても前向きに乗り越えられる強みとしてアピールできるでしょう!
このような経験を通して得た忍耐力は、新しい職場でも冷静な対応や粘り強さが必要な場面で活かせるスキルです。
退職時の伝え方
転職を考えている保育士さんの中には、今の職場を退職する際に「いつ、どのように伝えるべきか分からない」「円満退職する方法を知りたい」と感じている方もいるでしょう。
転職する際は、今の職場を円満に退職するのが大切です。
円満退職は転職後のキャリアにもよい影響を与えます。
保育士が退職を伝えるときのポイントは次のとおりです。
- 退職の意思はできるだけ早めに伝える
- 退職理由は前向きな姿勢が伝わるように、ネガティブな表現は避ける
- 退職の意向はメールやメモではなく、直接対面で丁寧に伝える
- 自分の担当業務の引継ぎについても丁寧に伝える
- 保護者にも不安を与えないように、ポジティブな伝え方を心がける
- 最後の日まで気を引き締めて、誠実に仕事に取り組むことを伝える
円満退職できれば、退職後も同僚や上司と良好な関係が保てたり、転職先での信頼につながる可能性があります。
保育業界は狭いため、以前の職場でのつながりや評判が、今後のキャリアにプラスに働くことも多いです。
保育士としての新しいキャリアを気持ちよくスタートするためにも、退職時は丁寧な伝え方を意識するのが大切です。
まとめ
保育士以外のおすすめの仕事や、自分にピッタリの転職先の見つけ方などをご紹介しました。
ご紹介したように、保育士としての経験やスキルを活かせる職場は多く、さまざまな選択肢があります。
転職を上手く進めるためには、まず自分のキャリアビジョンを具体的に描き、希望条件の優先順位を明確にすることが大切です。
さらに、転職エージェントを積極的に活用し、専門的なアドバイスを受けながら、実際に見学して雰囲気を確認するのも重要なプロセスです。
自信をもって進めば、あなたに合った転職先が見つかるはずです。
保育士としての強みをしっかりアピールし、新しい挑戦に向けて一歩踏み出してみましょう!