この記事では、「障害児保育とは何か?」について解説し、障害児保育にかかわることのできる職種や仕事の内容、気をつけたいことなどを細かくご紹介しています。
障害児保育に携わりたいと考えている保育士の方や、これから保育士を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1 この記事でわかること【障害児保育】
- 2 障害児保育とは?
- 3 障害児保育の歴史と現状
- 4 障害児保育の問題・課題は?
- 5 障害児保育と統合保育・インクルーシブ保育との関係は?
- 6 障害児保育で保育士が関わる子どもの障害の種類は?
- 7 障害児保育に携われる【主な施設】
- 8 障害児に行う【療育】とは?
- 9 障害児担当の【加配保育士】とは?
- 10 障害児保育にかかわる保育士の仕事内容は?
- 11 障害児保育にかかわる保育士が気をつけたいこと5つ
- 12 障害児保育の必要資格は現状【保育士資格のみ】
- 13 子どもの障害に関する知識を深める方法は?
- 14 障害児保育【魅力・メリット】
- 15 障害児保育【大変さ・悩み】
- 16 障害児保育に向いている人
- 17 障害児保育に向いていない人
- 18 障害児保育【年収・給料】
- 19 障害児保育施設【求人状況・探し方】
- 20 障害児保育施設の求人へ応募する場合の履歴書の書き方
- 21 障害児保育【まとめ】
この記事でわかること【障害児保育】
「障害児保育ができる施設で働きたい」「障害児保育ではどんなことを気をつければいいの?」
そんなふうに、障害児保育にかかわりたい・知識を深めたいと考えている保育士の方も多いのではないでしょうか?
障害児保育とは、身体や知的など、なんらかの障害をもつ子どもへ行う保育のことをいいます。現状は障害児保育に必要な資格はなく、保育士資格のみで保育にあたることができます。
近年は国の取り組みもあり、障害児保育を行う施設数が軒並み増加しています。専門施設だけでなく障害児を受け入れている保育園も増えてきているため、保育士としても、障害児保育への知識を深めておく必要があるといえるでしょう。
そこで、この記事では、障害児保育の概要を紹介しつつ、あわせて障害児保育と関連のある「統合保育・インクルーシブ保育」や「療育」といった用語の意味も解説していきます。
そのうえで、「障害児保育ではどのような点に注意すべきか?」ポイントを解説します。
また、記事後半では障害児保育にかかわりたい保育士へ向け、障害児保育の求人の探し方やメリットデメリット、障害に関する知識の深め方・関連資格等をご紹介します。
この記事をお読みいただければ、障害児育児の概要を把握でき、保育士が気をつけるべきことがわかります。
求人を探したい方は、今後の対策含め、働ける施設や求人の探し方がわかります。ぜひ、参考にしていただき、障害児保育について理解を深めてくださいね。
障害児保育とは?
障害児保育とは、知的障害や発達障害、身体障害などなんらかの障害を抱えた子どもに対して行う保育のことです。
児童発達支援センターなどの療育施設や、児童発達支援事業所・放課後等デイサービスなどの通所施設などで行われるほか、一般の保育園でも一部枠を設け、障害児を受け入れているケースがあります。
障害児保育を行うためには基準があり、一般的には「障害者手帳」を持っている子どもが対象になります。
ただし、発達障害の疑いがあると医師や専門施設から認定されるなど、自治体独自の基準に当てはまる場合も障害児保育を受けられるケースがあります。
障害児保育では子どもによって状態や障害の種類が大きく異なるため、個々に応じた配慮や知識が必要となります。
保育の際は、子どもそれぞれが抱える生活への困難に対し、サポートをしながら対応を行なっていきます。
障害児保育の歴史と現状
保育所における障害児保育が始まったのは、昭和49(1974)年のことです。
厚生労働省は「障害児保育事業実施要綱」を策定し、保育所における障害児保育が公式に認可されました。
一般保育所への障害児受け入れに伴い、加配保育士(※「8.障害児担当の「加配保育士」とは」参照)が配置されるようになりました。
また平成27(2015)年度からは「子ども・子育て支援新制度」により、障害児保育へのサポート人員のさらなる強化が図られました。
さらに、平成29(2017)年度から始まった「保育士等キャリアアップ研修」においても、研修分野に「障害児保育」が盛り込まれ、保育職員の専門性の向上が図られるようになってきています。
なお、最近ではインクルージョン(※「4.障害児保育と統合保育・インクルーシブ保育との関係」参照)に向けた取り組みも国をあげて進められていることもあり、障害児保育を保育士一人ひとりが理解し専門知識を身につけることは、今後さらに重要になってくるといえます。
【参考サイト】
内閣府 平成30年版 障害者白書(全文)第3章2節より
厚生労働省 障害児支援の在り方に関する検討会
障害児保育の問題・課題は?
障害児を受け入れる施設は年々増加傾向にあります。
厚生労働省の資料によると、障害児を受け入れている保育施設は、平成22年時点では13,950か所だったのに対し、令和2年時点で19,965か所と増加傾向にあることがわかります(※1)。
特に障害児通所支援については制度体系の骨格が形づくられた平成24年から10年が経過し、「児童発達支援(0歳~未就学児対象)」は8,298か所で4.5倍、「放課後等デイサービス(小学生~18歳対象)」は16,718か所で6.5倍(令和3年5月)と、飛躍的に増加しています(※2)。
ただ、施設数こそ増加していても、障害の程度によって対象とならない児童がいたり、保育所では園側で受け入れ態勢が整わず受け入れが難しかったりなど、まだまだ課題があるのが現状です。
さらに、大きな課題となるのが支援する側の”専門知識”や”経験の不足”です。
現状では専門的な研修や資格などももたないまま保育士が障害児保育にあたっているケースが多く、知識不足で十分なサポートができない問題があります。
インクルージョンの考えでは、障害児保育を一括りにして考えるのではなく包括的に捉える必要があるとする意見もあり、通所施設・保育所・医療機関等の連携も課題となっています。
【※1参考サイト】
厚生労働省各 自治体の多様な保育(延長保育、病児保育、一時預かり、夜間保育)及び障害児保育(医療的ケア児保育を含む)の実施状況について
【※2参考サイト】
厚生労働省 障害児支援の在り方に関する検討会
障害児保育と統合保育・インクルーシブ保育との関係は?
一般の保育園で障害児・健常児の区分なく包括的に保育を行うことは、統合保育、またはインクルーシブ保育と呼ばれます。
統合保育とは、障害児保育が始まった昭和49(1974)年からある概念であり、主に一般の保育所や幼稚園において障害あるなしの区分をしたうえで、健常児と障害児を同じ環境で一緒に保育をすることをいいます。
一方、インクルーシブ保育は比較的最近生まれた概念であり、統合保育とは考え方に若干の違いがあります。
インクルーシブ保育では、障害の有無にかかわらず個々の子どもに必要な支援を行います。また障害児だけに限らず、国籍や人種、宗教等の違いも含んだ概念です。
インクルーシブ(インクルージョン)への取り組みは、平成18(2006)年に国連で採択された「障害者の権利に関する条約」に対し、平成19(2007)年に日本も批准したことが始まりとなっています。
なお、児童発達支援事業所等において障害児のみに保育を提供することを、統合保育と区別し「分離保育」といいます。
【参考サイト】
障害幼児の「特別なニーズ」に対するケアと統合保育
内閣府 障害者権利条約
障害児保育で保育士が関わる子どもの障害の種類は?
障害と一口に言っても、障害児保育でかかわる子どもの障害にはさまざまな種類があります。
例えば、障害児保育を行う障害の種類(手帳の種類)としては以下があげられます。
【参考サイト】
障害児支援のための療育・通所施設や一般保育園での障害児保育を受けるためには、これらの障害があることを示す「手帳」が必要です。
ただし、病気の確定診断がなかったとしても、特別な配慮や支援が必要と医師や専門家から診断を受ければ、いわゆる「気になる子」も障害児保育を受けられるケースがあります。
障害児保育にあたる保育士は、個々の病状や注意点を把握したうえで、困難に対してサポートしながら日常の保育を行なっていきます。
障害児保育に携われる【主な施設】
障害児保育にかかわれる施設としては、以下のような種類があります。
障害児保育を行う主な施設は、大きく「障害児を受け入れている一般の保育所」「通所施設」「入所施設」「病院の保育ルーム(病棟保育士)」の4つになります。
このうち、障害児保育のみにかかわる施設は「通所施設」「入所施設」の2つです。
さらに、障害児の専門施設ではないですが、病棟に配属される病棟保育士になることでも、入院中の障害児の保育にあたることができます。
また、少ないですが、障害児専門の保育園というのも存在します。
病棟保育士については以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はあわせてご参照ください。
障害児に行う【療育】とは?
「療育(発達支援)」とは、日常生活になんらかの困りごとを抱えた子どもに対し、自立した生活を送れるように行うサポートのことです。
児童発達支援事業所(未就学のデイサービス)や放課後等デイサービス(就学児対象)など、療育を行う施設では、個々の障害特性や発達状況に応じて個別に支援計画を立て、それをもとに療育を行います。
療育で行う援助の内容は厚生労働省の児童発達支援ガイドラインに定められており、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域をもとに考えられます。
具体的には、例えば重度の障害があり感覚への過敏さや偏りがある場合には、感覚を刺激し発達を促す「感覚あそび」などを取り入れながら保育を行ないます。
また、療育施設では「PT(理学療法士)」や「OT(作業療法士)」「ST(言語聴覚士)」といったリハビリの専門家とも連携しながら、困難さの軽減を目指すなど、発達・成長のサポートを行なっていきます。
療育施設で働く保育士は、あそびの中でその子の発達・成長につながる内容を考案し、障害に応じたサポートやかかわり方を考えていくことになります。
【参考サイト】:厚生労働省 児童発達支援ガイドライン
障害児担当の【加配保育士】とは?
一般の保育園で障害児保育を行う場合、担当の保育士として「加配保育士」という言葉があります。
加配保育士を配置する場合、園には国から支援金が配布されます。
加配保育士になるために追加で必要な資格はなく、保育士資格のみで応募できます。
保育所保育指針解説によると、保育施設で障害児を受け入れている場合は、「必要に応じて個別の支援計画を作成すること」とされています(※)。
そのため、園は対応する子どもの障害に合わせて、個別に支援計画を作成し、加配保育士もそれに基づき保育にあたることになります。
加配保育士に関する求人情報をみてみると、多くの保育園・認定こども園では、加配保育士をパート職員として雇用している傾向があります。
加配保育士のパートの時給は、1,200~1,500円程度が平均となります。
正規職員として雇用するケースもありますが、その場合は加配保育士としてだけでなく、フリーの保育士として各クラスの補助を担当するケースが多くなります。
保育園によっては派遣保育士が加配保育士を担うケースがあります。また、担当する障害児の登園日・保育時間に合わせて加配保育士の出退勤の時間を決めている園もあります。
【参考サイト】:厚生労働省 保育所保育指針解説
障害児保育にかかわる保育士の仕事内容は?
次に、障害児保育にかかわる保育士がどんな業務を行なっているかを簡単にご紹介します。
施設ごとに多少の違いはありますが、保育士の仕事内容としては、主に以下のようなものがあげられます。
障害児保育にかかわる保育士の仕事内容は、障害に合わせた支援の配慮や遊びの工夫という点において若干の違いがあります。
また通常の保育と大きく異なる点として、障害児保育では障害に合わせた「個別の支援計画」を作成します。
障害児の通所施設や療育施設では、個別の指導計画は児童発達支援管理責任者と呼ばれる事業所の責任者が個別支援計画を作成します。
一方、保育所の支援計画作成は義務ではありませんが、非常勤やパート職員の加配保育士であっても、支援計画の作成を任されるケースがあります。
ただ、基本的には保育士の役割は毎日の生活のサポートがメインとなるため、日常生活のなかでさまざまなサポートや遊びの提供を行なっていくことが日々の業務内容になります。
一般の保育園で加配保育士として働く場合は、障害のある子どものサポートをメイン業務として行うため、担任やクラス補助の保育士とは異なる動き方をしていくことになります。
一方、児童発達支援センターなどの療育施設では、1日のうち数時間だけ子どもの療育にあたるケースや、保育園のように朝から夕方まで子どもを預かり、そのなかで時間を分けて集団指導や個別の療育を行うケースなどがあり、保護者同伴のところもあります。施設によって保育士が担当する業務にも若干の違いがあります。
また、児童発達支援や放課後等デイサービスで働く保育士は、「児童指導員」として複数の利用児の保育にあたります。児童発達支援では事業所の特徴にもよりますが、保育園と似た働き方になることが多くなります。また、福祉サービスの一環として送迎業務を担うこともあります。
児童指導員について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
障害児保育にかかわる保育士が気をつけたいこと5つ
障害児保育にかかわる保育士は、障害に応じて適切な配慮とサポートを行う必要があります。以下に、障害児保育を行ううえで保育士が気をつけたいことを5つご紹介します。
障害児保育で気をつけたいこと①【一人ひとりをよく観察する】
障害児保育を行ううえでまず大切なのは、一人ひとりをよく観察することです。
障害や病名をひとまとめにして捉えるよりも、まずは目の前の子どもをよく観察し、「どんなことが苦手でどんなサポートが必要なのか?」”その子”に応じた支援を考えることが重要といえます。
障害があってもなくても、子どもの性格や個性によって保育士のかかわり方は変わってくるはずです。
それと同じように、一人ひとりに応じた配慮をしていきましょう。
障害児保育で気をつけたいこと②【障害の知識を身につける】
障害児保育を行う際は、病気や障害への知識が必要になります。
あらかじめ障害児保育や教育について学んでおくことも重要ですが、その機会がなかった場合も、担当する子どもの障害や病気について、その都度、勉強していくようにしましょう。
障害について理解を深めることで、適切な対応を取ることができるようになります。
特に、自閉症やADHDなどの発達障害は理解のある対応が重要です。対応を間違えると、二次障害を招くことにもなりかねません。
インターネットでも簡単に情報収集ができる時代ですので、自身で理解を深めていくようにしましょう。
障害児保育で気をつけたいこと③【保護者とのコミュニケーションを大切にする】
障害児保育にあたる保育士は、保護者からよく話を聞くことも重要です。
同じ障害名をもった子どもでも、得意不得意や好みは子どもによって大きく異なります。
そのため、子どもの特性を一番理解している保護者に話を聞くことが、子どもに合わせた対応を行う際の一番の近道になります。
好きな遊びなどを事前に聞いておくだけで、子どもに合わせた遊びや保育を提供しやすくなります。
障害児保育で気をつけたいこと④【子どもに合わせてサポートの程度を考える】
障害児保育では、子どもに合わせてサポートの程度を考えることも重要です。
障害によってできないことがあると、色々なことをサポートしてあげたくなりますが、子どもの成長を考えると手を出さずに見守ったほうがいいシーンというのもあります。
そのラインの見極めも、担当する保育士の大切な仕事です。
障害特性や個性を理解したうえで、どの程度のサポートが適切なのかを考えていきましょう。
障害児保育で気をつけたいこと⑤【周囲や専門機関に相談する】
障害児保育では、周囲との情報共有・連携が欠かせません。
同僚保育士と連携し相談することはもちろん、職場内で解決できない場合は関連機関への相談も考えましょう。
例えば、加配保育士として働いており、身近に障害児支援について相談できる人がいないときは、子どもが通う療育センターなどに相談することもできます。
専門知識を有する相手に相談することで、正しい対応を知ることができるでしょう。
子どもの支援で悩んでしまうことがあるときは、迷わず周囲や専門機関に相談するようにしましょう。
障害児保育の必要資格は現状【保育士資格のみ】
現在、障害児保育にかかわるために特別な資格は必要ありません。
保育士資格をもつ保育士であれば、だれでも障害児保育を行うことができます。
ただ、障害児保育の課題として担当保育士の専門知識や経験の不足が問題視されているため、今後は何らかの資格や研修が必要となる可能性も考えられます。
将来的に障害児保育にかかわりたいと考えている保育士の方は、十分なサポートを行うためにも障害児に関する医療や療育等の知識を身につけておくことをおすすめします。
次章で障害に関する知識を身につける方法をご紹介します。
子どもの障害に関する知識を深める方法は?
本章では、障害児保育に関する知識を身につける方法や、障害児保育に役立つ関連資格をご紹介します。
障害に関する知識の深め方①【障害児保育に関する本を読む】
障害児保育に関する情報を集めたいときは、インターネットなどを活用するのもいいですが、障害児保育関連の書籍を読むことをおすすめします。
インターネットは間違った情報が書かれていることもありますが、著名な学者などが書いたり監修していたりする書籍であれば、情報として信頼できます。
発達障害児への対応に関する書籍も多いため、ぜひ探してみてください。
障害に関する知識の深め方②【研修・セミナーに参加する】
障害児保育に関する研修・セミナーに参加してみるのもおすすめです。
最近では、zoomを活用したセミナーも多数あり、自宅から気軽に参加できます。
こくちーずプロなどのセミナー情報を集めたプラットフォームから、簡単にオンラインセミナーを探すことができます。
障害に関する知識の深め方③【関連資格を取得する】
障害児保育に関連する資格としては、以下のようなものがあります。
障害児保育に関する【民間資格】
【児童発達支援士】 ・一般社団法人 人間力認定協会が認定 参考:一般社団法人 人間力認定協会 児童発達支援士サイト 【発達障害児支援士】 ・四谷学院が認定 参考:四谷学院 発達障害支援士 |
どちらも民間資格であり、取得にお金はかかりますが、体形的に障害児支援や療育について学ぶことができます。
また、採用の際に資格があると知識があることの証明になり、採用にも有利になります。
児童発達支援事業所などで勤務を希望している場合は、「児童発達支援士」がおすすめです。
また、医療的ケア児に関する支援に携わりたい方や、病院で働く病棟保育士を目指す場合は、以下の資格を取得しておくと採用に有利になることがあります。
病棟保育に関する資格
【医療保育専門士】 参考:一般社団法人 日本医療保育学会「資格認定研修会の申し込み」 |
その他、学生の方であれば障害児保育のボランティアに参加してみるのもいいでしょう。
実際の現場を体験してみることで、向き不向きも判断でき、採用時のアピールにすることもできます。
障害児保育【魅力・メリット】
障害児保育の魅力は、個別のかかわりで深い支援ができる点です。
保育士の支援によって成長や発達の伸びが感じられれば、それが大きなやりがいとなります。
障害児保育では、保育士ならではの発想で”遊びのなかから発達を促す”こともできます。
また、障害児保育という仕事は社会で必要とされている重要な仕事です。
保育士として社会貢献をしている感覚を得られる点も、通常の保育では得られないメリットといえるでしょう。
障害児保育の魅力については、下記の記事でもより詳しいポイントや実際の転職体験談を掲載しておりますので、ぜひチェックしてみてください!
障害児保育【大変さ・悩み】
発達特性によって、かかわり方が難しい子どもも多いのは、障害児保育の大変さです。
いくら勉強を重ねても、最後は子ども一人ひとりと向き合う必要があり、個別に対応を考えていく必要性があります。
特に発達障害などの特性があると、「他の子へ手が出てしまう」「パニックで泣き叫ぶ」など対応に困る子どもも多く、対応する保育士の悩みとなるケースも少なくありません。
大変な面があるぶん、やりがいにもつながる仕事ですが、対応する保育士には気力と体力、根気が求められます。
障害児保育に向いている人
障害児保育に向いているのは、以下のような人です。
- 観察力がある
- 細かな配慮ができる人
- 社会に役立つ仕事をしたい人
それぞれ、以下に詳しくご紹介します。
障害児保育に向いている人①【観察力がある人】
観察力がある人は、障害児保育に向いています。
障害児保育では、うまく気持ちを言葉で伝えられない子どもとかかわるケースも少なくありません。
そんなときに、子どもが何に困っているか、何を求めているかを見抜くことができると、子どもに寄り添った対応が可能になります。
障害児保育に向いている人②【細かな配慮ができる人】
細かな配慮が得意な人も、障害児保育に向いています。
例えば、この子にこれは苦手そうだなと思う活動があれば解決策を準備しておくなど、先回りの配慮ができると子どもの困りごとを減らすことができます。
障害児保育に向いている人③【社会に役立つ仕事をしたい人】
社会貢献ができる仕事に就きたいと考えている人にも、障害児保育は向いています。
障害児保育は社会から必要とされる仕事であり、社会的にも重要性が叫ばれています。
専門知識を学びながら自分にしかできない保育や療育を行なっていけば、大きなやりがいを手にすることができるでしょう。
障害児保育に向いていない人
一方、障害児保育に向かない人もいます。次のような人は、障害児保育に向いていない可能性があります。
- 感情的になりやすい人
- 体力がない人
それぞれ、以下に詳しくご紹介します。
障害児保育に向いてない人①【感情的になりやすい人】
感情的になりやすい人は、障害児保育に向いているとはいえません。
例えば、障害によって「できない」ことはそれぞれ異なりますが、対応する保育士は「できるまで待つ」ことも重要です。
そこで保育士がイライラしてしまえば、子どもを傷つけてしまうことにもなりかねません。
また病気を抱えた子どもは医療的ケアが必要なこともありますし、緊急の事態に陥る可能性も考えられます。
そうしたときにも、担当の保育士は冷静に対処しなければなりません。
よって、不安や怒りなど感情コントロールが苦手な人は、障害児保育に向いていない可能性があるでしょう。
障害児保育に向いてない人②【体力がない人】
体力に自信がない人は、障害児保育に向いていない可能性があります。
保育の世界は、ただでさえ体力勝負です。
障害にもよりますが、障害児保育では常に落ち着かない子どもに付き添わなければならないケースも多くあります。
そんなときに体力がなければ、仕事として続けられません。
特に、放課後等デイサービスや加配保育士として働く場合には、子どもによって体力が必要になることを覚悟しておきましょう。
障害児保育【年収・給料】
障害児保育に携わることのできる施設には、以下のような種類があります。
それぞれ施設によって多少の違いはありますが、障害児保育にかかわる仕事の給料は、一般の保育士とそこまで大きな違いはありません。
よって、年収で320~330万円程度が平均となります(※)。
【参考サイト】:厚生労働省 保育士の平均賃金
児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどの通所施設で勤務する場合、多くの求人サイトでは初任給の月額17万円〜25万円程度ですが、児童発達管理責任者などの役職を目指すことで、施設によって月額35万円程度まで給料アップを期待できます。
なお、病棟保育士として働く場合で大病院が雇用元のケースでは、給与水準は高めになる傾向があります。詳しくは以下の記事でご確認ください。
また、公立の発達支援センターで公務員保育士として勤務する場合は、給料も地方公務員の水準となります。
ただし、公務員は自治体によって配属先が変わるケースがあるため、希望の職場を選べないデメリットがあります。
障害児保育施設【求人状況・探し方】
障害児保育を行う施設で働くためには、施設が出している求人に応募し、採用される必要があります。
まずはどの施設で働きたいかを考えたうえで、求人を探していきましょう。
以下に、障害児保育施設の求人状況や、新卒・転職・復職の場合の求人の探し方をご紹介します。
障害児保育施設【求人状況】
障害児保育施設の求人状況としては、放課後等デイサービスや児童発達支援の求人数が特に多くなっています。
「発達支援 保育士 求人」等で検索すると、インターネットからもすぐに求人を探すことができます。
加配保育士の求人はパートが多くなりますが、「加配保育士 正規職員 求人」のように探すと、正規職員の求人もいくつか見つかります。
一方、病棟保育士の求人はそこまで多くなく、狭き門となっています。
転職・復職の場合【求人の探し方】
転職の方は、「保育士人材バンク」をはじめとする保育士専門の求人サイトに登録することをおすすめします。
保育士専門の求人プラットフォームでは、所有資格や希望条件から求人を絞って検索できるため、効率的な職探しが可能になります。
子育て中など地域で働きたいという方は、地域の情報誌や新聞の広告欄をチェックすると、地元の求人情報が掲載されていることがあります。
新卒の場合【求人の探し方】
新卒の場合、まずは学校に届く求人をチェックしてみましょう。
保育の養成学校には一般に公開されない求人情報もあります。
また施設側も新卒を想定して求人を出しているため、採用率が高い傾向にあります。
その他、ハローワークやインターネットから求人情報を探すのもいいですし、「保育士人材バンク」のような保育士専門の求人サイトをチェックすることで、効率的に条件に合う求人を探せます。
障害児保育施設の求人へ応募する場合の履歴書の書き方
最後に、障害児保育を行う施設の求人へ応募する際の履歴書の書き方や面接のポイントをご紹介します。
障害児保育施設【志望動機の書き方】
履歴書の志望動機の欄を書く際は、以下のポイントを踏まえて記載しましょう。
- 施設の特徴を踏まえ具体的な理由を記載
- 熱意を伝える
ポイントとして、「この施設でなければならない理由」が書かれていると、相手に響く志望動機になります。
具体的な理由とともに、熱意をしっかり伝えるようにしましょう。
障害児保育施設【自己PRの書き方】
履歴書の自己PRを書く際は、以下のポイントが大切になります。
- 自分の強みをアピール
- 施設にとってのメリットを伝える
自己PRでは、「志望する施設にとって、自分を採用することでどんなメリットがあるのか?」を書くようにするといいでしょう。
障害児保育施設【面接のポイント】
障害児保育にかかわる保育士の面接では、特に人柄が重視される傾向があります。
「明るい」「優しそう」などポジティブな印象を与えられるよう、ハキハキとした受け答えと笑顔を心がけましょう。
障害児保育【まとめ】
障害児保育は、障害のある子どもの居場所をつくり発達を支援する大切な仕事です。
現状は、保育士資格のみで障害児保育に携わることができますが、保育士は常に学び続ける姿勢をもって、専門知識を深めていく必要があります。
障害児の支援は大変なことも多いですが、その分、大きなやりがいを感じられる仕事といえます。
もしもこれから障害児保育に携わりたいと考えている方は、積極的にセミナー等に参加するなどし、知識を深めていってください。
なお、保育士の求人を探す際は、ぜひ保育士人材バンクをご活用ください。
保育士人材バンクでは、障害児分野に力を入れており、全国の保育士求人を条件別に簡単検索することが可能です。
転職や復職をサポートするキャリアパートナー制度もご用意していますので、確実な就職をご希望の方にも最適です。
以下リンクより無料登録し、まずは求人を探してみてくださいね。